ゲームエンジニアの仕事とは?必要なスキル開発や未経験から目指す方法を解説

最終更新日 :2023.07.26

ゲームエンジニアの仕事とは?必要なスキル開発や未経験から目指す方法を解説

ゲームエンジニアは、ゲームの開発に欠かせない職種です。ゲーム好きの人のなかには、「ゲーム開発に携わりたい」と考える人も多いのでは。

本記事では、ゲームエンジニアの仕事内容や目指す方法などをわかりやすく解説します。気になる平均年収や向いている人の特徴も解説するので、ゲームエンジニアに興味がある人はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
監修者の中嶋 千博

中嶋 千博キャリアアドバイザー部 部長

【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー
航空会社で客室乗務員を経験した後、人生の重要な転機に関われるキャリアアドバイザーに魅力を感じ、「type転職エージェント」へ。以来IT領域専任のキャリアアドバイザーとして12年にわたり転職希望者をサポート。
卓越したIT領域のマーケット知識とインプットされた転職ノウハウを武器に、転職希望者と並走するパートナーとして新しいキャリアの可能性を提案し続けている。
type転職エージェントIT

ゲームエンジニアとは

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専門的な知識や技術を駆使して、ゲームを設計・開発する職種を指します。

一口にゲームエンジニアと言っても、工程によって作業者が異なります。例えば、音楽を担当するプログラマーやシナリオを作成するプログラマーなどです。ゲームは、様々な種類のプログラマーがチームを組んで作り上げます。

ゲームエンジニアの仕事の種類

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ゲームエンジニアの主な仕事内容の種類は、次のとおりです。

  • ・ゲームプログラミング
  • ・グラフィックプログラミング
  • ・ サウンドプログラミング
  • ・ ネットワークプログラミング

ゲームプログラミング

ゲーム制作は大きく「企画職」「開発職」に分けられます。立ち上げられた企画の開発を進めていくのが、ゲームプログラマーの役割です。作られたシナリオに沿って、ゲーム上のキャラクターの動きや効果音・サウンド、メニュー画面などをプログラミングします。

ゲームがある程度形になってきたら、テストと不具合の修正を繰り返して完成を目指します。

グラフィックプログラマー

ゲーム内のキャラクターや背景、エフェクトなどの視覚的要素を担当する職種です。グラフィック技術は日々進歩しており、3Dや高度なアニメーションなど最新の知識や技術が求められます。効率良く高品質なグラフィックスを実現する、グラフィックプログラマーは重宝される存在です。

サウンドプログラマー

ゲーム内の効果音やBGMなどを担当します。音楽はゲームの世界観を左右する大切な要素です。サウンドプログラマーはパソコンを用いて音楽を作成するため、音楽センスのほか、デジタルの知識やプログラミングスキルも求められます。

まずは現場でアシスタントとして携わり、スキルやノウハウを習得していくのが一般的です。音楽制作用ソフトウエアを学べるスクールなどで、専門知識や技術を身に付けておくと就職に有利に働く可能性があります。

ネットワークプログラマー

ゲームに必要なネットワークの構築を担当する職種です。おもに、複数人でプレイする通信ゲームを担当します。ゲームのプレイに使用するデバイスや環境はユーザーごとに異なるため、ゲームのリリース後にトラブルが発生してしまうことも多々あります。このような、発生しうるトラブルを予測し、ユーザーがスムーズにプレイできる環境を構築するのがネットワークプログラマーの仕事です。

ゲームエンジニアの平均年収

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厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ゲームクリエイターの令和4年の平均年収は579万8,000円円だったことがわかっています。年齢別では40~44歳が最も高く、691万5,200円でした。

年齢区分 平均年収
~19歳 230万5,800円
20~24歳 360万100円
25~29歳 407万4,700円
30~34歳 504万700円
35~39歳 664万4,600円
40~44歳 691万5,200円
45~49歳 675万4,200円
50~54歳 628万4,100円
55~59歳 656万7,200円
60~64歳 568万2,200円
65~69歳 419万4,500円
70歳以上 290万1,700円

※出典元:厚生労働省職業情報提供サイトjob tag「ゲームクリエーター」

type転職エージェントに掲載中のゲームエンジニアの求人によると、ゲームエンジニアの想定年収は350~1,060万円程度です。(※2023年6月30日時点)

※出典元:type転職エージェント「ゲームエンジニアの転職求人一覧」

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3年分)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の一人あたりの平均額は443万円で、ゲームエンジニアの年収は平均よりも高い傾向にあることがわかります。

 

※出典元:国税庁「民間給与実態統計調査(令和3年分)」

ゲームエンジニアに向いている人の特徴

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ゲームエンジニアに向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • ・ゲーム好きな人
  • ・論理的思考ができる人
  • ・ 好奇心が旺盛な人
  • ・ 忍耐力がある人 など

ゲームエンジニアというのは、スマホや家庭用ゲーム機などのゲームを開発する仕事です。ゲームの知識が求められるため、ゲーム好きな人はこれまでにプレイしてきたゲームの知識を活かせるかもしれません。

またゲームは、プログラミング技術を用いて作ります。プログラミングは物事の筋道を考えて段階的に判断していく必要があるため、論理的思考が求められます。論理的思考ができる人も、ゲームの開発に携わるゲームエンジニアに向いていると言えるでしょう。

「面白そう」と何にでも興味を持つ人もゲームの制作に向いていると考えられます。ゲームの開発技術は、日々進歩しています。最新技術を駆使すれば、何時間もかかっていた作業を効率的に進められることがあるでしょう。好奇心旺盛なことも、ゲームエンジニアになるための重要な要素です。

また、ゲーム開発は納期に縛られるため、ときには夜間の作業や残業を強いられることもあるかもしれません。納期やスケジュールを厳守し、よりクオリティの高い形で納品する必要があるからです。納期に追われる精神的な負担が大きいため、多忙なときでも確実に仕事をこなせる忍耐力が求められます。

ゲームエンジニアに求められるスキル

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ゲームエンジニアになるには、次のようなスキルが求められます。

  • ・プログラミングスキル
  • ・数学や物理の知識
  • ・ゲームエンジンに関する知識
  • ・コミュニケーションスキル
  • ・多言語スキル

プログラミングスキル

ゲームの開発にはプログラミング言語を用いるため、ゲームエンジニアになるにはプログラミングスキルが必要です。近年は、独学でプログラミング言語を習得する人も増えています。

ただし、プログラミング言語を習得すれば、誰でもゲームエンジニアになれるわけではありません。ゲームの種類やメーカーの方針などにより、必要なプログラミング言語が異なります。ゲームの種類ごとの代表的なプログラミング言語は、次のとおりです。

ゲームの種類 プログラミング言語
スマホゲーム ・Objective-c
・Swift
・Ruby
・C++
・C#
・JavaScript
PCゲーム ・C++
・C#
・Swift
ブラウザゲーム ・JavaScript
・C#
・Ruby
コンシューマーゲーム ・C++
・C
・C#
VR・ARゲーム ・C#
・C++
・JavaScript

C++やC#は、多くのゲームで使用されるプログラミング言語です。しかしC++は習得難易度が高いため、未経験からゲームエンジニアを目指すなら、まずはC#の習得から始めてみましょう。

ゲームエンジンに関する知識

ゲームエンジンとは、ゲームを効率よく開発するために整備されたソフトウェアのことです。多くの企業でゲームエンジンを用いたゲーム開発が行われています。

企業のゲームエンジニアの求人では、「指定のゲームエンジン+プログラミング言語」を必須又は歓迎スキルにしているところが多いので、プログラミング言語と同様にゲームエンジンに関する知識は必ず習得しておきましょう。

ゲームエンジンの主な種類はUnity、Unreal Engine、PhyreEngineなどが挙げられます。

未経験でゲームエンジンを触る場合おすすめなのがUnityです。スペックの低いPCでも動作が早く動くので、独学の開発も可能であったり、日本語情報も充実しているためゲーム開発初心者や英語が苦手な人でも取り組みやすいでしょう。

Unityは、簡単な開発であればプログラミング言語を必要としない場合がありますが、高度な開発になっていけばプログラミング言語が必要になるので、一緒に習得しておきましょう。Unityで使用できる言語はC#、JavaScriptなどです。

数学や物理の知識

ゲーム内のキャラクターの動きは、物理演算や座標計算をもとにプログラムされます。そのため、ゲームエンジニアには数学や物理に関する知識も必要です。

ゲームの開発で使用する代表的な数学や物理の知識は、三角関数や線形代数、力学です。例えばキャラクターの移動には三角関数、3Dオブジェクトの回転・拡大・縮小には線形代数、物理法則に則ったオブジェクトの動作には力学を使用します。

特に3Dアニメーションを開発する際には、リアリティを追求するために緻密な表現が求められ、より高度な数学や物理の知識が必要です。

コミュニケーションスキル

ゲーム開発は、シナリオライターやグラフィックプログラマーなど様々な担当者と打ち合わせをしながら作業を進めていきます。

ゲームエンジニアは各担当者と円滑なコミュニケーションをとりながら仕事を進めていく必要があるため、コミュニケーションスキルも必要になります。

英語力

ゲームを開発する際は、最新情報をいち早くキャッチしておく必要があります。

ゲームに関する最新技術の情報は、英語で発表されるケースがほとんどです。日本語に翻訳されるまで待っていては、最新技術を取り入れるまでに時間がかかってしまい、他社に先を越されてしまうおそれもあるでしょう。そのため、ゲームエンジニアには一定の英語力が求められます。

また、プログラミングスキルの高い外国人の従業員を雇用するケースも多いので、英語力があれば海外のエンジニアともコミュニケーションができ、社内で重宝される存在になるでしょう。

未経験からゲームエンジニアを目指す方法

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ゲームエンジニアには特定の資格が必要とされないため、未経験からでも目指すことが可能です。未経験からゲームエンジニアを目指すには、次のような方法があります。

  • ・プログラミングスクールに通う
  • ・未経験OKの求人に応募する

それでは、各方法を詳しく解説します。

プログラミングスクールに通う

ゲーム開発にはプログラミング言語を用います。プログラミングスキルは、プログラミングスクールで習得可能です。

スクールには、現役のゲームエンジニアが講師を担当しているところがあります。ただし、スクールに通学するには費用がかかります。かかる費用はスクールやコース、受講期間によって異なるので、比較してみましょう。

働きながらスクールに通学する場合は、教育訓練給付制度が利用できる可能性があります。教育訓練給付制度とは雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的に、受講料の一部が支給される制度です。給付金を受け取るには、対象コースを受講する必要があります。

未経験者OKの求人に応募する

ゲームエンジニアの求人の多くは、経験者向けです。そのため、まったく未経験の場合は、ゲームエンジニアとして採用されるのは難しいのが現状です。

しかしゲームエンジニアの経験がなくても、諦めるのは時期尚早です。ゲーム業界以外のエンジニア経験があれば、過去の実績が評価され、採用に至る可能性もあります。

また、多くはありませんが、なかには「未経験OK」としている求人があります。応募する前に、研修制度や教育体制がしっかりとしているかどうかを確かめておきましょう。

プログラミングに関する書籍を読んだり、インターネット上に公開されている学習サイトや動画を見たりして、ある程度プログラミングスキルやゲームエンジンの知識が付いたら、未経験者OKの求人に応募するのも選択肢の一つです。

ゲームエンジニアへの転職におすすめの資格

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ゲームエンジニアは、特定の資格を必要としません。しかし、取得していれば、意欲があると判断され、転職に有利に働く可能性がある資格もあります。ここからはゲームエンジニアへの転職におすすめの資格を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

基本情報技術者

基本情報技術者は、情報処理の基礎を習得できる国家資格です。ゲームエンジニアに限らず、IT業界への転職に役立ちます。ITエンジニアの登竜門とも呼ばれており、年間10万人以上の受験者がいます。

2023年4月5日からはCBT方式が導入されており、随時受験可能です。CBT方式とは、コンピュータを使用して実施する試験方式です。基本情報技術者の場合、全国47都道府県に1カ所以上の試験会場が用意されており、会場に設置されたコンピュータを使用して受験します。受験資格は設けられていないため、誰でも受験できます。

Unity認定試験

前述したUnityのスキルを証明できる資格です。認定資格は、ユーザーのレベルに応じて次の4種類が用意されています。

  • ・ユーザー
  • ・アソシエイト
  • ・プロフェッショナル
  • ・エキスパート

ユーザーは、Unityの基本的なスキルとインタラクティブな3D体験を制作する能力を判断するレベルです。レベルはアソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートの順に高くなり、エキスパートでは高度なUnityの概念を習得していることが証明されます。

Unity認定試験は自宅または職場からのオンライン方式を採用しているため、いつでも受験可能です。試験に合格すると永久的に資格を取得できるわけではなく、定期的に更新や講習の受講が必要になります。

TOEIC

ゲームエンジニアとして仕事の幅を広げるためには、英語力が求められます。

英語力を証明する代表的な試験は、TOEICです。TOEICの点数で英語力があることを証明できれば、転職に有利に働く可能性があります。

TOEICには複数の種類があり、代表的なのはListening & ReadingとSpeaking & Writingです。2023年度の場合、Listening & Readingは年13回、Speaking & Writingは年12回実施されます。転職に有利に働く可能性がある点数の目安は、600点以上です。企業によっては、応募条件に「TOIEC○○点以上」と、ボーダーラインを設けている場合もあるため、事前に募集要項を確認しておきましょう。

CGエンジニア検定

CGエンジニア検定は、CGの開発や設計スキルを証明する試験です。ゲーム開発に欠かせない知識やスキルが身につくため、合格するとゲームエンジニアへの第一歩になります。

試験は難易度に応じて次の2種類が用意されており、それぞれ出題範囲が異なります。

レベル 出題範囲
ベーシック ・ディジタルカメラモデル
・画像処理の濃淡変換とフィルタリング処理
・モデリング
・レンダリング
・アニメーション
・システムと規格
・関連知識
エキスパート ・CGとディジタルカメラモデル
・座標変換とパイプライン
・モデリング
・レンダリング
・アニメーション
・画像処理
・視覚に訴えるグラフィックス
・CGシステム
・知的財産権
・関連知識

試験は年2回実施され、20都道府県の会場で受験できます。

未経験者はプログラミングスキルの習得から始めよう

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ゲームエンジニアは、経験者採用が多いですが、未経験でもスキルがあれば採用してもらえる可能性も十分あります。

まずは、開発に必要なプログラミングスキルとゲームエンジニア知識を習得しましょう。そのあとは、未経験可の求人を中心に転職先を探してみることをおすすめします。type転職エージェントでは、ゲームエンジニアの求人を取り扱っています。

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