転職で給与・年収交渉するタイミングは内定前後!伝え方の例文付きで紹介

最終更新日 :2023.05.09

転職で給与・年収交渉するタイミングは内定前後!伝え方の例文付きで紹介

転職するにあたって、給与は大きな判断基準です。せっかく転職するなら、より高い給与をもらいたいと考えるのは当然でしょう。

そこで、今回は転職時に行う給与交渉について紹介します。交渉を成功させるコツや、注意しなければならないポイントから、「そもそも、給与交渉ってしてもOKなの?」といった純粋な疑問まで、詳しく解説していきます。

この記事の監修者
監修者の伊藤 直也

伊藤 直也エキスパートキャリアアドバイザー

【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント
「type転職エージェント」にて求人企業への法人営業からキャリアをスタートし、その後キャリアアドバイザーへ転身。現在はミドル・エグゼクティブ層の転職支援を行う。

給与交渉はできるのか

転職活動が初めての方などは、なかなか予想が難しい部分もあるかも知れません。また、外資系企業は給与交渉できるけれども、日系企業では難しい…等のイメージをお持ちの方もしばしばおられますが、日系・外資系関係なく、転職先への給与交渉の余地はあります。なぜなら企業にとっても、優秀な人材を確保するためには、ある程度求職者の要望を受け入れる必要があると考えているからです。

もちろん、必ずしも給与交渉が成功するわけではありません。給与交渉は、そのタイミングや伝え方、どの程度の条件変更を希望するかを考慮する必要があります。また、給与のことしか考えていないと、企業に悪い印象を与えてしまうかもしれません。最悪の場合、内定を出してくれた企業からの信頼を損ねる可能性も考えられます。こうしたことを考慮し、給与交渉は慎重に行うべきでしょう。

もし給与交渉が上手くいくか不安な場合は『転職エージェント』に頼んでみるのも1つの手です。転職エージェントは企業と求職者の仲介役を担ってくれます。もちろん交渉の成功が保証されている訳ではありませんが、自分からは言い出しづらい給与の交渉も、快く引き受けてくれるので積極的に転職エージェントサービスを利用することは一つの選択肢として有効です。

ただし、転職エージェントが紹介した求人の給与交渉だけ対応してくれるので、自分で応募した求人の給与交渉はできないことをあらかじめ認識しておきましょう。

転職エージェントは給与交渉以外にも、幅広い転職支援を行ってくれるサービスです。すなわち早い段階で転職エージェントに登録しておくことで、給与交渉の代行だけでなく、転職活動も円滑に進められるといった、さまざまな恩恵を受けられます。

給与交渉のタイミング

給与交渉に際し、好ましいタイミングが決まっている訳ではありませんが、多く見られるのは内定前後です。まず、内定の一つ手前のステップである最終面接の段階においては、求人企業側にて、候補者の採用条件やその根拠となる職責や職位に一定の見通しが立っていることがほとんどです。

そのため、求人企業側が想定している条件とご自身の希望条件との間に、どの程度のギャップがあるかを比較的図りやすい状況となります。この時点で、求人企業側が見込んでいる条件とご自身の希望条件に隔たりが見られるようであれば、その要因の把握に努めたうえで交渉を進めてみましょう。

求人企業側としても、候補者が示す希望条件を蔑ろにすることはありませんので、その希望条件に満たない理由として、何かしらの事情や根拠があるはずです。それらの理解に努めた上で、条件交渉の話し合いを進めることが好ましいとされています。この部分で丁寧さに欠けてしまうと、交渉の余地があったとしても、スムーズに進まないということも考えられますので、注意が必要です。

また、最終面接を経て、内定に至ってしまってからは交渉の余地がないかと言えば、決してそのようなことはありません。採用企業における条件決定の承認プロセスによって、多少の時間を要する可能性はございますが、一度明示された条件内容を受けて、交渉に移るということも十分可能です。

転職エージェントを利用している場合は、こうした給与交渉のタイミングも含めてエージェントに一任することができます。過去のデータやノウハウ、求人企業側の意向を基に交渉を行うことができるので、応募者自身で行うよりもスムーズに交渉を進められます。

年収や待遇など、希望を明確にして企業に伝えられるため、条件面でのミスマッチを防ぐこともできるでしょう。また、自分の市場価値を客観的に分析してもらえるので、適正な給与額のアドバイスも受けられます。

給与交渉前の準備

転職エージェントに依頼して実際に企業と交渉を行う際には、担当のエージェントと幾つかの事項における打ち合わせを必要とします。

給与額に根拠や妥当性

まずは、 希望の給与額に根拠や妥当性があるかどうかを確認します。その金額を支払ってまで、企業にとって採用する価値があるのかが重要です。上手く交渉を進めるためにも、企業に対して客観的な根拠を示す必要があります。

ご自身の経験や実績、スキルなどが、求人企業の採用ニーズにどの程度マッチしているのかをエージェントと一緒にあらためて見直してみましょう。特に金銭報酬の決定はスキルのマッチ度合のみならず、年齢や役職といった要素なども影響することから、求人企業の報酬水準も加味することが必要です。

なお、異業種への転職や、未経験の職種への転職における条件交渉の際には、希望する業種や職種の年収相場も考慮する必要があります。業界によって相場は異なるため、希望の給与額が相場とかけ離れていないか、転職エージェントと精査しておきましょう。

希望給与額

次に、実際に企業に提示する希望給与額を決定します。この際、希望額には幅を持たせると良いでしょう。実際に選考に臨む過程のなかで、「どうしてもこの企業で働きたくなった」「福利厚生が充実していた」などの理由から、仮に希望給与額が通らなかったとしても、転職先の選択肢としておきたいという考えに至る場合もあるかもしれません。

こうした際には、希望金額の幅を広く設定しておけば、給与交渉において折り合いをつけやすくなります。転職における給与の多寡は大切ですが、それ以上に「自分が働きたい」と思える企業を逃さないことが重要です。せっかくのチャンスを逃さないように、金額の幅には余裕を持たせておきましょう。

もし、転職エージェントを通さず自己応募した場合は、ここまでの内容を自分自身で確認する必要があります。交渉の準備は想像以上に手間がかかるため、給与交渉することを前提に応募するのであれば、転職エージェントを利用するのは悪くない選択肢といえるでしょう。

給与交渉の注意点

では、実際の交渉ではどうしたら良いでしょうか。転職エージェントに給与交渉してもらう場合と、自分で給与交渉する場合に分けて解説します。

転職エージェントに給与交渉してもらう場合

転職エージェントを利用する場合、給与交渉はエージェントが行うので自分で必要する必要はありません。転職エージェントに対して希望の給与額を、遠慮せずに伝えてもらえばOKです。

自分で給与交渉する場合

もし自分自身で交渉する場合は、希望額の伝え方にひと手間かけることをオススメします。例えば、具体的な根拠もなく、「◯◯円が欲しい」といった直接的な伝え方 をしてしまうと、心象を悪くしてしまう可能性があります。

前職で得た~~~の経験・スキルを活かして会社に貢献できるので、前職の給与から◯%アップを希望したい」といった形で示すことができれば、万が一ギャップが発生していたとしても、その先に妥当な条件を求人企業側とすり合わせやすくなる効果が期待できます。

もちろん、交渉が失敗するケースもあります。企業によっては募集するポジション・職階によって給与額が決められていることも多く、最初から交渉の余地がないことがあります。もし、ご自身の希望額とかけ離れている場合は、その企業を選択肢から外すことも考慮しましょう。

一般的に給与は、業界の報酬水準や職位などの影響を受けます。仮に即戦力として貢献できる余地があるとはいえ、高い給与を要求することで、自身の責任も重くなります。

入社時点で高い報酬を得ることにこだわるあまり、過度のプレッシャーを受け、結果的に転職が失敗となってしまうケースも見受けられます。まずは低い役職で入社した後、昇級しながら年収を上げていくという考え方も選択肢のひとつです。

給与交渉の例文

一例として、企業と自分自身で交渉する場合のトーク例を解説します。

まずは給与交渉を自分から切り出す場合です。このパターンであれば、面談の最後にある逆質問のタイミングで切り出すのがベストでしょう。最初から給与の話をすると心証を悪くする可能性があるからです。

  • 【例】給与交渉を自分から切り出す場合
    あなた:「詳しくご説明いただき、ありがとうございます。最後に大変恐縮ですが、給与体系についてご確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
    面接官:「中途採用の場合、前職の年収と過去の経験・実績を考慮して給与を決定します。◯◯さんの場合、月収◯◯万円でのスタートを想定しています」
    あなた「ありがとうございます。経験や実績を考慮していただけるとのことですが、給与を◯%ほどアップしていただくことは可能でしょうか? 前職では、◯◯を◯◯した実績があり、この経験は御社でも必ず活かせると考えております。誠に身勝手なお願いで大変心苦しいのですが、よろしければご再考いただけますと幸いです」

次は、面接官から給与額を提示された場合の例文です。

  • 【例】接官から給与額を提示された場合
    面接官:「◯◯さんが入社された場合、弊社では年収◯◯万円でのスタートを考えていますが、問題ありませんか?」
    あなた「恐れ入りますが、現在の年収が◯◯万円なので、可能であれば◯◯%に設定していただきたいと考えているのですが、ご検討いただくことは可能でしょうか。前職では通常の業務以外にも、◯◯◯◯の経験がございます。この経験は、御社でも十分に活かせるものと思いますので、ご再考いただければ幸いです」

逆に、面接官から直接希望額を聞かれた際はどのような返しが良いでしょうか?

  • 【例】面接官から直接希望額を聞かれた場合
    面接官:「年収についてあなたの希望を教えていただけますか?」
    あなた「現在の年収は◯◯万円ですが、前職での経験やノウハウをお伺いした業務でも活かせると考えております。そのため、誠に恐縮ではございますが現在の年収から10%のアップを希望します。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」

最後にメールで交渉する場合の例文について。面接などで、給与交渉を行うタイミングがなかった場合、メールで交渉を行う必要があります。ただし、直接交渉を行うよりも交渉がしにくい可能性があるため、 できる限り避けた方が良いでしょう。

  • 【例】メールで交渉する場合
    件名:給与に関するご相談(氏名) 本文:
    株式会社◯◯◯◯
    人事部 ◯◯様
    お世話になっております。
    ◯月◯日に面接の機会をいただきました◯◯◯◯です。この度は御社より内定通知をいただき、心より御礼申し上げます。
    内定後のご連絡となり大変心苦しいのですが、ご提示いただいた労働条件通知書の給与に関してご相談したく、ご連絡差し上げました。
    書面にて年収◯◯万円とご提示いただきましたが、現職の年収を下回る金額となってしまうため、可能であればご再考いただくことは可能でしょうか。
    面接でも申し上げたとおり、前職では業務を通して◯◯◯◯といった実績を残してまいりました。その経験やノウハウを活かし、貴社でも同等以上の成果を出せるように、誠心誠意努めてまいりますので、再度ご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
    (署名)

給与交渉するときのNG例

給与交渉を行うことは決してタブーではありません。きちんとした根拠を基にして誠実に交渉を行えば、結果はどうあれ、悪い印象を持たれてしまうなどのリスクは大きくありません。

ただし、当然ながら伝え方によっては相手に悪印象を与え、転職が失敗する原因にもなってしまいます。給与交渉は細心の注意をはらって慎重に進めることが重要です。

交渉の際のNG例をまとめてみました。これらに注意しながら、より良い条件の転職を成功できるよう頑張ってください。

  • ・希望の給与額に対して、自身の経験・スキルなどの根拠がない。
  • ・交渉の際、自身の経験・スキルを上手くアピールできていない。
  • ・企業や業界における給与の基準額を把握しておらず、かけ離れた額を提示してしまう。
  • ・希望額に固執しすぎてしまい、転職のチャンスを逃してしまう。

まとめ

最終面接(役員面接)で求められることとは?対策と質問の回答例を解説-type転職エージェント

給与・年収の交渉がおすすめなタイミングは「内定の前後」です。給与交渉は必ずしも成功するとは限りませんし、やり方によってはマイナスな影響を与える可能性もあります。

心配な場合は転職支援実績のある『転職エージェント』に頼るのも一つの手です。これまでも給与交渉の代行経験があるので、大いに活躍してくれるでしょう。

こんなことでお悩みではありませんか?

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