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最終更新日 :2024.01.18
多くの企業が、中途採用の選考フローに「適性検査」を設けています。就職活動でSPIなどを受けた方は「転職と就活で適性検査に違いがあるの?」と疑問に感じられることが多いようです。
そこで本記事では、適性検査の基礎知識と、転職の適性検査の特徴、対策の必要性、通過するためのコツについて解説していきます。記事の最後には、現役のキャリアアドバイザーが適性検査でよくある質問にも回答しているので、是非参考にしてみてくださいね。
伊藤 泰子シニアキャリアアドバイザー
【保有資格】2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラーそもそも適性検査とは、企業が求職者や自社の社員の能力、性格、適性を評価するためのツールです。適性検査の結果は、選考の合否判断や、適切な人材配置を目的に利用されます。
就職活動で行った、SPIなどのテストは適性検査の中の一つです。SPIを含めた主な適性検査の種類は以下の通りです。
適性検査によって、内容や目的が変わっています。たとえば、「CAB」「DATA-OA」であればIT系職種の適性判断に向いていたり、「DII」であれば管理職向けなどです。新卒採用のように一度に多くの適性判断をしたい場合は、利用料が安価に抑えられる「玉手箱Ⅲ」などがよく使われます。
適性検査は主に「能力検査」と「性格検査」の2つの内容で構成されています。それぞれ解説していきます。
能力検査とは、個人の能力やスキルを測定し、特定の職務や職種に適しているかを判断することを目的に行われます。問題は言語・非言語の2つがあり、内容は、論理的思考問題や数学問題、空間認識問題、言語理解問題などです。
能力検査は、定量的な結果が分かるため、応募者が多く集まった際に比較して合否を判断するのに役立ちます。
性格検査とは、個人の性格特性や行動傾向を測定し、職務適性やチーム、会社への適合性を判断することを目的に行われます。内容は、自己報告式質問や、状況判断問題、二者択一型質問などさまざまです。
性格検査は、コミュニケーション能力、協調性、リーダーシップ、ストレス耐性など、その人の特性を判断する際に役立ちます。
新卒採用の場合、新卒者は実務経験がほとんどないため、適性検査では一般的な能力、学習能力、ポテンシャルなどを評価する目的で適性検査を実施しています。
それでは、すでに業務経験がある転職者の場合、なぜ企業は適性検査を行うのでしょうか?解説していきます。
総合職が多い就活求人と違って、多くの転職求人では、配属先やポジションを指定されています。そのため、企業は適性検査の性格検査を使って、応募者が配属先のチームに適合できるかどうかを判断しているのです。
スキルについては能力検査以外にも、職務経歴書を読めば、選考段階でもある程度の想像がつきます。しかし、職場やチームへの適合性は、性格検査以外だと、実際に働いてみないと分からないことが多いです。
入社後のミスマッチ発覚のリスクを極力抑えるためにも、転職の適性検査では、性格検査の結果の方が重要視されやすいと言われています。
なお、上記の適合性以外の面で適性検査を行う目的もあります。前述したように、適性検査の種類によっては、職種に特化したものもあり、職種が決まっている求人の場合、即戦力が期待できる人材か、自社が求める人材条件を満たしているかどうかを能力検査で判断するのです。
適性検査の主な実施方法は以下の方法です。
最近では自宅のパソコンによるWeb受験が主流となっていますが、適性検査によっては不正行為を防止する目的として、会場でのペーパーテストや、テストセンターでのWeb受験を採用しているところもあります。
検査の時間は、性格検査と能力検査併せて1時間程度のものが多いです。
適性検査のタイミングは企業によって異なりますが、一次面接時や最終面接の前に行われることが多いです。
選考の序盤で設定されている理由としては、事前に応募者の情報を知っておくことで、面接での質問をしやすくする目的があります。事前情報が把握できていると、採用担当者がより詳しく深堀をした質問ができるので、ミスマッチを回避することにもつながります。
結論、性格検査は対策が不要ですが、能力検査は対策が必要です。
性格検査の対策をしない方が良い理由は、取り繕った回答をしない方がミスマッチが生じないからです。前述したように、性格検査では応募者のコミュニケーション能力やストレス耐性など、その人の特性をチェックしています。実は回答の中身だけでなく、回答の傾向で虚偽の申告をしているかどうかも数値化しているのです。つまり、「この回答をしたら、○○○○のタイプと悪く思われそうだから、こっちの回答にしよう」と、意図的に回答を操作すると、それがかえってマイナス評価になる可能性があります。
その場しのぎで自分を良く見せても、実際に面接で話してみたり、入社をしたら相手は違和感を抱き、すぐ分かってしまうものです。そのため、回答の傾向などの事前情報は入れずに、嘘偽りなく性格検査を回答するのがベストでしょう。
一方で、能力検査は資格試験と同じように、その人がこれまで積み重ねてきた能力の有無を見られます。前述したように、転職の能力検査ではその人の経験職種にまつわる問題が提出されます。また、定量的に判断する目的の能力検査は、きちんと対策ができていれば、他の応募者との差別化が可能です。能力検査は、対策をやった分だけ、選考で有利に働くことは間違いありません。
事前に能力検査の例題を解いておくことをおすすめします。適性検査は時間制限が厳しく、問題を読んでじっくりと考える暇がありません。例題を事前に解いておけば、質問の意図や、問題の答えの傾向を理解しやすくなり、時間内で効率的に解答できます。
今回は非言語と言語の例題を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。※例題と解答はAIで作成しており、実際に出題されたものではありません。
限られた時間の中で、適性検査の対策に時間を割くには、他の転職活動でやらなくてはならないことを効率的に進める必要があります。その場合におすすめなのが、転職エージェントの利用です。
転職エージェントは、求人紹介から選考対策、企業とのやり取り代行など、転職活動のさまざまなフェーズで手厚くサポートをしてくれます。一つ一つ自分だけで対応すると、結構時間がかかってしまいますが、転職エージェントを使えばかなり短縮ができるので、適性検査の対策の時間を十分に確保できます。
サービスは無料で利用できるので、気になる方はぜひ登録してみてくださいね。
ここからはtype転職エージェントで求職者の転職支援を行う、本記事の監修者で現役キャリアアドバイザーの伊藤泰子が、「転職の適性検査についてよくある質問」に回答していきます。
はい。落ちることもあります。適性検査と面接と両方の結果を見て総合的に合否を判断する企業が多いのですが、企業によっては、適性検査のみで合否を判断するケースがありますので、しっかりと対策を施して受験することをお勧めいたします。エージェントを活用している場合には、どのような試験内容かを事前に確認することが可能ですので事前の対策もしっかりと進めることができます。
速やかに企業へ連絡し、期限内に受検できなかった経緯を正直にお伝えし、お詫びしましょう。その上で、再受験の意思があることを伝え、機会をいただけるよう依頼することでご理解を得られることは多いです。
ただし、何度も繰り返すことは失礼に当たりますので、再受験のチャンスをいただけたとしても初回のみとご認識ください。エージェントを活用している場合には、エージェントが企業への対応交渉を全て代行しますので万が一の際にも安心です。
早くて、2〜3日、遅くても1週間程度で結果が出ることがほとんどです。1週間経過しても連絡がない場合には、直接企業にメールで問合せてみましょう。その際に、氏名、応募職種名、受験日も明記すると丁寧です。エージェントを活用している場合には、エージェントが企業に確認してくれるため、担当のキャリアアドバイザーに対応を依頼しましょう。
適性検査は種類が多いですが、それぞれ強みや目的が異なっています。転職の場合、所属するチームがすでに決まっているので、既存社員や会社との相性を判断するために、性格判断に重きを置く企業は多いです。ただし、技術職や専門職、管理職などの場合は見合ったスキルがあるか判断を行うために、その職種やポジションに特化した能力検査を行う企業もあります。
性格検査の場合、対策を行う必要はありませんが、能力検査はやればやった分だけ高評価につながるので対策しましょう。転職エージェントを利用すれば、やりとり代行や選考対策などのサポートなどをしてくれるので、転職活動の効率化を実現できます。余った時間で、適性検査の対策を行って、転職活動を成功させましょう。
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