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最終更新日 : 2023.01.20
履歴書には「本人希望欄」がありますが、具体的に何を書けばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。「どの程度の要望なら書いてもいいのだろうか」と悩んだことがある人もいるかもしれません。そこで、本人希望欄に書くべきことと書かない方がいいことの違いや書き方の注意点について詳しく説明します。
中嶋 千博キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー本人希望欄とは、「選考を受けるにあたって、事前に企業側に伝えておくべき特記事項」を記載するための項目です。例えば、入社後の働き方に制約がある場合や、選考過程における連絡方法、内定をもらった場合に入社可能な時期などを記入します。“希望欄”という名称ではありますが、自分が望むことを何でも書いていいわけではありません。基本的には、「採用選考を円滑に進めるために、どうしても企業側に知っておいてもらった方がいい最低限のこと」だけを書く欄だと考えてください。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
働き方や働く場所などに制約があり、「この条件が叶えられないと働けない」という条件がある場合は、それを記載します。例えば、「子どものお迎えのため、残業はできない」「親の介護のため、実家から通勤可能な勤務地でなければ働けない」といったケースです。こうした事情は前もって企業側に伝えておかないと、内定をもらった後で「うちの会社でその条件を叶えるのは難しい」と告げられて、結局入社できなかったということになりかねません。また企業側にとっても、内定を出した人が入社できなくなれば、採用選考にかけた時間や労力などのコストがすべて無駄になります。企業と転職希望者がお互いにとって不幸な結果にならないためにも、働く上でどうしても譲れない条件があれば、本人希望欄に必ず書きましょう。
例えば求人に「初任地は希望を考慮します」と記載があった場合、勤務地の希望があるなら本人希望欄に書いておくとよいでしょう。企業側から複数の選択肢が提示されている求人であれば、あらかじめ希望を伝えることで、企業側も採用計画を立てやすくなるので助かります。
採用選考が始まると、面接日の調整などで企業から電話連絡が入ることがあります。現職の都合で電話に出られない時間帯がある人は、希望欄に「電話に出られない時間帯」と「電話がつながりやすい時間帯」を書いておきましょう。事前に電話がつながりやすい時間を伝えておくことで、採用担当者とのコミュニケーションが円滑に進みます。
内定をもらっても転職先にすぐ入社できない場合は、入社可能な時期を本人希望欄に書いておくとよいでしょう。企業側は事業計画や組織計画に合わせて採用スケジュールを組むので、内定をもらった後で急に「入社時期を遅らせて欲しい」と言い出すと、転職先に迷惑をかけることになります。「引き継ぎの関係上」「社内規定により」などと理由を書き添えた上で、確実に勤務を開始できるのがいつになるのか記載してください。
一方で、本人希望欄には書かない方がいいこともあります。1つは、給与や待遇に関する要望です。これらの希望を履歴書に書くと、採用担当者に「自分の都合ばかり主張する身勝手な人」というネガティブな印象を与えるリスクがあります。それに年収や待遇については、面接が進む過程で希望を伝えたり、会社と交渉したりできる機会があるので、採用選考の入り口となる履歴書の段階でわざわざ書く必要はありません。
もう1つは、「こうだったらいいな」という程度の願望です。前述の通り、本人希望欄に書くのは基本的に「この条件が叶えられないと働けない」というやむを得ない事情がある場合です。「子どものお迎えのために残業できない」なら書くべきですが、妥当な理由がないのに「残業はなるべく月10時間以内を希望」といった単なる願望を書くのは避けてください。
なお、特に本人希望欄に書くことがない場合は、「貴社の規定に従います」「貴社の規定に準じます」などと書けば問題ありません。空欄のままだと、手抜きや記載漏れを疑われる可能性がありますので、「特記事項はありません」と伝えるための一文を忘れずに記入してください。
採用担当者にとって、本人希望欄は「採用選考にあたって考慮すべきことはあるか」を確認するための項目です。選考過程において、企業側は転職希望者の能力や経験を見ると同時に、「本人が希望する条件や環境を自社が満たすことはできるか」を検討しながら選考を進めます。その人がいくら優秀で会社が欲しいと思う人材でも、本人が望む働き方を叶えることができなければ、長く働き続けてもらうことができません。採用担当者が本人希望欄を見るのは、こうしたミスマッチにつながる事実がないかを早い段階でチェックするのが目的です。
裏を返せば、本人希望欄は応募者のビジネスパーソンとしての資質や能力を判断するための項目ではないということ。よって、本人希望欄に書いたことがその人の評価に直接影響することはありません。本人希望欄の役割は、あくまで「転職希望者から企業へ事前に伝えておいた方がいいこと」を知らせるための連絡欄と考えてください。
本人希望欄には、あれもこれもと欲張ってたくさん書き過ぎないこと。それだけで採用担当者に「要求が多い人だ」というマイナスの印象を与える可能性があります。また、採用担当者は数多くの履歴書に目を通さなくてはいけないので、ダラダラと続く長い文章は好ましくありません。なるべく簡潔に読みやすくまとめるよう心がけてください。
本人希望欄に記載する際は、それがやむを得ない事情によるものだと伝えるため、必ず理由を書き添えてください。何の説明もなく、「残業はできません」「東京での勤務を希望します」とだけ書かれていたら、単なる本人のわがままだと誤解されてしまう可能性があります。電話がつながる時間や入社時期を記載する際も、「在職中のため」「引き継ぎの都合により」など、ひと言でいいので理由を添えると採用担当者も「それなら仕方ない」と納得できます。
たとえ子育てや介護などやむを得ない事情があっても、勤務時間や勤務地の要求だけをストレートに書くと、採用担当者によっては要求を突きつけられた気分になるかもしれません。もし「2年後には子どもが小学校に上がるので、それ以降は残業が可能です」といったフォローできる要素があれば、付け加えるとよいでしょう。
基本的に、本人希望欄はあれもこれもといくつもの希望を書く欄ではありません。企業側に事前に伝えておかなければ勤務に差し障りがありそうな「申し送り」をする欄です。ですから、記入する前に、その項目が自分にとってmustの要件なのか、wantの要件なのかを整理するようにしましょう。
例えば、給与の希望については履歴書に書かず、面接で確認するのがベター。むしろ、面接で給与について聞かれないことの方がまれです。もし書くとしても「給与については、貴社の規定に従います」程度の書き方が望ましいでしょう。もちろん、書かない方がより好ましいと思います。
私服勤務や「自分の気に入った機材を持ち込みたい」といったエンジニアの転職活動で最近よく見る希望条件は、予め転職エージェントに伝えておくか、面接や内定承諾の際などに伝えるようにしましょう。
気をつけたいのは、残業についてです。例えば「両親の体調が悪く、ケアが必要なため、週1~2回は定時退社を希望します」という、家庭の都合でどうしても必要な内容であれば、書くべきです。しかし特別な理由がないのに「残業は30時間以内を希望します」と要望を書くのはNG。かえって心象を悪くしてしまいますので、気をつけましょう。
「同居中の親の介護のため、自宅から通勤可能な関東エリアでの勤務を希望致します」
「子どもの保育園のお迎えがあるため、9時〜17時までの勤務を希望致します。なお、事前に残業になるとわかっている日は、家族にお迎えを代わってもらうなどの対応が可能です」
「在職中のため、平日9時〜17時は電話に出ることができません。土日は終日連絡が可能です」
「職場への携帯電話持ち込み不可のため、平日の10時〜19時は電話に出ることができません。留守番電話にメッセージを残してくだされば、こちらから折り返しご連絡致します」
「現在担当しているプロジェクトの都合により、入社できるのは10月1日以降になります」
「会社規定により、内定から入社までに2ヶ月頂ければ幸いです」
「子どもの保育園のお迎えがあるため、テレワークを希望いたします」
「同居中の親の介護のため、テレワークを希望いたします」
企業側にその条件を実現できる環境がない場合は、採用が見送りになるケースもあります。例えば、「小さな子どもがいるため、リモートワークをしたい」と書いたとしても、リモートワークを行うためのパソコン環境やアプリケーションがそろっていない場合、実現が難しいこともあるでしょう。採用が見送りになる可能性もあるということを、頭の片隅に置いておきましょう。
また、私服勤務や希望年収、残業時間など「どうしても叶えられなくても支障のないこと」を書いてしまった場合、要望の多い人だと思われて、採用が見送りになるケースはあります。実現しなくても差し支えのないことを際限なく書いてしまっては、企業側に「要求の多い人だ」「入社後も、自分の権利ばかり主張するのではないか」と悪印象を持たれてしまう可能性があります。ご自身にとって「Wantの要件」を書くのは避けましょう。
「どうしても企業に伝えるべき最低限のことだけを書く」という基本を知っていれば、本人希望欄に記入するのはそれほど難しくありません。必要な事実だけを簡潔に記載して、効率よく履歴書を作成しましょう。
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