【アンケート調査】緊急事態宣言の全面解除を受けての中途採用状況

掲載日 : 2020.06.18最終更新日 :2020.06.18

type転職エージェントではこれまでも、新型コロナウイルス感染拡大が転職市場に及ぼしている影響についてお伝えしてまいりました。

今回は緊急事態宣言後の中途採用状況について、企業の採用担当者にアンケートを実施しました。現在の採用の状況、今後の見通しやオンライン面接の課題など今知りたい中途採用の実態についてまとめております。

1. 調査概要
2. 現在、中途採用活動を行っていますか？
3. 2020年度の中途採用の予定人数に変化はありましたか？
4. 今後の中途採用活動に対して不安や懸念に感じていること
5. 応募数に変化はあったか？
6. 現状の面接方法は？
7. オンライン面接で困っていることは？
8. 採用担当者がオンライン面接で工夫していること
9. 宣言解除後の中途採用活動の変化
10. 宣言解除後の面接方法は？
11. 採用再開に必要な条件は？
12. まとめ

アンケート実施期間：2020年5月29日～2020年6月6日
有効回答数：63名
調査方法：採用担当者を対象にWEB上で調査
回答企業の業種内訳：

回答企業の約8割が中途採用活動を「行っている」と回答しました。「延期・一時休止」「行っていない」が2割という結果に。参考値になりますが、「延期・一時休止」「行っていない」と回答した企業の業種内訳は、「サービス（28％）」「IT・通信（18％）」となりました。

2020年度の採用計画から採用人数の変化があったのか調査いたしました。「変化なし」が43％、「減少」が35％と2極化しており、「増加」は1割にとどまりました。

その他の意見としては、
・「今期の採用は終了しており、来期分の人数を検討中」
・「もともと採用人数を定めていないが厳選採用の方針のため、実質減少」
・「採用職種によって減少」
・「検討中・未定」
などの意見がみられました。

採用活動を継続している企業の3割が「減少」と回答しており、採用は継続しているものの採用人数に変化があったようです。

新型コロナウイルスが企業に与える影響もさまざまです。この状況下での採用活動に対して不安や懸念について聞いてみました。

第１位「第二波が起こり、感染拡大が中長期化する可能性」
やはり新型コロナ禍の最大の懸念は、この状況の終わりが見えないこと。中途採用においても最大の懸念になっているようです。

第２位「オンライン面接による入社後のギャップ」
面接方法を変えたことによる入社後の影響がランクイン。オンライン面接の実施状況や懸念については、後述いたします。

第３位「業務の停滞による会社全体の業績への影響」
中途採用活動への影響が大きい、会社全体への業績懸念が2割弱となりました。

その他の回答としては、
・「入社後の新入社員のコミュニケーション」
・「候補者の減少」
・「対面での選考を再開可能な時期がわからない」
・「良い人材を獲得しにくくなるのではないか」
などの懸念が挙げられました。

現在採用を行っている企業に応募数に変化があったのかを伺いました。求人が減少している中、転職希望者は増えているが、実際の傾向は分散する結果に。参考値になりますが、Web・インターネット業界、金融業界では、応募数増加の傾向にあります。

現在採用を行っている企業に現状の面接方法を伺いました。選考の一部をオンライン化している企業が96％とほぼ全ての企業でオンライン面接が行われておりました。その内の半数の企業が全ての選考をオンラインで行っていることがわかりました。緊急事態宣言解除後に対面面接への切り替えを行わずに時期を見計らっている印象です。WEB面接を行う可能性も考慮し、環境を整えておく必要があるかもしれません。

WEB面接実施の企業にオンライン面接実施における悩みを伺いました。面接時のコミュニケーションにおいての懸念が上位を占めました。合否の判断について、対面時と同じ基準でできているのか不安が2割となりました。その他の意見としては、「候補者がログインできず日程変更になることがある」と回答。

オンライン面接をうける候補者の方は、表情や温度感が伝わりにくいことを前提に面接を行うとよいかもしれません。通信環境のトラブルによって不具合が起こる際に慌てないように事前に確認をしておくと安心ですね。

今後の中途採用への懸念・オンライン面接ならではの悩みなどに対し、採用担当者の工夫点を伺いました。

オンライン面接での懸念や不安を払拭するよう工夫されている担当者が多いようです。事前の準備や話すときの意識など、面接を受ける候補者の方も参考になる意見が挙げられました。

中途採用活動を延期・一時休止と回答の企業の方に、緊急事態宣言後の採用活動について伺いました。「未定」が4割とこれから検討をする企業が多いようです。次いで「採用活動を再開する」が3割となりました。その他の意見としては、「今期は新規採用を行わず既存社員の育成に力を入れる方針だったので、変わらずに新規採用は行わない予定です」と、もともとの採用計画通りに行っているとの回答でした。

緊急事態宣言の解除にあたり面接を再開した際、面接方法に変化はあるのでしょうか。中途採用活動を延期・一時休止と回答した企業の4割は「オンライン面接を一部選考で継続」、「オンライン面接を全選考で継続」と合わせると5割がオンライン面接を実施。面接方法について「未定」も4割と面接方法については、検討している企業も多くいらっしゃるようです。

採用活動再開の条件は、「未定」が56％と半数を超えています。これから再開を検討するが2割。その他の意見としては、「全社戦略および人員計画の見直し」「コロナの影響で募集を止めている訳ではないので特になし」が挙げられました。

緊急事態宣言後の中途採用活動への影響について、対面面接からWEB面接など方法を変えて継続している企業が多いことがわかりました。業界によっても傾向が異なり、業界内でも企業ごと採用方針が異なります。採用活動の再開や再開時の面接方法など未定の企業も多く、今後も目まぐるしく転職市場が変化していくと予想されます。このアンケート結果が、候補者・採用担当者の方にとって参考になれば幸いです。