契約社員と正社員の違いは?雇用形態・給料・待遇・向いている人別に解説

最終更新 : 2023.8.9

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これまでは、安定を求めて正社員で働くことを目指す人が多い傾向にありました。しかし、現在は働き方の多様性が広がっていったことで、あえて契約社員の雇用形態を選択し、働く場所や時間の調整を行い自分に合った働き方を実現する人も増えています。

そこで本記事では改めて、契約社員と正社員の違いや、メリット・デメリットについて説明します。どちらの雇用形態で転職をするか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の監修者
監修者の河村 泰子

河村 泰子キャリアアドバイザー部 部長

インテリア業界にて販売職として4年間従事。店長を勤める。自身の経験を活かした更なるステップアップを求め、type女性の転職エージェントキャリアアドバイザーへ転職。幅広い方のご支援を実現し、管理・コンサル・企画系職種のチーム立ち上げに携わり、現在では同部門のマネジメントとして活躍。細やかで丁寧な対応が強みとなっている。 監修者プロフィールを詳しく見る >>

契約社員とは

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契約社員とは、雇用契約の期間が定められている非正規雇用労働者のことです。労働基準法第14条では、1回の契約期間は原則として最長3年と定められています。

※出典元:e-GOV法令検索「労働基準法」

ただし、厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識を有する労働者と満60歳以上の労働者の場合、最長5年の契約期間が認められています。厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識を有する労働者とは、次のような職業にあてはまります。

  • ・博士の学位
  • ・公認会計士
  • ・医師
  • ・歯科医師
  • ・獣医師
  • ・弁護士
  • ・一級建築士
  • ・税理士
  • ・薬剤師
  • ・社会保険労務士
  • ・不動産鑑定士
  • ・技術士
  • ・弁理士
  • ・システムアナリスト
  • ・アクチュアリー  など

※出典元:厚生労働省「労働基準法第14条における「専門的知識等を有する労働者」」

契約社員は契約期間の満了を迎えると、終了または更新のいずれかの選択が必要です。契約社員について詳しく知りたい方は、下記の「契約社員とは?正社員との待遇差やメリットを解説」をチェックしてみてくださいね。

契約社員と正社員との違い

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雇用期間

契約社員は企業と契約した時点で、雇用契約の終了期限が定められています。1回の雇用契約は3年または5年が上限ですが、企業や業務内容によって6カ月のケースや1年のケースなど様々です。一般的には、1年で契約するケースが多いです。

雇用期間の満了を迎えたときに、企業と労働者との間で合意が得られれば、契約を更新することも可能です。一方で、企業または労働者のいずれかが合意しなければ、雇用期間の満了をもって終了となります。

契約社員のような有期雇用労働者には、契約期間の定めのない無期雇用に転換できる制度があります。無期雇用への転換は、同じ使用者(企業)で5年以上働いた労働者に限って権利を取得することが可能です。

無期雇用への転換を希望する場合は、労働者自らが使用者側に申し出る必要があります。ただし、無期雇用はあくまでも契約期間に定めがなくなるというだけであり、雇用形態が正社員に変わるわけではありませんし、また正社員と同じ待遇になれるとも限りません。

一方の正社員は、雇用期間に定めがないのが特徴です。基本的には自らが退職を希望する、または企業から合理的理由のもとで解雇されない限り、雇用契約が終了することはありません。

関連記事:契約社員は5年を超えて更新することはない?5年ルールの要件を解説

雇用条件と待遇

契約社員は雇用期間に定めがあり、基本的に満了後は企業との雇用関係が終了します。そのため、責任のある仕事は任されにくく、契約時に決められた範囲内での業務内容になります。

企業は、従業員の評価に応じて利益を還元するのが一般的です。契約社員は、正社員に比べて任される仕事の責任の重さに違いがあるため、利益が還元されにくい側面があります。昇進や昇給、ボーナスは正社員に比べて少ないか、まったく支給されないケースも珍しくありません。退職金に関しても契約社員を対象外にしている企業が多いです。

正社員には昇進や昇給の機会を設けていたり、ボーナスを支給する企業が多く、勤続年数に応じた退職金が支給されることもあります。

また、契約社員として働くと、正社員に認められている福利厚生制度が対象外になっていることがあります。社会保険や雇用保険に加入するには、一定の要件を満たさなければなりません。雇用期間や労働時間によっては、各種保険に加入できないケースもあります。交通費も契約社員は全額支給ではなく、一部支給としている企業もあるようです。

一方で正社員の場合、企業が用意している福利厚生制度の利用が可能で、社会保険や雇用保険への加入はもちろんのこと、交通費の支給範囲も契約社員より広いケースがほとんどです。住宅手当や家族手当などの各種手当も、正社員のみを対象としている企業が多くみられます。

関連記事:契約社員にボーナスがないのは違法?同一労働同一賃金の影響についても解説

キャリア

前述したように、契約社員は有期雇用のため、正社員のような昇進の機会はありません。そのため、どれだけ成果をあげたとしてもポジションに変化が生まれないことから、同じ会社で契約社員としてキャリアアップを目指すのは難しいです。

一方で、正社員は成果を出せば昇進の機会があります。企業によっては用意されているポジションも豊富なため、さまざまなキャリアパスを選択できるでしょう。

しかし、契約社員にしかないキャリア形成の方法もあります。正社員は無期雇用のため、契約に期限がなく、基本的に退職の意思表示は自分から行わなければなりません。さまざまな場所で経験を積みたい人や、スキルを身に付けたい人にとっては、契約社員の方が定期的に仕事を変えやすいので、目指すキャリアを築きやすいとも言えます。

契約社員と正社員それぞれのメリット・デメリット

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契約社員のメリット・デメリット

契約社員のメリットは、最初の雇用契約で業務の範囲が決まる点です。そのため、転職活動の時点で、業務内容を絞って応募をしていれば、自分のスキルや経験を活かせる仕事ができるでしょう。

業務の範囲以外にも契約社員は勤務時間も定められており、残業や休日出勤を求められることが少ないため、ワークライフバランスを実現しやすいです。正社員と違って転勤や異動の可能性もないため、基本的には自分が任された業務内容と範囲に集中して働けます。

一方で、デメリットは雇用が安定しない点です。契約社員は正社員と違って、有期雇用のため契約満了時に企業側で更新しないと判断されてしまえば、職を失ってしまいます。不景気の影響も受けやすいため、契約社員で働く場合は雇用止めの可能性があることを承知したうえで、働くようにしましょう。

安定した収入があることが条件のクレジットカードやローンなども、場合によっては審査が通らない可能性があります。特に返済期間が長い住宅や車のローンは審査が厳しいので注意が必要です。

また、契約社員は昇進・昇給の機会が無いため、どれだけ成果を挙げたとしても給与の変動はありません。このように評価が報酬として反映されないことは、モチベーションの低下に繋がる可能性もあります。

正社員のメリット・デメリット

正社員には雇用期間の定めがないため、長きにわたって安定的に働き続けることが可能です。雇用が安定すると社会的信用が高くなり、車や住宅を購入する際のローンの審査にも通りやすくなることがあります。

また、正社員には昇給のチャンスが与えられているため、給与がアップする可能性もあります。給与アップのチャンスがあれば、モチベーションを高めながら業務に取り組めるでしょう。他にも、正社員はボーナスの支給がされたり、充実した福利厚生を受けられるなど、契約社員にはないメリットがあります。さらに、正社員には昇進の機会もあるので、キャリアプランの選択肢が広がるでしょう。とくにいずれマネジメント職などに就きたいと考えているのであれば、正社員雇用がおすすめです。

しかし、企業によっては人事異動による転勤の可能性があり、住み慣れた場所からの転居や単身赴任を余儀なくされる可能性があります。契約によって業務内容が固定される契約社員とは異なり、正社員の配属先は会社要請で配置転換が発生するため、希望する業務を担当できなくなることも考えられます。他にも、残業や休日出勤が増えると休暇が取りづらくなり、ワークライフバランスを実現できないことがあるかもしれません。さらに、業務範囲が増えて責任が重くなると、仕事に対するストレスを感じやすくなります。

契約社員が向いている人

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契約社員の働き方が向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • ・専門分野や特定の仕事をコツコツこなしたい人
  • ・一つの職場に縛られず様々な職場を経験したい人
  • ・プライベートを重視したい人

契約社員は、雇用契約を結ぶ段階で業務内容と範囲が決まります。基本的にはそれ以外の仕事を任されることがないため、専門分野や特定の業務に集中して取り組むことが可能です。

雇用期間が満了を迎えたときには更新せず、終了するという選択肢もあります。同じ職場に縛られず、様々な職場で経験を積みたいという人には、契約社員がおすすめです。

また、契約社員は定時で終業できるケースも多く、残業や休日出勤はほとんどありません。ワークライフバランスを実現しやすいため、家庭やプライベートを重視したい人は契約社員としての働き方を選ぶのも一つです。

正社員の働き方が向いている人

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正社員の働き方が向いている人の特徴は、次のとおりです。

  • ・安定した雇用を求めている人
  • ・高収入を目指す人
  • ・一つの組織に腰を据えてキャリアアップしたい人

正社員は雇用期間に定めがないため、自ら退職したり解雇されたりしない場合は、定年退職を迎えるまで働けます。雇用期間の終了によって職を失うことに不安がある人は、雇用が安定している正社員として働くのがおすすめです。また昇給や昇格、ボーナスを正社員に限定している企業も多く、努力次第で収入アップを目指せます。高収入を目指したい人は、正社員を選ぶとよいでしょう。

正社員は同じ企業で長く働けるだけでなく、責任のある業務にもチャレンジできます。仕事に対する向上心が高く、チャレンジ精神が旺盛な人は、正社員として働くことでキャリアアップを実現できるでしょう。

契約社員と正社員の違いに関するよくある質問

契約社員になりたい場合と正社員になりたい場合では転職方法って違うの?

雇用形態によって転職方法に違いはありません。どんな方法で転職するにしても、求人情報で雇用形態をしっかりと確認し、自分に合った転職先を選ぶ必要があります。正社員として働くことを希望している場合は、正社員からスタートしない求人は避けておくとよいでしょう。

契約社員から正社員になる方法はあるのか?

正社員登用制度を設けている企業なら、契約社員から正社員になれる可能性があります。正社員登用制度とは、非正規雇用労働者を正社員に登用する制度です。

ただし、登用制度を利用するには、一定の要件を満たす必要があります。例えば、一定期間以上の勤続年数や試験への合格などです。契約社員として入社してから正社員を目指す場合は、正社員登用制度があるかを事前に確認してから入社しましょう。なお、契約社員から正社員になる方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

自分に合う雇用形態を選ぶことが大切

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契約社員は、仕事と家庭を両立したい人や得意分野を活かしたい人にとって、魅力的な働き方の一つです。しかし、この働き方はすべての人に向いているわけではありません。ここまでで説明した違いをしっかりと理解して、自分に合った雇用形態を選びましょう。

もし自分に合った雇用形態が分からない場合は、キャリアのプロである転職エージェントに相談してみましょう。あなたのこれまでの経歴や、スキル、希望する働き方などの要望をもとに、一緒に考えてキャリアプランを提案してくれます。

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