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最終更新日 :2023.10.31
クラウドエンジニアとはどのような役割を持っているのでしょうか?本記事では、クラウドエンジニアという仕事に興味を持っている人に向けて、基本的なクラウドエンジニアの説明から、仕事内容、将来性、未経験で転職する方法まで幅広く解説しています。
「クラウドエンジニアは気になっているが仕事内容がよくわからない」「クラウドエンジニアになったあとのキャリアが思い浮かばない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
伊藤 泰子エキスパートキャリアアドバイザー
【保有資格】2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラークラウドエンジニアとは、大量の情報を扱うクラウドサービスを設計、設定、管理し、時にはトラブル対応も行うエンジニアのことを指します。昨今はクラウドを使った開発が主流となってきているため、クラウドでインフラ設計ができるクラウドエンジニアはとても重宝されており、将来性が高い職種と言われています。
クラウドとは、物理的なコンピューターやサーバーに頼らず、インターネットを通じてデータを保存したり、アプリケーションを利用したりする技術のことを指します。たとえば、職場で利用することも多いGoogleのGmailやGoogle Drive、またはAppleのiCloudなどがクラウドの一例です。
クラウドを使うと、インターネット環境が整っているパソコンやスマートフォン、タブレットからならどこからでもアクセスできます。また、クラウドは大量のデータを保存できるため、自分のデバイスの容量を気にせずに使用できるのが特徴です。さらに、クラウドはデータを自動でバックアップするので、デバイスが壊れてもデータが無くなる心配がありません。
このように、クラウドは我々の生活を便利にし、ビジネスを効率化する重要な技術となっています。
クラウドエンジニアは、広義にはインフラエンジニアの一種と考えることができます。インフラエンジニアとは、ITシステムの基盤を設計し、実装し、管理する専門家のことで、ネットワークやサーバー、データベースなどの設定や保守を担当するエンジニアのことです。
クラウドエンジニアと似ているのが、サーバーエンジニアになります。両者ともITシステムの運用や管理を行う職種ですが、その役割とスキルセットには大きな違いがあります。サーバーエンジニアは、物理的なサーバーや関連するハードウェアの設計、構築、運用、保守を担当します。また、オペレーティングシステムやネットワーキング、ストレージシステムなどについての知識が求められます。
しかし、クラウドエンジニアはクラウドという仮想化された環境を管理し、クラウドサービスの設計から運用、さらにはセキュリティ対策まで担当しなくてはなりません。
さらに、クラウド環境では専用のソフトウェアを使ってインフラを自動的に設定・管理する「インフラストラクチャ・アズ・コード」(IaC)という手法もあり、その運用にはプログラミングスキルが求められます。
また、複数のクラウドサービスプロバイダ(たとえばAmazon AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなど)が存在するため、それぞれのプラットフォームの特性を理解し、最適な環境を提供するための知識も必要です。
このような観点から、クラウドエンジニアは、従来のインフラエンジニアとは一線を画す、新たなエンジニアの職種として定義されることがあります。
まずはじめにクラウドの設計では、顧客の要望や技術的ニーズなどを理解することが求められます。そして、これらの要件を満たすために最適なクラウド環境を計画します。
たとえば、どのクラウドプロバイダを使用するか、どのクラウドサービスを組み合わせるか、セキュリティ対策はどのように行うかなどを考え、設計を行います。その過程で、パフォーマンス、コスト、スケーラビリティ、セキュリティなどの要素も考慮しなくてはなりません。
クラウド環境の構築では、設計段階で決定したプランを基に、具体的なクラウド環境を作り上げます。これには、仮想マシンのセットアップ、ストレージとデータベースの配置、ネットワークの設定などが含まれます。
クラウドの保守・運用では、システムのパフォーマンスを監視し、必要に応じて調整を行います。障害が発生した場合は迅速に対応し、原因を解明して復旧対応をしなければなりません。
また、セキュリティの維持も重要な役割で、サイバーテロなどの脅威に対する防御策を常に更新して、データ保護に努めます。さらに、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などのクラウドサービスプロバイダが提供する新しい機能やサービスについても情報をキャッチアップし、適切に活用することもクラウドエンジニアの仕事です。
クラウド技術は、大きなファイルを保存したり、アプリケーションを動かすための「オンラインの倉庫」のようなものです。以前は、企業は自分たちのビルに大きなコンピューター(サーバー)を置いて運用していましたが、クラウドが登場することで、この「倉庫」をインターネット上に置くことが可能となったのです。
これにより、コスト削減や運用の効率化が図られ、多くの企業がこの技術を利用するようになりました。そのため、このクラウド技術を扱うことができるクラウドエンジニアの需要は年々高まっています。
近年、デジタル技術を活用して業務を効率化し、新たなビジネスチャンスを創出する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」がビジネスのキーワードとして注目されています。
AIやビッグデータ、IoTなどの最新の技術は、DXの推進に関係しており、これらは多くの場合クラウド上で利用されています。そのため、DXを推進するには必要不可欠なクラウドを扱えるクラウドエンジニアの需要は高いといえるでしょう。
クラウドエンジニアの業務未経験での転職は狭き門ではありますが、実際に未経験可の求人はあるので転職自体は可能です。type転職エージェントが2023年7月現在で保有している、未経験可のクラウドエンジニアの求人を一例に挙げると、記載されている「必要な経験」は以下の通りです。
この求人から、インフラエンジニアとしての下流工程の経験と、「クラウドエンジニアとしてやりたいことがある」という意欲が必要と分かります。
意欲のアピール方法としては、応募前にクラウドエンジニアの基礎知識を学んだり、関連資格の取得などをしておくと良いアピールになるかもしれません。また、事前にクラウドエンジニアについて学んでおくことで、「どんな仕事内容なのか」「どんなものを扱うのか」を把握できることから、自身がクラウドエンジニアの適性があるかどうかが分かるのもメリットでしょう。
ただ、IT業界自体未経験の場合はかなり厳しいかもしれません。業界・職種未経験の方であれば、まずはインフラエンジニアの未経験可求人に応募し、インフラエンジニアの経験を積んでみることをおすすめします。
インフラエンジニアへの未経験転職を考えている方は、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
関連記事:未経験でインフラエンジニアへの転職は可能?向いている人の特徴や、転職成功のポイントを解説
関連記事:【未経験者向け】インフラエンジニアに転職する際の志望動機の作り方(例文付き)
クラウドエンジニアに未経験転職する方法については、次の項目で詳しく解説します。
クラウドエンジニアになるためには、まずクラウドについての基礎知識を身につけることが必要です。AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azureなど、主要なクラウドプロバイダは基本無料(※一部有料)で学習リソースを提供しており、これらのリソースを使って、クラウドの基本概念、サービスの使い方、最適な実践例など、初心者から上級者まで幅広い内容が学べます。
これらは、仕事の合間やプライベートの時間など自分のペースでクラウドについて学べるのがメリットです。
クラウドサービス | トレーニングサイト |
---|---|
AWS(Amazon Web Services) | AWSパートナートレーニング |
GCP(Google Cloud Platform) | Google Cloud のコースとトレーニング |
Microsoft Azure | Azure - Microsoft Learn | Microsoft Learn |
資格取得をしていないと、必ず面接で落ちるということはありませんし、逆に資格を取っていれば面接に必ず通るといったこともありません。
しかし、資格があれば面接で「独学で知識を習得した結果、資格を取得しました」と話せるので、あなたの持つ知識・技術習得・勤勉性が客観的に証明できるでしょう。
クラウドエンジニアを目指す場合、おすすめな資格がクラウド認定資格です。この資格はクラウドエンジニアとしての専門知識とスキルを証明するための手段になります。前述した主要なクラウドプロバイダはそれぞれ自身のプラットフォームについての認定資格を提供しています。
クラウドサービス | |
---|---|
AWS(Amazon Web Services) | AWS認定資格 |
GCP(Google Cloud Platform) | Google Cloud 認定資格 |
Microsoft Azure | Microsoft Azure認定試験 |
上記の資格は基本レベルから専門レベルまであり、自分の経験と目標に応じて適切な資格を選べます。これらの資格は面接などにおいて大きなアピールポイントになるでしょう。
「クラウドエンジニアに未経験で転職できる?」でも解説したように一部の企業は、クラウドの実務経験がなくても応募を受け付けています。このような企業は、社内・社外での研修やOJTにより、新人エンジニアを育てていく環境が整っていることが多いです。
しかし、未経験可の求人とはいえ、クラウドに関して知識がないと面接で加点されません。また、未経験同士はポテンシャルが同じくらいなことが多く、採用されるにはいかに他の応募者との差別化をアピールできるかがとても重要になってきます。
なので未経験求人に応募する際には、前述したようにクラウドについての熱意や学んできたこと、資格などをアピールすることが重要です。また、自身でクラウドを使ったプロジェクトを作成し、その結果をポートフォリオとして提出することも良いアピールになるでしょう。
もし、未経験転職が不安な場合は、IT業界に強みを持つ転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。type転職エージェントでは、IT人材の転職支援経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの適性にあった求人を紹介してくれたり、未経験でも面接官に響く応募書類の添削や、面接対策をしてくれます。相談だけでも大丈夫なので、気になる方はぜひ登録してみてくさいね。
クラウドエンジニアとしての経験や深い知識があれば、特定のクラウドサービスや技術に特化したスペシャリストとしてのキャリアを追求することも可能です。
クラウドエンジニアの求人を見ると、事前に使用経験のあるクラウドプロバイダ(AWS、GCP、Azureなど)が指定されていることがあり、専門スキルのニーズがあることが分かります。そのため特定のクラウドプロバイダの高いスキルを持っていれば、開発の第一線で活躍できるでしょう。
スペシャリストは、スキルによってその年収も変わってきます。また、マネジメント職とは異なり、開発に専念できることから「開発が好き」「技術スキルを向上させていきたい」という志向の人に向いているキャリアパスです。
関連記事:ITスペシャリストとは?仕事内容や向いている人、必要な資格を解説
クラウドエンジニアが豊富な知識と経験を持っている場合、クラウドコンサルタントとしてのキャリアパスを選ぶこともできます。クラウドコンサルタントは、クライアントのビジネスニーズに最適なクラウドソリューションを提案し、その導入をサポートします。
クラウドコンサルタントは、技術的な問題だけでなく、それがビジネスにどのような影響を与えるかを理解し、それらに基づいて最適な解決策を提案しなくてはなりません。
「技術とビジネスの両方に関心がある」「技術スキル以外にもスキルを身に付けていきたい」という人におすすめなキャリアパスです。
クラウドエンジニアとしての経験を積み、全行程を把握できるようになると、チームのマネジャーといった管理職に昇進する道があります。管理職になるとチームメンバーのマネジメントや教育、予算管理なども担当します。
管理職になると、役職手当がついて給料アップが期待できるだけでなく、マネジメント経験などが身に着けられます。その経験はリーダーシップスキルの構築にも繋がるため、自身の市場価値を高められるでしょう。
クラウドエンジニアとは、クラウドと呼ばれるインターネット上のサービスを設計、構築、運用する専門家です。クラウドエンジニアは、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった他のIT職種と異なり、クラウドに特化した知識とスキルが求められます。
クラウド技術の需要増加、エンジニアスキルの幅広さ、デジタルトランスフォーメーションの推進、リモートワークの進展などにより、クラウドエンジニアの将来性は非常に高いといわれています。今後もその市場価値は高くなっていくと見込まれることから、おすすめなエンジニア職種の一つです。
クラウドエンジニアとしての経験がなくても独学や資格取得などを通じて基礎知識を身につければ、未経験でも転職できる可能性は十分あります。 気になる方は、クラウドエンジニアの求人をチェックしてみましょう。
エンジニア転職を成功させるポイントについて詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。
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