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掲載日 : 2018.6.6最終更新日 : 2021.7.20
中途採用の面接で必ず聞かれるのが「なぜ転職したのか」という理由です。書類選考の際にも、転職理由の記載を求められることがあります。
企業側は転職理由を聞くことで何を知ろうとしていて、どんな回答をすれば採用担当者を納得させられるのでしょうか。そのポイントと対策を解説します。
中嶋 千博キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー*2019年9月~2020年8月までにtype転職エージェントで面談を実施した約1万名の転職理由(重複回答あり)
1位は「年収・待遇」。2020年はコロナ禍により業績悪化や事業縮小などをきっかけに、給与や賞与への影響があったことを理由として挙げる人が多くみられました。2位「業務内容」は「今の仕事にやりがいを見出せない」といったネガティブなものから、「今よりも難易度の高い業務に携わりたい」「別の仕事内容に挑戦したい」といったポジティブなものまで含まれています。
今の仕事内容に物足りなさを感じたり、将来のキャリアに不安を感じたりしたことで転職を考えるのは、最も一般的な転職理由と言えるでしょう。
また条件や待遇面では、近年の働き方に対する意識の高まりもあって、特に「残業を減らしたい」「休みをきちんと取れる職場に移りたい」といった理由が増えています。
履歴書や職務経歴書に転職理由を書く場合、「本当のことを書いていいのだろうか」「どのように説明すればいいのだろうか」と悩んでしまうケースがあります。転職したい理由をそのまま記載するとネガティブな内容になってしまうことが多いので、書き方には工夫が必要です。
ただし、事実をゆがめて嘘の理由を書くのは厳禁。前の会社を辞めたい理由を前面に打ち出すのではなく、その根底にある「あなたはこうなりたい」という前向きな目標やキャリアビジョンを転職理由として書くのがコツです。
なお、書類に書く転職理由は、「面接へのイントロダクション」という位置付けです。書類に記載できる文字数には制限がありますから、要点のみを抽出して簡潔にまとめ、詳細は面接で伝えればよいと考えてください。だからこそ、面接につなげるためにどのポイントを押さえて書くかはとても重要になります。
結婚を機にワーク・ライフ・バランスを見直し、家庭のために使える時間を増やせる職場に移りたいと考える人は少なくありません。そのこと自体に何も問題はありませんが、転職理由に「結婚」という言葉を使うと、企業の採用担当者の中には「働き方に制限がある人」というマイナスの印象を持つ人もいるのは事実です。
よって書類に書く時には、結婚という言葉はあえて使わず、それをきっかけに「長く働きたい」という目標が明確になったことにフォーカスするとよいでしょう。結婚を機に仕事を辞めるのではなく、転職を希望するということは、「仕事と家庭のバランスを取りながら今後も働き続けたい」という意欲があるはずです。
ですから書類には、「長期的にキャリアを積むことができる職場に転職し、経理としての専門性を高めて会社に貢献できる人材を目指したい」などと目標のみを書けばOK。結婚については、面接で詳しく転職理由を聞かれた時に、「結婚を機に働き方について考え直すようになりました」と事実を伝えれば問題ありません。
転職回数が多い場合、書面の記載スペースの都合があるので、過去の転職理由をすべて書類に書くわけにはいきません。ですから、「今回の転職理由」だけに絞って記載するのも一つの方法です。
ただし転職回数が多いという事実は履歴書を見ればすぐにわかるので、過去の転職理由にまったく触れていないと、採用担当者によっては情報不足と捉える可能性があります。よってベストな対応は、「過去の転職理由に一貫性がある」と感じられる書き方をすること。
一番よくないのは、「1度目の転職理由は残業の多さで、2度目は会社の評価に不満があって、3度目は年収をアップしたいのが理由です」などと、それぞれの転職理由がバラバラで何の脈絡もないこと。いつも場当たり的な転職を繰り返してきた人という印象になってしまいます。
たとえ書類選考は通ったとしても、面接では必ずその点を追求されるので、書類作成の時点で過去の転職理由を振り返り、一貫性のあるストーリーや共通点を整理しておくことが必要です。
「スキルアップ」という言葉は多用しがちですが、そのままでは採用担当者に転職理由は伝わりません。スキルアップと言っても、新しいスキルを身に付けたいのか、今の仕事の専門性をさらに高めたいのか、役職に就くことでリーダーシップやマネジメントの能力を得たいのかで、意味がまったく異なります。
書類に書く時には、「スキルアップのため」というひと言で済ませず、「プログラム開発だけでなく、要件定義や顧客折衝のフェーズにも関わりたい」「若手にも積極的にチャンスを与えてくれる職場で、リーダーを経験してマネジメントスキルを身に付けたい」など、「あなたにとってのスキルアップとは何か」が明確に伝わる書き方をしましょう。
書類選考を通過して面接の段階になると、より詳しい転職理由を聞かれます。面接官が転職理由を必ず聞くのは、その人の価値観や志向性が最もよくわかる質問だからです。
面接で聞かれる他の質問は、基本的にポジティブな話題が中心です。自己紹介や自己PRではあなたの長所や強みを話しますし、志望動機では応募した会社があなたにとっていかに魅力的かを話すことになるので、特に意識しなくても前向きなトーンで会話が進みます。
ところが転職理由だけは例外です。前の会社を辞めた理由が大きく関わってくるので、転職理由を答えることによって、「あなたは何を嬉しいと感じ、何を嫌だと感じるのか」「仕事では何を重視し、何を切り捨てていいと考えているか」といった好き嫌いや優先順位が面接官に伝わります。つまり、その人の人間性が最もダイレクトに表れる質問が転職理由なのです。
面接官は応募者の能力やスキルだけを見ているのではなく、「自社の理念やビジョンにフィットするか」「自社の仕事の進め方や職場のカルチャーに馴染めるか」などの点も注視しています。転職理由を聞かれたら、相手は単に転職活動を始めた経緯を知りたいのではなく、あなたの人間性が見極められているのだという意識を持って回答することが大切です。
前項でも解説した通り、
転職理由で「前の会社であなたの目標やキャリアビジョンを実現できないボトルネック」を説明し、志望動機で「御社ならそのボトルネックが解消できると考えた理由」を伝える。これが「転職理由→志望動機」をきれいにつなげ、面接官を納得させる話の組み立てです。
ただし、前の会社のボトルネックは「あなたの力ではどうしても解消できない要因」であることを伝えなければ説得力はありません。「前の職場ではこれ以上スキルアップできません」と言っても、「なぜスキルアップできないのか」「あなたの努力でできることもあるのでは?」と必ず追求されます。
そこで転職理由を考える時は、「あなたの目標やキャリアビジョンを叶えるために、「前職の会社でもできること」と「前職の会社ではできないこと」に分けて洗い出すことが必要です。
この整理の仕方については、以下の記事にて詳細に解説しています。
「スキルアップできない」という理由なら、「仕事が忙しくて勉強する時間がない」「高度な知見を継承してくれる有識者が社内にいない」「一人で出先に常駐する案件が多く、そもそも仕事の中で上司や先輩からノウハウを教わる機会がない」などと思いつく原因を書き出してみてください。
そして「あなたが仕事を効率化する努力をすれば、勉強の時間は作れる」「有識者がいないのは、会社の人材採用の問題なのであなたにはどうすることもできない」「上司に要望を出せば、チームで仕事をする案件に参画させてもらえるかもしれない」などと、「できること/できないこと」の線引きをしていきます。
その中から、「会社の環境や組織体制が原因なので、あなたの努力では変えられないこと」を取り出し、面接で転職理由として伝えれば、面接官も「それなら会社を変えるしかないな」と納得できます。「高度な知見を継承してくれる有識者が社内にいないので、この分野のプロフェッショナルが多数在籍する御社でぜひ働きたいと考えました」と志望動機につなげれば、面接官が重視する一貫性もクリアできます。
前の職場への不満や批判をただ述べるのではなく、どうしても解消できないボトルネックがあることを客観的な事実によって裏付けられるよう、しっかり準備することが重要です。
志望動機の書き方については、以下の記事にて詳細に解説しています。
前項までの記事を読んでも、どうしても転職理由がまとまらないという方は、次の3ステップで考えてみてください。
また、職種別に回答例をご説明していきます。特に重要な「あなたの力ではどうしても解消できない要因」の部分は、黄色いマーカーを引いていますので注目してみてください。
「私はアプリケーションのエンジニアとして、1つの言語について本を書けるくらいのスペシャリストになるのが目標です。前職の会社では、サーバーやデータベースに関するスキルを身につける機会を頂き、こうして高い目標を持てるまで成長できたことに感謝しています。ただ、前職の会社は受託のシステム設計しか受注しない方針で、私たちエンジニアが要件定義などの上流フェーズに関わる機会がありません。そこでぜひ御社に転職し、幅広い業務を経験してスキルを一層磨き、あなたの目標を達成したいと考えました」
「前職では常に全社でトップ3に入る営業成績を残し、あなた自身でも会社への貢献度を高め続けることを目標としてきました。ただ、扱う商材の利益率が低いため、いくら数を売っても薄利多売で会社の利益向上に貢献できず、会社からの評価も上がらないことにジレンマを感じるようになりました。そこでより単価が高いサービスを扱い、売上全体の規模も大きい御社に転職して、あなたが培ってきた営業スキルを生かして御社の成長に貢献したいと考えました」
「前職では5年間、Webメディアの制作ディレクターとして経験を積んできました。クライアントからも高い評価を頂き、お客様の会社の成長により一層貢献するためにWebサービスのマネタイズにも関わりたいと考えるようになりましたが、私が会社に与えられた役割はあくまでも制作業務の範囲内で、上司と何度か交渉しても『それはマーケティングチームの領域なので、君はこれからも制作に専念してもらいたい』という回答しか得られませんでした。そんな時に御社の求人を拝見し、制作ディレクターに任される領域が広く、Webサービスの収益化にも携われることを知って、ぜひ転職したいと考えました」
転職理由に説得力があり、それを志望動機につなげることができれば、採用担当者の評価は確実に上がります。そのためにも、書類作成や面接の前に転職理由をあなたなりにしっかりと掘り下げて、一貫性のあるストーリーを語れるように準備して臨みましょう。
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