最終面接(役員面接)で求められることとは?対策と質問の回答例を解説

掲載日 : 2021.09.08最終更新日 :2021.09.08

最終面接(役員面接)で求められることとは?対策と質問の回答例を解説

何度か面接を受けて、ようやくたどり着いた最終面接。「これを通過すれば内定がもらえる」と思うと、これまで以上に緊張したり、プレッシャーを感じてしまう人も多いかもしれません。

大事なことは、最終面接がどのように行われ、面接官がどこを見ているのかを理解して、しっかりと準備をすること。そうすれば落ち着いて面接に臨めます。

そこで本記事では、最終面接と他の面接との違いや企業側が求めるもの、準備や対策の方法、具体的な質問と回答例まで、詳しく解説します。

この記事の監修者
監修者の檀上 悠一

檀上 悠一キャリアアドバイザー部 部長

営業職の転職支援を中心にキャリアアドバイザーとして従事。現在は営業職や販売・サービス職の転職支援を行うキャリアアドバイザー部の部長。第二新卒向けの面接対策や、女性の転職支援にも強い。
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最終面接(役員面接)は他の面接とどう違うの?

最終面接(役員面接)で求められることとは?対策と質問の回答例を解説-type転職エージェント

最終面接は、責任者や役員、社長などの経営層が面接官になるケースがほとんどです。よって一次面接や二次面接より威圧感をおぼえる人も多いでしょう。たいていの場合、所要時間は30分から60分となっており、聞かれる質問に関しても一次面接や二次面接と大きな差はありません。

誤解している人も多いのですが、「最終面接=内定」ではありません。最終面接の通過率は企業によって異なりますが、平均値は60%から65%程度と言われます。ちなみに一次面接の通過率は30%から40%くらいです。

「最終面接まで来たのだから内定は確実だろう」と油断せず、きちんと対策や準備をして臨むことが大切です。

最終面接(役員面接)で企業側が求めているものとは?

最終面接で面接官が見るポイントは、基本的には一次面接や二次面接とそれほど大きく変わりません。ただし内定を出すかどうかの最終判断をする場なので、「どれくらい本気でこの会社を志望しているか」を測ろうとする面接官が多くなります。自社で扱っている商品やサービスのどこに興味や関心を持ったのかなどを具体的に回答できるかで、志望度の高さを測られるケースが多くなります。

また、「何ができるか」は現場レベルの面接ですでに判断しているので、最終面接では「どのような価値観や判断基準を持つ人物か」を見極めて、自社の社風や配属予定のチームと違和感がないかを判断されます。よって「過去になぜその進路を選択したのか」「転職理由は何か」「入社したら何ができるようになりたいか」といった価値観や志向性に関する質問が多めになります。

最終面接(役員面接)の準備・対策方法

一次面接や二次面接と同じく、過去の経歴を整理し、転職理由や志望動機、自己PRといった定番の質問に、自身の経験を基にした回答ができるよう準備をすることが大切です。まずは結論を述べてから、理由を「出来事(このような経験をして)」→「感情(このような感情になった)」→「結論(だからこの結論になった)」の3ステップで話すようにしましょう。なかでも志望動機やサービス・商材への関心・興味は、最終面接でフォーカスされやすい内容なので、一次面接や二次面接以上に念入りに準備しましょう。

また面接を受けるのが上場企業であれば、事前にIR情報を確認することが必須です。有価証券報告書に比べ、IR情報で公開される決算説明会資料は一般の人にもわかりやすく作られているため、読みやすいのがメリット。経営層が対外的にアピールしたいことがすべて書かれているので、面接官の関心事がどこにあるかを把握できます。

質疑応答の中でしっかり下調べをしていることが伝われば、志望動機の高さやリサーチ力のアピールにもつながります。

最終面接(役員面接)の質問と回答例

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面接官の質問に答える際は、結論から簡潔に話し、余計なことまで長々と回答しないことを心がけましょう。また、「〜だと思います」「〜かもしれません」「たぶん〜」などの曖昧な表現は、自信のなさが伝わってしまうのでできるだけ避けてください。さらに、会社のサービスや商材に対して興味がなさそうに感じさせてしまう回答もNGですので気を付けましょう。

では具体的にどのような答え方をすればいいか、質問と回答例を紹介します。

【自己紹介】

質問例

「自己紹介をお願いします。」

回答例

山田太郎と申します。本日はよろしくお願いいたします。○○大学□□学部を卒業後、××株式会社で法人営業を5年間経験してきました。前職では、主に△△業界に対して□△というサービスを提案・販売してきました。改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

回答のポイント

混同されやすいのですが、「自己紹介」と「自己PR」は全く別物の質問です。「自己紹介」は経歴の大まかな説明を求められており、「自己PR」は「強み」の説明を求められる質問となります。しっかりと違いを把握しておきましょう。自己紹介は半ばアイスブレイクで聞かれる質問で、ポイントは長く話さないことです。1分ほどを目安に話せるようにしておきましょう。

関連記事:面接の自己紹介で好印象を!ポイントと回答例

【自己PR】

質問例

「自己PRをしてください」
「担当した仕事で一番の成果や実績を教えてください。」

回答例

もっとも自慢できる実績としては、年間売上160%を達成し、営業150名中1位の実績を上げ年間MVPを受賞したことです。
私は求人広告の営業に携わっており、受注金額を追っておりましたが、この営業の難しいところは顧客の採用ニーズはずっとは続かない為、新規顧客の開拓なしには目標達成がしにくい点にありました。その為、新規開拓に重きを置いた営業を行っておりました。
具体的にやっていたことは「競合他社の求人サイトを確認し、採用ニーズのある企業を調べること」です。採用ニーズがあることを前提としたアプローチをして、掲載期限を確認し、期限にタイミングを合わせ提案することで、競合他社からのリプレイスに成功しておりました。これら工夫の結果、新規獲得の拡充に繋がり安定した成績を残すことができております。

回答のポイント

自己PRのポイントは「目的までの課題」を明確化した上で、「その課題への取り組み」を具体的に話すことです。具体性を伴わない抽象度の高い工夫は大変評価されにくくなります。例えば、「プロセスの見直しに注力しました」という回答は抽象度が高く、具体性が伴っていません。「受注確率を踏まえ目標から逆算したところ、1日の訪問数が15件必要だったことから、毎日欠かさず15件の訪問をするよう徹底しておりました。」のように具体性を意識した回答をしましょう。

関連記事:自己PRの例文と書き方のポイント

【転職理由】

質問例

「今回転職する理由を教えてください」
「どうして転職しようと考えたのか、きっかけを教えてください」

回答例

若いうちから責任の強い仕事に関われる環境で就業したいと考え転職を決意いたしました。ネガティブな話になってしまい大変恐縮ですが、前職では大体30代後半から管理職への昇進が適う環境でしたが、そうなるまでは裁量の無い補佐的な業務が大半を占めており、年齢に対しての経験値に物足りなさを感じておりました。そのため、自身の実力次第では年齢や役職に関係なく大きな責任を任せていただける環境にて就業したいと考え転職を決意いたしました。

回答のポイント

同じ理由で辞めてしまわないか」「転職すればその理由は解消できるのか」を確認したいと考えるからです。そのため、転職理由はきれいに作りすぎないことがポイントです。転職理由は本音ベースで話したほうが面接官の納得に繋がりやすいです。「ネガティブな内容で申し訳ないのですが…」や「本音ベースでお話しをさせていただくのですが…」など、フォローしながら回答をするようにしましょう。

ですが、伝えてはいけない本音もいくつかあります。例えば、「上司と相性が合わない」などの人間関係は厳しい評価になりやすいです。一緒に働く人と入社前から相性が良いかどうか判断できないからです。転職理由の回答に心配な方は転職エージェントにご相談ください。

関連記事:転職理由の答え方・書き方と例文を解説

【志望動機】

質問例

「志望動機を教えてください」
「当社を志望した理由はなんですか」

回答例

志望動機としては2点あります。
1点目は顧客と長期に渡り関係性を構築できる業務内容に魅力を感じていることです。前職は売り切り型の営業で「売ったら終わり」の関係性に物足りなさを感じておりました。このポジションであれば、長期に関係性を築くことが必須になってくると思いますので、自身の適えたいことと非常にマッチしていると感じております。
2点目は御社の取り扱っている商材に強く惹かれております。幼い頃より長年御社の商品を愛用しており愛着も持っております。具体的には、他社と○○な点が異なっており大変使い心地良く感じております。自身の大好きな商品を精一杯売り込んでいきたいと考えております。

回答のポイント

志望動機は2点で答えると良いです。1点目は転職理由との一貫性を伝え、2点目で商品愛、サービス愛、風土愛など企業の魅力点を語るようにしましょう。
そのためには、事前に業務内容や企業の魅力点を把握しておき、それに結び付けやすいように逆算して「転職理由」を作っていくと組み立てやすくなります。例えば、業務内容の魅力が「幅広い業務内容」である場合、転職理由は「ルーチンワークで物足りない」というように組み立てていきます。ただ、逆算するあまり事実から大きく異ならないように注意しましょう。比較的難易度の高い工程となるので、どうしても事実と異なってしまい組み立てが難しい場合は転職エージェントにご相談ください。

関連記事:志望動機の書き方・伝え方

【今後のキャリア】

質問例

「将来(3~5年後)どうなっていきたいのか」

回答例

3年後には、配属先で安定した実績を残せるようになっており、その後はなるべく早いタイミングでマネジメントにチャレンジをしていきたいと考えております。

回答のポイント

回答のポイントとしてはこの質問はあまり回答の幅が多くありません。そのため、「なぜそうなりたいのか」を聞かれることが多いので、そこまで準備しましょう。 回答の方向性は2つあり、将来マネージャーになりたいという「マネジメント志向」と、とにかくプレイヤーとして突き抜けていきたいという「スペシャリスト志向」に分かれます。「マネジメント志向」の魅力点は、メンバーよりも社内外に対しての影響力が強くなるため、ダイナミックな仕事ができることです。一方で、スペシャリスト志向は、その領域での専門性を極められる事や、事業部内でのセールスギネスにチャレンジできることなどが魅力となります。
これらの魅力点を理解した上で、自身の思考に近しい回答をできるようにしましょう。

関連記事:キャリアプランとは? 年代・職業別の答え方・例・考え方

最終面接(役員面接)での逆質問と回答例

最終面接(役員面接)で求められることとは?対策と質問の回答例を解説-type転職エージェント

面接の最後に聞かれる逆質問では、相手の役職に合わせた質問をするのがポイントです。最終面接では、責任者や役員、社長など、企業経営に深く関わる人たちが面接官になるので、現場担当者に対するような質問はすべきではありません。

経営者は日頃から「自社の課題は何か」「どうすれば組織が良くなるのか」など、会社を発展させるための次のステップについて考えているので、それらに関する質問をするといいでしょう。相手の関心事がどこにあるかを把握するため、事前にIR情報を調べておくなどの対策も必要です。

具体的にはどのような逆質問ならOKで、何がNGになるのか、回答例を紹介しましょう。

  • ・OKな逆質問例
    「面接官の方が考える現在の組織の課題を教えてください」
    「また、お話できる範囲で現在の課題に対する改善策をお聞かせください」
  • ・NGな逆質問例
    「1日の流れを教えてください」
    「入社後のスケジュールを教えてください」

NG例で挙げたような現場レベルのことは、経営層の関心事から外れるため、面接官からすると非常に答えにくい質問となります。現場レベルの質問については、一次面接や二次面接などで確認して疑問を解消しておきましょう。

また、一次面接や二次面接の逆質問で面接官からもらった回答を、さらに掘り下げる質問をするのも効果的です。万が一、これまでの面接で聞きたいことはすべて聞いてしまい、どうしても最終面接で逆質問を思いつかない場合は、次にように回答するといいでしょう。

「これまでの面接で〇〇や△△、××に対して、~~との回答をいただいており、現状で不明に思っている点やご質問したい事項は全て回答をもらっております」

このように、一次面接や二次面接などでした逆質問を具体的に説明した上で、この場での質問はとくにないことを相手に伝えます。最後は「前向きなご検討をよろしくお願いいたします」といった言葉で締めて、入社への熱意を伝えてください。

関連記事:面接での逆質問例20選

最終面接(役員面接)の通過率を高めるポイント

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・企業理解の深さを伝える

事前に企業のホームページや外部向け資料で収集した情報だけでなく、最終面接に至るまでの選考過程でも、その会社に関する情報を得ることができます。一次面接や二次面接で面接官と行った質疑応答の内容などから企業理解をさらに深めていき、最終面接ではより具体的に「応募企業のどこに興味を持っているのか」を説明できれば、内定獲得につながる可能性が高まります。

・「会社への貢献意欲」を最優先で伝える

最終面接では「会社の事業やビジネスの成長に貢献したい」という貢献意欲を伝えることが大事です。現在の経験やスキルを活かして入社後にどのような貢献ができるのか、より貢献度を高めるには入社後にどんな学習や経験が必要になるかを説明しましょう。あくまでも会社への貢献意欲を最優先で伝えた上で、「そのために自分を高めたい」と伝えるのがポイントです。「もっと成長したい」という個人的な思いだけが前面に出過ぎないように注意してください。

・「きれいすぎる回答」はNG

面接で自分をより良く見せようとして、きれいすぎる回答を用意したり、取りつくろったりするのは避けるべきです。最終面接を担当するのは、リーダーとして組織を率い、多くの部下をマネジメントしてきた経験の持ち主であり、人を見る目が確かな人たちばかりです。よって質問に対する回答の整合性が取れていなかったり、逆にあまりに整いすぎている回答が返ってきた場合は、必ず鋭い質問や指摘が入ります。

もちろんすべての質問に対して本音で答えなくてはいけないわけではありませんが、「この回答を伝えたら、こんな質問が飛んでくるかもしれない」と想定しながら、面接の回答を準備することが必要です。

・回答は声に出して練習する

面接本番では、緊張から何を話すのか忘れてしまったり、つい早口になってしまったりしがちです。当日は落ち着いて話せるように、準備した回答は声に出して練習しておくと安心です。普段よりも少し大きめの声で、ゆっくりと話すように心がけると相手に伝わりやすくなります。

・「見た目」と「話し方」で良い印象を作る

最終面接に限らず、面接で最も重要なのは「印象」です。人の印象は「見た目の印象」と「話し方の印象」の2つで構成され、第一印象は「見た目の印象」が8割、その後の印象は「話し方の印象」が8割になると言われます。面接ではどちらの印象も大事なので、「清潔感がある身だしなみで、笑顔でハキハキと話すこと」を心がけてください。

また、相手のしぐさなどを真似することで親近感を抱かせる「ミラーリング」と呼ばれるコミュニケーション手法は、面接でも取り入れることができます。面接官が話すスピードや分量に合わせたり、相手が笑ったら自分も笑うなどの工夫を織り交ぜれば、より良い印象を与えることが可能です。

最終面接(役員面接)後の流れ

最終面接が終わって気になるのが、面接結果の通知が来るタイミングです。これは会社によってさまざまで、面接中や面接当日に内定を告げられることもあれば、「1週間以内にご連絡します」などと言われて後日結果が通知されることもあります。

応募者が多く、選考に時間がかかっている場合もあるので、連絡が遅いからといって不採用になるわけでもありません。あらかじめ伝えられた期限までは、落ち着いて通知を待つようにしましょう。

まとめ

最終面接までくれば、内定獲得まであと一歩です。社長や役員を目の前にして緊張することもあるかもしれませんが、しっかり準備して臨めば、どんな質問にも慌てることなく、自分の強みや実力をアピールできます。企業側が求めることと質問に対する回答のポイントを押さえて、万全の体制で本番当日を迎えましょう。

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