「仕事辞めたい」迷った時の判断方法とタイミング、辞めるまでの流れを紹介

最終更新日 :2023.06.13

仕事を辞めたいと思ったら…?迷った時の判断方法、仕事を辞めるまでの流れを紹介

「仕事を辞めたい」と思った経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。とはいえ、実際に今の仕事を辞める決心はそう簡単にできないもの。「あの時は辞めたいと思ったけど、やっぱり転職しない方がよかった」と後悔することになるのではないかと思い、一歩を踏み出せない人もいるかもしれません。そこで本記事では、仕事を辞めるべきか迷った時の判断のポイントや、仕事を辞めた場合に転職を成功させる方法、退職の流れなどを紹介します。

この記事の監修者
監修者の斉藤 淳

斉藤 淳キャリアアドバイザー

新卒で自動車ディーラーとして営業を経験したのち、自らの営業としての可能性を広げたいという思いからtype転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。自身の経験を生かした的確なキャリアアドバイスで多くの転職成功を導いている。 監修者プロフィールを詳しく見る >>
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なぜ仕事を辞めたいのか? よくある転職理由

「今の仕事を辞めたい」と思う理由は、どんなものが多いのでしょうか。type転職エージェントが調査した「本音の転職理由ランキング」を見てみましょう。

仕事を辞めたいと思ったら…?迷った時の判断方法、仕事を辞めるまでの流れを紹介-type転職エージェント

※2019年9月~2020年8月 type転職エージェントで面談した約14,000人の転職理由(複数回答あり)

転職を考えた理由の第1位は「年収・待遇」でした。「給与が上がりにくい」「年功序列で昇進しにくい」「もっと年収を上げたい」「評価に見合った給与が欲しい」などの声が聞かれました。年収や待遇は仕事のやりがいや人生設計に直結するため、仕事を辞める動機になりやすいと考えられます。

第2位は「業務内容」で、「裁量の大きい仕事がしたい」「成長できる環境で仕事がしたい」「上流工程にもチャレンジしたい」など、今の会社で経験できる業務内容に限界があると感じた人が多く見られました。

第3位は「キャリアチェンジ」でした。「マーケティングの仕事がしたい」「未経験の業界にチャレンジしたい」「英語力を活かして仕事がしたい」など、今とは別の職種や業界に挑戦したいと思ったことが辞める動機となっています。

第4位は「労働・残業時間」で、「シフト勤務が不規則でつらい」「残業が多い」「いつも終電で帰っている」「休日出勤がある」といった働き方に関するさまざまな事情が背景にあります。第5位の「職場環境・社風」は、「経営が不安」「社風が合わない」など、組織そのものに疑問や懸念を感じるケースが含まれます。

働いている人なら、誰もが一度や二度は「仕事を辞めたい」と思う瞬間があるはずです。しかし、本当に辞めて転職すべきなのか、それとも今の会社で働き続けた方がいいのか、判断がつかず迷っている人も多いでしょう。仕事を辞めるかどうかは人生における大きな決断であり、安易に判断してしまうと後悔することになりかねません。

仕事を辞めるかどうかを判断するには、自分の気持ちや考えを整理し、「本当に今の会社で希望する働き方ができないのか」を確認することが大事です。次の項目から、「辞めるか・辞めないか」を正しく判断し、転職を成功させるポイントを詳しく解説します。

仕事を辞めたい理由がまとまらない時の対処法

まずは「なぜ自分は仕事を辞めたいのか」を整理しましょう。この作業をすることで、仕事を辞めたい気持ちが単なる思いつきや衝動的なものなのか、それともきちんとした根拠のあるものかが見えてきます。

仕事を辞めたい理由がまとまらない時は、次の手順で整理するといいでしょう。

① なぜ会社を辞めたいと思ったのかを書き出す

退職を考えたきっかけを紙に書き出してみましょう。頭の中で考えるだけでなく、書くことで自分の考えや気持ちを掘り下げることができます。

② 今の会社の仕組みやルールを調べる

例えば「給与が上がらない」「昇進できない」といった現状がある時、その原因が個人にあるのか、それとも個人ではどうすることもできない構造的な原因があるのかを、冷静に考えてみることはとても大事です。そのためには、会社の仕組みやルールを調べてみるといいでしょう。この場合なら、自社の賃金制度や人事評価制度を知ることで、構造的な原因があるかどうかがが見えてきます。

③ 上司や先輩などロールモデルとなる人に話を聞く

同じ会社で働く上司や先輩に、辿ってきたキャリアを聞いてみましょう。「30歳の時に、どのような業務を任されていたか」「35歳の時の待遇はどうだったか」などを知ることで、現在自分が感じている不安や懸念が今後解消される可能性があるかどうかが掴めます。

④ 将来も解消されることがない問題を見つける

以上の作業を行なってみて、「自分が抱えている問題は、将来も解消されない」とわかれば、今の「仕事を辞めたい」という考えはきちんとした根拠があると判断できます。

本当に辞めるべき? 迷った時の判断方法

仕事を辞めたいと思ったら…?迷った時の判断方法、仕事を辞めるまでの流れを紹介-type転職エージェント

仕事を辞めたい気持ちに根拠があるとわかっても、実際に会社を退職して転職すべきか、すぐには判断がつかず迷ってしまう人も多いでしょう。その場合は、さらに詳しく考えるべきことや、今の会社で試せることがありますので、それを踏まえて判断することをお勧めします。

① 残業時間の多さや休日出勤など、働き方に悩んでいるとき

【転職を考える前に考えたい・試したほうがよいこと】

自分の残業時間(休日労働を含む)を正確に調べて可視化します。それを2019年に施行された「時間外労働の上限規制」に照らしてみて、自社の労務が法律に従って運用されているかを確認してください。

(参考)厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」

自分の残業時間が法律で定められた労働時間の上限を超えている場合や、法定の範囲内であっても時間外労働が「月に60時間以上、80時間以内」が常態化しているなら、仕事を辞める理由として妥当であると考えられます。もし月に100時間以上の時間外労働をしているのであれば、厚生労働省が定める基準をはるかに超えています。よって転職の面接で「残業時間を減らしたい」と転職理由を伝えても、それをネガティブに捉える面接官はいないはずです。

  • 【転職を成功させるポイント】
  • ・ 自分がどれくらい残業や休日勤務をしているのか正確に把握し、法律で定められた範囲内かどうかを確認する
  • ・ 現状で時間外労働の上限規制を超えているなら、転職の面接で残業時間の削減を転職理由として伝えても、マイナスにはならない

② 給与・待遇に悩んでいるとき

【転職を考える前に考えたい・試したほうがよいこと】

まずは現在の年収を正しく把握します。一般的に「年収」とは、税金や社会保険料が天引きされる前の金額です。税金や社会保険料が差し引かれた後、実際に手元に振り込まれる金額は「手取り額(=可処分所得)」です。この2つを混同している人も多いので、それぞれの金額を改めて確認してください。

前年度の源泉徴収票を見れば、支払内容の詳細を確認できます。「支払金額」は給与や賞与、住宅手当などの各種手当、残業代などを含めた天引き前の年収、「源泉徴収税額」が天引きされた所得税、「社会保険料等の金額」が厚生年金や健康保険など社会保険料の本人負担分です。また「所得控除の額の合計額」には、財形貯蓄や団体保険の控除額が含まれます。

年収を把握したら、それを業界水準と比較します。自分の年収が業界水準と比べて低い場合は、同業他社に転職する妥当な理由となります。また業界全体の水準が他業界と比べて明らかに低い場合は、他業界に転職する正当な理由になり得ます。

また、上司や人事と給与制度について率直に話し合い、役職と給与の相関関係を確認する作業はしてみるべきです。自分では不満に感じたとしても、各企業が設定している給与水準には競争原理に基づく裏付けや根拠があり、それを知れば今の年収にも妥当性があると思えることも多いからです。

なお、他の業界や業種に転職する場合、給与が上がるケースは少ないという現実も知っておきましょう。同じ業界や業種への転職なら、これまでの経験やスキルを活かして入社直後から活躍を期待されるため、給与が上がることも珍しくありませんが、未経験での転職はいわば“新人”としてのスタートとなります。よって「今の業界や職種の給与水準が低いので、高いところへ転職しよう」と思っても、転職後はこれまでより年収が下がることを覚悟する必要があります。

ただし給与水準が高い業界であれば、その後の実績や成長に応じて、年収が大きく伸びる可能性はあります。また業界や職種は違っても、前職での経験やスキルを転用できる仕事であれば、年収を下げずに転職できるケースもあります。

  • 【転職を成功させるポイント】
  • ・ 自社よりも年収水準の高い同業他社へ転職する
  • ・ 平均年収の高い他業界へのキャリアチェンジを目指す。その場合、自分がこれまで培ったスキルや経験、知識を転用できる企業を狙う
  • ・ 転職エージェントを利用して、転職先と年収交渉を試みる。本人からは年収について要望を伝えにくいものだが、転職エージェントが代わりに交渉することで、本人の希望が伝わりやすくなる
  • ・ 年収交渉をするなら、できれば複数の企業から内定を獲得したい。他社からも内定をもらっていることを企業に伝えれば、交渉を有利に進めやすくなる

③ 業務内容について悩んでいるとき

【転職を考える前に考えたい・試したほうがよいこと】

単に「今の業務内容が嫌だから」という理由だけで転職するのはお勧めしません。先ほど紹介した「仕事を辞めたい理由がまとまらない時の対処法」に沿って、仕事を辞めたい理由を掘り下げてみてください。

まずは業務内容のどこに抵抗を感じているのかを書き出します。そして、抵抗を感じる点を自分で改善する方法はないか考えます。例えば、より良い仕事の進め方について上司に提案したり、やりたい業務を担当できる部署やチームへの異動が可能かどうかを相談したりすることで、改善につながるかもしれません。それが難しいと思うなら、会社の仕組みやルールを調べて、個人の力では改善が難しい問題かどうかを冷静に考えることが大切です。

また「どんな業務内容なら自分は納得できるのか」をイメージすることも必要です。「今の業務が嫌」というネガティブな側面だけでなく、「自分はこんな業務がやりたい」という前向きな理由が見つかるといいでしょう。

その上で、自分が納得できる業務ができそうな業界や職種について調べます。
各業界や職種への理解を深めることで、もし転職したら自分が抵抗を感じている業務内容が改善できそうか、やりたい業務を担当できる可能性がどれくらいあるかなどが見えてきます。それを踏まえた上で転職活動を行えば、「転職したものの、結局ここでも業務内容が自分に合わなかった」というミスマッチを防ぐことができます。

  • 【転職を成功させるポイント】
  • ・ 今の自分が業務に抵抗を感じている点や、それを改善する方法について掘り下げる
  • ・ どんな業務なら自分は納得できるのかをイメージする
  • ・ 各業界や職種について調べ、それぞれの業務内容について理解を深める
  • ・ 自分が納得できる業務をイメージできない、イメージはあってもどの業界や職種ならそれが実現できるのかわからない場合は、各業界・職種の業務について豊富な情報を持つ転職エージェントに相談してみる

④キャリアチェンジしたいと悩んでいるとき

【転職を考える前に考えたい・試したほうがよいこと】

「なぜ自分はキャリアチェンジしたいのか」を改めて考えてみることが大事です。その理由によって、転職した方がいい場合としない方がいい場合に分かれます。

 →転職した方がいい場合

キャリアチェンジの目的が明確で、社内の異動ではそれを叶えるのが難しい人。「今の業界や職種が嫌だから」ではなく、「これがやりたい!」とポジティブに考えているなら、転職した方がいいでしょう。

 →転職しない方がいい場合

「今とは違う仕事がしたい」と漠然と考えている人。隣の芝生は青く見えるものなので、明確な目的がないまま転職しても、結局は入社後のギャップや入社前には見えていなかったデメリットに悩むことが多くなります。ただし、他の業界や職種への適性を見極めるために、転職活動をすること自体はお勧めです。書類選考や面接などを通じて、どの業界や職種が自分を評価してくれるのか、転職するとどのようなリスクがあるのかが見えて来るからです。実際に転職するかどうかを決めるのは、その後でも遅くはありません。

ただし「転職した方がいい場合」でも、実際に転職活動を始める前にやっておくべきことがあります。

1つめは、「収入の妥協点」を考えておくこと。キャリアチェンジをする場合、転職先ではこれまでの経験が直接活かせないため、ポテンシャル採用になります。よって年収が下がることがほとんどであることを理解し、どこまでの年収ダウンなら妥協できるかを考えておく必要があります。

ただし、年収が下がるのと引き換えに、これまでにないスキルや経験が身につくメリットがあるので、「下がった年収で新しいスキルを買うのだ」と考えると納得しやすいはずです。また希望する業界や職種に転職した場合、入社後の昇給の幅やスピードはどれくらいかを事前に確認しておくと、年収が下がることへの不安解消につながります。

2つめは、「転職理由の明確化」です。キャリアチェンジを目指して転職活動をすると、面接で必ず「なぜこの業界が職種に転職したいのか」を詳しく聞かれます。この質問に対して、具体的なエピソードを交えて説得力ある転職理由を答えられるように準備することが大事です。

  • 【転職を成功させるポイント】
  • ・ キャリアチェンジの転職では年収が下がることを理解し、年収ダウンの妥協点を考える
  • ・ 転職後の昇給の幅やスピードを事前に確認しておく
  • ・ 転職理由を明確化する。面接で「なぜこの業界が職種に転職したいのか」を聞かれた時に、実体験を用いて答えられるように準備する
  • ・ キャリアチェンジした場合の年収の変化や、転職理由の作成について迷った場合は、転職エージェントに相談してアドバイスをもらう

仕事を辞めるまでの流れ

仕事を辞めたいと思ったら…?迷った時の判断方法、仕事を辞めるまでの流れを紹介-type転職エージェント

① 退職の意思を会社に伝える

退職の意思を最初に伝えるべきなのは、直属の上司です。いきなり切り出すのではなく、「お話ししたいことがあるので、お時間を頂けないでしょうか」と前もってアポを取るのがマナーです。退職の意思を伝えるときは、会議室など上司と二人きりになれる場所で行います。上司に話を通すまでは、周囲に退職することを知らせるような振る舞いは避けてください。

退職の意思を伝えると、上司から必ず理由を聞かれるので、相手が納得できるような退職理由を用意しておくことも必要です。引き留めにあう可能性があることも考慮し、その場合の答え方もあらかじめ準備しましょう。

② 退職日の確定

上司に退職の意思を伝えてから、人事などを経て会社から退職の了承が降りるまで数日かかります。了承の手続きが済んだら、退職日が確定します。

③ 業務の引き継ぎ

退職日が決まったら、業務の引き継ぎをします。円満に退社するためにも、会社や同僚に迷惑をかけないように、しっかり引き継ぎを行うのが社会人としての務めです。

④ 退職当日

退職の挨拶や必要な手続きを行います。

仕事を辞めるタイミングは?

会社が社員に辞められて一番困るのは、業務の繁忙期やプロジェクトが山場を迎えた時期です。こうした時期は避けて、できるだけ会社に迷惑をかけない時期を退職日にするといいでしょう。その方が、退職の交渉もスムーズに進みます。

民法上は、会社に退職の申告をしてから、最短で2週間後には退職できるとしています。しかし、仕事の引き継ぎや退職の手続きにかかる時間を考慮すると、退職の意思を切り出すのが退職日の2週間前というのは急すぎます。遅くとも1ヶ月前までに申告することを目指してください。退職の時期について社内規定で決めている場合もあるので、いつまでに退職の意思表示をする必要があるのか事前に確認しておくといいでしょう。

仕事を辞めたいけど言えない時は?

「辞めるなんて無責任だ」「残る人に迷惑をかけられない」と考えて、なかなか会社に退職を切り出せない人もいます。その気持ちはよくわかりますが、気にする必要は一切ありません。先ほども紹介しましたが、民法第627条2項で、「期間の定めのない無期雇用の場合、雇用の解約を申し入れた後、2週間を経過すれば退職できる」と定めています。

つまり仕事を辞めることは、労働者の権利でもあるということ。辞めた後の人員の補填や業務のフォローは会社の役目ですから、仕事を辞める時に引き継ぎさえスムーズに行えば、お世話になった会社や同僚への義理は十分果たせます。

「転職先でうまくやっていけるか」という不安で辞められない場合は?

まずは一度、企業の求人に応募して、実際に面接を受けてみることをお勧めします。求人票の内容だけでは、実際の社風や一緒に働く人たちのことはわかりません。インターネットのクチコミサイトを見ても、それが在職中の社員の意見なのか、それともすでに辞めた人の意見なのか判断できませんし、人それぞれ感じ方は違うので、その意見が自分に当てはまるとも限りません。

面接で実際に働く人たちに会って話を聞き、こちらからもいろいろな質問をすることで、「もし自分がここに転職したらどうなるか」を具体的にイメージできます。相談すれば、面接官だけでなく、他の社員たちと面談する機会を設けてくれる企業もあります。

自分の目と耳で確かめた情報をもとに、「転職先でうまくやっていけるか」を判断するのが一番確実です。

まとめ

仕事を辞めたいと思った時は、感情や勢いだけで先走って、安易な判断をしないことが大切です。退職したいと思った理由を振り返ったり、他の会社や業界の情報を調べたりして、「本当に自分は今の仕事を辞めるべきなのか」を考えましょう。転職するにしても、そのまま会社に残るにしても、自分が後悔することなく納得のいくキャリアを積めるような判断をすることが何より大事です。

もし、第3者の意見も参考にしたい場合は、転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。これまでの転職支援実績をもとにキャリアアドバイスをしてくれます。

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