セキュリティエンジニアとは?仕事内容や資格情報、転職成功のポイントを解説

最終更新日 :2023.12.27

セキュリティエンジニアとは?仕事内容や資格情報、転職成功のポイントを解説

最近は企業や官公庁のサイトがサイバー攻撃を受けたり、個人情報が漏洩したりといったニュースを見聞きする機会が増えました。こうしたトラブルが発生すれば、社会全体に大きな被害や影響を与えてしまいます。

そこで注目が高まっているのが、さまざまな脅威からシステムを守るセキュリティエンジニアと呼ばれる職種です。本記事ではセキュリティエンジニアの仕事内容や向いている人、求められるスキルや資格、転職で成功するポイントなどを詳しく解説します。

この記事の監修者
監修者の中嶋 千博

中嶋 千博キャリアアドバイザー部 部長

【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー
航空会社で客室乗務員を経験した後、人生の重要な転機に関われるキャリアアドバイザーに魅力を感じ、「type転職エージェント」へ。以来IT領域専任のキャリアアドバイザーとして12年にわたり転職希望者をサポート。卓越したIT領域のマーケット知識とインプットされた転職ノウハウを武器に、転職希望者と並走するパートナーとして新しいキャリアの可能性を提案し続けている。
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セキュリティエンジニアとは?

セキュリティエンジニアとは、ネットワークやシステムを外部のIT攻撃から守るエンジニアです。情報セキュリティに特化して業務を担い、セキュリティ機器を導入したり、サイバー攻撃やウイルス感染を未然に防ぐための対策を行ったりします。社会全体で情報セキュリティへの意識が高まる中、注目が集まっている職種です。

セキュリティエンジニアの仕事内容

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セキュリティエンジニアの仕事は多岐に渡りますが、いずれもシステムを安全に使用するために外部からの攻撃やリスクから守ることを目的としています。具体的な仕事としては、情報セキュリティポリシーの策定、ネットワークセキュリティ(ファイアウォール、プロキシ、IDS/IPS)の構築、DoS/DDoS対応、負荷分散、ログ管理、アクセス制限/認証システムの導入などがあります。

業務内容が「企画・提案」「設計」「実装」「テスト」「運用・保守」などのフェーズに分かれている点は他のエンジニア職と同じですが、担当範囲を情報セキュリティに関する領域に特化している点が特徴です。

セキュリティエンジニアの仕事のやりがいとは?

情報システムやインターネットが不可欠なものとなった今、企業や組織にとって情報セキュリティ対策は最重要課題の一つです。よってリスクマネジメントを担うセキュリティエンジニアは、「自分は会社やユーザーにとって大事なポジションを任されているのだ」というやりがいを感じられます。

IT技術の進化に伴って脅威も進化しているため、常に最先端の技術や知識をインプットしながら走り続けなければいけない大変さはありますが、その代わりに得られる手応えや充実感は大きい仕事と言えるでしょう。

とくにコロナ禍以降、テレワークや在宅勤務などが広がったことにより、企業は新たなリスクに直面しています。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が2021年1月に発表した「情報セキュリティ10大脅威2021」では、「テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃」がランクインしました。

新型コロナウイルスの影響で人々の働き方が大きく変わる中、セキュリティ対策の重要性はさらに高まっています。それに伴ってセキュリティエンジニアのニーズも増しているため、リスク管理の専門家として自分の市場価値を高めていけるのもこの仕事の魅力です。

セキュリティエンジニアはニーズがあるため、平均年収も高い水準にあります。厚生労働省の職業情報サイト「job tag」によると、セキュリティエンジニアの平均年収は534万円でした。スキルによっては年収1,000万円も夢ではありません。セキュリティエンジニアの年収について詳しく知りたい方は下記の記事をチェックしてみてください。

関連記事:セキュリティエンジニアの平均年収は?給料アップの方法や転職事例を解説

セキュリティエンジニアに向いている人

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・責任感の強い人

外部から攻撃を受けてセキュリティを突破されると、個人情報や機密情報の漏洩が発生したり、ウイルスに感染して内部のシステムが破壊されたりといった甚大な被害が出てしまいます。セキュリティエンジニアはこうした事態を確実に防ぐことを求められる仕事であり、プレッシャーも大きいため、責任感が強い人が向いています。

・リスクを未然に防ぐことにやりがいを感じられる人

セキュリティエンジニアの役割は、「リスクを未然に防いで安心安全を守ること」です。トラブルが発生してから解決するのではなく、何も起こらないようにセキュリティの検査や診断などを日々地道に積み重ねることにやりがいを感じるタイプなら、この仕事に適していると言えます。

・縁の下の力持ちタイプの人

先ほども説明したように、セキュリティエンジニアの仕事は安心安全を守ることであり、企業やユーザーを陰で支える仕事です。「攻め」の仕事ではなく、あくまで「守り」の仕事なので、自分が最前線に出て目立つ活躍がしたいと思うタイプよりは、裏方として社会や人々の役に立ちたいと考える「縁の下の力持ちタイプ」が向いています。

・緻密な仕事ができる人

強固なセキュリティシステムを設計・テストし、安全に保守・運用を行うには、どんなに小さな問題や脆弱性も見逃すわけにはいきません。細かいところによく気がつき、緻密な仕事ができる人なら、セキュリティエンジニアとして活躍できます。

・最新技術をキャッチアップできる人

サイバー攻撃の手段や内容は日々進化しているので、常に最新の技術や知識を身につける必要があります。よって新しいノウハウやスキルを学び続けることが苦にならず、みずから進んで最新技術の動向やトレンドをキャッチアップできる人が向いています。

セキュリティエンジニアに求められるスキル・資格

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転職の際に資格があれば、自分のスキルや能力を証明できます。未経験の領域でも、自己研鑽として資格学習をすれば、書類選考や面接で意欲をアピールする材料になります。

セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格や転職で有利になる資格には、次のようなものがあります。

・情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティの基本的な知識を問う国家資格です。情報セキュリティ全般の知識や管理、各種対策、関連法規などに加えて、ネットワークやデータベース、システム監査、経営管理など関連分野の知識も出題されます。セキュリティの入門資格としては取得しやすいため、チャレンジしやすい資格です。

・情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティに関する国家資格です。暗号化技術やサイバー攻撃対策など情報セキュリティの一般知識に加えて、セキュアプログラミングやネットワークといった要素技術も求められます。

試験は4コマに分けて行われ、それぞれ試験時間や出題形式が異なります。「午前I」は50分・四肢択一式で、「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野の知識が問われます。「午前Ⅱ」は40分・四肢択一式で、セキュリティ管理に関する専門知識が問われます。「午後Ⅰ」は90分・記述式、「午後Ⅱ」は120分・記述式で事例解析問題が出題されます。

・基本情報技術者試験/応用情報技術者試験

どちらも情報処理に関する国家資格です。基本情報技術者試験は、エンジニアとしての基礎的な知識を問う試験です。応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験に合格した人が次に目指す試験として位置づけられています。

・シスコ技術者認定

ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズが提供する資格です。世界共通基準の資格で、レベルごとに「CCNP Security」「CCIE Security」などの認定資格があります。これらの資格を取得すれば、セキュリティエンジニアに必要な専門知識が備わっていることを証明できます。

セキュリティエンジニアのキャリアパス

現場で経験を積んだ後、プロジェクト・マネジャー(PM)やプロジェクト・リーダー(PL)としてマネジメントを担うのが、セキュリティエンジニアの代表的なキャリアパスです。またプロフェッショナルとして専門性を高めて技術を追求し、ITスペシャリストになるキャリアパスもあります。あるいはエンジニアとして培った技術的な経験やスキルを活かし、ITコンサルタントや、社内SEのセキュリティ企画のポジションに転じるケースもあります。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容・資格について解説

関連記事:プロジェクトマネージャーになるには?向いている人の特徴や、転職がおすすめなケースを解説

関連記事:ITスペシャリストとは?仕事内容や向いている人、必要な資格を解説

セキュリティエンジニアの転職成功のポイント

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・自己研鑽のエピソードを伝える

IT業界の中でも、とくにセキュリティ分野は技術や環境の移り変わりが激しいため、最新トレンドのセキュリティ知識を勉強している人材が求められます。逆に「新しい技術に対する好奇心がない」「最新のニュースを知らない」と判断されると、採用面接でお見送りになるケースが多くなります。

よって面接では、普段から自己研鑽や自己学習の努力を積んでいることをアピールするのが効果的です。実務経験で身につけたこと以外に、資格を取得したり、セキュリティ分野の勉強会やコミュニティで自発的に学んでいるといった具体的なエピソードを伝えましょう。

・リスク感度の高さを示す

危機管理を担うセキュリティエンジニアは、リスク感度が高い人ほど適性があると判断されます。よって職務経歴書を作成する際は、これまで経験した業務の中で、リスクに対する意識の高さを示すエピソードを記載すると強力なアピールになります。

担当した業務内容をただ並べるのではなく、「リスクを未然に防ぐためにどのような工夫をしたか」「それによってどのような成果を出したか」を合わせて書くことが大事なポイントです。

・説得力のある志望動機を用意する

面接では必ず志望動機を質問されます。とくにエンジニアの場合、「さまざまな技術職がある中で、なぜセキュリティエンジニアを志望するのか」を聞かれるので、説得力のある回答を用意することが大事です。

面接官を納得させるには、「(未経験の業界を受ける場合)なぜその業界を志望するのか」「なぜセキュリティエンジニアなのか」「その中でもなぜ御社なのか」の3段階で志望動機を伝えることが重要です。それぞれの答えがチグハグだと説得力に欠けるので、一貫性のある回答ができるようにしっかり準備してください。

関連記事:ITエンジニアの志望動機・例文を紹介

エンジニア転職を成功させるポイントを詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。

関連記事:ITエンジニア転職を成功させるには?よくある失敗ケースと、転職成功事例を解説

未経験からセキュリティエンジニアになる方法

・まずはSEやインフラエンジニアからスタートする

未経験から応募できるセキュリティエンジニアの募集がまったくないわけではありませんが、少ないのが現状です。よってまずはシステムエンジニア(SE)インフラエンジニアとして経験を積み、エンジニアとしての基礎的なスキルや知識を身につけてから、次のステップとしてセキュリティエンジニアを目指すのがお勧めです。

関連記事:ITエンジニアに未経験転職するには?転職成功に必要な知識やスキルを解説

関連記事:20代未経験者のIT業界への転職は難しい?転職成功のコツやおすすめの職種を解説

関連記事:未経験でインフラエンジニアへの転職は可能?向いている人の特徴や、転職成功のポイントを解説

・資格取得で意欲をアピールする

セキュリティエンジニアとして実務経験がなくても、資格学習などの自己研鑽を積んでいることを伝えれば、転職への意欲をアピールできます。「セキュリティエンジニアに求められるスキル・資格」の項目で紹介した情報処理安全確保支援士試験などの資格を取得すれば、実務は未経験でも一定の技術や知識を備えていることを証明できます。

・「経験のない仕事でも頑張れる」という意欲を示す

未経験者の場合、面接では「経験のない仕事でも熱意を持って取り組めるか」を確認されます。前職までの仕事で一番頑張ったことや、その経験を通して成果を出した実績を伝えることで、仕事への達成意欲や責任感をアピールすることが大事です。

すでに説明した通り、面接では「なぜセキュリティエンジニアを志望するのか」も必ず質問されます。転職理由や志望動機を整理し、3段階で説明するというポイントを押さえた上で、筋道の通った説明ができるように準備してから面接に臨んでください。

まとめ

ネットワーク上に潜むあらゆるリスクからシステムを守るセキュリティエンジニアは、今の時代になくてはならない存在です。企業の採用ニーズも高く、専門性を身につければ自分の市場価値を高めることができます。技術職として自分のキャリアの可能性を広げたいなら、セキュリティエンジニアへの転職を考えてみてはいかがでしょうか。

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