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最終更新 : 2022.12.12
転職活動の最後のハードル、退職手続きも戸惑いやすいステップです。「退職願・退職届の書き方はどうしたら?」「どのタイミングで提出すればいいの?」といった悩みが浮かんでくるのではないでしょうか。
そこで、スムーズな退職交渉のためのチェックポイント、「退職願」「退職届」の提出に際しての疑問やトラブル対処法などをまとめました。退職願・退職届の違いや円満退職のための進め方も交えながら、退職願・退職届の正しい書き方についてご説明していきます。
加藤 美季エキスパートキャリアアドバイザー
営業職の転職希望者を中心に、年間約500名のキャリアカウンセリングを行う。キャリアアドバイザーの中でも、特に支援実績の豊富なエキスパートキャリアアドバイザー。 監修者プロフィールを詳しく見る >>退職願と退職届とは、現在勤めている会社に対して退職(労働契約の解除)したい旨を伝えるための書類です。それぞれ意味するところは全く異なるため、名前が似ていてややこしいのですがしっかりと理解しておく必要があります。
労働者側から会社側に対して「退職を願い出る」ための書類です。願い出ですから、必ずしも書面で行う必要はありません。2019年現在、多くの企業では「退職交渉を切り出すこと」がそのまま退職願の役割を果たしているケースが多く、実際に退職願を提出するケースは減ってきています。
一般的には辞意を伝えた後に「退職願」を提出します。
労働者側から会社側に対して「退職の意志を伝える」ための書類です。会社側へ提出した段階で退職の意志を撤回することはできません。退職届については会社によって所定のフォーマットが用意されている場合も多く、会社指定の書類に記入するケースも多いようです。
会社側と雇用関係の無い役員や公務員が、「職を辞する」ための書類です。一般社員が辞表を使うことはありません。
それでは次に、退職願と退職届を提出する前に確認すべきことについて、順を追って見ていきましょう。
退職願・退職届を提出する前に確認しておくべきことは以下の4つです。
退職を決意すると、一刻も早く辞めたくなるのが人情ですが、退社日の設定は慎重に。繁忙期やプロジェクトの半ばでの退職は避けたいものですが、新しい転職先の事情もありますので、充分考慮した上で設定しましょう。また、採用が内定した段階で、新しい仕事やプロジェクトなどはなるべく引き受けないようにしていくのが賢明でしょう。
退職交渉を始める前に、現在勤めている企業の就業規則を確認することも必要です。企業によっては「退職を希望する場合には、退職を希望する日から●ヶ月前に申し出が必要」等の規定がある場合があります。円満退職のためにも、就業規則は事前に確認しておきましょう。
可能ならば、既に退職している元同僚や先輩に「退職までどれくらいの期間がかかったのか」「退職が決まるまでに誰と、何回面談したのか」などの退職フローについて確認しておきましょう。
退職交渉に時間が掛かりすぎると内定先の企業に迷惑をかけることになります。事前に調べておくことで「入社日までに退職交渉が終わらない・・・」という最悪の事態を事前に防ぐことができるからです。
退職願を提出する際に伝えておくべきこと、聞いておくべきことを整理しておきましょう。どんな方にも共通する確認すべき項目は以下の3つです。
口頭で退職の意向を伝えれば退職願を必ずしも提出する必要はありませんが、直属の上司に報告という形で辞意を伝え、その後で正式に退職願を出すのが礼儀であり、円満退社の秘訣、といえるでしょう。
また、退職交渉が難航した(或いは難航しそうな)場合においては提出しておくべき書類となります。退職願を書面で出すということは、その日付で退職の旨を切り出したという証拠を残すことになるからです。
場合によりますが、メールにて送付し、エビデンス(証拠)として残すことも難航している場合には有効です。
一般的な退職までのスケジュールとしては、辞意を伝えたあとに「退職願」を提出し、退職が認められたあとに「退職届」を提出します。
関連記事:退職の切り出し方は?
ただし、実際には円満退職の場合、「退職願=退職交渉」となり、退職願を提出せずに進むことが多いです。
退職交渉は、直属の上長に面談の時間をもらい退職する旨を伝えることからスタートしましょう。退職を切り出す上でもっとも大切なことは、「退職をしたい」ではなく「退職をする」という前提で話をすることです。
上記のような伝え方をすると上長も「もしかしたら、うちの会社に留まってくれるのではないか」と期待をし、部署異動や昇進の打診をされることがあります。会社側としては能力のある人材はなんとしてでも引き止めておきたいもの。
しかし一度辞意を表明したあなたが会社にとどまったとしても、上役からよく思われることはありません。一度は退職を断念したものの、また別の会社に応募するというケースもあります。考え抜いた結果の辞意ならば、初志貫徹するべきです。
上記のように伝えつつ、上司に対してお礼と感謝の気持ちもしっかりと伝えましょう。退職する旨が承認されたら必要書類を提出し、退職日を確定してもらいます。
何度退職の意向を伝えても取り合ってもらえない場合には、こちらの最終手段をご確認ください。
退職交渉はどんなに長くても1ヶ月です。これは一般的に、転職先の企業は「内定から2ヶ月以内の入社」を希望していることが多いからです。
退職交渉は以下の日数を目安に進めていきましょう。
円満退職をするためには退職を切り出すタイミングも重要です。会社が一番困るのは、繁忙期やプロジェクトの山場を迎えた時期です。プロジェクト終了後や期末など区切りのよいタイミングなどがよいでしょう。できるだけ会社や同僚に迷惑をかけない時期を退職日にすると退職交渉もスムーズです。
民法上は2週間前までに会社に退職の申告をするように定められていますが、業務の引き継ぎや退職の手続きを考えると遅くとも1か月前までに退職を切り出すようにしましょう。また会社の就業規則によっては「1か月前まで」「3か月前まで」など規定を設けている場合が多いです。退職の意思表示をいつまでにする必要があるか確認しておきましょう。
関連記事:転職のベストタイミングはいつ?
上司に退職の旨を認められたからといって安心せず、退職日が確定するまでしっかりとスケジュールを追うようにしましょう。退職交渉が円満に進んだからといって、退職日をうやむやにしたままにしてしまい、「転職先の入社日に間に合わない・・・」という状況になってしまったら目も当てられません。
「退職日が確定するまでが退職交渉」です。最後まで気を抜かずに進めましょう。
正式な意思表示として、退職願はきちんと手書きで作成しましょう。用紙・封筒は白無地で普通サイズのもの、筆記用具は黒の万年筆かボールペンを使います。
また、退職願は必ず直接手渡しましょう。宛て名は社長でも渡す相手は直属の上司です。机にポンと置いたり、同僚に頼むなどは非常識です。上司があまり忙しくない時間を見計らって提出しましょう。
上記のテンプレートに合わせた退職願、退職届のフォーマットをご用意しました。ご自由にご利用ください。word形式のA4フォーマットです。
退職願・退職届は三つ折りにして封筒にいれます。三つ折りの仕方は、下側3分の1を文字が内側になるように折ります。そのあと、上側の3分の1を文字が内側になるように折ります。
封筒の入れ方は、封筒の裏面を上にして便箋を入れ、封筒の裏には自分の名前を書きます。このとき、封を開けたときに文章の冒頭(◆のマーク)が最初に見えるように入れましょう。
退職届を提出するときは、白地の封筒に入れて出します。表面の中央に縦書きで「退職届」、裏面の左下に「所属部署・課やチーム」と「氏名」を書きます。こちらも退職届を書くときと同様、黒の万年筆かボールペンを使ってください。
先述の退職交渉のフローに記載のとおり、まずは上司に退職の意向を伝えます。退職の意向を認めてもらえたら「退職願」を提出するのが一般的です。会社の規定がある場合はそちらの指示に従います。
上司に退職願や退職届を提出する際は、指定がない場合は人目につかない会議室などで直接手渡しするようにします。提出方法やフォーマットなど会社の規定がある場合もあるので、上司に確認しておきましょう。
Q. 退職願を提出してから、退職日が確定するまでの目安はどの位でしょうか?
A. 長くても1ヶ月が目安です。退職交渉完了から引継ぎや有給休暇取得に2週間~1ヶ月以内、内定から入社までは2ヶ月以内に収めることが一般的です。
Q. 「代わりが見つかるまでもう少し(3ヶ月程)いて欲しい」と言われてしまいました。
A. 「転職先の入社日が〇月〇日になっています。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、次の環境で頑張らせてください。」と伝えましょう。一般的に「内定から入社まで長くて2ヶ月」と考えている企業が多いため、入社日が合わず転職先へ入社できなくなる可能性があります。
Q. 転職先を教えて欲しいと言われました。伝えなければいけないでしょうか?
A. 社名を言う必要はありません。社名を挙げると「あの会社は悪い話ばかり聞く」等の企業批判を受けるなど、建設的な交渉とならないケースがあります。また、伝える義務もないため、後々の個人情報の問題を考えても伝えるべきではありません。
Q. 退職したい旨を上司に伝えたところ「そんなものは認められない」と取り合ってもらえませんでした。
A. 直属の上長に退職の意向を伝えても取り合ってもらえない場合には、その更の上の上長に退職したい旨を伝えます。自身の上長ラインが難しい場合は、人事に直接相談することが有効な場合もあります。目指すべきは円満退職ですから、退職を認めてもらうことを前提に退職交渉を行いましょう。
Q. 退職する旨を何度も伝えているのですが、一向に承認されません・・・。次の会社への入社日に間に合うか不安です。
A. あなたがしっかりと退職の意向を伝えても一向に認めてもらえない場合、「退職届」を人事部宛に内容証明郵便にて郵送する方法があります。ただし、この方法は円満退職とは程遠くオススメできません。あくまでも最終的な手段として認識し、基本的には就業規則に則って動くことを優先してください。正社員(期間の定めのない雇用)の場合、会社の承認を得ずとも郵送してから14日後に退職となります。
引用 : 厚生労働省「モデル就業規則について 第7章 第48条」より抜粋“ 『期間の定めのない雇用の場合、労働者はいつでも退職を申し出ることができます。また、会社の承認がなくても、民法(明治29年法律第89号)の規定により退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは、退職となります』 ”
関連記事:スムーズに退職するための引き止め対策
A. 会社の不満や愚痴は言わないように注意しましょう。お世話になったお礼と引き止めがしにくい転職理由を伝えるようにします。やりたいことがあり挑戦したいなど前向きな理由を伝えるとベストです。詳しくは、「上司や面接時の退職理由の伝え方の例文とポイントを紹介」の記事をご覧ください。
A. 退職の報告と退職理由を簡潔に伝えます。退職理由は詳しく説明せず「一身上の都合」とするのが一般的です。続いて、お世話になったことへの感謝の気持ちを伝えます。具体的なエピソードを添えるとベストです。印象を悪くしたり、マイナスな影響を与える可能性があるので、愚痴や批判的な意見などネガティブな内容や言葉は避けてください。スピーチをする場合は1分程度にまとめるのが無難です。詳しくは、「離職・退職の挨拶(スピーチ、メール、手紙)は何を伝えればいい?」の記事をご覧ください。
A. 退職金とは、勤めていた会社から退職を理由に支払われる手当のことです。ただし、会社が従業員に退職金を支払う義務はありません。退職金は法律で定められた制度ではないため、誰もが必ずもらえるものではなく、会社ごとの判断で取り扱いが異なります。自社の退職金制度を調べるには、就業規則を確認しましょう。
また、退職金には所得税がかかりますが、税制を優遇する仕組みがあります。詳しくは、「【徹底解説】退職金の相場・平均は?転職・退職で損をしないために!」の記事をご覧ください。
退職願・退職届の提出は転職成功までの最後のステップです。面接の準備と同じように、退職交渉にも事前準備が大切となります。それでは最後に、本ページの内容をまとめてご紹介します。
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