契約社員とは?正社員との待遇差やメリットを解説

最終更新 : 2023.8.9

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雇用形態は正社員だけでなく、派遣社員や契約社員などがあります。それぞれ働き方が異なるため、自分に合う雇用形態を選ぶことが大切です。これから働くにあたって、契約社員としての就労を視野に入れるか迷っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では契約社員のメリットやデメリット、正社員との違いなどを解説します。また、将来的なステップとして正社員になりたいと考える人もいるかと思います。契約社員から正社員を目指す方法も解説するので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の監修者
監修者の後藤和弥

後藤和弥キャリアアドバイザー部 部長

新卒で入社した求人情報誌営業職を2年で飽き、人材紹介会社立ち上げに参画。その後本体の人材派遣会社で支店長歴任し、人事責任者等を経て現職へ。2021年3月まではキャリアアドバイザーの統括、2021年4月からはハイクラス領域専任となる。転職希望者の対応経験数は社内屈指。業界・職種不問で対応可能なのは社内唯一で、面接対策で高い評価と実績がある。

契約社員とは

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契約社員とは、雇用主である企業と有期労働契約を結んだ従業員のことです。有期労働契約とは、企業と従業員が期間を定めて結ぶ契約です。労働基準法第十四条第一項では、有期労働契約の期間は最長3年と定められています。

※参考:e-GOV法令検索「労働基準法第十四条第一項

なお、システムエンジニアや医師などの高度な専門知識が必要な職種に限っては、最長5年での契約が可能です。しかし、実際には1年の労働契約を結び、毎年更新または終了を判断するケースがほとんどです。

企業によっては非常勤職員や臨時職員、嘱託職員などを契約社員と呼ぶこともあります。しかし、厳密に言えば契約社員という雇用形態は存在せず、法律上では有期雇用労働者と呼ばれています。

契約社員と正社員との違い

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契約社員と正社員では、労働条件に違いがあるのが一般的です。違いがあるおもな労働条件は、次のとおりです。

契約社員 正社員
雇用期間 最長3年または5年
(※無期転換ルールあり)
無期雇用
主に月給制
給与関係 主に月給制
(※年俸制や時給制もあり)
主に月給制
福利厚生 法定福利厚生以外は限定的 あり

雇用期間

契約社員と正社員の労働条件の大きな違いは、雇用期間の有無です。正社員は無期雇用なので、基本的には定年まで働き続けることを想定して雇用されます。

一方、契約社員の雇用期間は最長3年または5年です。契約期間が満期を迎えるごとに、更新または終了のいずれかの選択をしなくてはなりません。

ただし、契約社員でも同じ勤務先での一回以上の契約更新を行い、雇用年数が通算で5年を超過すれば、次回の更新時に無期雇用への転換を申し出ることが可能です。

労働契約法第十八条では契約社員から申し出があった場合、雇用主は無期転換させなければならないと義務づけられています。

※参考:e-GOV法令検索「労働契約法第十八条

しかし、無期の雇用契約に切り替えても、正社員になれるわけではありません。有期労働契約が無期労働契約になっただけで、給与や福利厚生、勤務時間などはこれまでと同様の条件です。有期労働契約時に賞与や退職金が支給されない契約であれば、そのまま引き継ぐことになります。

正社員を目指す場合は、正社員登用制度の利用や転職も選択肢の一つです。詳しくは、後述の「契約社員から正社員になる方法」で紹介しています。

給与関係

給与形態は、契約社員も正社員も基本月給制です。ただし例外として、契約社員は時給制の場合があります。契約社員は正社員と異なり、昇進や昇格がないため給与のアップは期待できないでしょう。契約社員に賞与が支給されるかどうかも、企業によって異なります。

しかし、同一労働同一賃金が義務付けられ、雇用形態の違いで不合理な待遇差をなくすように定められました。契約社員と正社員の給与は業務内容に違いがなければ同等でなければならないため、今後は契約社員の給与が上がるかもしれません。

契約社員のメリット

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契約社員として働く場合、様々なメリットがあります。

能力やスキルを活かせる

契約社員は、雇用契約で業務の範囲が限定されています。仕事探しの段階で条件を絞り込めるため、自分の能力やスキルを活かした職種に就ける可能性が高いでしょう。

契約社員というとなんとなく「事務職」が多いと思われがちですが、実際は営業や接客、エンジニアなどの職種でも契約社員の求人はあります。その場合、エンジニアスキルや、コミュニケーションスキルを活かせる職種に絞って応募が可能です。

前述したように、契約社員は業務範囲が限られているため他部署への異動の可能性がなく、自分の得意な分野にフォーカスして活躍できるのがメリットです。

ワークライフバランスを実現しやすい

近年は価値観やライフスタイルの多様化により、ワークライフバランスを重視する人が増えています。

契約社員の勤務時間は、雇用契約ごとに定められており、契約する際に残業や休日出勤が無いように締結できます。このように勤務時間のコントロールが可能なので、仕事とプライベートを両立しやすい点がメリットの一つです。

例えば「子供が幼いうちは短時間で働く」「空いた時間を資格取得に向けた勉強時間に費やす」といった働き方もできます。

転勤の心配が不要

正社員の場合、企業によっては転勤が必要なケースもあります。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「企業における転勤の実態に関するヒアリング調査」によると、転居を必要とする人事異動がある企業の割合が2004年は29.2%だったことがわかっています。転勤は企業側が決定するため、自宅の購入や子供の進学の直後に転居を余儀なくされるケースも珍しくありません。

一方の契約社員は採用時に契約で勤務地が決まっているため、基本的に転勤はありません。転勤の心配がいらないので、その先のライフプランが立てやすいのはメリットと言えるでしょう。

契約社員のデメリット

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契約社員には自分のスキルを活かせる、ワークライフバランスが実現しやすい、希望する勤務地で働けるなどのメリットがある一方で、デメリットもあります。契約社員に転職した後に後悔しないためにも、デメリットもきちんと把握しておきましょう。

雇用が安定しない

契約社員は雇用期間に定めがある雇用形態です。雇用期間は、一度の契約で最長3年または5年です。契約満了を迎えた段階で更新できるケースもありますが、雇用主の都合によって終了となる可能性もあります。

契約社員は正社員のように、長期的に安定して働き続けにくい点がデメリットの一つです。業務内容や職場環境に満足しているものの、契約社員という不安定な雇用に不安を感じる人は、雇用主に無期雇用の転換を申し出る方法もあります。ただし、前述したように、この方法ではあくまでも有期労働契約から無期労働契約に変わるだけです。給与や勤務時間、福利厚生などはそのまま変わらず引き継ぐため、正社員になれるわけではありません。

関連記事:契約社員は5年を超えて更新することはない?5年ルールの要件を解説

クレジットカードやローンの審査にとおりにくい

契約社員は雇用期間に定めがあるため、収入が安定しません。高度な専門知識が必要な職種で給与が高い場合でも、雇用主の都合で契約期間の満了とともに更新できないリスクがあります。

金融機関や金融商品の審査で重要視されるのは、収入の安定性です。利用条件に「安定かつ継続した収入の見込める人」と定めているところも多くあります。

そのため、有期雇用の契約社員は、企業の都合などによっては雇用止めされる恐れがあり、審査で「安定かつ継続した収入」という条件を満たせないと判断される可能性もゼロではありません。

特に返済期間の長い住宅ローンやカーローンの場合、審査に影響があると予想されます。

給与が上がらない

契約社員は基本的に昇給や昇進がないため、同じ勤続年数でも正社員に比べて生涯年収に差がつくのが現状です。どれだけ成果を上げても、評価が反映されにくい側面があり、モチベーションの低下につながるおそれがあります。

昇給を希望する場合は、次回の更新を迎えたタイミングで雇用主に交渉するのも手段の一つです。ただし、交渉しても必ず昇給するとは限りません。

契約社員から正社員になれる?

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契約社員でも一つの企業での雇用年数が通算で5年を超過すれば、次回の更新時に無期雇用への転換を申し出ることが可能です。ただし、無期雇用に転換しても、自動的に正社員になれるわけではありません。

契約社員が正社員になるには、無期雇用への転換を申し出る際に、正社員への登用を打診する必要があります。他にも、正社員登用制度を利用するといった方法もあります。

契約社員から正社員になる方法

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契約社員から正社員になる方法を2つ紹介します。

正社員登用制度を利用する

正社員登用制度とは、契約社員やパート従業員などの非正規労働者を正社員として採用する制度です。

すべての企業にあるわけではありませんが、厚生労働省の「労働経済動向調査(令和4年2月)の概況」によると、正社員登用制度を設けている企業は全体の75%にのぼります。

ただし、正社員登用制度を設けていても、登用実績があるとは限りません。「正社員登用制度」があると答えた企業のうち、実際に登用実績がある企業は37%でした。

正社員登用制度では、筆記試験と面接が実施されるのが一般的です。まずは、今の勤務先に正社員登用制度があるかを確認しましょう。

ほかの企業に転職する

今の勤務先に正社員登用制度が設けられていない場合は、このまま働き続けても正社員になれる可能性は少ないと考えられます。できるだけ早く正社員になりたいなら、転職を検討してみましょう。

転職は自分で正社員求人を探して応募する方法のほかに、転職エージェントを利用する方法もあります。自力で転職する場合は自分のペースで転職活動を進められる一方で、応募書類の添削や面接対策のサポートは受けられません。

転職エージェントを利用すると、専任のキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれます。契約社員から正社員への転職支援経験をもとに、応募書類の添削や面接対策のサポートを受けられます。正社員への転職ができるか不安に感じている場合は、積極的に頼ってみましょう。

type転職エージェントは、サービス開始から25年以上の運営実績があるサービスです。「転職活動の進め方がわからない」「自分に合う求人が見つけられない」などの悩みは、キャリアアドバイザーが解決してくれます。

これまでに34万人以上の転職支援実績があるため、納得感のある転職の実現が期待できます。すべてのサービスは無料で利用できるので、まずは登録してみましょう。

契約社員に関するよくある質問

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最後に、契約社員に関するよくある質問を紹介します。

契約途中で労働条件を変更できる?

契約社員は、契約内容に沿った業務内容や給与の範囲内で働く雇用形態です。基本的には労働条件は、契約期間中に変更することはできません。雇用主に労働条件の見直しを求める場合は、次回の契約更新時に伝えるようにしましょう。

能力やスキルによっては、給与がアップする可能性もあります。契約更新時に労働条件が必ず見直されるとは限りませんが、交渉の余地はあります。

正社員との給与差はこの先も続くのか?

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、雇用形態別の賃金は正社員が323万4,000円、正社員・正職員以外は216万7,000円だったことがわかっています。

雇用形態 全体 男性 女性
正社員 323万4千円 348万8千円 270万6千円
正社員・正職員以外 216万7千円 241万3千円 195万4千円

※出典元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況

現状では、契約社員の給与は正社員よりも少ないケースがほとんどです。しかし、働き方改革関連法の改正により、2020年4月1日から同一労働同一賃金の制度がスタートしています。

この制度は非正規労働者の待遇の合理化を図り、賃金格差をなくすことが目的です。制度が浸透すれば、給与差が縮まる可能性はあります。

契約社員にボーナスがないのは違法なのか?

契約社員の場合、基本的に賞与は支給されないことが多いようです。非正規労働者に賞与の支給を義務化した法律はないため、支給されなくても違法にはなりません。もちろん企業によっては、契約社員も賞与の支給対象にしているところもあります。

契約社員だけが支給対象外の場合は、次回の更新時に交渉してみるのも一つの方法です。しかし、支給されても、正社員よりも金額が少ないケースがほとんどです。契約社員のボーナスに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

契約社員は自分に合う働き方ができる

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契約社員は雇用期間に定めがあるため、雇用が不安定になりがちです。しかし、業務内容や勤務時間などの労働条件は契約時に決められるため、契約期間中は自分の条件に合う働き方ができます。

また、基本的に残業や休日出勤がないため、プライベートの時間を多く確保することも可能です。自分のライフスタイルに適した働き方ができるため、ワークライフバランスを実現できます。

将来的に正社員になることを想定している場合は、仕事探しの段階で正社員登用制度の有無や登用実績を確認しておきましょう。

こんなことでお悩みではありませんか?

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