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最終更新日 :2023.10.31
SEの中でも、自分が所属する会社のために働く人たちを「社内SE」と呼びます。あらゆる企業でIT化やデジタル化の推進が急務となった今、自社のシステム戦略を担うポジションとして重要性が高まっています。
そこで本記事では、社内SEの仕事内容ややりがい、必要なスキルや経験、社内SEへの転職を成功させるポイントまで、詳しく解説します。
藤岡 広慧キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー社内SEは、自社のシステム構築や運用保守、社内インフラの整備、社員からの問い合わせ対応などを行う仕事です。仕事は多岐に渡り、企業によって業務内容や担当する範囲は異なります。
システム開発については、社内SEが担当することもあれば、外注するケースもあります。社内SEは運用や保守も行うため、システムを作れば終わりではなく、一つのサービスに企画から運用まで長く関わることができます。
社内SEが自社のシステム開発や運用保守などを行うのに対し、SIやSESはクライアントである社外企業のシステム開発を手がけます。SIやSESは主にシステム開発において上流工程と呼ばれる領域を担当し、システムの全体像を考える要件定義や仕様書の作成、プログラマーへの指示出しなどを行います。
システムを使うのが同じ会社の社員なので、自分の仕事に対するユーザーの反応をダイレクトに感じられるのは、社内SEならではのやりがいです。一般のSEはクライアントのオフィスや拠点に常駐することが多く、社内とのつながりや交流が少なくなりがちですが、社内SEは自分が所属する会社に対して帰属意識が持てるのも魅力と言えます。
会社によっては、システム戦略の立案や技術の選定といった最上流の工程に関わる機会もあります。その場合、経営陣へのレポートや提案を求められることもあり、経営に必要な視点や知見を養うことができます。会社を構成する一員として、自社の事業やビジネスと密接に関わりながら、技術力だけでなく、プラスαの知識や経験が身につくのも社内SEの醍醐味です。
自社の経営課題を解決するため、経営戦略や事業戦略に基づき、システムの企画や導入などを行います。業務の効率化や業績アップ、コスト削減など、会社が抱えるさまざまな課題に対して最適なシステムの導入を検討し、決裁者に提案するのが役割です。
実際のシステム開発は、社内SEが行う場合と外注する場合とあります。社内SEが担当する場合は、システムの設計、開発、テストなどの工程をみずから手がけます。外注する場合は、ベンダーと納期やコストなどを調整しながら進めるため、進捗管理や予算管理などの業務が発生します。
システムの導入後は、運用保守を行います。障害の発生やその予兆がないかを監視し、もし問題が生じたら迅速に対応します。社内から要望に応じて、システムの変更や拡張を行うこともあります。
システムやITに関するヘルプデスクとして、社員からの問い合わせにも対応します。社内システムの操作方法から不具合が生じたときの対処法、パソコンやプリンターの使い方まで、幅広い問い合わせに答えるのも社内SEの仕事です。
企業のシステム環境によって、求められる技術やスキルは変わります。また、どの資格が評価されるかも会社によって異なります。
転職活動で社内SEの選考を受ける場合は、まず応募する企業の開発環境や募集ポジションが担当する開発フェーズなどを調べて、入社後に任される業務内容をできるだけ具体的に把握しましょう。その上で、自分が持つ経験やスキルの中からどれをアピールすれば高く評価されるかを整理し、書類選考や面接に臨むことが必要です。
このように会社によって違いはあるものの、一般的に評価されやすい資格やニーズの高いスキル・経験には一定の傾向があります。社内SEとして身につけておくべきスキルや経験、お勧めの資格をまとめました。
システムの企画・導入は自社の経営課題を解決することを目的として行われるため、社内SEも業務知識が求められます。とくに生産・販売管理や会計、財務など、企業活動の柱となる基幹業務の知識を持つ人材は重宝されます。
経営課題の解決策をシステムに落とし込むには、その業界ならではのビジネス構造や環境を理解する必要があるため、社内SEには業界知識も求められます。
システム開発や導入はプロジェクトで行われるため、マネジメント能力も必要です。社内で開発をする場合も、ベンダーに外注する場合も、スケジュール通りに開発が進むように進行管理したり、関係各所と調整を行ったりする役割は社内SEが担います。人を動かしてチームをまとめられるプロジェクトマネジメント能力を備えた人材は、どの企業でも高いニーズがあります。
技術力に加え、リーダーとしてメンバーを育成した経験やプロジェクトマネジャーとしてQCD(品質・コスト・納期)管理や進捗管理の経験があると、高く評価されます。
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SEとして顧客折衝の経験を積んできた人は、社内SEとしても経営陣や社内の関係部署、ベンダーとの調整能力に優れた人材として評価されます。
新たな開発ツールの導入やレビュー方法の見直し、プロジェクトを円滑に進めるための積極的なアイデア出しなどの自発的な業務改善に取り組んだ経験があると、「受け身で仕事をするのではなく、みずから積極的に高い成果を追求する姿勢がある」と判断されます。
社内の人たちが使いやすいシステムを構築するには、ユーザー視点を持つことが不可欠です。UI/UXを用いた開発経験がある人は、ユーザビリティを考えたシステム構築ができる社内SEとして高いニーズがあります。
基本情報技術者、応用情報技術者、PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)、情報処理安全確保支援士などの国家資格は、転職市場でも安定的なニーズがあります。なかでも情報セキュリティ分野の国家資格である情報処理安全確保支援士は、難易度は高いものの、取得すればシステム開発や運用の現場で重宝されます。
民間の大手ベンダーが提供する認定資格も、転職の際に一定の評価を受けられます。代表的なものに、シスコシステムズがネットワークエンジニアの技能を認定する「CCNA」、SAPが自社製品の知識や技術を認定する「SAP認定コンサルタント資格」などがあり、他にもマイクロソフトやAmazon、オラクルが認定資格を運営しています。
社内SEのキャリアパスは、会社によってさまざまです。システム部門の人員構成やシステム戦略、開発環境などによってかなり異なるので、社内SEを経て将来どのようなキャリアを選択できるかは、入社前に確認する必要があります。
社内SEの代表的なキャリアパスには、次のようなものがあります。
面接では、これまでの経験について自分の言葉でわかりやすく伝えることが求められます。そのためには事前にキャリアの棚卸しをして、次の点について整理してから面接に臨むことが大事です。
選考を受ける前に、募集ポジションの業務内容をできるだけ詳しく調べることが必要です。業務内容が把握できれば、求められる経験やスキルもわかるので、自分の経験の中からどれをアピールすればいいかもわかります。
下調べをせずに面接に臨むと、例えば要件定義フェーズがメインの求人にも関わらず、運用保守の経験が豊富なことをメインにアピールしてしまうといったミスマッチが発生します。募集ポジションで求められていない経験をいくら伝えても、採用選考では評価されません。
入社後の業務内容や働き方、その会社で描ける将来のキャリアパスなどをしっかり調べてから面接に臨まなければ、せっかく書類選考に通っても、面接でお見送りになってしまうので注意してください。
面接で志望動機を聞かれたら、「なぜこの会社でなければいけないのか」について説得力を持って伝えることが大事です。「社内SEになりたい」というだけなら、他の会社の面接でも通用するため、「どうしてもこの会社に入りたい」という意欲や熱意は伝わりません。
よって面接官を納得させるには、「なぜこの会社の社内SEになりたいのか」を詳しく説明する必要があります。「一般的なSEではなく、なぜあえて社内SEを選ぶのか」「その希望を実現する職場として、なぜこの会社を選んだのか」の2点を事前に掘り下げて、面接で明確に答えられるように準備してください。どうしてもその会社に入りたいなら、「私は御社が第一志望です」とはっきり伝えることも大事です。
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コロナ禍以降、中途採用もオンライン面接が主流となっています。初めてオンライン面接を受ける人は、事前に一度ZoomやGoogle Meetなどにつなぎ、映り方をチェックしましょう。
面接で身だしなみが重要であることは、対面でもオンラインでも変わりません。自宅だからといって普段着で面接を受けるようなことはせず、オンラインでもスーツ着用を基本とし、髪型やメイクなどにも気を配って、相手に好印象を与えられるように備えてください。
社内SEは会社におけるITやデジタルのスペシャリストとして、周囲から頼りにされる存在です。ユーザーが身近にいるため、本人も仕事のやりがいや手応えを得やすく、自分が会社に貢献していることを実感しながら働けるのが魅力です。興味がある人はSEの働き方の選択肢の一つとして、社内SEを検討してみてはいかがでしょうか。
type転職エージェントでは、社内SEの転職支援を行なっています。 IT業界やエンジニア専任のキャリアアドバイザーが、個別のカウンセリングを通じてあなたの経歴やスキルを理解し、最適なキャリアプランや求人をご提案します。応募書類の添削や面接の日程調整、面接対策なども行ない、転職活動を全面的にサポートします。転職でお悩みの際は、ぜひ一度type転職エージェントにお問い合わせください。
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