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最終更新 : 2023.02.06
履歴書の「趣味・特技欄」には何を書けばいいのか、迷ってしまう人は多いようです。「仕事には関係ないので適当に書けばいいだろう」と思う人もいるかもしれませんが、実は趣味・特技欄にはきちんとした役割があり、採用担当者も書かれた内容をしっかり見ています。また書く内容を工夫することで、面接官に自分を印象づけたり、好印象を与えたりすることも可能です。そこで本記事では、履歴書の趣味・特技の書き方のポイントを具体的な例とともに詳しく解説します。
後藤和弥キャリアアドバイザー部 部長
総合人材サービス企業で人材紹介・派遣事業の運営、人事に従事。2004年よりtype転職エージェントへ。現在はキャリアアドバイザー部門の統括を務める。採用担当者は履歴書の趣味・特技から、その転職希望者がどんな人柄なのか、自社の社風に合うかなどを見ています。「入社後に会社に馴染めそうか」「チームワークを乱さずに仕事ができそうか」「一緒に働きたいか」などを推し量る際の材料の一つとして使われるのが、趣味・特技欄の情報です。
また、面接時に相手の緊張を和らげるために、趣味や特技の話をすることがあります。「趣味はボルダリングなのですね。どんなきっかけで始めたのですか。」などと、履歴書に記載した趣味や特技を掘り下げて質問される場合もあります。その際、適切な受け答えができなかったり、話が広げられなかったりすると、「嘘を書いたのだろうか」と思われる可能性がありますので、本当の自分の趣味や特技を書くのが大原則です。
とはいえ、履歴書の趣味・特技欄に書いたことが、採用選考の結果に直接影響を及ぼすことはありません。また、趣味や特技は仕事に直結することでなくても構いません。「趣味や特技がない」という人も、好きなことや興味のあること、長く続けていることを履歴書に書けば問題ありません。
趣味や特技には、個性や人柄が表れます。よって何も書いていない人に比べれば、印象に残りやすくなります。面接の場面で趣味や特技について話が弾めば、「ピアノが得意で3歳から続けている人だ」「週末にランニングで体を鍛えている人だ」といった印象を残せるでしょう。
趣味や特技がアピールの材料になることもあります。企業の応募条件や求める人物像に合った趣味や特技があれば、ぜひ記載しましょう。例えば「趣味:ピアノ。3歳から続けていて、得意な曲はショパンです」と書かれていれば、「継続力のある人」という印象を与えることができます。
自己啓発や自己学習について記載するのもいいでしょう。「特技:英会話。ネイティブとオンラインでよくコミュニケーションしています」「趣味:パソコン。プログラミングを独学中です」といった記載があれば、「学習意欲の高い人」「自ら努力し、成長していける人」などと印象づけることができます。
先ほども説明したように、採用担当者は面接で緊張をほぐすために趣味や特技の話をすることがあります。いきなり本題に入ると緊張したまま面接が進んでしまいますから、自分の好きなことや得意なことを話す機会が与えられれば気持ちも落ち着き、その後の質疑応答でも実力を発揮できるでしょう。
また採用担当者にとっても、「相手との距離が近づいた」「リラックスして話せた」という好印象が残ります。面接時に会話の糸口になるのも、履歴書に趣味・特技を書くメリットです。
趣味・特技欄の書き方にルールはありませんが、わかりやすく簡潔に書くことが大事です。具体的な内容を一言加えると伝わりやすくなります。
趣味・特技欄は箇条書きにするのが一般的
このように、箇条書きで趣味や特技を書いてから( )で詳細を補足すると読みやすくなります。具体的な内容が書かれていることで、会話の糸口になったり、人柄が伝わりやすくなったりします。
文章で書く場合は短くまとめる
文章で書く場合も、上記のように短くまとめます。無理に長く書こうとする必要はありません。
なお、趣味や特技の欄にたくさんの情報を書く必要はありません。1項目か2項目程度に絞ります。自分がしっかり話せる趣味や特技でないと、面接で質問されたときに困るので、嘘を書いたり誇張したりせず、本当のことを素直に書きましょう。
【書き方のポイント】
習得したスキルや資格、自己学習しているもののうち、応募企業の採用条件や求める人物像にマッチする趣味・特技があれば記載します。応募企業の業界や入社後の仕事内容を踏まえて、何を書けば効果的かを考えましょう。
趣味・特技の内容は具体的に書くのがポイントです。プログラミングを独学で身につけたのであれば、「どんな言語で何を作成したか」や実績まで詳しく書きます。PCスキルなら「○○関数ができる」「マクロが組める」など、業務に活かせる内容を書くと効果的です。語学であれば、どの程度のレベルなのかを読み手がイメージできる情報を書くといいでしょう。取得済みの資格があれば、忘れずに書き添えてください。
【書き方のポイント】
昔から継続していること、習慣、好きなことを率直に書いています。具体的な内容を書くことで、採用担当者が想像しやすくなります。継続している人、行動力のある人など、人柄も伝わりやすく、自己PRに繋がることもあります。
よくある趣味も、具体的な数や内容を書くことで会話の糸口になります。趣味が舞台鑑賞なら、ドイツでオペラを観たことがあると書き添えれば、「海外に観に行くほど好きなの?」「現地で観た感想は?」などの質問が思い浮かぶでしょう。
このように面接官が気になってつい質問したくなるようなエピソードを書いておくことが、趣味・特技を会話の糸口にする秘訣です。
履歴書は学歴や職務経歴などを記した応募書類であり、就職や転職の選考に使われるため、嘘偽りのない正しい情報を書くことが求められます。よって趣味や特技も率直に書くことが前提ですが、なかには本当のことであっても書かないほうが良いものもあります。
競馬やパチンコなどのギャンブル、政治・宗教など思想に関わるものはその代表格です。ギャンブルは金銭トラブルにつながることも多く、良い印象は持たれません。政治や宗教もビジネスの場では避けたほうがいい話題です。
基本的には自分の趣味や特技を書けば問題ありませんが、社会人として守るべき常識の範囲はあるということです。履歴書の趣味・特技が選考に直接影響を与えることはありませんが、ビジネスパーソンとしてふさわしくない内容は書かないようにしましょう。
「自分には趣味や特技が何もない」という人は、毎日欠かさずしていることや日常で時間をかけていること、好きなことや興味があることなど、さまざまな切り口から自分自身を振り返ってみることをおすすめします。プライベートだけでなく、仕事で得意なことや楽しいと感じることなどに着目するのも良い方法です。
振り返りをする際は、「どれくらいの時間をかけているか」「どれだけの量をこなしているか」といった数値や、好きだと感じるポイント、続けるために工夫していることなどを具体的に書き出してみるといいでしょう。その中から「自分はこれが得意なのかもしれない」と思えるものが見つかるはずです。
「趣味」「特技」と聞くと、特殊なことや素晴らしい実績があることを書かなければいけないように思いがちですが、履歴書に書く場合はもっと身近なことでも構いません。例えば、一度会った人の名前と顔を忘れずに記憶できるとしたら、それも立派な特技です。履歴書に「趣味:暗記力(一度お会いした方の名前と顔は忘れません)」と書かれていたら、採用担当者も印象に残るはずです。
映画鑑賞や読書といったよくある趣味も、具体的な数値とともに記載すればインパクトが出ます。「趣味:映画鑑賞(動画配信サービスで洋画を中心に月8本ほど観ています)」「趣味:読書(海外ミステリーが好きで月5冊は読みます)」などと書けば、よくある趣味でも印象に残りやすくなります。
趣味・特技欄に書くことがない、何を書いたらわからないとお悩みの方におすすめしたいのは、趣味・特技欄がない履歴書を使う方法です。企業から指定のフォーマットがある場合はそちらに従いますが、基本的には形式は自由です。今までもお伝えしたとおり選考に直接影響はない項目です。趣味や特技で何を書けばいいか悩んで書類が完成しない、応募ができないというほうが本末転倒。志望動機と同じ項目になっているもの、趣味・特技欄がないものなど自分が書きやすいフォーマットを選ぶとよいでしょう。
履歴書のテンプレートを用意しました。自分に合ったフォーマットをダウンロードして使ってください。
学歴・経歴欄、資格、志望動機欄、通勤時間、扶養家族、配偶者の有無、本人希望記入欄などを踏まえた、一般的とされるA3履歴書フォーマットです。
選考上必要な項目だけに絞った、おすすめの履歴書です。学歴・経歴、特技・趣味、資格、本人希望欄のみ(志望動機欄無し)のA3履歴書フォーマットです。
履歴書の趣味・特技欄は、自分らしい趣味や特技を記載しましょう。書くことのメリットもあるので、記載するときは簡潔に伝わりやすく書きます。趣味や特技を書くのが難しい場合は、趣味や特技の記入欄がない履歴書を使うのも一つの手です。自分の書きやすい形式に合わせて履歴書のフォーマットを選び、採用担当者に好印象を与える履歴書を作りましょう。
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