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最終更新 : 2023.1.25
退職には「会社都合退職」と「自己都合退職」があります。どちらの退職かによって、失業給付金をもらえる期間が違ったり、会社から受け取れる手当が変わったりします。また転職活動をする際に、採用担当者に与える印象が違ってくることもあります。そこで、会社都合退職と自己都合退職の定義やそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
斉藤 由梨キャリアアドバイザー部 部長
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー。一橋大学卒。求人媒体の営業職から「type転職エージェント」キャリアアドバイザーへ転身。 コンサルタント・PM・SI・ベンダーと幅広い領域でのIT業界従事者の転職サポートを行い、 現在は役職経験者の方や組織のリーダークラスを中心に多くの転職者を中心に転職を支援している。 監修者プロフィールを詳しく見る >>「会社都合退職」とは、会社側の事情でやむなく退職することです。経営不振や倒産、部門や事業所の廃止、人員削減などの理由で会社から労働契約を解除された場合が該当します。早期退職制度に応じて退職した場合も、会社都合退職になります。
また、法令に違反したり、故意または重過失によって会社に損害を与えるなどして会社を解雇された場合も「会社都合退職」になります。会社からの退職勧奨(退職するよう促されること)を受けて退職した場合も会社都合退職です。
一方、本人が自分から申し出る退職は、基本的にすべて「自己都合退職」となります。実際の理由は転職、結婚、出産、引越し、家族の事情など人それぞれですが、自分の意思で退職した場合はいずれも自己都合退職に該当します。
ただし、やむなく自己都合で退職した場合も、「会社都合に値する正当な理由があった」と認められれば、会社側と協議して会社都合退職にできる可能性があります。例えば、給与の大幅な減額や未払い、職場の上司・同僚などからのいじめや嫌がらせ(セクハラ・パワハラ)、賃金や勤務時間、業務内容などが労働契約時の内容と著しく異なるなどのケースです。自分の退職理由を会社都合退職にできる可能性がある場合は、ハローワークで相談してみるとよいでしょう。
会社都合退職のメリットは、自己都合退職よりも「失業給付金(失業手当)を早く、長期間受け取れること」です。
会社都合退職の場合、ハローワークに離職票を提出してから最短で7日後には給付が開始されます。一方、自己都合退職は離職票の提出から「3ヶ月+7日間」が経たないと失業給付金は受け取れません。また、給付日数は雇用保険の被保険者期間や年齢によって異なりますが、会社都合退職なら「90日〜330日」、自己都合退職なら「90日〜150日」と、最大で受け取れる日数に2倍以上の差があります。
離職票の提出から何日後に失業給付金を受け取れるか | 給付日数 | |
---|---|---|
会社都合退職 | 最短で7日後 | 90日〜330日 |
自己都合退職 | 3ヶ月+7日後 | 90日〜150日 |
また、会社都合退職の場合、企業によっては退職金以外の手当が支払されるケースもあります。例えば、「会社は労働者に対して離職日の30日以上前に解雇を予告する」という労働基準法で定められた義務が守られなかった場合、会社側は「解雇予告手当」として退職者に30日分以上の平均賃金を支払わなくてはいけません。
会社によっては退職金の支給額にも差があります。一般に、自己都合退職は会社都合退職より減額されることが多いので、この点でも会社都合退職の方が手厚いと言えます。また、早期退職制度に応じた場合も、退職金が割り増しされます。こうして見ると、会社都合退職はお金や保障の面で自己都合退職より優遇されることがわかります。
一方、会社都合退職のデメリットは、「転職活動で不利になる可能性があること」です。前職が会社都合退職の場合、「会社を辞めることになったのは、本人にも責任があるのではないか」と考える採用担当者も出てきます。倒産や経営不振が理由であれば仕方ないと受け取られることがほとんどですが、こ解雇や退職勧奨が理由だと「本人の実力やパフォーマンスに問題があったのでは?」と疑問を持たれて、面接でもかなり深く追求されることになります。
また、経営不振や部門・事業所の廃止が理由でも、その人がそれなりの役職や地位に就いていた場合は、本人の責任を問われる可能性が高くなります。管理職やチームリーダーなどのポジションにいた人は、「現場を率いる立場にいたあなたが会社から期待される成果を出せなかったから、この事業部門が廃止されたのでは?」といった厳しい質問が面接で飛んでくることを想定しておく必要があります。さらには、役職や地位にかかわらず、人員がリストラされるほど生産性が低い組織にいたこと自体をネガティブに捉える採用担当者もいないわけではありません。
これに対し、自己都合退職なら、どんな退職理由であれ伝え方次第でポジティブな印象を与えることができます。少なくとも、書類審査や面接の第一印象で採用担当者に余計な先入観を与えることはありません。失業給付金や退職金の優遇を受けたいがために、「自己都合退職ではなく、何とか会社都合退職にできないか」と考える人も多いのですが、その後の転職活動に与える影響も考慮するようにしてください。
会社都合退職の場合、退職届を書く必要はありません。一部には、「会社都合退職にも関わらず、会社から退職届を出すように言われた」という事例もあるようですが、応じる必要はありません。退職届を出してしまったら、自己都合退職として扱われてしまうので注意してください。
会社都合退職をした場合は、企業から会社都合退職の通知を発行してもらうのを忘れないようにしましょう。転職活動中に企業から通知を提示するよう求められることはほとんどありませんが、前職が会社都合退職だったことを証明する必要が出てきた時のために、大切に保管してください。
先ほども話した通り、会社都合退職の場合は転職活動で不利になる可能性があります。かといって、面接で前職の退職理由を聞かれたら、ごまかしたり嘘をついたりするわけにはいきません。その場合は、事実をきちんと話してください。
ただし、会社都合退職の不利な点を克服する方法はあります。大事なのは、「会社都合退職になったのは、自分個人に責任があるわけではない」とはっきり伝えることです。本人はきちんと成果を出していたことを数字や実績で示した上で、「どうしても組織全体の業績が伸びなかった」といった事実を説明し、会社都合退職になったのはやむを得なかったのだと証明しましょう。「組織としての状況は良くなかったが、その中で自分はできる限りのことを精一杯やってきた」という前向きな姿勢を採用担当者に伝えることが大事です。
会社都合退職がどれくらい不利になるかは、その人のキャリアや年齢、前職でのポジションによっても違ってきます。役職がつかない若手であれば、組織の業績にまで責任を負うべきだと考える採用担当者はほとんどいないはずですから、過剰に心配する必要はありません。前職で役職者だった場合は、前述の通り「組織の業績が悪かったのは、あなたにも責任の一端があるのでは?」と採用担当者に思われる可能性はありますが、それでも個人としての実績や会社への貢献度を示すことができれば十分リカバーできるはずです。
なお、早期退職制度に応じて退職した場合は、一概に不利になるとは言えません。最近は大手企業や有名企業でも早期退職制度を使う事例が珍しくなくなったこともあり、「これを機会に新たなキャリアを選択した」という前向きなチャレンジとして捉える採用担当者も増えています。少なくとも一般的な会社都合退職よりは、早期退職の方が採用担当者が納得する退職理由を説明しやすいはずです。
ただ、自分自身に非があって解雇通告や退職勧奨を受けた場合は、そのマイナスイメージを克服するのはなかなか難しいかもしれません。その後の転職活動を円滑に進めることを優先するなら、解雇になる前に自分から退職を申し出て、あえて自己都合退職にするという方法もあります。目の前の退職金や失業手当のことだけではなく、自分の今後のキャリアにとってより良い選択はどちらかをしっかり考えた上で、判断することが大事です。
このように、ひと口に「会社都合退職」「自己都合退職」といっても、どちらがその後の生活や転職活動にとって不利・有利になるかはケースバイケースです。自分が損をしないためにも、会社の退職について正しい情報を知っておくことが大事です。
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