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最終更新 : 2023.1.18
転職活動をする時、あるいは転職先が決まって退職する時に、気になるのが残っている有給休暇の扱いです。
そもそも有給休暇とはどんな制度なのか、利用する上でどのような注意点があるのかを知った上で、転職を円滑に進めるために有効活用しましょう。
有給休暇(年次有給休暇)とは、取得しても賃金が支払われる休暇であり、労働基準法で定められた労働者の権利です。
週休日とは別に一定日数の休暇を与えることで、労働者が心身のリフレッシュやストレス解消を図ることを目的としています。
労働基準法では、次の2つの条件を満たす従業員に対して、会社は有給休暇を付与しなくてはいけないと定めています。
この条件を満たした従業員には、最低10日の有給休暇が与えられます。その後は、勤続勤務年数が1年増えるごとに、与えられる有給休暇の日数も増えていきます。(下図参照)
雇い入れ日から起算した勤続期間 | 付与される休暇日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日間 |
1年6ヶ月 | 11日間 |
2年6ヶ月 | 12日間 |
3年6ヶ月 | 14日間 |
4年6ヶ月 | 16日間 |
5年6ヶ月 | 18日間 |
6年6ヶ月間 | 20日間 |
労働基準法では、「年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えること」と定めています。
つまり、自分に与えられた日数以内であれば、基本的に好きな時に有給休暇を取得していいということです。
ただし、1つだけ例外があります。
それは、会社に「時季変更権」が認められた場合です。
これは、「年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に、有給休暇の取得時季を変更できる」という権利です。
よって繁忙期などに、会社が「この期間に休まれると、事業や業務に支障をきたす」と判断した時は、従業員に有給休暇を取る時季を変えてもらうよう求めることができます。
また、有給休暇には「時効」があることも知っておきましょう。
有給休暇を消化できなかった場合は、次年度へ繰り越すことができますが、付与された日から2年が経つと時効になり、未消化の有給休暇は消滅してしまうので注意が必要です。
このように、有給休暇は働く人たちの当然の権利であり、本来なら取得するのに遠慮やためらいはいりません。
労働基準法でも、会社側は有給休暇の取得を申請した従業員に対して、賃金を減額したり、各種手当や賞与の額を算定する際に有給休暇を欠勤扱いにするといった不利益な扱いをしてはならないと明確に定めています。
ところが日本の従業員の有給取得率は、世界的に見ても低い水準に留まっています。
厚生労働省の調査によると、日本国内の労働者が取得した有給休暇の平均日数は10.1日、有給休暇の取得率は56.6%となっています。(厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」より)
この有給休暇の取得率の低さを受けて、厚生労働省では有給休暇の取得を推進するための法律改正に向けた調整を進めてきました。それを受けて労働基準法が改正され、2019年4月から「年10日以上の有給休暇取得の権利がある従業員について、最低でも5日以上は使用者が時季を指定して取得させること」が義務付けられました。法律に違反した場合は、懲役6ヶ月または従業員1人当たり最大30万円の罰金が課されます。
少子高齢化による経済構造の変化やグローバル競争の激化などにより、企業の経営モデルも方向転換を迫られています。
より効率的で高い付加価値を生み出すことが可能な働き方を実現するには、従業員の休暇の取得を促進し、心身をリフレッシュしながら生きがいや働きがいを感じられる労働環境を整備することが不可欠です。
こうした背景から、企業経営に好影響をもたらすための施策として、国が有給休暇取得を義務化したのです。
とはいえ、どうしても有給休暇を消化できないケースはまだまだ多いので、「休めなかった日数分を買い取ってもらえればいいのに」と考える人もいるかもしれません。
原則として、会社が有給休暇を買い取ることは認められていません。
有給休暇はあくまでも「従業員を休ませるための制度」なので、会社がお金を出せば従業員を休ませなくていいと認めてしまうと、有給休暇という制度の本来の意義が損なわれてしまうからです。
ただし例外として、退職時に消化しきれていない有給休暇があった場合は、残りの休暇を会社が買い取ることが認められています。
とはいえ買い取りは義務ではありませんから、会社に断られることもあります。
退職時に余った有給休暇の扱いについては、会社の就業規則に記載されていることもあるので確認してみましょう。記載がない場合は会社と個別に交渉することになりますから、対応はケース・バイ・ケースになると考えてください。
有給休暇取得の義務化は、「すべての会社」に適用されます。規模の小さな中小企業も例外ではなく、「最低でも5日以上の取得」を守らなくてはいけません。
2019年の法律改正では、「使用者が時季を指定して取得させること」としているので、有給休暇の消化日数が5日未満の従業員に対しては、企業が日にちを決めて取得させる必要があります。
具体的な方法としては、2通りが考えられます。1つは、従業員ごとに個別に時季を指定するやり方です。会社が有給休暇の取得状況をチェックし、5日未満になりそうな従業員がいたら双方で話し合って取得する指定日を決めます。
もう1つは、「計画年休制度」を導入する方法です。これは会社が従業員代表と労使協定を結んだ上で、あらかじめ有給休暇を取得する日にちを決めてしまう制度です。全社で一斉に指定することもあれば、部署ごとに指定することも考えられます。
いずれの方法を選択するかは、従業員数や構成、社内の事情によって会社が決めることになります。中小企業で働く人は、自分の会社がどちらの方法を採用したのか確認しておきましょう。
退職が決まった後でも、残っている有給休暇をまとめて取得することは可能です。
最初に説明した通り、有給休暇の取得は労働者に与えられた正当な権利であり、基本的に会社が労働者からの有給休暇の申請を拒否することはできません。
これは退職を申し出た後でも同じです。
よって退職前にまとめて有給休暇を取得し、その間に転職活動したり、転職後の仕事に必要な資格取得やスキルアップのために使うことができます。
普段は業務が忙しくて転職活動のためになかなか時間をとれないという人は、この期間を有効活用して、集中的に転職活動を進めることもできます。
すでに転職先が決まっている人は、新しい仕事に万全の体制で臨めるよう、有給休暇の間にしっかり心身をリフレッシュさせるという使い方も可能です。
有給休暇を取得する際に、理由を答える必要はありません。有給休暇は一定の期間勤続した従業員に与えられる正当な権利なので、理由に関わらず取得できます。
退職にあたって有給休暇を取得する場合も同じです。わざわざ「転職活動のため」「転職に向けたスキルアップのため」などと伝える義務はありませんし、会社が取得理由によって有給休暇の申請を却下することもできません。
また、前述した「時季変更権」も、退職が決まっている人に対しては使えません。よって、退職を間近に控えた人から有給休暇の取得を申請されたら、会社が時季を変更するよう求めることはできないので、本人の意思で取得期間を決めることができます。
ただし当然ながら、有給休暇はその会社に在籍している間でなければ取得できません。
退職前に有給休暇をまとめて消化するには、以下の2つの方法があります。
どちらを選択するかは本人の自由ですが、大事なのは職場に迷惑をかけないこと。
円滑に業務の引き継ぎを行うには2つの方法のうちどちらがよいか、上司や仕事の関係者と相談しながら決めることが必要です。
退職日を決める際は、まずは残っている有給休暇の日数を確認し、さらに引き継ぎに必要な期間を考慮した上で、会社と相談するようにしましょう。
有給休暇の取得は労働者の権利ですが、退職するからといって会社や職場の都合を一切考えないのは、社会人としてのマナーに欠けます。
有給休暇を有効活用するには、制度や仕組みを理解した上で、周囲との調整や業務の引き継ぎがきちんとできるよう準備することが必要と心得てください。
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