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最終更新日 :2023.1.27
履歴書に貼る写真は、採用担当者に与える第一印象を左右する重要な要素です。それだけに「どんな写真なら好印象なのか?」「撮影する際の服装は?」「形式やサイズに決まりはあるの?」などと悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、履歴書の写真で気をつけるべき形式のルールから、撮影する際の服装や髪型の注意点、撮影するのにベストな場所まで、詳しく解説します。
伊藤 直也エキスパートキャリアアドバイザー
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント履歴書に貼る写真には、いくつかの決まったルールやマナーがあります。それらが守られていなかった場合、採用担当者に「社会人としての常識が身についていない」という印象を与えかねません。まずは基本中の基本として、以下の点を守るようにしてください。
履歴書に貼る写真のサイズは、「縦4cm×横3cm」が一般的です。市販されている履歴書には写真の貼り付け枠があり、「縦36〜40mm、横24〜30mm」などと指定のサイズが記載されているものが多く、「縦4cm×横3cm」ならその枠内にきれいに収まります。
一般の人が使用する機会の多い証明写真としては、履歴書用の他に「運転免許証用」や「パスポート用」があります。運転免許証用は「縦3cm×横2.4cm」と履歴書用より小さく、パスポート用は「縦4.5cm×横3.5cm」と履歴書用より大きくなります。間違って他の証明写真用のサイズで撮影してしまう人も多いので注意しましょう。もし他のサイズで撮影してしまったら、もったいないからとそのまま使おうとせず、履歴書用の正しいサイズで撮り直してください。
撮影してから長い時間が経った写真を履歴書に使うのはNGです。その間に髪型や体型が変化して、現在は外見の印象が変わっている可能性があるからです。履歴書に使える写真の有効期限は、「3ヶ月以内」が目安とされています。「以前に撮影した写真があるからそれを使おう」と思う人もいるかもしれませんが、3ヶ月以上前に撮影した写真は使わず、新たに撮り直してください。
ただし3ヶ月以内に撮影した写真でも、髪型などを大きく変えた場合は、やはり新たに撮り直すことをお勧めします。履歴書の写真は「現在の自分の姿」を相手に伝えるためのものであり、実際に会ったときに実物と写真のギャップがあまりに大きいと、採用担当者や面接官を戸惑わせてしまいます。履歴書に写真を貼る目的をきちんと理解し、今の自分と写真の中の自分の印象を合わせることが大事です。
ルールに沿って適切な写真を撮影したら、履歴書に貼る前にやってほしいことがあります。それは、写真の裏面に自分の名前を書くこと。これは履歴書を提出した後で、もし写真が剥がれてしまったときに、採用担当者が誰の写真なのかを確認できるようにするためです。
きちんと貼り付ければ剥がれる可能性は低いかもしれませんが、万が一のときに採用担当者が混乱しないための相手に対する気配りや思いやりとして、名前を記入しておくことをお勧めします。念のためとはいえ、採用担当者の目に触れる可能性はゼロではありませんから、裏面に書く名前は読みやすく丁寧な文字で記入してください。
なお、写真を貼るときは、指定の位置の枠線に沿ってきれいに貼り付けてください。せっかくぴったりのサイズで撮影したのに、写真が曲がっていたり、枠線からずれたりしていたら台無しです。複数枚が映った写真シートを自分でカットして貼る場合は、「縦4cm×横3cm」の線に沿って、カッターと定規を使ってまっすぐ切り取ります。貼り方や切り方にも気を配って、印象の良い履歴書写真に仕上げましょう。
履歴書の写真を撮影する際の服装は、男女ともにジャケット着用が基本です。
男性はスーツにワイシャツ、ネクタイを身につけます。スーツは紺やダークグレーなどの落ち着いた色合いを、ワイシャツは白を選びます。ボタンダウンのシャツなどカジュアルな印象のものは避けましょう。ネクタイも派手すぎない色を選んでください。
女性はスーツかジャケットを身につけます。インナーはシャツやブラウス、シンプルなデザインのカットソーなどを選ぶといいでしょう。男性と同様、スーツやジャケットは紺やグレーなど落ち着いた色合いを、インナーは白や淡い色を選ぶのが無難です。
男性はシャツのボタンをしっかり留め、ネクタイもきちんと締めてください。 ネクタイが曲がっていないかも確認しましょう。ジャケットの肩幅やシャツの首回りが余っているとだらしない印象になるので、サイズが自分に合っていることも大事です。他にも、スーツやシャツにシワが寄っていないか、ホコリや汚れがついていないかなど基本的な身だしなみを確認してください。男女ともに清潔感のある服装を心がけることが重要です。
髪型はきちんと整え、目立つ寝グセや乱れがないようにします。前髪は目にかからないように短くカットするか、分けて横に流すなどしてください。目はその人の印象を決める重要なパーツなので、髪で隠れていると暗い雰囲気になり、自信がない人物のように見えてしまいます。
女性で髪が長い人は、顔まわりにも髪がかからないようにします。耳にかけて後ろへ流したり、一つにまとめたりして、表情が見えやすいスッキリしたヘアスタイルで撮影しましょう。
撮影する際は、正面を見て背筋をピンと伸ばします。猫背だと、やはり暗い印象を与えたり、自信なさげに見えてしまうので注意しましょう。普段から猫背気味の人は自分で気づいていないことも多いので、写真を撮影する前に鏡の前で自分の姿勢をチェックしてください。両肩を開いて脇を締め、胸を張るように意識すると、美しい姿勢を保てます。
表情は写真の印象を左右する大事な要素です。証明写真にありがちな無表情は、履歴書では避けるべき。採用担当者に好印象を与えるには、明るさや前向きさを感じさせる表情を意識しましょう。
とはいえ、歯が見えるほどの笑顔は、履歴書の写真としてはやりすぎです。逆にキリッと見せようとして、カメラを睨みつけるような表情になってしまうのもよくありません。
履歴書に最適な表情は、「自然な微笑み」です。具体的には、口を閉じたまま口角をキュッと上げます。あごは軽く引いて、目は軽く正面を見つめてください。あごが上がっていると人を見下しているような印象を与えますし、あごを引きすぎると上目遣いで媚びているように見えてしまいます。
こうした表情はその場でいきなり作ろうとしてもなかなか難しいので、事前に鏡の前で口角の上げ方やあごの位置などを確認しておくと安心です。
履歴書の写真は、写真館でプロのカメラマンに撮影してもらうのがベストです。高性能な機材を使い、照明の当たり方なども細かく調整してくれるので、仕上がりの美しさは素人が撮影する写真とは段違いです。
またカメラマンから表情の作り方や正しい姿勢についてアドバイスをもらえるのもメリット。ネクタイが曲がっていないか、シャツの襟が折れていないかなど、最終的な身だしなみのチェックも念入りにしてもらえます。写真館によっては、専門スタッフがヘアメイクをしてくれるところもあります。
より手軽な方法としては、証明写真機で撮るスピード写真があります。駅や商業施設など利便性の高い場所にあり、短時間で撮影できるのが魅力で、写真館より料金が安いのもメリットです。その代わり、カメラや照明の性能はプロが使うものに比べれば低くなりますし、表情や姿勢などを自分でチェックしなければなりません。その点を理解した上で選ぶなら、証明写真機で撮影しても構わないでしょう。
なお、いわゆる「自撮り写真」を履歴書に使うのは避けてください。写真館や証明写真機に比べて写真の質は明らかに劣りますし、そもそも重要な転職活動に自撮り写真を使うこと自体が「転職活動を軽く考えている」「転職に対する本気度が低い」といった評価につながります。採用担当者に与える印象は間違いなく悪くなることを知っておくべきです。
写真館で撮影するのがベストではあるものの、忙しくてどうしても時間が取れず、証明写真機で撮影せざるを得ない人もいるでしょう。でもせっかくなら、できるだけきれいに撮りたいもの。そのために、いくつかのコツを覚えておきましょう。
汗や脂はテカリや前髪の乱れの原因になります。撮影前にハンカチやあぶらとり紙で顔の汗や脂を抑えましょう。
一人きりでカメラを前にすると、どうしても緊張して表情がこわばりがち。事前に軽く顔の体操をして、筋肉をほぐしておきましょう。最も手軽なのは、口を大きく開けて「あ・い・う・え・お」の発音を何度か繰り返すもの。これで表情が自然と緩み、口角も上げやすくなります。
プロのカメラマンが人物を撮影するときは、光を反射させる「レフ板」という道具を使います。これで人物の顔が光で照らされ、影が消えてきれいに映る仕組みです。
レフ板がなくても、白いものならレフ板と同じように光を反射する役目を果たします。証明写真機で撮影するなら、白いハンカチやコピー用紙をひざに置くとよいでしょう。顔を下から照らしてくれるので、明るく鮮明な写真に仕上がります。
証明写真機の中には、肌色や肌質の補正が簡単にできるものがあります。肌のくすみやクマを目立たなくしたり、美白補正ができたり、逆に健康的な肌色にしたりと、機種によって機能はさまざまです。こうした補正機能をうまく使えば、スピード写真でもより良い仕上がりが期待できます。
履歴書の写真は、採用担当者が最初に目にするあなたの顔です。形式のルールを守り、撮影時に注意すべきポイントを知っておけば、良い印象を与えることができます。これから自信を持って転職活動に臨むためにも、自分にとってベストな写真を用意しましょう。
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