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最終更新 : 2019.4.1
面接が始まると、多くの場合はまず自己紹介を求められます。ここでうまく話すことができれば、面接官の印象も良くなり、良い雰囲気のままその後の質疑応答に入れます。面接の序盤で弾みをつけるためにも、自己紹介のポイントを知っておきましょう。
斉藤 由梨キャリアアドバイザー部 部長
一橋大学卒。求人媒体の営業職から「type転職エージェント」キャリアアドバイザーへ転身。コンサルタント・PM・SI・ベンダーと幅広い領域でのIT業界従事者の転職サポートを行い、現在は役職経験者の方や組織のリーダークラスを中心に多くの転職者を中心に転職を支援している。 監修者プロフィールを詳しく見る >>面接官が最初に自己紹介を求める最大の狙いは、「今までの人生やキャリアを簡潔に要約して伝える能力があるか」を見極めるためです。
「わかりやすく話す」というのは、ビジネスシーンにおいて誰もが必要とされる能力ですから、自己紹介を聞けばその人の基礎的なスキルや資質がどれくらいのレベルかをすぐに把握できます。
よって自己紹介で大事なのは、短い時間で必要な要素をきちんと盛り込むこと。
「3分で自己紹介をお願いします」などと時間を指定されたら、必ずそれ以内で収めてください。
時間の指定がなければ、1分以内を目安としましょう。それ以上長々と話し続けるのは絶対にNG。
指定の時間を10秒オーバーした人と10秒足りない人だったら、前者のほうが圧倒的に印象は悪くなります。
短いぶんには減点になりませんので、自己紹介については「とにかく短く簡潔に」を鉄則としてください。
そもそも自己紹介は、「自分は何者か」の概要を伝えることが目的です。
いわば「自分についてのサマリー」みたいなもので、「詳細はのちほど説明しますが、要約するとこういう人間です」と相手に伝われば十分。
よって、細かい情報をあれこれ詰め込む必要はありませんし、「自分の強みをアピールしなくては」と気負う必要もありません。
それらは自己紹介ではなく、「自己PR」で伝えればいいこと。
自己紹介と混同されがちですが、自己PRは面接官が「この応募者は自社で活躍できるか」を判断するためのもので、過去の実績や経験、強みや得意分野について具体的な回答が求められます。
これらの要素は面接官との質疑応答の中でも掘り下げていくことになるので、冒頭の自己紹介ではその前提になる概要をシンプルに伝えればOKと心得ましょう。
なお、面接の最初に自己紹介を求められないケースもあります。
その場合は、面接官が履歴書や職務経歴書を見ながら、「○○大学卒業ですね。なぜこの大学を選んだのですか?」「就職活動で××社を選んだのはなぜ?」などと質問しながら応募者の経歴を追っていきます。
スピーチ形式の自己紹介は求められませんが、質疑応答の形で「自分は何者か」を伝えることになるので、やはり事前に必要な要素を整理しておくことが欠かせません。
【自己PRの作り方はこちら↓】
では、自己紹介には具体的にどんな要素を盛り込めばいいのでしょうか。
「自己紹介をお願いします」と言われた場合の基本型は次のようになります。
退職理由や転職理由、志望動機などは、その後の質疑応答で詳しく聞かれるので、1分以内の場合は無理に盛り込む必要はありません。
触れるとしても、ひと言軽く添える程度と考えてください。
1分バージョンを基本に、前職の入社動機と退職理由・志望動機を加えます。
ただし、ここでもそれぞれの動機や理由はあくまで短く簡潔にまとめること。
これらも詳細は後の質疑応答で掘り下げるので、ダラダラと長く話す必要はありません。
時間を指定されるかどうかは、面接に行ってみないとわかりません。その場で臨機応変に対応できるよう、1分バージョンと3分バージョンの両方をあらかじめ準備しておきましょう。
【ポイント】
「2012年から5年間」のように、自分が経験したことについて「時期と期間」を明確に伝えると、「事実関係を整理して丁寧に伝えられる真面目な人」という印象を面接官に与えられます。
また、職務経験を伝える際に自分の実績を示す「数字」を入れると、わざわざ「私の強みは○○です」などと言わなくても、前職での業績や目標達成意欲の高さが相手に伝わります。
【ポイント】
1分バージョンと同様に、時期や期間、数字などのポイントを押さえることに加え、3分バージョンでは「話に一貫性があるか」を重視してください。
3分バージョンに盛り込む前職への入社動機や退職理由、志望動機などに一貫性がないと、「その時々で場当たり的にキャリアを選択してきた人」という印象を面接官に与えてしまいます。
この例文であれば、「経営=現場」がキーワードであり、子どもの頃から父が経営する店の現場に出ていたこと、大学卒業後に1社目を選ぶ際も「現場を変革する仕事」にこだわったこと、この会社を志望する動機は「日本企業の現場をさらに強くするため」であることなど、ストーリーにしっかりとした一貫性があります。
また、その後の質疑応答で話を掘り下げていく際も、「自己紹介で話したストーリーと矛盾はないか」を面接官は重視します。
よって自己紹介文を準備する際は、質疑応答の内容も想定した上で、矛盾が生じない内容を考えることが必要です。
最近は、正式な選考過程である面接とは別に、「カジュアル面談」と呼ばれる場を設ける企業が増えています。
その転職者に自社の面接を受けてもらう前に、カジュアルな形で企業の担当者と顔を合わせて、ざっくばらんに情報交換することが目的です。
カジュアル面談の場合、一般面接のような自己紹介を求められることはありません。選考が目的ではありませんし、むしろ企業側が優秀な人材を獲得するために「うちの会社にはこんな良さや魅力があります」と自社をアピールすることが主な目的なので、転職者の資質や能力を見定めるようなやりとりは発生しないと考えていいでしょう。
よって、カジュアル面談で企業の担当者と会った時は、かしこまった自己紹介をする必要はなく、ごく常識的な挨拶と失礼のない振る舞いがができれば問題ありません。
1分間や3分間で自己紹介を求められた場合は、キャリアと仕事のことに絞って話すのが原則です。
ただ、自己紹介を求められず、最初から質疑応答で経歴やプロフィールを追うタイプの面接官の場合、「趣味はありますか?」「好きなことは何ですか?」といった質問をされる場合があります。
この時、「趣味はありません」と答えるのはNG。
面接官はこの質問によって、応募者のバックグラウンドや思考・行動の傾向などを知りたいと考えています。
その人が何を好むかによって、「社交的なのか、内向的なのか」「チームでやることが好きなのか、一人でやることが好きなのか」「一つのことを長く続けるタイプなのか、流行にのって色々なことを一時的に楽しむタイプなのか」といったことがわかるからです。
つまり面接官は、自己PRや志望動機を聞くのと同じように、応募者を知るために趣味について質問しているのですから、「趣味がない」と答えるのは、「自己PRは特にありません」「志望動機はわかりません」と答えているようなもの。趣味という自覚はなくても、好きなことや楽しんでいること、長く続けていることなどが何かしらあるはずですから、それを趣味として語れるように整理しておきましょう。
転職の採用面接だからこそ、その人のキャリアの原点となる「就活」を重要な要素と位置づける面接官は少なくありません。
大学卒業後に働く1社目をどのような基準で選ぶかは、人生を左右する大きなポイントです。
その就職活動に真剣に取り組まず、「入れるところならどこでもいい」といった中途半端な決め方をした人は、転職活動においても「キャリアの軸を持たず、適当に仕事選びをする人」と判断されます。
よって、転職の面接でも新卒時の就職活動について聞かれることを想定し、「自分の中で何を優先し、どんな思いを持って会社を選んだのか」を語れるようにしておくことが必要。
就職活動をあまり頑張らなかった人ほど、きちんと当時を振り返り、「なぜその仕事を選んだのか」というキャリアの軸について説得力を持って語れるように、1社目の志望動機をもう一度整理し直してください。
自己紹介で大事なのは、話す内容だけではありません。
表情や目線、姿勢や話すスピードなど、振る舞いや話し方も同時に見られています。面接の冒頭はどうしても緊張するので、「何を話すか」だけで頭がいっぱいになりがちですが、それ以外のコミュニケーション要素にも気を配るようにしましょう。
また、第一印象は自己紹介だけで決まるのではなく、面接官が部屋に入ってきた瞬間から勝負は始まっています。
面接官が入室した時、椅子に座ったまま迎えるのはNG。
必ず立ち上がり、「○○と申します。本日はよろしくお願いします」とひと言挨拶してください。
相手が「××と申します。どうぞおかけください」と言ったら、「ありがとうございます」と言って腰掛けるのがマナーです。
【面接マナーについての詳細はこちら↓】
自分のキャリアについて短く要約して話すには、あらかじめ内容を整理しておくことが必要です。
面接の出だしでつまずかないよう、自己紹介の内容をきちんと準備して面接に臨みましょう。
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