サーバーエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いや、仕事内容について解説

最終更新日 :2024.04.25

サーバーエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いや、仕事内容について解説

サーバーエンジニアとはどのような役割を持っているのでしょうか?本記事では、サーバエンジニアという仕事に興味を持っている人に向けて、基本的なサーバエンジニアの説明から、仕事内容、向いている人の特徴、未経験で転職する方法まで幅広く解説しています。

「サーバーエンジニアについてあまり知識がない」「サーバーエンジニアになったあとのキャリアが思い浮かばない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

この記事の監修者
監修者の浜野 陽介

浜野 陽介エキスパートキャリアアドバイザー

【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント
前職では生活用品のメーカー営業として法人営業を経験。人生の重要な転機に関われるキャリアアドバイザーに魅力を感じ、キャリアアドバイザーへ転身。以来、一貫してIT領域でのキャリアカウンセリングに従事しており、エンジニアの転職支援を強みとしている。
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サーバーエンジニアとは?

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サーバーエンジニアとは、コンピューターシステムを運用するためのサーバーの設計、構築、運用、管理を行うエンジニアです。サーバーとは、ユーザーが望む目的のサービスや機能を提供する役割を持ったコンピューターを指し、サーバーには、目的に対してサービス・機能を提供するためのソフトウェアやデータが保存されています。

たとえば、あなたがウェブサイトを閲覧したい場合、ウェブブラウザを使ってウェブサイトにアクセスすると、ウェブサーバーが要求を受け取り、クライアント(ウェブブラウザ)に対してウェブページのデータを送信してくれることで、あなたの画面に必要な情報が表示されるという仕組みです。

サーバーエンジニアは、ネットワークやデータの円滑な動作を確保するためにサーバーを構築し、企業や組織のITインフラの基盤を守る重要な役割を担っています。

インフラエンジニアの一種

「ITインフラを守る役割ならインフラエンジニアと同じではないか?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。厳密には一緒ですがその違いはどこに焦点をあてているかどうかです。

サーバーエンジニアは、主にサーバーシステムに関連する業務に従事します。具体的には、ハードウェアの選択や構成、オペレーティングシステムのインストールと設定、データベースの管理など、サーバーに関連する技術的なタスクを担当するのがサーバーエンジニアです。

一方、インフラエンジニアはサーバー、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ、クラウドなど、ITインフラストラクチャ全体に関わる業務を担当します。企業によっては、インフラエンジニアの中のサーバー担当、ネットワーク担当と領域を分けている場合もあれば、インフラエンジニアと総称して全般的に担当する場合もあります。

そのため、インフラエンジニアとサーバーエンジニアを別種のエンジニアで考えるのではなく、ITインフラストラクチャのサーバーに焦点を当てて対応するのがサーバーエンジニアと考えるのが適切でしょう。

関連記事:インフラエンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、キャリアパスを解説

ネットワークエンジニアとの違い

ネットワークエンジニアは、サーバーエンジニアと同じくインフラエンジニアの職種の一つです。しかし、「サーバーシステム」を担当するサーバーエンジニアに対し、ネットワークエンジニアは「ネットワーク」を担当します。つまり、扱う領域が異なるのが違いです。

ネットワークとは、コンピューターやデバイス同士を接続し、データや情報をやり取りできるようにした状態を指します。車やトラックが通行し場所から場所へ移動するための道路のような経路と考えると想像がしやすいです。

このようなデータの道(回線)を整備するのがネットワークエンジニアの役割です。主にネットワークの設計や構築、運用などネットワークに関連する技術的なタスクを担当します。

関連記事:ネットワークエンジニアの仕事内容とは?転職成功のポイントなどを紹介

サーバーエンジニアの仕事内容

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サーバーの設計

サーバーの設計は、顧客企業や社内からヒアリングをして考案したシステム要件や目標に基づいて効率的で信頼性の高いサーバー環境を構築するために行われます。

まず、要件の収集と分析のために、顧客や社内にヒアリングをし、必要な機能、パフォーマンス要件、セキュリティ要件などを明確にします。

設計の過程では「構築に必要なサーバーの台数」や「要件を満たすのに容量が足りているか」などを考えなければなりません。なぜなら、ここで作られた設計書をもとに、構築・運用・保守が行われるため、この設計が上手くいかないと後の作業工程にも大きく影響が及んでしまうからです。

そのため、要件定義や設計の工程は上流工程と呼ばれており、サーバーの専門知識と開発経験が豊富であり、かつ顧客や社内との円滑なコミュニケーションが取れるエンジニアが担当します。

サーバーの構築

構築は、設計フェーズにて作成された設計書(仕様書)をもとに、機器を使用してサーバーの構築を行います。主な作業内容はサーバーハードウェアの調達とセットアップや、OSのインストールや設定です。

構築したあとは、正常に動くかどうかのテストも行われます。ここで異常を見逃してしまうと後々の障害トラブルの原因になる可能性もあるので、細心の注意が必要です。この工程も機器の設定経験や知見などが求められるので未経験者が担当することはほとんどありません。

運用・保守

構築されたサーバーシステムの日常的な監視、管理、保守を行うのが運用・保守です。ここでは、定期的な監視やログの分析を行ってサーバーシステムの安定稼働とパフォーマンスの維持に努めます。それ以外にも運用作業では、問題が発生した場合には迅速な対応が必要になるので、トラブルシューティングのスキルや問題解決能力が試されます。

運用・保守の作業は、上流工程で設計された仕様書をもとに行うため、エンジニア経験が少ない人でも担当が可能です。そのため、エンジニア未経験者が最初に任されることが多いのが、この運用・保守の工程になります。

サーバーエンジニアの仕事のやりがい

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「ネットワーク通信」「データ保存や処理」「アプリケーションの実行」などさまざまな作業はサーバー上で行われています。つまりサーバーがなければ多くの業務は遂行できないということです。

サーバーが正常に機能せず障害や停止をしてしまった場合、これらの作業を動かすシステムも一緒に止まってしまいます。こういったトラブルを未然に防ぐために、サーバーエンジニアは組織の基盤を支えるシステムの設計・構築・運用をして円滑かつ安定的な運営を目指します。責任は重いですが、基盤として組織全体を支えているということは大きなやりがいとなるでしょう。

また、会社などの組織だけでなく、ユーザーの満足度にもサーバーエンジニアの仕事が影響します。サーバーの良し悪しによってデータの読み込みスピードや、画面の表示速度などは変わってきます。動きが早いとユーザーはストレスのない快適なサービス体験が可能となるため、満足度が高まるでしょう。自分が携わった仕事によって、ユーザーが喜んでサービスを利用してくれることもやりがいの一つと言えます。

サーバーエンジニアの仕事は厳しい?

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サーバーエンジニアはやりがいもありますが、もちろん厳しい面もあります。

まず、エンジニアの技術は日々進化しているため、常に最新の情報を追っていき、技術を習得しなければなりません。たとえば、最近ではクラウドサーバーを使用してサーバー構築するのが主流になってきているため、AWSやAzure、GCPなどのサービスの使用が必要になる場合があります。

とはいえ、企業によっては、クラウドサーバーは使いたくなく、自社でサーバー管理をしたいといった方針を持っているところもあります。その場合、ハードウェアでサーバー構築ができるスキルが求められるでしょう。

関連記事:クラウドエンジニアは将来性が高い!未経験で転職する方法を解説

このようにエンジニアは、幅広く技術をカバーでき、かつ最新の技術に対応できることが求められます。そのためには業務以外で情報収集や勉強などでインプットをし続けなくてはならず、そこが肉体的、精神的に厳しいと感じる方はいらっしゃいます。

他にも、サーバーは24時間365日稼働しているので、サーバーダウンが起こった場合は緊急対応に駆り出されたり、企業によっては夜勤や休日出勤が必要です。そのため、労働時間が不規則なのをストレスに感じてしまうかもしれません。

しかし、責任重大な仕事であるからこそ、そのの対価としてサーバーエンジニアの平均年収は高いです。詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。

関連記事:サーバーエンジニアの平均年収は?給料アップの方法や転職事例を解説

サーバーエンジニアに向いている人

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サーバーシステムは複雑で繊細な構成要素から成り立っています。例えば、ネットワーク設定、セキュリティ設定、パフォーマンスチューニングなど、細かい設定や調整が必要です。そのため、細部に目を配り、正確さと注意深さを持って作業を行える人はサーバーエンジニアに向いていると言えるでしょう。

細かいところに気がつく視点は、作業工程だけでなく、設計でも求められます。たとえば、使っているサーバーがクラウド基盤のAWSだった場合、従量課金制のため、使った分だけコストがかかる仕組みです。ここで、予算進捗を細かく管理できる人は予算超過や無駄遣いを未然に防げるので、サーバーエンジニアとしての素質があると言えるでしょう。

また、前述したようにサーバーシステムは急なトラブル発生が起こりえます。サーバーエンジニアは緊急事態を収束させるのに、一刻も早くトラブルの原因を見つけ出し、その解決策を考えなくてはなりません。そのため、サーバーエンジニアは冷静な状況判断能力や対応力が必要不可欠です。

日々の業務でトラブルが起こった際に、冷静に対応して解決した経験などがあれば、サーバーエンジニアに向いているかもしれません。

未経験でもサーバーエンジニアになれる?

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結論、サーバーエンジニアには未経験でもなれる可能性があります。ただし、求人内容によっては、インフラエンジニアと書いてあったものの、入社をしたら配属はネットワークエンジニアだったという可能性もあるので注意しましょう。

また「未経験可の求人だから、事前情報がなくても大丈夫であろう」と思わない方が良いです。なぜなら、企業としては、ある程度エンジニアについての勉強はしていてほしいと思っているからです。

前述したようにエンジニアは常に情報をキャッチアップしていかなければなりません。そのため未経験でも事前に知識や技術、資格などを習得しているかどうかで、エンジニアという仕事に対する姿勢を見極めているのです。

次の項目では、サーバーエンジニアに未経験で転職する方法を解説します。

サーバーエンジニアに未経験で転職するために必要なこと

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1.インフラに関する基礎知識をつける

サーバーエンジニアの仕事は、サーバーシステムやネットワークなどのインフラストラクチャを設計・構築・運用することです。そのため、まずはインフラの基礎知識を持つことで、サーバーシステムの構成や仕組みなどが分かり、サーバーエンジニアとして行う業務内容の理解を深められるでしょう。最近では、インターネット上でも初心者向けのインフラに関連する記事がいくつも掲載されているので、気軽に知識を身につけられます。

しかし、まったくITインフラに関する知識がない場合は、何から検索したら良いのかも分からないと思いますので、「ITインフラの仕組み」を説明している本を購入して、読んでみると基礎からしっかりと学習ができるでしょう。

2.資格取得に向けて勉強する

サーバーエンジニアになるのに必要な資格はありません。しかし、前述したように未経験で転職を目指すのであれば、勉強の一貫として資格取得をおすすめします。

エンジニアの資格はいくつかありますが、サーバーエンジニアを目指すのであれば「LPIC」または「LinuC」どちらかの資格取得を目指しましょう。

両資格は共に「Linux」というサーバー管理などに使われているOSについての認定資格ですが、運営法人が異なります。「LPIC」はカナダ「LPI(Linux Professional Institute)」が運営しており、Linuxの世界標準の資格と言われています。世界180ヵ国以上で受験されている資格のため、外資系企業や海外のエンジニアが多い職場であればLPICの方が良いかもしれません。

「LinuC」は、日本のNPO法人「LPI-Japan」が運営する試験で、日本のLinux市場に最適化した試験内容になっているのが特徴です。日本人向けのため、サイトなどがすべて日本語で表記されており、分かりやすいのが特徴です。

Linuxの知識・技術習得をしていき、最終的には「LPIC」「LinuC」どちらかの資格をとっておくと、未経験だったとしても「勉強意欲がある」「ある程度のサーバーエンジニアとしての基盤が作れている」とポジティブに評価してもらえるかもしれません。

3.未経験可の求人に応募する

近年、ITエンジニアの人材不足は深刻な問題となっています。実際、2024年2月のIT職の有効求人倍率は3.10倍となっており、かなりの売り手市場といえるでしょう。

人口減少は加速していくとみられ、今後エンジニア人材の獲得は、さらに熾烈な競争になることは間違いありません。

しかし、2024年はIT業界への未経験転職のハードルは高いと言われています。予想されうるIT人材不足を懸念した企業が2022年から2023年にかけて積極的にポテンシャル採用を行った結果、未経験向けの求人枠が充足傾向にあるためです。もちろん現在も未経験採用を行う企業はありますが、以前と比較すると減少していることは留意しておきましょう。未経験可の求人が知りたい場合は、求人を熟知している転職エージェントに相談するのも一つの手です。

ほかにも気を付けたいのが、未経験で採用してもらえた場合エンジニアとして長く働けるかどうかです。「ニーズがあるから」「将来性があると勧められたから」という理由だけでエンジニアになった人が、実際に業務をやってみたら自分の適性と合っていないことが分かり、エンジニアを辞めてしまうというケースは少なくありません。

そのため、未経験でエンジニアを目指す場合「エンジニアになってどうしたいのか」「何を開発したいのか」など具体的な目標やキャリアプランを立てたうえで、応募した方が良いでしょう。自分だけで考えるのが難しい場合は、キャリアのプロであるtype転職エージェントに相談してみてください。IT業界専任のキャリアアドバイザーが、カウンセリングをしながら一緒にあなたの最適なキャリアを考えてくれます。

関連記事:未経験でインフラエンジニアへの転職は可能?向いている人の特徴や、転職成功のポイントを解説

サーバーエンジニアのキャリアパス

管理職になる

サーバーエンジニアのキャリアアップの一つに「エンジニアチームの管理職になる」という選択肢があります。主な仕事はチームのマネージャーとして、プロジェクトの計画・進行管理を行ったり、リソースの調整、リスク管理、人材育成など、ビジネスの成功に向けた重要な役割を果たします。

これまで培ってきたエンジニアの技術スキルのほかに、人材育成のマネジメントスキルも身につけられるでしょう。また、チームが成果をあげられた場合、その功績を大いに評価してもらえるのもメリットです。

関連記事:プロジェクトリーダー(PL)とは?仕事内容や必要なスキルを解説

関連記事:プロジェクトマネージャーになるには?向いている人の特徴や、転職がおすすめなケースを解説

サーバーエンジニアのスペシャリストになる

エンジニアのスキルをもっと磨いていきたいという方は、「サーバーエンジニアのスペシャリスト」を目指すのがおすすめです。

スペシャリストは、要件定義や設計などプロジェクトの上流工程を担当します。プロジェクトを先導していく立場のスペシャリストは、サーバーシステムに関する高度な専門知識とスキルを駆使し、高い技術力でプロジェクトを成功に導く役割です。

技術を突き詰めていけるため、エンジニアとしての市場価値を高められるでしょう。また、責任重大な分、プロジェクトが成功した際は大きなやりがいを得られるのもメリットです。

関連記事:ITスペシャリストとは?仕事内容や向いている人、必要な資格を解説

他のインフラエンジニアに転身する

サーバーエンジニアから、他のインフラエンジニア職に転身することでキャリアの多様性と選択肢が広がるでしょう。サーバーエンジニアとしての技術を磨くのも、一つのキャリアパスではありますが、ほかのITインフラのエンジニアスキルを持ち合わせておくことで、対応できる業務の範囲が広がり、自身の市場価値をさらに高められるでしょう。

また、サーバエンジニアの経験があればITインフラの基礎知識はあるので、他のインフラエンジニア職への転身もしやすいのがメリットです。

エンジニアの転職を成功させるポイントを詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。

関連記事:ITエンジニア転職を成功させるには?よくある失敗ケースと、転職成功事例を解説

まとめ

サーバーエンジニアは、ネットワークやデータの円滑な動作を確保し、企業や組織のITインフラの基盤を守る重要な役割を担っています。責任重大な面もありますが、だからこそやりがいも大きい仕事です。

IT人材は不足していくと見込まれるため未経験転職も十分可能です。「手に職をつけたい」「エンジニアとしてキャリアアップしていきたい」といった方は、積極的に転職を検討してみましょう。

type転職エージェントでは、サーバーエンジニアの転職支援を行なっています。 IT業界やエンジニア専任のキャリアアドバイザーが、個別のカウンセリングを通じてあなたの経歴やスキルを理解し、最適なキャリアプランや求人の提案が可能です。。応募書類の添削や面接の日程調整、面接対策なども行い、転職活動を全面的にサポートします。転職でお悩みの際は、ぜひ一度type転職エージェントにお問い合わせください。

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