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最終更新 : 2023.7.28
近年、原材料価格の高騰や円安などが原因で、物価が上昇し続けています。一方で業績が振るわない、受注の先行きに不安があるなどの理由で賃上げができていない会社が多いのも現状です。
企業によるベースアップが期待できず、給料が上がらないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、そんな状況にあっても自身の努力次第では給料を上げられる可能性もあります。
給料を上げるためには原因を把握し、それに合わせた対処をすることが大切です。本記事では、給料が上がらない原因や給料を上げるためにできることを解説します。現在の平均年収も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
石井 祐太朗キャリアアドバイザー部 課長
住宅メーカーで戸建事業部、リフォーム事業部にて個人、法人相手の営業を経験。様々な業界の知見を深めることができること、前職より多くの方の人生の転機に立会いサポートできることに魅力を感じ、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。転職希望者の側に立ち、未来を見据えたご支援を続けている。まずは日本人の平均年収がいくらなのかを把握しておきましょう。
ここでは、最新の全体の平均年収や年齢別・勤続年数別・業種別の平均年収を紹介します。
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3年分)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の一人あたりの平均給与額は、443万円でした。男女別では男性が545万円、女性が302万円です。
なお給料日に企業から支払われるのが「給与」、給与から残業代や各種手当などを引いたものが「給料」です。
区分 | 平均給与 |
---|---|
全体 | 443万円 |
男性 | 545万円 |
女性 | 302万円 |
内訳をみると、平均給料・手当は377万円、平均賞与は67万円でした。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は、全体で17.7%という結果となっています。
区分 | 平均給料・手当 | 平均賞与 | 平均給料・手当に対する平均賞与の割合 |
---|---|---|---|
全体 | 377万円 | 67万円 | 17.7% |
男性 | 460万円 | 86万円 | 18.6% |
女性 | 262万円 | 41万円 | 15.5% |
※出典元:同上
年齢別の平均給与は55~59歳が最も高く、529万円でした。
年齢区分 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
19歳以下 | 133万円 | 152万円 | 113万円 |
20~24歳 | 269万円 | 287万円 | 249万円 |
25~29歳 | 371万円 | 404万円 | 328万円 |
30~34歳 | 413万円 | 472万円 | 322万円 |
35~39歳 | 449万円 | 533万円 | 321万円 |
40~44歳 | 480万円 | 584万円 | 324万円 |
45~49歳 | 504万円 | 630万円 | 328万円 |
50~54歳 | 520万円 | 664万円 | 328万円 |
55~59歳 | 529万円 | 687万円 | 316万円 |
60~64歳 | 423万円 | 537万円 | 262万円 |
65~69歳 | 338万円 | 423万円 | 216万円 |
70歳以上 | 300万円 | 369万円 | 210万円 |
※出典元:同上
男性の場合、60歳未満までは年齢が高くなるにつれて平均年収も上がることがわかります。その一方で女性の場合、年齢による差はほとんどありません。
勤続年数別の平均給与は30~34年が最も高く、680万円でした。
勤続年数 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
1~4年 | 329万円 | 404万円 | 254万円 |
5~9年 | 382万円 | 474万円 | 278万円 |
10~14年 | 444万円 | 538万円 | 315万円 |
15~19年 | 508万円 | 607万円 | 347万円 |
20~24年 | 575万円 | 674万円 | 385万円 |
25~29年 | 647万円 | 726万円 | 441万円 |
30~34年 | 680万円 | 761万円 | 453万円 |
35年以上 | 577万円 | 650万円 | 355万円 |
※出典元:同上
男性は、35年未満までは勤続年数が長くなるほど高くなり、30~34年では761万円に達しています。女性も、35年未満までは勤続年数が長くなるほど高くなる傾向がありますが、男性に比べると勤続年数による差は比較的小さい結果となりました。
業種別でみると平均給与が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の766万円、次いで金融業・保険業の677万円でした。
業種 | 平均給与 | 平均給料・手当 | 平均賞与 |
---|---|---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 766万円 | 609万円 | 157万円 |
金融業・保険業 | 677万円 | 523万円 | 154万円 |
情報通信業 | 624万円 | 507万円 | 116万円 |
学術研究・専門・技術サービス・ 教育・学習支援業 |
521万円 | 430万円 | 91万円 |
製造業 | 516万円 | 421万円 | 95万円 |
建設業 | 511万円 | 439万円 | 72万円 |
複合サービス事業 | 494万円 | 391万円 | 103万円 |
不動産業・物品賃貸業 | 426万円 | 381万円 | 45万円 |
運輸業・郵便業 | 425万円 | 376万円 | 49万円 |
医療・福祉 | 407万円 | 353万円 | 54万円 |
卸売業・小売業 | 377万円 | 326万円 | 51万円 |
サービス業 | 369万円 | 325万円 | 43万円 |
農林水産・鉱業 | 310万円 | 274万円 | 37万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 260万円 | 260万円 | 15万円 |
※出典元:同上
平均給与が最も低い業種は宿泊業・飲食サービス業で、260万円でした。業種によって平均給与に大きく差があることがわかります。
平均給与は会社の規模によっても異なります。会社の規模別の平均給与は資本金10億円以上が最も高く、616万円でした。
資本金 ※株式会社 |
平均給与 | 平均給料・手当 | 平均賞与 |
---|---|---|---|
2,000万円未満 | 381万円 | 349万円 | 32万円 |
2,000万円以上5,000万円未満 | 417万円 | 361万円 | 55万円 |
5,000万円以上1億円未満 | 423万円 | 362万円 | 60万円 |
1億円以上10億円未満 | 477万円 | 392万円 | 85万円 |
10億円以上 | 616万円 | 481万円 | 134万円 |
※出典元:同上
上記データをみると、会社の規模が大きくなるほど平均給与が高いことがわかります。平均給料・手当や平均賞与も、資本金2,000万円未満と10億円以上では大きく差が生じているのが現状です。
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3年分)」と20年前の「民間給与実態統計調査(平成13年分)」を比べても、平均給与はほとんど変わっていません。
区分 | 平均給与 |
---|---|
平成13年分(2001年) | 454万円 |
令和3年分(2021年) | 443万円 |
※出典元:同上
給料が上がらない理由は、「会社側に原因がある」場合と、「従業員個人に原因がある」場合の2パターンに分かれます。
給料が上がらない理由として、会社の利益に貢献できるほどの成果を上げられていないケースが考えられます。
会社側は、従業員の評価に見合った給料を支払います。そのため、高い評価を得るには、成果を上げなければなりません。従来の日本では「年功序列」が採用されていたため、勤続年数が多くなれば成績が伴わずと昇給できました。しかし、近年では成果を最重要評価指数とする「成果主義」を採用する企業が増えています。そのため、成果が上げられていないと、いくら勤続年数が多くても給料が上がらないという状態になってしまうのです。
企業や職種によっては、特定の資格やスキルを持っている社員に対して「資格手当」や「技能手当」を支給するケースがあります。もし、手当が設けられているのであれば、該当する資格を取得したり社内試験に合格したりすることで給料を上げることができます。まずは資格手当や技能手当があるかどうか、自社の就業規則をチェックしてみましょう
給料は、評価基準に沿った等級や評価で決まります。評価基準に沿った等級や評価が得られれば、給料アップにつながるでしょう。
ただし、会社によって従業員の評価基準は異なります。もし、業績を出しているのに給料が上がらない、と不満に思っている場合、実は、会社の評価基準は業績以外にも、能力評価(リーダーシップなど)や、情意評価(勤務態度など)の項目が設けられており、そこが及第点に達していない可能性があります。
給料を上げるためには、自社の評価基準を十分に理解することも大切です。
給料を上げるために様々な策を講じても、会社側に原因がある場合は、従業員の努力だけで給料が上がることはありません。
「【2023年最新版】日本人の平均年収」で紹介した国税庁の調査結果からもわかるように、給与水準は業界や会社の規模によって異なります。そのため、そもそも給与水準が低い業界や小規模の会社で働いている場合は給与アップが難しいかもしれません。
会社の利益は従業員の給料に反映されます。そのため、給与が上がるかどうかは、会社の業績が大きく影響します。どれだけ会社に貢献しても、会社全体の業績が上がらなければ、給料として還元できる割合が少なくなります。
会社に原因がある場合、従業員が努力しても給料が上がらない可能性があります。しかし、少しでも可能性がある限りは、何らかの工夫をして給料アップを狙いましょう。
それでも今の会社で給料アップが期待できない場合は、転職を視野に入れるのも一つです。
今の会社で給料を上げたい場合は、役職を上げる昇進を目指してみるのもよいでしょう。多くの場合、昇進には昇給が伴うため、今の会社で給料アップが目指せます。
成果を上げたりスキルアップすれば会社の利益に貢献でき、適切な評価を受けられ、昇進できる可能性があります。
会社側に給料アップの交渉をするのも手段の一つです。交渉を成功させるには、会社や上司を納得させられる材料が必要です。スキルや実績を具体的な数値で示すなど、それなりの準備をして臨みましょう。
ただし交渉直前にノルマが未達成になってまったり、クレームを発生させてしまったときはスムーズに交渉できないかもしれません。褒められたときや成果を出したときなどタイミングを見計らって交渉してみましょう。
なお、会社によっては給与テーブルが定められているところもあります。その場合は交渉ではどうにもならない可能性が高いです。しかし「給与を上げていきたい」という意欲を上司に伝えることで、昇進に必要な条件や、成果を明示してもらえるかもしません。
会社側の理由で給料が上がらない場合、このまま働き続けても給料がアップする可能性は低いでしょう。給料を上げるために、今よりも給料が高い会社に転職するのも一つです。
同じ業種や職種でも、給与水準の高い会社に転職すれば給料が上がる可能性があります。また、それまでの経験やスキルを生かせる転職先を選べば今よりも高いポジションで転職できるかもしれません。異業種や異職種でもこれまでの経歴が評価され、好待遇で転職できるケースもありますが、基本的に未経験の場合は給料が下がってしまうことがほとんどなので注意しましょう。
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会社は従業員の貢献度や実績などを評価し、それに見合った報酬を給料として支払います。そのため、会社への貢献度が低く実績が不十分な場合、給料が上がる見込みはほとんどないと言えるでしょう。
評価基準は会社ごとに異なります。まずは今の会社の評価基準を確認し、それに沿った行動をしてみることが大切です。
それでも給料が上がらない場合は、思い切って転職を検討するのも一つの手です。これまでの経歴が活かせる会社が見つかれば、今よりも給料が上がるだけでなく、高いポジジョンに就ける可能性もあります。
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