キャリアチェンジとは?おすすめのタイミングやメリットデメリットを解説

最終更新日 :2023.6.13

キャリアチェンジとは? 未経験での転職成功のポイント

「今とは別の仕事がしたい」「他の業界で働きたい」など、キャリアチェンジを考えている人は多いかもしれません。ただし現職とは違う業界・職種に未経験で転職するには、しっかりとした対策と準備が必要になります。

そこで本記事では、キャリアチェンジのメリット・デメリットから、キャリアチェンジ転職の失敗事例と成功のポイント、未経験者の採用で面接官がどこを見ているのかまで、詳しく解説します。

この記事の監修者
監修者の石井 祐太朗

石井 祐太朗キャリアアドバイザー部 課長

住宅メーカーで戸建事業部、リフォーム事業部にて個人、法人相手の営業を経験。 様々な業界の知見を深めることができること、前職より多くの方の人生の転機に立会いサポートできることに魅力を感じ、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。転職希望者の側に立ち、未来を見据えたご支援を続けている。 監修者プロフィールを詳しく見る >>

キャリアチェンジとは

「キャリアチェンジ」とは、未経験の業界や職種へ転職することを意味します。これは、同じ職種で別の業界に転職する、同じ業界で別の職種に転職するというケースも含みます。

よく似た言葉に「キャリアアップ」があります。こちらは今までの経験やスキルを活かして、自分の役職や地位、待遇などを高めていくことを意味し、社内での昇進・昇格や転職によってキャリアアップを図ります。

一方、キャリアチェンジの場合は、未経験の職種・業界へ異動や転職をすることになるため、一時的に役職や待遇などが下がる可能性があります。

キャリアチェンジに適した時期

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社会人経験2年以上あることを条件とした上で、キャリアチェンジするなら25歳から29歳が最適な時期です。

それより早い時期だと現職での就業経験が短く、仕事において成果を出すまでのサイクルを一通り経験できていないことがほとんどです。これはつまり、自分のキャリアにおける実績や身につけるべきスキルが足りていない状態です。そのためキャリアチェンジを目指して転職活動をしても、企業側から「自分のキャリアをきちんと評価できていない」と見られてしまう可能性があります。

また30歳以上になると、異職種への転職に成功する可能性はかなり低くなります。「必要なスキルや知識をキャッチアップするまでに時間がかかる」「上司が年下の場合も多くなるため、組織に馴染めない人が多い」といった理由で、企業側が採用に消極的なためです。この年代になると現職での年収が上がっているため、未経験者であるにも関わらず高い年収を希望するケースが多いことも、採用におけるネックとなります。

異業界への転職も、同様の理由で企業から敬遠される傾向にあります。ただし30歳以上でも、現職と同じ職種のまま異業界への転職を目指すのであれば、異職種への転職よりは採用の可能性が出てきます。現職で培った経験やスキルのうち、他業界でも転用できるものがあることをアピールできれば、時期が多少遅くてもキャリアチェンジは可能です。

キャリアチェンジのメリット・デメリット

【メリット①】希望の業界で仕事ができる、希望の職種に就ける

以前からやりたかった仕事に就けたり、興味があった業界で働くことができたりするのが、キャリアチェンジの大きなメリットです。もともとやりたいことがあったが新卒時にはそれが叶わなかった、あるいは社会人になって仕事をするうちに本当に自分が好きなことや関心があることが見えてきた、といった人は、希望する業界や職種へキャリアチェンジすれば働くやりがいや充実感を得られるでしょう。

【メリット②】新たなスキルが身につく

現職とは異なる業界や職種で実務を積めば、新たなスキルが身につきます。自分にできることを増やし、キャリアの幅を広げていけるのも、キャリアチェンジのメリットです。

【デメリット①】年収が下がる

経験のある業界や職種への転職は即戦力採用になりますが、未経験の業界や職種に転職する場合はポテンシャル採用になるため、年収が下がるケースがほとんどです。現職の業界や職種の年収水準がかなり低い場合を除いて、年収の維持やアップは難しいため、どれくらいの年収ダウンなら妥協できるか考えておく必要があります。

【デメリット②】キャッチアップの負荷がかかる

未経験転職者はいわば新人としてスタートするため、新卒から同じ業界や会社にいる人材に比べて専門スキルで後れをとっています。周囲に追いつくには新たなスキルや知識を日々習得していかなくてはいけないため、前職で仕事をしていた頃より負荷が大きくなります。新たな領域で一人前の仕事ができるようになるまでは、相応の努力が求められることを知っておきましょう。

キャリアチェンジ転職の失敗事例

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キャリアチェンジ転職に失敗してしまうケースには、どのような要因があるのでしょうか。よくある失敗事例を紹介します。

【失敗事例・その1】 年収維持にこだわってしまう

キャリアチェンジのデメリットでも解説した通り、未経験転職はポテンシャル採用になるため、年収が下がるケースがほとんどです。よって、年収を維持することにこだわっていると、応募企業の選定や書類通過が難しくなります。

ただし入社時に年収が下がっても、その後の活躍に応じて年収が上がる可能性は十分あります。入社後に昇給の機会や幅がどのくらいあるかを事前に確認しておくと、年収が下がることへの不安解消につながります。

【失敗事例・その2】 メディアの情報だけで応募先を決める

メディアで得た情報だけを根拠に応募する業界や職種を決めてしまうと、本人の認識と実態とのギャップが大きくなり、面接でも会社や仕事への理解に欠けた受け答えをして評価が下がりやすくなります。

メディアの情報は、ある事象を一面的に捉えただけものも少なくありません。例えば「新卒学生の人気企業ランキング」の上位に入っていても、実は離職率が高い企業もあります。「有名な会社だから」「憧れの業界だから」といった理由で決めたものの、入社後にギャップを感じて退職するケースが多いためです。

転職においても、それは同じです。イメージだけで業界や職種、企業を選ぶのではなく、事前に情報をしっかりと調べることが大事です。その業界や職種を選ぶメリット・デメリット、実際に働いている人たちのワークスタイル、その仕事で求められる適性などを調べて、自分のイメージと相違がないか確認しましょう。

また、自分が目指す業界・職種でどのようなスキルや知識が求められるかを調べて、事前に勉強してみるのも実態を知るための良い方法です。専門書を読んだり、資格学習をすることで、「やはり自分はこの分野が好きだ」「面白そうだと思ったが、自分には向いていないかも」といった感覚が掴めます。単なる憧れではなく、実際の仕事として続けていけるかどうかを確認しておくことは、入社後のギャップをなくすための有効な手段です。

自分だけで求人選定をするのが不安な場合は、転職エージェントサービスを活用してみるのもおすすめです。転職エージェントは企業の採用担当者と接点を持っているため、通常の求人などには載っていない、実際の企業の雰囲気や特徴なども知ることが可能です。エージェントから得た情報は企業研究にも大いに役立ち、より自分に合った求人を選べるでしょう。

【失敗事例・その3】「今の仕事が合っていない」という理由で転職しようとする

明確な目的がないまま、漠然と「今とは違う仕事がしたい」「今の仕事は合っていない」という理由だけで転職活動をすると、書類選考や面接の通過率は低くなる傾向があります。

特に面接では、転職理由や志望動機をかなり深掘りして質問されます。「なぜキャリアチェンジをしたいのか」を聞かれた時に、具体的なエピソードとともに説得力のある回答ができないと、なかなか採用には至りません。転職理由が漠然としたままだと、面接官が納得する受け答えができなかったり、回答に一貫性がなかったりして、「本当にこの業界・職種で仕事をしたいのだろうか」と面接官に疑念を抱かれます。

よって転職を考えるなら、まずは「なぜキャリアチェンジがしたいのか」を整理した上で、選考に臨むことが必要です。

キャリアチェンジ転職 成功のポイント

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キャリアチェンジ転職に失敗する人がいる一方で、成功する人もたくさんいます。成功する人には、どんな特徴があるのでしょうか。

希望の業界や職種について研究できている

メディアの情報だけを鵜呑みにしたり、イメージだけで判断するのではなく、希望の業界や職種についてしっかり研究している人は成功の確率が高くなります。

「自分の特性や強みを転職先でどのように活かせるか」を整理できている

未経験の業界や職種であっても、前職で培ったスキルや経験の中には、転職後も活かせるものがあるはずです。それを自分の特性や強みとして把握し、希望の業界や職種でどのように活かせるかを整理できていると、面接でも説得力のある自己アピールができます。

「現職で希望職種への異動が可能か」を確認するために行動している

目指す職種がある場合、社内異動でその希望を叶えられるケースもあります。例えば現職が営業で、マーケティングの仕事がしたいなら、転職しなくても該当部署へ社内異動すればいいわけです。

この場合、転職の面接でも「異動願いを出したり、上司に他にやりたい仕事があることを相談するなど、希望を叶えるために何か行動したか」を必ず聞かれます。「行動した結果、会社の制度や構造上の理由からこの先も異動できる可能性がないと確認できたため、転職を決めた」と答えれば面接官も納得しますが、何も行動していないのに、ただ「今と違う仕事がしたい」というだけでは説得力に欠けます。異職種転職に成功するには、「現職でやれるだけのことはやった」と言えるだけの行動実績が求められるということです。

またキャリアチェンジ転職に成功するには、「求人の選定」「書類選考」「面接」とそれぞれの段階でコツや注意点があります。以下に成功のポイントをまとめました。

求人の内容をしっかりと確認して選定している

求人の「未経験可」には、「業界未経験可」「職種未経験可」、さらにいずれの経験も問わない「業界・職種未経験可」の3パターンがあり、なかでも多いのが「業界未経験可」です。応募者を増やすために記載している場合や、入社後にじっくりと育てていきたいケースなど、さまざまな募集背景があります。

求人を選ぶときは、業界未経験者や職種未経験者の入社実績が一定以上ある企業をおすすめします。未経験者の入社実績や書類通過率などは、転職エージェントが把握しています。これらの情報を把握するには、転職エージェントに相談してみるといいでしょう。

書類選考で自分の強みをアピールできている

求人に記載された「応募条件」「求める人物像」に合った情報を書類に記載することが、通過率を高めるコツです。エンジニア志望なら、技術に関して学生時代に学んだことや自己学習の実績、取得済みの資格などを記載します。営業志望なら、現職で顧客折衝を任された経験や数字で定量化された目標を達成した経験を、事務やサポート業務志望なら、実務で習得したOAスキルを記載するといいでしょう。

面接で整合性のある転職理由を話せている

応募する業界や職種について正しく理解することと、キャリアチェンジを希望する理由について整合性のある説明ができることが最大のポイントです。「なぜ自分はこの業界・職種へキャリアチェンジしたいのか」「なぜこの会社を志望したのか」を明確に回答できるように準備しましょう。さらに面接本番では、「自分は本当にこの仕事にチャレンジしたいのだ」という熱意が伝わるような話し方の工夫も大事です。

面接官が見ているポイント

キャリアチェンジに限らず、転職理由と志望動機の一致、応募企業への理解、応募要件に記載された人物像にマッチした経験やスキル、社風へのマッチ度などを面接官は見ています。キャリアチェンジ転職の場合、特に重視して面接官がチェックするのは、次のポイントです。

転職理由と異業界・異職種の志望理由に整合性があるか

「転職したいと思った理由」と「その業界・職種を希望する理由」に一貫性があり、自社に応募した動機と整合性が取れるかどうかを面接官はチェックします。

その業界や職種に一定の理解があるか

未経験なりに業界や職種について調べたり、学んだりしてきたかどうかは、受け答えでわかります。

現職を選択したのは自分自身であることを受け止めているか

「やりたい仕事ができないのは会社が悪い」などと他責で考えるのではなく、自責で考えられるかどうかも、面接官はしっかり見ています。たとえ現職が自分の志向と違っている、あるいは働くうちに違ってきたとしても、その仕事を選んだのは他でもない自分なのだと受け止めているかどうかを、質疑応答のなかで確認されています。

現職で成果を上げた方法を説明できるか

「職種・業界や会社が変わっても成果を上げられるか」という点は、ポテンシャル採用をするときに面接官が特に知りたいポイントです。成果を出すためのPDCAを回せる人物かどうかを面接ではチェックされます。

「具体的なエピソード・そのときに行った工夫・成果」をセットで話すと、面接官もその人が自社で働いた場合をイメージしやすくなります。企業が求める人物像や業界・職種の特性を踏まえて、入社後に必要とされるスキルが身についていることも盛り込めるとベストです。

志望業界・職種に転職するために、現時点で努力していることはあるか

通常業務だけでなく、キャリアチェンジに向けて自己学習や資格取得に励んでいることを伝えれば、「経験はないが意欲は高い」とアピールできます。

転職活動がうまくいかない場合は

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キャリアチェンジを目指して転職活動を始めたものの、うまくいかない場合は次のような原因が考えられます。自分に当てはまるものがないか確認し、成功に向けた対策をとりましょう。

応募する業界・職種の理解が不足していて、選考企業からミスマッチと判断されている

改めて業界・職種に関する情報をインプットする必要があります。業界の商習慣やビジネスモデル、実際の仕事内容、入社後のキャリアパス、求められる能力、職務の難しさなどをできる限り詳しく調べ、応募する業界・職種を正しく理解した上で、自分がキャリアチェンジしたい理由を話すことが求められます。

実務経験がなくても取り組めることをやっていない

本当にキャリアチェンジしたいなら、その仕事に就いていなくても取り組めることはたくさんあります。経理を目指すなら簿記、エンジニアを目指すならプログラミング、WebデザイナーならAdobeなどのツールやHTML/CSS などの言語を勉強できるでしょう。

こうした自助努力を何もしていないなら、面接官からキャリアチェンジ転職への熱意や真剣さに疑念を持たれている可能性があります。すでに学習や努力をしているのに応募書類に記載していない人は、必ず書きましょう。何も取り組みをしていない人は、まずこうした学習や努力を始めることをおすすめします。

転職の経緯が現職からただ逃げたいだけにしか聞こえない

「今の仕事が向いていない」「やりたい仕事ではなかった」といった漠然とした理由で応募している人は、面接でも転職の経緯について筋道の通った説明ができず、「ただ今の仕事が嫌で逃げ出したいだけ」という印象を面接官に与えます。転職理由と志望動機に一貫性を持たせて、なぜキャリアチェンジしたいのかを説得力を持って話せるように整理してください。

入社後のミスマッチを防ぐために

キャリアチェンジ転職は本人にとって未知の業界・職種を目指すため、入社後にミスマッチが起こりやすくなります。それを回避するには、希望する業界や職務内容、入社後のキャリアパスに関する理解が必要です。業界・職種について詳しく研究したり、入社後に求められる知識やスキルを自己学習してみることで、「自分のキャリアプランに合っているか」「その仕事を続けていく覚悟があるか」「適性はあるか」「イメージと実際の仕事にギャップはないか」「もしギャップがあっても許容できるか」などが見えてきます。

業界・職種について研究するには、インターネットで調べる、応募する業界や企業で働く人に話を聞く、交流会やセミナーで情報収集する、といった方法があります。それでもわからないことがあれば、ぜひ転職エージェントを活用してください。

type転職エージェントでは、相談者が志望する業界・職種・企業の詳細や職務内容、入社後のキャリアパスなどについて情報を提供しています。キャリアチェンジ転職に成功するポイントや失敗を回避するポイントは、その人の置かれた状況やこれまでの経験によって違ってくるので、一人ひとりに合ったアドバイスを伝えています。未経験で営業職やエンジニア職などへキャリアチェンジ転職した成功実績も豊富です。

キャリアチェンジ転職について不安なことや困ったことがあれば、お気軽にtype転職エージェントへご相談ください。

まとめ

未経験でキャリアチェンジ転職をするなら、成功のポイントを知り、現職のうちにできる準備をした上で臨むことが大事です。希望する業界・職種について理解したり、自分の強みで転職後も活かせるものはないか整理したり、必要な知識を勉強したりと、成功確率を高めるためにできることはたくさんあります。これらのポイントをきちんと理解して、ぜひキャリアチェンジ転職の夢を叶えてください。

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