第二新卒の転職は難しい?実は積極採用されやすい理由とおすすめの時期

最終更新日 : 2023.9.29

第二新卒とは?定義と転職のしやすさについてのイメージ-type転職エージェント

転職情報を調べていると、よく目にする「第二新卒」という言葉。なぜ企業はわざわざこのワードを使って募集を行うのでしょうか。第二新卒に当てはまる人の条件と転職市場におけるニーズについて解説します。特に若い人や社会人歴が浅い人は必見です。

この記事の監修者
監修者の檀上 悠一

檀上 悠一キャリアアドバイザー部 部長

営業職の転職支援を中心にキャリアアドバイザーとして従事。現在は営業職や販売・サービス職の転職支援を行うキャリアアドバイザー部の部長。第二新卒向けの面接対策や、女性の転職支援にも強い。
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第二新卒とは?定義や意味は?いつまで?

第二新卒のイメージ-type転職エージェント

「第二新卒」という言葉に、実ははっきりとした定義はありません。
法令などで明確に意味を示した事例はなく、あくまでも転職市場から独自に生まれて広まった言葉です。

ただ多くの企業の共通認識として、第二新卒という言葉は「新卒で入社して3年以内の求職者」という意味で使われています。
よって四年制大学の卒業者であれば、24歳〜26歳くらいまでが第二新卒に含まれます。

一方、大学院を卒業して就職した場合は、すでに年齢が27歳や28歳になっているため、入社から3年以内であっても第二新卒とは見なさない企業がほとんどです。

また、学校は卒業したものの一度も就職したことがない人は、24歳〜26歳でも第二新卒には該当しません。

あくまでも、「一度社会に出て働いた経験がある人」が第二新卒の条件になります。

第二新卒は積極採用される?第二新卒が転職しやすい理由

第二新卒のイメージ-type転職エージェント

第二新卒採用に積極的な企業とは?

多くの企業で人手不足が課題となっている今、中途採用のニーズは市場全体で高まっていますが、「なかでも第二新卒を積極的に採用したい」という企業は急増しています。

中途採用と言えばひと昔前はある程度のキャリアを積んだ即戦力を対象とする企業が大半でしたが、少子高齢化により今後はどの企業でも若年層の働き手が減少すると予想されることから、現在はできるだけ多く若い人材を確保したいと考える企業が増えました。

特に第二新卒の採用意欲が高いのは、急速に業績を伸ばしているスタートアップ企業やベンチャー企業です。なかでも今後さらなる市場の拡大が見込めるIT業界やWeb広告・メディア業界、人材業界といった成長産業は、若手を多く獲得したいと望んでいます。

また計画通りに新卒採用ができなかった企業も、第二新卒の採用に力を入れています。

学生たちの多くは大手企業や有名企業への就職活動を優先するため、中堅企業や大手でも一般の知名度が高くない企業は、どうしても新卒採用に苦戦することになります。
よって、新卒で採用できなかった若い労働力を確保するための手段として、「別の会社に入社している若年層」をターゲットとして人材の獲得に乗り出す企業が増えているのです。

  • ◆第二新卒の採用に積極的な企業群2つ
  • ・ スタートアップ企業やベンチャー企業
  •   例:IT業界やWeb広告・メディア業界、人材業界といった成長産業
  • ・ 新卒採用に苦労した企業

関連記事:【スタートアップ企業への転職】働くメリットや求められている人材の特徴を解説

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企業が第二新卒を採用するメリット2つ

新卒や一般的な転職者と比べた場合、企業が第二新卒を採用するメリットは主に2つあります。

1つは、ビジネスパーソンとしての基礎力が身に付いた状態からスタートできること。
まったく社会人経験のない新卒と比べれば、少なくとも基本的なビジネスマナーや社会人としての立ち居振る舞いは備わっているはずなので、入社後の研修や育成も新卒よりは手間や時間がかかりません。

もう1つは、長期的な就業が見込めること。
入社の年齢は新卒より少し上がりますが、それでも30代や40代の転職者よりは長く自社で働いてくれる可能性が高くなります。

また前職での経験が長い転職者の場合、前の仕事のやり方や考え方にこだわってなかなか次の職場に順応できないケースがありますが、前職での経験が短い第二新卒なら新しい環境や社風に馴染みやすいことも長期的な活躍を期待できる理由です。

企業が第二新卒に求めるものとは?

企業が第二新卒を採用するメリットでも解説した通り、会社側は「自社で長く働いてくれること」を求めています。それを見極めるため、採用担当者は「前職を辞めた理由」に注目します。「こんな不満があったから辞めました」というだけの人は、採用担当者が「うちに入ってもすぐ辞めるのではないか」と考えます。

一方、たとえ不満があっても、それを改善するために上司に提案をしたり、周囲に相談したりと、自分なりに行動を起こした人なら、「入社後に課題が見つかっても、自分の力で解決して長く働き続けてくれるだろう」と思ってもらえます。

また、「自分だけが成長したい」という自己中心的なタイプも敬遠されます。
第二新卒世代は、若さもあり、自分のことだけを考えがちになってしまう方も多いですが、企業が求めるのは「自分の成長を他者への貢献に役立てられる人」です。よって面接でも、「お客様のためにもっと成長したい」「会社に貢献するためにこんな成長を目指したい」といった答え方ができる人は高く評価されるでしょう。

第二新卒はそもそもなぜ転職するのか?理由は?

第二新卒の人が転職に悩むイメージ-type転職エージェント

企業の採用ニーズが高まる一方、第二新卒として転職市場に出て来る人材の数も増えています。
1社目を3年以内に辞めて転職しようと考える動機は、大きく分けて2つあります。

1つは、新卒時に十分な情報を取得しないまま就職活動したために、入社後にミスマッチが発生したケースです。
どんなに企業研究をしても学生が得られる情報は限られますし、社会に出たことがない人が仕事を具体的にイメージするのも限界があります。

よって、実際に働いてみると「思っていたのと違った」というギャップが生じやすく、それが転職の動機につながります。

もう1つは、入社して働くうちに新たにチャレンジしたいことが見つかるケースです。
就職活動時に思い描いていた通りの仕事内容や職場環境だったとしても、実際にビジネスの現場に出て様々な課題や現状を目の当たりにすると、「こんなこともやってみたい」という別の目標が生まれることはよくあります。
それが1社目の会社で実現できないのであれば、新たな活躍の場を求めて転職するという選択肢が生まれます。

また、転職に対してネガティブな印象を持つ個人や企業が減ったことも、第二新卒の転職希望者が増えた要因です。
「石の上にも3年」という言葉があるように、これまではいったん就職したら、たとえミスマッチがあっても3年は我慢して頑張るべきだというのが一般的な考え方でした。

しかし現在は、「自分のやりたいことや目指すキャリアが明確であれば、それを実現するために早く方向転換したほうが成長できる」として、転職をプラスに捉える傾向にあります。

企業と個人の双方にとって転職に対するマイナスイメージがなくなったことも、第二新卒の転職が活性化している大きな理由です。

  • ◆第二新卒の転職理由
  • ・ 入社後にミスマッチを感じた
  • ・ チャレンジしたいことが他に見つかった
  • ・ 転職にマイナスイメージがなくなり、目指すキャリアへの方向転換がしやすくなった

第二新卒はこの時期に転職しよう!転職に最適な時期とは

カレンダーのイメージ-type転職エージェント

第二新卒は通年採用をしている企業が多く、市場全体で見ればいつでも転職のチャンスがあります。
その中で、第二新卒が転職しやすい時期をあえて挙げるとすれば、「3月から5月を除いた時期」です。

春は新卒採用や入社への対応で企業の人事が多忙な時期なので、第二新卒の選考が進みにくくなります。

また新卒採用の時期と重なると、第二新卒も同じ土俵で比較されることになるため、採用基準は他の時期より厳しくなりがちです。
データを見ても、3月から5月は第二新卒の書類通過率が下がる傾向にあることが明らかになっています。よって、できればこの時期は避けて転職活動を行うのが無難でしょう。

第二新卒のメリット・デメリット

第二新卒のイメージ-type転職エージェント

企業の採用ニーズが高い第二新卒ですが、転職活動においてデメリットがないわけではありません。

第二新卒のデメリットとは

転職に対するネガティブな印象が薄れたとはいえ、入社して半年や1年のごく短期間で辞めた人は、やはり企業からマイナスのイメージで見られやすくなります。

先ほど説明したように、企業は長く活躍してくれることを期待して第二新卒を採用するので、面接官が「前職と同じように、うちに入社してもすぐ辞めてしまうのでは」と懸念を抱くと、その人の評価はどうしても下がります。

ただし、面接官が納得できる明確な退職理由や転職理由を伝えることができれば、このデメリットはそれほど問題になりません。

例えば「前の会社は与えられる業務の量と範囲が限られ、チームとしての目標設定も低く、このままでは自分が成長できないと危機感を抱きました。そこで1日も早く環境を変え、高い目標を掲げてスピード成長している御社に入り、自分を伸ばしていきたいと考えたのが転職の動機です」といった理由なら説得力があります。

重要なのは、「この会社に入社したら、前職と同じ理由で辞めることはありません」という意思をしっかり面接官に伝えること。

また前職への愚痴や不満を退職理由とするのではなく、新卒時のキャリア選択のミスを自分でも素直に認めていること、その反省を糧に転職先では長期就業につなげたいことが伝わる話し方をすることが重要です。

もし同じ失敗を繰り返し、第二新卒で転職した会社も短期間で辞めることになったら、転職市場での評価はかなり下がります。
第二新卒の転職先選びではミスができないからこそ、十分な情報収集やミスマッチを防ぐための面接対策が必要です。

第二新卒のメリットとは

一方で、第二新卒ならではのメリットもあります。

新卒採用では社会経験がない学生を採用するため、学歴や大学時代の成績・活動などをもとにポテンシャルを判断するしかありません。
しかし第二新卒の場合、1社目の実務経験や実績を見ればビジネスパーソンとしての実力を判断できます。

よって前職で力をつけて成果を出した人であれば、新卒時の就職活動では受からなかったワンランク上の企業や第一志望だった企業に採用されるチャンスも広がります。

だからこそ第二新卒の面接では、1社目の実績や成果を客観的な数字や事例とともに説明できるよう準備しておくことが大事です。
「自分が御社に入社したらこんな活躍ができます」と具体的に示せるのが第二新卒のメリットなので、それを最大限に生かして面接に臨みましょう。

第二新卒転職のメリット・デメリットのイメージ-type転職エージェント

まとめ

第二新卒が転職に成功したイメージ-type転職エージェント

第二新卒の採用ニーズが高まっているからこそ、数ある選択肢の中から、「自分とマッチした長く活躍できる会社」を見極めることが大事です。もし求人選びに悩んだら、転職のプロの転職エージェントに相談してみましょう。あなたの強みを見つけ出し最適な求人を教えてくれます。

目指すキャリアを実現するためにも、第二新卒に企業が期待することを知った上で書類選考や面接に備え、キャリアアップのチャンスをしっかり掴み取ってください。

まとめ

◆第二新卒とは何か

実ははっきりとした定義はないが、多くの企業の共通認識の条件は
「新卒で入社して3年以内の求職者」
「一度社会に出て働いた経験がある人」。

◆第二新卒の採用に積極的な企業は

1、スタートアップ企業やベンチャー企業
  例:IT業界やWeb広告・メディア業界、人材業界といった成長産業
2、新卒採用に苦労した企業

◆企業が第二新卒を採用するメリット

・ビジネスパーソンとしての基礎力、マナーが身に付いていること
・30代40代に比べ、若いので長期的な就業が見込めること
・新しい環境や社風に馴染みやすいこと

◆第二新卒が転職を決めた理由

・入社後にミスマッチを感じたから
・チャレンジしたいことが見つかったから
・転職にマイナスイメージがなくなり、目指すキャリアへの方向転換がしやすくなったから

◆転職におすすめの時期

3月から5月を除いた時期。新卒採用とかぶると比べられるため。

◆第二新卒の転職活動のメリット・デメリット

デメリット
「入社してもすぐ辞めてしまうのでは」と懸念されやすいこと。
そのため、明確な転職理由や長期就業への意欲を伝える必要がある。

メリット
新卒時の就職活動では受からなかったワンランク上の企業や第一志望だった企業に採用されるチャンスが広がる。

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