ボーナス(賞与)で損をしない転職のタイミングとは?

掲載日 : 2022.07.21最終更新日 :2022.07.21

ボーナス(賞与)で損をしない転職のタイミングとは?

社会人として働く上で、「ボーナス」という言葉ほど魅力的なものは他にありません。当然、転職をするのであれば退社前にボーナスはもらっておきたいはずです。「でも、辞めるのにもらっても良いのかな?」そう考える方も少なくないでしょう。
結論から言えば、ボーナスを受け取ってから退職することは全く問題ありません。考え方にもよりますが、ボーナスは会社の利益を生み出したことへの報酬とも言えるため、算定期間に勤務していたのであれば、受け取ることは当然の権利と言えます。
では、実際にどのようなスケジュールで「退職〜入社」を行えば、ボーナスで損をしないのか、詳しく解説していきましょう。

この記事の監修者
監修者の石井 祐太郎

石井 祐太郎キャリアアドバイザー部 課長

住宅メーカーで戸建事業部、リフォーム事業部にて個人、法人相手の営業を経験。 様々な業界の知見を深めることができること、前職より多くの方の人生の転機に立会いサポートできることに魅力を感じ、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。転職希望者の側に立ち、未来を見据えたご支援を続けている。
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ボーナスで損をしない転職のポイント

まず大事なのは、退職届を提出するタイミングです。転職活動を行うにあたって、「いつ辞めるか」「いつまでに内定をもらうか」という目標はある程度決めていると思います。ですが、実際に退職届を出すまで、会社はあなたに退職する意思があることを知りません。

あなたが退職することを知る前と後では、会社の対応が変わる可能性を考慮すると、この退職届を出すタイミングは非常に重要なのです。

では、確実にボーナスを受け取ってから転職するためには、どの時期に退職届を出すべきでしょうか?それは、「ボーナスが支給された後」です。きちんとした賞与支給のルールがある大手企業などを除き、中小企業などの経営者判断によってボーナス支給額が決定する企業においては、退職の意志があることを理由に減額となる可能性があります。

実は法律上、企業にはボーナスを支給する義務はありません。そのため、支給額は会社の裁量次第となるケースが多く、退職を理由に支給額が変動した場合でも、異議を唱えることが難しいのです。ですので、退職前に確実にボーナスを手に入れたいのであれば、支給後に退職を申し出ることをおすすめします。

もう一つ大事なのが、転職先での賞与支給のタイミングです。現職でのボーナス支給後に退職届を提出し、引き継ぎや転職がスムーズに進んだ場合、上手くいけば転職先でもボーナスを受け取れる可能性があります。企業によって細かい条件は異なりますが、ボーナスは一定期間在籍しないと支給されません。そのため、賢くボーナスを手に入れるにはスケジューリングが非常に重要と言えます。

ただし、気をつけなければならない点がいくつかあります。その一つが転職先の状況です。
在職中に転職活動を行うのであれば、内定が決まってから退職届を提出しようと考える方が多いでしょう。内定が決まってから転職先へ入社するまでの一般的な期間は1〜2ヶ月と言われています。職種や企業、役職などによって異なりますが、長くても3ヶ月程度が目安でしょう。中途採用の場合、転職先は即戦力を求めているケースが多いため、あまり長く引き伸ばすことは先方に迷惑をかけることになります。

ボーナスにこだわるあまり、せっかくのチャンスを棒に振っては元も子もありません。場合によっては、現職でのボーナスをあきらめることも肝心です。
現職のボーナスがなくなったとしても、転職先での賞与算定期間が長くなることで、長期的には多くの金額を手に入れることができる場合もあります。無理のないスケジュールで転職することで、時間的にも精神的にも余裕ができ、より良いスタートを切ることができるメリットもあるので、どちらが得か冷静に考えてみると良いでしょう。

ボーナスをもらって転職するための準備

効率的に、賢くボーナスを受け取るためには、以下の情報をきちんと調べておくことが重要です。

ボーナス支給に関する規定

企業によって、賞与支給に関するルールは様々です。先述のとおり、ボーナスの支給に関して企業に法的な義務はありません。ですので、ボーナス支給の有無や金額については就業規則・賃金規定など、労働契約の内容に準拠します。前述した退職によってボーナスが減額されるケースなども、あらかじめ規定を調べておけば回避することができます。まずは、社内規定をしっかり調べてみましょう。

ボーナス算定期間

通常、ボーナスは半年程度の期間における業績や評価によって金額が決定します。しかし、その算定期間は企業によってまちまち。例えば冬のボーナスであれば、「9月~2月」や「10月~3月」など、会社によって異なります。
そして、多くの会社では算定期間のうち一定期間以上(場合によっては全て)在籍していない場合、ボーナス支給の対象とならないというルールを定めています。条件を満たさず退職した場合、ボーナスがもらえなくなってしまうので、しっかりとスケジュールを把握することが大事になります。

ボーナス支給時における在籍の必要性

企業によっては、ボーナスの算定期間中に在籍していても、支給日時点で会社に在籍していないと、ボーナスを支給しないとしている場合があります。また、たとえ支給日に在籍していたとしても、ボーナスが受け取れないケースもあります。企業の中には在籍の有無にかかわらず、支給日より前に退職届けを受理した場合はボーナスの支給を行わない、といったルールが採用されていることがあるからです。

このように、タイミング次第では本来受け取れるはずの大事なボーナスが全て消えてしまうこともあります。そうならないためにも、社内規定はきちんと確認してから、転職を行いましょう。もし、社内規定にボーナスに関する条件が明記されていないのであれば、ボーナス支給後に退職届けを提出するのが無難でしょう。

ボーナスを受け取るための転職スケジュール

できるだけ多くボーナスを受け取るために理想的なスケジュールを、夏と冬の二つのパターンに分けて紹介します。

【夏のボーナス】

  • 5月・・・転職先の内定
  • 6月末・・・現職のボーナス支給→退職届を提出
  • 7月・・・引継ぎ
  • 8月頭・・・転職先に入社
  • 12月末・・・転職先のボーナス支給

【冬のボーナス】

  • 11月・・・転職先の内定
  • 12月末・・・現職のボーナス支給→退職届を提出
  • 1月・・・引継ぎ
  • 2月頭・・・転職先に入社
  • 6月末・・・転職先のボーナス支給

ボーナス支給に関する注意点

ここまで、より損をせずボーナスを受け取るためのポイントを挙げてきました。とはいえ、「損をしない」こと以外にも気をつけるべき点はいくつかあります。

そのひとつが、退社する際の印象についてです。賞与は今まで働いてきた実績に対するものだと考えた場合、ボーナス支給の直後に退職することは決して悪いことではありません。ですが、きちんと業務の引き継ぎをせずボーナスをもらって即退社となれば、周囲に迷惑をかけるだけでなく、あなたの行動を「もらい逃げ」と感じる人もいるでしょう。
そうならないためにも、退職の申し出や業務の引き継ぎにはしっかりと時間をかけ、周囲に理解してもらうことが重要です。具体的には、退職届の提出はボーナス支給後1〜2週間以上経ってから、その後の引継ぎは約1カ月程度の期間を設けると良いでしょう。互いに悪印象を持ったまま退社しても、良いことはありません。マナーを守り、気持ちよく次の環境に移れるようにしましょう。

そして最後に一番重要なのは、転職の目的について見失わないことです。転職はあくまで自分にとってより良いキャリアを築くためのものです。ボーナスは満額受け取れるに越したことはありませんが、それは転職の第一目的ではありません。自分にとって何が大事かしっかりと考えながら、最適な転職のタイミングを探していきましょう。

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