履歴書の「現在に至る」「以上」の意味は?正しい書き方をケース別に解説

最終更新日 : 2023.01.20

履歴書の「現在に至る」「以上」の意味は?正しい書き方をケース別に解説のイメージ-type転職エージェント

履歴書のサンプルを見ると、職歴欄に「現在に至る」「以上」と書かれているのに気づくはずです。これはどのようなルールに従って使う言葉なのか、そもそも必ず書かなければいけないのかなど、迷ってしまう人もいるかもしれません。そこで、「現在に至る」「以上」の意味や正しい使い方、職歴欄に記入する際の注意点などを解説します。

この記事の監修者
監修者の伊藤 直也

伊藤 直也エキスパートキャリアアドバイザー

【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント
「type転職エージェント」にて求人企業への法人営業からキャリアをスタートし、その後キャリアアドバイザーへ転身。現在はミドル・エグゼクティブ層の転職支援を行う。
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履歴書の「現在に至る」「以上」それぞれの意味は?

履歴書の「現在に至る」「以上」それぞれの意味-type転職エージェント

「現在に至る」は、現在その職場に在籍していることを意味する表現です。
例えば「2015年 タイプ商事株式会社 入社 営業部 営業一課に配属」という職歴の後に「現在に至る」と書けば、「現在もタイプ商事株式会社 営業部営業一課に在籍中である」という意味になります。

「以上」は、「この件についての記載はここまでで、この先はありません」ということを示すために使う言葉であり、正式なビジネス文書では文末に必ず記載するのがルールです。
履歴書では、「私の職歴はここで終わりです」ということを示すために、職歴欄の末尾に書きます。

なお「現在に至る」は、学歴欄には使いません。現在、大学や大学院に在学中の人が就職活動をする場合は、「2023年3月 タイプ経済学部 経済学科 卒業見込み」などと書きます。

すでに会社を辞めて離職中の場合も、「現在に至る」は使いません。職歴欄に「2022年5月 一身上の都合により退職」と退職の時期を書いたら、あとは「以上」と書くだけにしてください。

履歴書に「現在に至る」「以上」を正しく記載することは、採用担当者に「私はビジネス文書のルールに則って書類を作成できます」と示すことにもつながります。企業によっては書類作成を非常に重視することもあり、必要な文言が抜けていると悪い印象を与える可能性もあるので、ルールを理解して書き忘れのないようにしましょう。

履歴書の「現在に至る」「以上」それぞれの書き方は?

「現在に至る」は、職歴欄に現在勤務している会社と部署を記入後、改行して左寄せに書きます。さらに改行して、右寄せで「以上」と書くのが正しい記入の仕方です。

「現在に至る」「以上」それぞれの書き方-type転職エージェント

また、「現在に至る」の代わりに、「在職中」を使うこともできます。その場合は、次のように書きます。

「現在に至る」「以上」それぞれの書き方-type転職エージェント

履歴書の「現在に至る」「以上」書く時のポイントは?

履歴書の「現在に至る」「以上」書く時のポイント-type転職エージェント

「現在に至る」を使う時は、必ずその直前の職歴欄が現在所属している会社・部署であることを確認してください。
履歴書をパソコンで作成する場合、ワードなどで書いた文章を使いまわしていると、転職活動中に所属や担当が変わった場合に新しい配属先を追加で記入するのを忘れたまま、「現在に至る」と書いてしまうことがあります。すると、採用担当者に直近の所属が正しく伝わらないので注意してください。

この「現在」というのは、厳密には「企業の採用担当者がその履歴書を見る時」です。
退職予定日が決まっていても、その時点で前職の会社に在籍中なら、基本的には「現在に至る」を使います。

ただし、退職日が確定していて、その日にちが間近に迫っている場合は、退職予定日を書いた方がいいケースもあります。
企業によっては、採用後すぐ入社できる人が好ましいと考える場合があるからです。その場合は「現在に至る」と書いて改行し、「なお、○月×日付で退職予定」と書き加えるとよいでしょう。

いずれの場合も職歴欄の末尾に「以上」と書くのを忘れないでください。

履歴書の「現在に至る」「以上」書く時のポイント-type転職エージェント

こんな場合、職歴欄・経歴欄はどう書く?

派遣やアルバイトの職歴は書いた方がいい?

ごく短期間のつなぎのアルバイトならわざわざ書く必要はありませんが、一定の在職期間があり、そこで得た経験やスキルが今後の転職活動に生かせる可能性があるなら、非正規雇用の職歴も履歴書に書きましょう。
とくに派遣やアルバイトとして働いた期間がそれなりに長い場合、それを職歴として書かないと、まったく働いていない空白期間が長かったと思われてしまいます。

派遣やアルバイトの場合も、正社員の職歴と同じように、入社時期と退社時期を職歴欄に書きます。現在も在職中の場合は、「2005年4月 タイプ株式会社 入社(アルバイト 主に経理事務の補助を担当)」などと書き、改行して「現在に至る」と書けばOKです。派遣の場合は、「□□派遣サービス株式会社より、タイプ株式会社 経理部へ派遣」といったように、派遣元と派遣先の両方を書いてください。

派遣やアルバイトの場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

やむを得ない事情で離職期間が長引いた場合は、理由も書いた方がいい?

最近は介護などの家庭の事情で、やむなく一定期間離職する人が少なくありません。プライベートなことなので必ず履歴書に書かなくてはいけないわけではありませんが、理由が不明な離職期間があると、「働く意欲がなかったのではないか」「転職活動をしても採用されなかったのではないか」などと、採用担当者がネガティブに捉えるリスクがあります。よって、やむを得ない事情で離職期間が長引いた場合は、その理由も書き添えることをお勧めします。

具体的には、職歴欄に「2010年5月 親の介護に伴い退職。その後、2011年3月まで介護に従事」と書いて改行し、「現在に至る」と記入します。さらに、履歴書の「特記事項」や「その他」などのフリースペースに、「2010年5月に両親が交通事故に遭い、その介護のため離職致しました。現在は両親ともに完治し、介護の必要がなくなったため、就職活動を行っています」と現在の状況を書き添えましょう。
これにより、「現在は介護に専念する必要がなくなり、仕事に注力できる環境が整いました」という前向きなメッセージを採用担当者に伝えることができます。

離職期間がある場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

仕事を辞めて大学院や専門学校で勉強し、卒業後にまた就職する場合は?

仕事を辞めて学生になった場合は、最後に勤めていた会社を職歴欄の最後に書いて「一身上の都合により退職 以上」とし、退職後に入学した学校については、職歴欄の上の学歴欄に書きます。その大学や専門学校に現在も在学しながら就職活動をしている場合は、学歴欄の最後に「2012年3月 タイプ経済学部 経済学科 卒業見込み」と書きます。すでに卒業している場合は、学歴欄に「2012年3月 タイプ経済学部 経済学科 卒業」と書き、1行空けてその下に職歴を続けます。

学生の場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

仕事をしながら大学院や専門学校に通っている場合は?

会社勤めをしながら、夜間の法科大学院やMBA経営大学院に通っている人もいるでしょう。その場合は、学歴欄に「2007年4月 タイプ法科大学院 入学」「2008年3月 タイプ法科大学院 在学中」と入学時期と現在在学中であることを書きます。職歴欄は、一般的な書き方に沿って現在の会社・部署を書いた上で、「現在に至る」とすれば問題ありません。

会社勤めの場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

離職中に職業訓練校に通った場合は?

就職に有利なスキルや知識を身につけるため、職業訓練校に通う人もいるでしょう。職業訓練校については、学歴欄ではなく、職歴欄に記載するのが基本です。
これは職業訓練校が学校教育法で定められた教育機関ではないためです。また、一般的な学校とは違い、「職を得るために通う」という明確な目的を前提としているので、職歴欄に書くほうが採用担当者にとってもキャリアの流れがわかりやすいという理由もあります。

履歴書には、職業訓練校の名前と学科やコース名、入校と終了の時期を職歴欄に記載します。「2009年4月 ○○職業訓練校 システム開発科 入校」「2010年3月○○職業訓練校 システム開発科 修了」とし、その後の職歴がなければ「以上」とします。

職業訓練校に行った場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

フリーランスの人が転職活動をする場合は?

職歴欄に「2008年4月 フリーランスのエンジニアとして活動」などとしてフリーになった時期を明記します。さらに、「業務委託にてタイプ株式会社のシステム開発に従事」「iOSアプリの設計・開発に従事」などと主な仕事内容を書き添え、職歴欄の最後に「現在に至る」と記入します。

フリーランスの場合の履歴書の書き方-type転職エージェント

「現在に至る」「以上」を書き忘れたら?

基本的にはそれが採用の可否に影響することはありませんが、業種によってはシビアに評価するケースもあるので注意が必要です。

たとえば、監査法人や会計事務所など、調書・証明書を作成する業務のある会社は、ドキュメントの書き方、丁寧さなどを重視するため、書式や誤字・脱字、ですます・である調の混在などについて細かくチェックしています。

不動産業界や金融業界も同様。面接における身だしなみにも厳しく、規律を重んじる業界です。しかも重要事項説明書や系尺所など書類作成業務がありますので、書いた書面に抜け漏れがないか、ミスがないか、隅々までチェックして提出するようにしましょう。

また、年長の人が多い会社や老舗企業、伝統を重んじるタイプの会社も、書式を重視する場合があるので要注意です。

これは採用率を上げるために重要というよりは、書き漏らすことによるリスクを軽減するための対策の一つ。いらぬところで減点されることのないよう、慎重にチェックするようにしましょう。

職務経歴書における「現在に至る」「以上」の書き方は?

ここでは職務経歴書における「現在に至る」「以上」の書き方について解説します。最近では、本業以外に副業を行う人も増えてきており、職務経歴書に記入する際に本業との分け方に悩まれる方も多いかと思います。

副業している時は、「現在に至る」の前に書くようにしましょう。本業の会社意外に、社員として所属している会社がある場合は、「○○年より○○にて副業」と記載してください。近年、エンジニアを中心に多い、業務委託として副業をしている場合は書き方に注意が必要です。期間限定でプロジェクトに参加していたり、週に数回業務委託として働いている場合は、数も多くなってしまいますので、記載する必要はありません。

また、稼ぐために企業に所属して副業をしているわけではなく、NPOなどに所属していて活動した結果、報酬が発生してしまっている場合には、備考欄に記載するようにしましょう。

まとめ

職歴欄や学歴欄はシンプルな体裁だからこそ、書き方に間違いがあると目立ってしまいます。履歴書ならではのルールを理解し、「現在に至る」「以上」などの表現を正しく使いこなしてください。

    1. ◆「現在に至る」とは
      「現在その職場に在籍している」ことを意味する表現
    2. ◆「以上」とは
      「記載はここまでで、この先はない」ということを意味する表現
    3. ◆「現在に至る」「以上」それぞれの書き方
      経歴記入後、「現在に至る」は左寄せ。「以上」は改行して右寄せで書く
    4. ◆「現在に至る」「以上」書くときのポイント
      ・「現在に至る」を使う時は、必ずその直前の職歴欄が現在所属している会社・部署であることを確認する
      ・退職予定日が決まっていても、採用担当者が履歴書を見る時点で前職の会社に在籍中なら、「現在に至る」を使う
      ・末尾に「以上」と記入するのを忘れない
    5. ◆派遣やアルバイトの職歴は、一定の在職期間がある場合は記入する。
    6. ◆離職期間が長引いた場合は、可能な範囲で理由も書き添えることがおすすめ。
    7. ◆職業訓練校に通った経歴は、職歴欄に記入する。

▼履歴書の書き方やテンプレート、写真の撮り方など詳細に知りたい方はこちら▼

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