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最終更新 : 2023.02.06
ビジネスシーンで書類を郵送する際に同封するのが送付状(添え状)です。転職活動で履歴書を送ったときに、採用担当者が最初に目にする文書でもあります。ただし、送付状・添え状の役割や正しい書き方を知らないと、応募書類を送る際にふさわしくない内容や体裁で作成してしまい、マナー違反とみなされる可能性もあります。
そこで本記事では、送付状・添え状の役割や書き方のポイント、転職活動時にやってはいけないNG例を解説します。基本フォーマットも紹介しますので、作成する際にぜひ活用してください。
藤岡 広慧キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー送付状とは書類を郵送する際に同封する文書のことで、添え状とも呼ばれます。ビジネスの場では送付状を添えるのがマナーとされていますので、転職活動中に企業へ履歴書や職務経歴書を郵送するときも、送付状・添え状を忘れずに同封してください。
送付状にはいくつかの役割があります。最も重要なのは、「誰が・誰に・何を・どのくらい」送ったのかを伝えることです。書類を送った相手が所属する企業名や部署名はどこか、郵送した書類や履歴書なのか職務経歴書なのか、それが何通あるのかなどを文章で明記することで、受け取った人はすぐに中身の概要を把握できます。送付状を見れば何が送られてきたかひと目でわかるので、書類の種類や数が違っていたり、別の部署に届いたりといった行き違いやミスがあった場合もすぐに確認できます。特に多数の応募書類を受け取る採用担当者にとっては、中身を一つ一つチェックする手間と時間が省けるのがメリットです。
また、挨拶状としての役割もあります。人に何かを渡すとき、本来であれば直接会って、挨拶とともに手渡すのが最も丁寧な方法です。しかし郵送の場合は、ものだけが相手に届きます。それだけでは素っ気なく感じられるので、対面の時と同様に相手への礼儀や敬意を示すため、挨拶状として送付状を同封するのです。
書類に関する補足事項や相手への短いメッセージを送付状で伝えることもできます。企業に応募書類を送る場合なら、「ぜひ面接の機会を頂ければ幸いです」といった一言を送付状に書き添えることが可能です。
転職活動中に企業へ書類を送る際、送付状・添え状を同封することで、基本的なビジネスマナーが身についていることを伝える一つの材料になります。応募書類だけを封筒に入れるのは、対面で会った時に挨拶なしでいきなり仕事の本題に入るようなもので、人によっては失礼だと受け取られます。
送付状がなかっただけで採用の合否に直接影響することはありませんが、企業や採用担当者によってはこうしたマナーを気にする人もいます。また先ほど説明した通り、送付状があると採用担当者が書類確認をする際の負担が少なくなるので、送付状が抜けていると「相手への気遣いができない」という印象を抱く人もいるかもしれません。
書類選考が始まる前の時点で余計なマイナスイメージを与えないためにも、応募書類を送る際は必ず送付状を同封しましょう。
送付状・添え状は、A4サイズの用紙1枚で作成します。手書きではなく、パソコンで横書きにするのが一般的です。履歴書や職務経歴書も横書きなので、送付状もそれに合わせると統一感が出ます。もし手書きにする場合は、便箋に縦書きにします。
文書作成ソフトはWord、フォントは明朝体やゴシック体を使います。装飾などもせず、ビジネス文書としてシンプルに仕上げてください。目立とうとして変わった書体やカラフルな色を使うのは避けましょう。
送付状に書くべきことやフォーマットは決まっています。基本的な文章構成と記載する要素を以下で説明します。
書類を投函する日付を右上に書きます。書類や送付状を作成した日付ではないので注意しましょう。西暦・和暦はどちらでも構いませんが、同封する履歴書や職務経歴書と統一してください。
日付から一段下げた左上に、応募する企業名と担当部署名を書きます。「人事部宛てに書類をお送りください」と指示があった場合は、「株式会社○○ 採用ご担当者様」または「株式会社○○ 人事部御中」とします。「人事部△△宛てに書類をお送りください」と担当者名まで指定があった場合は、「株式会社○○ 人事部 △△様」とします。株式会社を(株)などと略さず、すべて正式名称を書きましょう。
自分の名前と住所・電話番号・メールアドレスなどの連絡先を書きます。住所を書く時は、郵便番号から始めて建物名や部屋番号まで正しく記載します。応募企業の宛先より下に位置するように記載してください。
送付の目的を短く書きます。「応募書類送付の件」「履歴書・職務経歴書の送付について」などとすればよいでしょう。
正式な手紙のマナーを守って、「拝啓」から入り、挨拶文を続けます。手紙の書き出しに使う頭語はいくつかの種類がありますが、「謹啓」「謹白」は送付状に使うには堅苦しく、「前略」「草々」はビジネスシーンにはふさわしくありません。挨拶文は「貴社におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」「貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などの定型文を使えば問題ありません。
続いて、求人に応募する意思を伝えます。履歴書や職務経歴書などの応募書類を送付することをシンプルに伝えれば十分です。
自己PRは必須ではありませんが、3行ほどで短く簡単な自己PRを入れてもいいでしょう。その場合は、応募書類に書いた自己PRから要点を簡潔にまとめ、履歴書や職務経歴書の内容と矛盾する印象を与えないようにします。
ぜひ面接の機会をいただきたいという意思を伝えて結びの挨拶とします。最後は「何卒よろしくお願いします」で締めるのがビジネス文書のマナーです。
文章の末尾に、頭語に対応する結語を忘れずに入れてください。頭語が「拝啓」なら、結語は「敬具」です。書く位置は右寄せにしてください。
封筒に入れた書類の内容と枚数を箇条書きで記載します。企業が応募要項に書いている順番通りに「1. 履歴書 1通 2. 職務経歴書 1通」などと書きます。
最後に「以上」と書き、送付状の内容はここまでだと示します。
送付状はA4サイズ1枚に収めるのが基本ルールです。受け取った人がパッと見て封筒の中身を把握できるのがメリットなので、何枚にも渡るほどたくさんの要素を長文で記載してしまうと送付状の役割を果たせません。前項目で紹介したフォーマットに沿って、簡潔にまとめることを心がけてください。
送付状は英語で「カバーレター」と呼ばれるように、応募書類につける表紙のようなもの。採用担当者が封筒から書類一式を取り出した時、最初に目に入る書類であることが必要です。よって送付状を一番上に置き、その下に履歴書や職務経歴書などを重ねて封筒に入れましょう。応募書類が複数あるときは、フォーマットの(10)「同封書類」で書いた順番通りに重ねます。また、送付状と応募書類の上下が揃っているか、表裏になっているものがないかも確認してください。
送付状と応募書類一式は、クリアファイルに入れてから封筒に収めます。配送中に書類が折れ曲がったり、雨に濡れたりするのを防ぐためです。右利きの人が取り出すことを想定し、クリアファイル右側から書類を差し込みます。封筒はA4サイズを折らずに入れられる角形2号封筒を選んでください。
送付状を作成したら、誤字・脱字や記入ミスがないかを必ず見直しましょう。単純なタイプミスによる誤字・脱字や送付状に書くべき要素が抜けていないかといった基本的な確認はもちろん、複数の企業に応募する場合は、それぞれの企業に合った内容になっているかもチェックしてください。
共通のテンプレートを使い回すうちに、宛先の会社名や担当者名を間違ったり、以前作成した時の古い日付のままになっていたり、必要な書類の種類が違っていたりといったミスが起こりやすくなります。特に宛先に誤って他社名を書くようなことがあれば、応募企業に対して大変失礼になります。
上記の点に注意して送付状の内容を読み直し、必要な応募書類が一式揃っているか、送付状や書類の重ね方はマナーに則っているかなども確認した上で、封筒に入れるようにしましょう。
送付状・添え状の役割は、あくまで封筒の中身の提示と挨拶です。よって送付状に志望動機や自己PRを長々と書いてアピールする必要はありません。まったく書かなくても問題ありませんし、書くとしても3行程度で短くまとめるべきです。
志望動機や自己PRを伝えるのは、履歴書や職務経歴書の役割です。よってこれらの要素は応募書類でしっかりアピールすればいいのです。送付状に志望動機や自己PRを書きすぎると、それぞれの書類の役割を理解していないと見なされたり、マナーを知らないと思われたりして、逆効果になりかねません。いくら入社への熱意や応募企業への思い入れがあっても、送付状でそれを表現するのは控えましょう。
そもそも送付状に長文を書いても、忙しい採用担当者にはほとんど読んでもらえないと思った方がいいでしょう。A4サイズ1枚に収めるというルールを守るためにも、送付状は必要なことを簡潔にまとめるようにしてください。
勤務地や勤務時間、休暇日数などの就業に関する希望条件は送付状に書かないでください。希望条件があるなら、履歴書の「本人希望欄」に書くのがルールです。現在の会社の退職予定時期や入社可能な時期などの重要な情報も、気軽に送付状に書くべきではありません。
送付状の役割を無視して、それ以外の伝達事項を書くのはマナー違反であり、「自分の都合ばかり主張する人」という印象を採用担当者に与えるリスクがあります。自分にとってどんなにこだわりのある希望条件でも、送付状に書くのは避けるべきです。
転職回数が多い、ブランクが長いなど、転職に不利になりそうな経歴があるとき、送付状にその理由を書いてしまう人がいます。しかし履歴書や職務経歴書を見る前から長々と理由を説明されると、採用担当者は言い訳されているように感じてしまい、良い印象は持ちません。
「自分の経歴がネガティブな印象を与えるかもしれない」と不安になる気持ちはわかりますが、これも送付状に書くべきことではありません。送付状に必要のないことを書くと、それこそがネガティブな印象を与えてしまうことをよく理解しておきましょう。
すでに説明したように、送付状に書くべき内容は決まっているので、テンプレートを活用するのは問題ありません。ただしどの企業に対してでも使える定型文だけで作成すると、使い回しや手抜きをしているような印象を与える可能性があります。テンプレートを活用しつつ、応募企業や求人の内容に合わせて作成することが必要です。
履歴書を応募企業に持参する場合や面接官に直接渡す場合は、送付状・添え状は必要ありません。すでに説明した通り、送付状は対面で手渡すことができないときに、挨拶状や中身を確認するためのリスト代わりにつけるものだからです。採用担当者や面接官に手渡すときは、「履歴書をお持ちしました」などと中身についてひと言添えるといいでしょう。
ただし、間違って送付状をつけたとしても、それだけで評価がマイナスになることはありません。それよりも、郵送する場合に送付状をつけ忘れないようにすることが大事です。
送付状のテンプレートを用意しました。応募書類を郵送する際にダウンロードして使ってください。
送付状・添え状は書き方の形式が決まっているので、それに沿って作成すれば問題ありません。役割を理解し、自己PRや希望条件などを書かないように注意すれば、採用担当者にマイナスのイメージを与える心配もありません。用紙のサイズや封筒に入れるときの重ね方にも注意し、ビジネスマナーを押さえて応募書類を郵送しましょう。
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