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最終更新日 :2024.09.09
エンジニアの中でも、サーバーやネットワークなどのIT基盤を扱うのがインフラエンジニアです。一般の人たちが使うITサービスを動かすための重要な部分を担う職種であり、世の中になくてはならない仕事と言えます。
そこで本記事では、インフラエンジニアの種類や仕事内容、必要なスキルやキャリアパス、転職に成功するポイントまで、徹底解説します。
中嶋 千博キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー「インフラ」とはインフラストラクチャー(Infrastructure)の略で、人々の生活を支える基盤を意味します。例えば鉄道や道路、公共施設、電気・ガス・水道、通信網など、私たちが暮らすために欠かせない設備を指します。
IT分野におけるインフラとは、私たちがシステムやインターネットを使用するために必要なサーバーやネットワークを指します。これらの設計・構築・運用・保守を手がける技術者がインフラエンジニアです。
インフラエンジニアの作業範囲は多岐に渡り、担当する技術領域によって「サーバーエンジニア」や「ネットワークエンジニア」などいくつかの種類に分かれます。会社やプロジェクトによっては、さらに役割が細分化されるケースもあります。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト『job tag 職業情報提供サイト(日本版O-NET)』によると、インフラエンジニアの平均年収は約660万円です。
関連記事:インフラエンジニアの平均年収は低い?年収アップを目指す方法や転職事例を紹介
インフラエンジニアと似た職種に、システムエンジニア(SE)があります。インフラエンジニアがサーバーやネットワークなどのIT基盤を扱うのに対し、システムエンジニアはソフトウェアやアプリケーションなどITシステム全般の構築を行います。インフラエンジニアが構築した基盤の上で動かすものをシステムエンジニアが開発・運用するという関係です。
【システムエンジニア(SE)について詳しくはこちら↓】
前述の通り、インフラエンジニアはIT基盤の設計・構築・運用・保守を手がけます。担当によって扱う技術領域はサーバーやネットワーク、セキュリティなどさまざまですが、いずれの仕事も「上流工程(要件定義・設計・構築)」と「下流工程(運用・保守・監視)」に分かれます。多くの場合は下流工程からスタートし、少しずつ上流工程の経験を積みながら、インフラエンジニアとしての専門性を高めていくことになります。
ここではインフラエンジニアの仕事内容と流れについて併せて解説します。
まずはじめの工程としてあるのが「要件定義」です。これは、クライアントや社内からの要望をヒアリングし、求められている機能の開発把握した上で、要望を実現するにはどのような仕様のシステム開発を行うか、誰がどの対応を行うかを決定する作業を指します。
全体の基盤となることから、要件定義の出来栄えがプロジェクト自体の成否を分けると言っても過言ではありません。そのため、要件定義は基本的にインフラ設計経験の豊富なエンジニアが担当します。
要件定義の次は「設計」です。設計は「基本設計」と「詳細設計」の2つが挙げられます。
基本設計では、システム開発の概要を設計します。ここでは、機器やOS、メモリなどで何を使用するかや、どのような機能を入れるかを大まかに記載します。詳細設計では、基本設計に記載した概要をより詳細にして設計書に落とし込みます。そのため、詳細設計を読めば円滑にインフラ構築ができるようになります。
設計が終わったら次は設計書を元にネットワークの「構築」の工程に移行します。インフラ構築とは、先に決定した設計書をもとに、ネットワーク環境を整え実際につながる状態までもっていくことです。
ここでは、ネットワーク機器を調達して設定・設置をしたり、サーバーの構築といった様々な作業を行います。作業が終了したら、設計書通りに動作が行われるか、通信量が増えても繋がるかどうかなどをテストして構築の工程は終了です。
「運用・保守」工程では、運用が構築されたシステムインフラが安定に稼働するように管理と監視をしていき、万が一障害が発生した場合は保守が対応します。運用・保守は下流工程に該当し、事前に設計された設計書をもとに業務をおこなうため、エンジニア経験が少ない人でも担当できるのが特徴です。
先ほども紹介したように、インフラエンジニアは担当する領域や業務内容によって、いくつかの種類に分かれます。主に次のような種類があります。
サーバーの構築や運用、保守を行います。具体的にはメールサーバーやWebサーバー、ファイルサーバーなどさまざまな種類のサーバーを設計・構築したり、障害が発生した時の対応を含めた運用・保守を担当します。
関連記事:サーバーエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いや、仕事内容について解説
コンピューターや電子機器をルーターやLANケーブルでつなぎ、安全かつ安定したネットワーク環境を設計・構築・運用します。作成した設計書に基づいて機器を接続させてネットワーク環境を作り、トラブルや不具合がないかをチェックしながら運用・保守を行います。
関連記事:ネットワークエンジニアの仕事内容とは?転職成功のポイントなどを紹介
情報セキュリティに特化したエンジニアで、ネットワークやシステムを外部のIT攻撃から守ります。セキュリティ機器を導入したり、サイバー攻撃やウイルス感染を未然に防ぐための対策を行ったりするのが主な業務です。社会全体で情報セキュリティへの意識が高まる中、注目が集まっている職種です。
関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や資格情報を解説
クラウドエンジニアはクラウドという仮想化された環境を管理し、クラウドサービスの設計から運用、さらにはセキュリティ対策まで担当します。昨今はクラウドを使った開発が主流となってきているため、クラウドでインフラ設計ができるクラウドエンジニアはとても重宝されており、将来性が高い職種と言われています。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイト『job tag 職業情報提供サイト(日本版O-NET)』によると、インフラエンジニアの平均年収は約660万円となっています。
国税庁が2023年9月に発表した「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、国民の平均年収は約458万円(男性:約563万円、女性:約314万円)のため、インフラエンジニアの平均年収は全体の平均よりもかなり高いです昨今需要が高いIT技術の基盤構築には、インフラエンジニアのスキルが必要不可欠なため、今後もさらに企業ニーズは高まっていくとみられます。そのため、高度IT人材の獲得競争はさらに過熱していき、スキルを評価されればより高い年収を提示されるかもしれません。
関連記事:インフラエンジニアの平均年収は低い?年収アップを目指す方法や転職事例を紹介
前述したように、インフラエンジニアには担当領域によっていくつかの種類に分けられます。それぞれの年収は以下の通りです。
どの職種の年収も国民平均年収よりも高いことが分かります。とくにセキュリティエンジニアは、昨今のサイバーテロやコンプライアンスの厳格化に伴い、企業からの人材ニーズも上がっています。将来的にさらに平均年収が上がる可能性が高いでしょう。
関連記事:サーバーエンジニアの平均年収は?給料アップの方法や転職事例を解説
インフラエンジニアとして評価されるのは、自発的に業務改善や生産性を高めるための工夫ができる人です。いくら上流工程の経験を積んでも、受け身の姿勢で与えられた仕事をさばいているだけでは評価されません。反対に、経験が浅い人や技術力にまだ自信のない人でも、みずから考え行動できる人は、インフラエンジニアとして活躍できます。
自発的な行動として評価されるのは、例えば次のような経験です。インフラエンジニアへの転職を考えている人が意識的に実践すれば、面接で実績としてアピールできます。
インフラはユーザーから直接見えるわけではありませんが、だからこそサーバーやネットワークを使う人たちを意識して仕事をすることが必要です。ひと口にインフラと言っても、社内インフラもあれば、通信キャリアなどの大規模インフラもあり、Webサービスを動かすためのインフラなどさまざまです。
よって「自分は何に使うインフラを任されているのか」を把握し、その上に乗せるシステムやアプリケーションのユーザーがどんなことを求めているのかを考え、創意工夫できるインフラエンジニアが高く評価されます。
例えば災害時に使用されるネットワークなら、予想外の事故や障害が発生したり、接続機器が故障した場合でも、サービスを停止せずに稼働し続けるにはどうすべきかを考え、緊急事態下でも安全性を担保できるインフラを設計・構築できるエンジニアが重宝されます。
IT業界は技術革新のスピードが速く、日々新しいテクノロジーが生まれています。よってインフラエンジニアとして活躍するには、常にアンテナを高く張って最新の技術をキャッチアップし、自己研鑽を重ねることが必要です。マネジメント職に就いている人も、転職活動の面接では「インプットを続けているか」が問われるため、年齢や立場を問わず学び続ける努力が欠かせません。
また最近では、インフラをクラウド上に設計・構築するニーズが高まっているため、実務では経験がない人も、クラウド関連の資格学習をすれば転職の際にアピール材料となります。実際に資格を取得して意欲を証明できれば、未経験者でもクラウド案件に携わるチャンスが得られます。
インフラエンジニアとして一定の経験年数を積んだ人は、転職市場でもチームマネジメントの経験が求められます。QCD(品質・コスト・納期)管理や新人の育成、顧客折衝などの経験があると、転職の際にマネジメント業務も可能なインフラエンジニアとして評価されます。
転職の際にインフラエンジニアの業務に関連する資格があれば、自分のスキルや能力を証明できます。未経験の領域でも、自己研鑽として資格学習をすれば、書類選考や面接で意欲をアピールできます。
インフラエンジニアの仕事に役立つ資格や転職で有利になる資格には、次のようなものがあります。
情報処理に関する国家資格です。基本情報技術者試験はインフラエンジニアとして基礎的な知識を身につけることを目的とし、システムの設計・開発・運用やネットワークなどの技術に関する問題だけでなく、経営戦略やプロジェクトマネジメントまで出題範囲は多岐に渡ります。
基本情報技術者試験に合格した人が、次に目指す試験として位置づけられているのが応用情報技術者試験です。こちらも技術からプロジェクトマネジメント、経営まで出題範囲は幅広く、論述式の問題もあります。
どちらもネットワーク機器メーカーのシスコシステムズが提供する資格で、ネットワークエンジニアの技能を同社が認定します。CCNPはCCNAより難易度が高く、上位資格に位置付けられています。両者とも世界共通基準の資格であり、取得すればネットワークエンジニアとしての基本スキルが備わっている証明になります。
いずれもLinux技術者としての技術力を認定する資格です。LinuCは日本市場のニーズに合わせて開発された試験で、取得すればLinuxシステムの構築や運用だけでなく、クラウドシステムやアプリケーション開発に携わるために、必要なスキルを有した技術者であることの証明ができます。
Amazonが提供するAWS(Amazon Web Service)の認定資格は、レベルや専門知識によって複数設定されています。そのうちAWS 認定ソリューションアーキテクトは、クラウドの知識を証明する中級レベルの認定資格です。AWSを一年以上使った実務経験をもつソリューションアーキテクト担当者を対象としています。
上記の他にも、次のような資格があればインフラエンジニアの仕事にプラスとなります。
・ORACLE MASTER Gold Oracle Database (オラクル社が提供する認定資格)
・ITIL Foundation (ITサービスマネジメントの知識を証明する認定資格)
・情報セキュリティマネジメント試験(情報セキュリティマネジメントの基本スキルを認定する資格)
ITの土台を支えるインフラに設計ミスやトラブルがあれば、その上で動くシステムやインターネットサービスも使えなくなり、社会全体やユーザーの生活に多大な影響を及ぼします。よってインフラエンジニアは、細かいところまで気を配り、手を抜かず丁寧な仕事ができる人に向いています。小さな違和感を見逃さず、注意深く作業を進められるインフラエンジニアなら、障害が発生しにくくパフォーマンスの高いシステムを作ることができます。
すでに説明したように、ITの技術は日々進歩しているため、常に最新の知識や情報を学び続ける必要があります。好奇心が旺盛で、新しい技術に興味を持ってみずから積極的にインプットできる人は、インフラエンジニアとして活躍できます。
インフラエンジニアの仕事は、チームワークによって進められます。プロジェクトや作業を進める過程では、クライアント、上司や同僚、社内の関連部署など、さまざまな立場や職種の人たちとの連携が発生するため、関わる人たちと円滑なコミュニケーションをとれる人がインフラエンジニアに向いています。
インフラエンジニアのキャリアパスは、大きく分けて3つのパターンがあります。
現場でインフラエンジニアの経験を積んだのち、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)となり、マネジメントを任されるのがインフラエンジニアの代表的なキャリアパスです。
関連記事:プロジェクトマネージャーになるには?向いている人の特徴や、転職がおすすめなケースを解説
ITスペシャリストとは、特定の領域における専門家としてプロジェクトに参加する技術者です。現場でインフラエンジニアとして一通りの業務を経験したのち、自分の適性や興味関心のある領域に特化して、プロフェショナルとして技術を追求していくキャリアパスです。
関連記事:ITスペシャリストとは?仕事内容や向いている人、必要な資格を解説
インフラエンジニアとして培った技術的な経験やスキルを活かして、ITコンサルタントに転じるキャリアパスもあります。これはIT技術の観点からコンサルティングを行なう職種で、クライアント企業の経営や事業における目標達成や課題解決を支援するため、技術だけでなく経済やビジネスなど幅広い知識が必要です。
インフラエンジニアのキャリアプランについて詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。
近年はクラウド経験者を求める企業が急増しており、AWS(Amazon Web Service)、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などの実務経験があるインフラエンジニアは、引き続き転職市場で高いニーズがあります。
なかでも自己研鑽を積んでいる人は採用選考でも評価が高く、転職の成功率も高い傾向があります。「インフラ+マネジメント能力」「インフラ+プログラミング能力」など、プラスαのスキルや能力がある人材は特に評価が高いため、インフラの知見に加えてアピールできる要素を身につけることが、インフラエンジニアの転職を成功させるポイントです。
関連記事:インフラエンジニアの転職まとめ|おすすめのキャリアパスや成功事例、求人特集
未経験者がインフラエンジニアとして採用を目指すには、自己研鑽として資格の学習・取得の実績があると、書類選考や面接で転職の意欲を示すアピール材料になります。インフラエンジニア未経験者であれば、比較的難易度が低いCCNAやAWS認定資格、LinuCなどがお勧めです。また専門のスクールや職業訓練校、学生時代などに勉強したことで、インフラエンジニアの仕事に役立つものや関連するものがあれば、ぜひ面接でアピールしてください。
面接では、経験のない仕事でも熱意を持って取り組めるかどうかを確認されます。前職までの仕事で一番頑張ったことや、その経験を通して成果を出した実績があれば、仕事への達成意欲や責任感をアピールできます。事前にこれまでのキャリアを振り返り、該当する経験や実績を洗い出して、面接でわかりやすく伝えられるように準備することが大事です。
また面接では、「エンジニアにはさまざまな職種がある中で、なぜインフラエンジニアをやりたいのか」を必ず聞かれます。こちらについても事前に転職理由や志望動機を整理し、インフラエンジニアに興味を持った具体的なエピソードなどを語れるように、しっかり準備して面接に臨んでください。
関連記事:ITエンジニアに未経験転職するには?転職成功に必要な知識やスキルを解説
クラウドエンジニアは将来性の高いインフラエンジニア職種の一つと言われています。
昨今、コスト削減や運用の効率化を目的にクラウドサービスを使った開発が主流となっており、多くの企業でサーバーやソフトウェアのオンプレミス(自社運用)から、クラウドへの開発に切り替えが進んでいます。そのため企業によっては、クラウドサービスの使用経験を募集条件に入れているところもあり、クラウド上でシステム構築ができるクラウドエンジニアの需要は引き続き高いと言えるでしょう。
関連記事:インフラエンジニアの将来性は?AIがもたらす影響や、市場価値を高めるための方法も解説
ITインフラの業務できついと言われているのが、アクシデント(システム障害)が起こった際の緊急対応です。ITインフラが障害を起こすと、システムが止まってしまい会社や取引先に大きな影響が発生します。そのためインフラエンジニアは、障害が起こった際解決するまで対応しなくてはならず、場合によっては残業が発生するため、肉体的にも精神的にもつらいと感じるかもしれません。
ここからは、type転職エージェントを使ってインフラエンジニアとして年収アップを実現した、転職成功事例を紹介していきます。
インフラエンジニアは、人々の生活に欠かせないITの基盤を支える大事な仕事です。採用市場でも高いニーズがあり、意欲や適性があれば未経験から転職を目指すことも可能です。自分の技術を活かして世の中の役に立ちたい人や専門性を高めたい人は、インフラエンジニアとしてキャリアを積むことを考えてみてはいかがでしょうか。
type転職エージェントでは、インフラエンジニアの転職支援を行なっています。 IT業界やエンジニア専任のキャリアアドバイザーが、個別のカウンセリングを通じてあなたの経歴やスキルを理解し、最適なキャリアプランや求人をご提案します。応募書類の添削や面接の日程調整、面接対策なども行ない、転職活動を全面的にサポートします。インフラエンジニアへの転職でお悩みの際は、ぜひ一度type転職エージェントにお問い合わせください。
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