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最終更新日 :2024.07.09
ネットワークエンジニアとは、インターネットの通信環境を快適に利用できるようにインフラ部分を整える仕事です。ネットワークエンジニアはその仕事内容から需要が高く、将来性がある仕事と言われており、IT未経験で転職したいと考える方が多い職種です。未経験から転職できるか不安になる方もいますが、実は未経験からでもネットワークエンジニアに転職を成功させた方はたくさんいます。
本記事では、未経験でネットワークエンジニアに転職するためのポイントを解説します。転職市場の動向やどんな仕事内容なのか、向いている人など、紹介するので参考にしてみてくださいね。
辻 秀敏キャリアアドバイザー部 課長
前職では携帯電話販売、店舗責任者を経験。自身の転職活動の経験から、そのサポートをしていきたいと考えtype転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転職。現在はIT領域での転職支援を行っている。 監修者プロフィールを詳しく見る >>結論、未経験からでもネットワークエンジニアへの転職は可能です。なぜならIT業界は人材不足になっており、未経験の求人が多くなっているからです。
平成28年度に経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」には、2030年までには最大で約79万人のIT人材不足が起きると予測されています。実際、令和3年度に総務省が公表した資料には89.0%のユーザー企業がITの人材不足を感じており、人手が欲しいと考えている企業が多いです。
中途採用では、即戦力となる経験者の募集が主ですが、人手不足のため未経験者を募集し、自社で研修しエンジニアとして育てている企業もあります。以前は、完全未経験からの求人も多くありましたが、最近では実務経験が1年以上など条件にしている求人も増えており、徐々にハードルが上がっているのが現状です。
ですが、未経験だと転職が不可能というわけではありません。ネットワークエンジニアの求人の場合、運用保守を扱う業務では、未経験を歓迎している場合が多くあります。未経験からネットワークエンジニアを目指す場合は、まずは運用や保守からネットワークエンジニアとしての経験を積み、設計や構築を担当していくのがいいでしょう。
ネットワークエンジニアの仕事は主に、インターネットの通信環境を快適に使用できるように構築、運用していくことです。大きく分けて「設計」「構築」「運用、保守」の3つに分かれます。
「設計」とはクライアントが望んでいる要件を基に、システムを作るための条件や設定を具体的に決めていく作業のことです。
「構築」とは、「設計」で確定した内容を基に、機器を実際に接続したり、設定したりしてシステムを完成させることです。
「運用、保守」では、完成して稼働し始めたシステムを継続的に安定した状態で維持させるために管理します。未経験者が最初に担当することの多い工程です。
ネットワークエンジニアの仕事では、システムを制作する時に「設計」「構築」「運用、保守」の流れで作業することが多くなります。未経験からの場合は「運用、保守」から始まることが多く、経験を積んでいく中で「構築」や「設計」に携われるようになっていきます。
ネットワークエンジニアの仕事内容について、詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:ネットワークエンジニアの仕事内容は通信基盤の管理!転職を成功させる方法まで紹介
ネットワークエンジニアの仕事は今後もなくなりづらく、将来性のある職種だと言えます。なぜなら、システムにおいてネットワークは不可欠であり、その需要がなくならない限り、ネットワークエンジニアは求められると考えられるからです。
特に「2025年の崖」と言われている現代ではIT化が加速しており、ネットワークエンジニアの仕事は必要不可欠です。「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に警鐘を鳴らした、IT技術の遅れによる経済損失の予測のことで、DX化に力を入れている企業が年々増加しています。
各企業のDX化が進むと、ネットワークがさらに必要となり、ネットワークエンジニアに需要が生まれるため、今後も需要が高いと言えるでしょう。
ただし、将来的にはネットワークエンジニアも、クラウドでの業務が主流になると予測されます。現在ネットワークエンジニアは、社内でハードウェアやソフトウェアを保有し管理する「オンプレミス」が主流です。近年、少しずつ社内で機器を持たずにインターネットを通じて、サービスを必要な分だけ利用できる「クラウド」を使用する場面が増えてきています。
今後はオンプレミスだけでなく、クラウド環境に対応できるネットワークエンジニアが求められるため、スキルや知識の向上を図る必要があるでしょう。
厚生労働省によるとネットワークエンジニアの平均年収は534.6万円と言われています。
国税庁が令和4年に発表している平均年収は458万円と言われているため約76万高く、給与としても高い水準と言えるでしょう。
ネットワークエンジニアは、20代の間は年収は国民平均以下ですが、30代以降は平均を超え始めます。最も平均年収が高い年齢は55歳〜59歳の約732万円です。前述したように、今後もIT技術の需要は高まっていくとみられ、将来的には今回紹介した平均年収がさらに上がるかもしれません。
ここでは、未経験でもネットワークエンジニアに向いている人の特徴を4つ紹介していきます。
論理的思考力がある人はネットワークエンジニアに向いています。なぜなら、ネットワークエンジニアの仕事の中でネットワーク環境を設計したり、トラブル対応をしたりするため、論理的に課題を見つけて解決していく能力が求められるからです。
例えば、ネットワークの設計を任された時に、要件定義に合わせて正しい設計ができているのかを考えたり、抜け漏れが発生していないかを考慮したりする必要があります。もし、設計で抜け漏れが発生すると構築を始めた時に必要な機器が揃っていなかったり、重大なミスが出たりする恐れがあります。
論理的思考力を持つネットワークエンジニアは、問題を効率的に解決し、効果的なネットワーク設計を行うことができます。
ネットワークエンジニアの仕事に必要な知識やスキルは幅広く、最新のネットワーク技術やプロトコルに興味を持ち、自己学習を続ける姿勢が重要です。技術の進化が速い分野なので、常に新しい知識を吸収する意欲が求められます。
具体的に覚えておきたい基礎知識は、以下の通りです。
・ITの基礎知識:ファイアウォールなどのセキュリティ系、IPアドレスなど
・ネットワークの専門用語:WAN、LAN、機器の名称、クラウド環境など
・機器のコマンド設定:Ciscoコマンドなど
・プロトコル:TCP/IP、httpsなど
インターネットを活用したり、技術書を読んだり、資格取得を目指したり、自ら進んで学び、実務で活用することで、ネットワークエンジニアとしての成長に繋がります。
ネットワークエンジニアは、障害対応や緊急のメンテナンス、夜勤など、ストレスの多い状況でも冷静に対処できる体制が必要です。
ネットワークは24時間365日稼働し続けるため、土日や夜間であっても監視をしたり、トラブル対応をすることも。勤務形態によってはシフト制や夜勤などもあります。
大規模なネットワークメンテナンスやアップグレード作業など、長時間にわたる作業が必要になることがあります。特に夜間や週末に行われることが多く、疲労が蓄積することもあるため、上手にリフレッシュすることが重要です。
ネットワークエンジニアは機器を触るのが好きな人に向いています。なぜなら、構築や運用、保守の中で実機を触りながら作業することが多いからです。ネットワークエンジニアは主にルーターやスイッチ、LANケーブルなど幅広くネットワーク機器を使って仕事をすることになります。
例えば、構築の時は設計で決めた設定を機器の中に追加していく作業があったり、システムの異常が検知された時は、実際に状況を確認して機器の中を触ったりする必要があります。
機器の設定を触ることもあれば、ケーブルを差し込んで綺麗にまとめるなど物理的に触ることもあるため、機器を触るのが好きな方は向いているでしょう。
ここでは、未経験からネットワークエンジニアになる手順を4ステップで解説していきます。
まずは、現状の自己分析をしましょう。自己分析すると、「転職したい理由」「自分のスキルや強み」「転職でなにを実現させたいのか」が整理できます。自分の考えがまとまるので、転職の軸が定まり転職活動がしやすくなるメリットも。また、面接の中でもアピールがしやすくなるため面接に有利になります。
自己分析する上で、おすすめの内容は以下の通りです。
転職理由:なぜ前職を転職しようと考えたのか、どの部分が自分に合わなかったのかなど
スキルや強み:今まで仕事で身につけたこと、持っている資格、得意なこと(忍耐力、継続力、論理的思考力など)
転職でなにを実現させたいか:収入を上げる、手に職をつける、残業を減らす、キャリアアップするなど
次に、ネットワークエンジニアの仕事に活かせる資格の取得を目指しましょう。資格を取ることで、やる気をアピールできたり、基礎の知識が身についていると証明ができたりするため、転職が有利に働きやすくなります。
特に未経験の場合は、ネットワークエンジニアの仕事の理解を深めるためにも、資格の勉強をおすすめします。実際に勉強することで、「実は苦手な分野だった」「興味が持てる」など、自分がイメージしていたネットワークエンジニアの仕事とのギャップを埋めることができるでしょう。
憧れて転職するのも大事ですが、転職後のギャップに後悔してしまう場合があるため、事前に資格の勉強をして、自分に合っているかを判断するようにしましょう。
未経験からネットワークエンジニアに転職をしたい方におすすめな資格は、CCNA、基本情報技術者試験の2つです。
CCNAとはネットワークエンジニアの登竜門と言われている資格です。
世界最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズが行っている試験で、ネットワークの基礎からネットワーク機器に関する問題、IPアドレスやセキュリティまでを幅広く出題しています。
基本情報技術者試験は、独立行政法人IPAが発行している国家資格の1つで、ITエンジニアの登竜門と言われている資格です。出題範囲は、基礎的な理論や技術を含めた「テクノロジ系」システム開発や運用を問われる「マネジメント系」、経営戦略や企業活動などの「ストラテジ系」の3つから出題されます。
最初の選び方として、ネットワークエンジニアの基礎を学びたい方は「CCNA」、ITエンジニアとしての基礎を学びたい方は「基本情報技術者」がおすすめです。
関連記事:インフラエンジニアの未経験転職に資格は必要?おすすめの国家資格・ベンダー資格を解説
未経験からIT業界に転職する時に準備しておきたいポイントが3つあります。
・面接の回答をあらかじめ準備する
・企業が求める人物像を理解した上でアピールポイントをまとめておく
・自己学習している内容を書類に記載する
面接ではよく聞かれる質問があるため、あらかじめ準備しておくことが重要です。特に、未経験転職の場合は「なぜこの業界・会社で、ネットワークエンジニアとして働きたいのか」を必ず聞かれます。自分がなぜIT業界を選んだのか、なぜ今の会社を志望したのか、ネットワークエンジニアになりたいのかを答えられるように、準備しておきましょう。
次に、企業が求める人物像を理解した上でアピールポイントをまとめておく必要があります。未経験であっても、前職の経験が活かせることが多くあります。例えば、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力、論理的な思考力などの「ポータブルスキル」は、職種や業種が変わっても活かせるスキルです。
求人情報や企業の採用ページなどを確認し、求めるスキルや人物像にマッチしたアピールができるとベストです。自己PRをする際は、具体的な数値やエピソードを添えると、採用担当者がイメージしやすくなります。
また未経験の場合は、資格取得などの自己学習していることも意欲のアピールに繋がります。業務で使う内容をすでに勉強していると業務に前向きに取り組んでいたり、始める時には基礎的な知識を持っていたりするかもしれないと採用担当者に感じてもらえ、今後の伸び代も考慮し採用してもらいやすくなります。
履歴書や職務経歴書が完成したら、内容が間違っていないことや誤字脱字がないことを確認します。応募要件を満たしていることが伝わるように情報を過不足なく書いたり、難しい専門用語を避けたりするなどのチェックも忘れないようにしましょう。
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関連記事:【職務経歴書の書き方】簡単に作れるテンプレート・フォーマット付き
自分の条件に合った企業を探すために、転職エージェントを利用しましょう。キャリアアドバイザーに仕事を探してもらうと、求人票だけではわからない研修制度や社内体制なども確認できるため、入社後でのミスマッチも減らせます。
また、自己分析や面接対策などもプロの目線から一緒に考えてくれたり、ブラッシュアップしてもらえたりすることが可能です。キャリアアドバイザーには、転職するかどうかや自分の市場価値など転職やキャリアに関することであれば、相談可能です。
例えば、
・ネットワークエンジニアとしての適性があるか
・前職や今までの経験の中で活かせるスキルがあるか
・通過率を上げるためのアピールはどうするべきか
未経験の転職は一人でするのは大変です。自分に合う企業を探したり、より転職を成功させたりするために転職エージェントの利用をおすすめします。
初めて転職する方やIT業界に転職したい方はtype転職エージェントにご相談ください。type転職エージェントはITエンジニアの転職に強く、未経験からネットワークエンジニアへの転職支援実績も豊富にあります。あなたの経験や状況に合わせてアドバイザーが転職するまで丁寧にサポートします。
未経験であってもネットワークエンジニアへの転職は可能です。ネットワークエンジニアの仕事内容や将来性などを理解したり、実際に資格の勉強など自己学習することが重要です。面接では、転職理由や志望動機など詳しく聞かれるので、十分に対策をして臨みましょう。
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