営業とは?種類別の仕事内容や必要なスキル、未経験転職のコツも解説

最終更新日 :2023.07.19

営業とは?種類別の仕事内容や必要なスキル、未経験転職のコツも解説

営業の仕事に興味があるものの、求人を見ると「法人営業」「ルート営業」「内勤営業」などさまざまな種類があって、違いがよくわからず戸惑う人もいるかもしれません。また、「そもそも営業の仕事が自分に向いているのか」「どんなスキルが必要なのか」などを知りたい人も多いでしょう。

そこで本記事では、営業の種類と仕事内容、やりがいや厳しさ、求められるスキルや給与事情、未経験で転職に成功するポイントまで、営業について徹底解説します。

この記事の監修者
 監修者の檀上 悠一

檀上 悠一キャリアアドバイザー部 部長

営業職の転職支援を中心にキャリアアドバイザーとして従事。現在は営業職や販売・サービス職の転職支援を行うキャリアアドバイザー部の部長。第二新卒向けの面接対策や、女性の転職支援にも強い。
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営業の種類と仕事内容

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営業にはいくつかの種類があり、仕事内容はそれぞれ異なります。以下に代表的な営業の種類をまとめました。

・個人営業

個人の顧客をターゲットとする営業を指し、リテール営業とも呼ばれます。個人営業が多い業界には、金融、保険、住宅、自動車などがあります。

個人営業の場合、基本的に営業する相手が決裁者になります。自分が直接交渉している相手が意志決定すればすぐに契約を結べるので、ターゲットに対する最初のアプローチから契約までのスパンが短いのが特徴です。また、商材を使った本人から感想をもらえたり、顧客の課題解決に貢献できたという実感を得やすいのも魅力です。

個人営業には成果主義にもとづく評価制度を整備している会社が多く、自分の成果がそのまま報酬や昇進・昇格に直結しやすいのも特徴です。

関連記事:個人営業の仕事内容とは?法人営業との違いや向いている人など解説

・法人営業

企業や団体など、法人に対して商材を売る仕事です。扱う商材は、日用品、洋服など形のある「有形」と、金融商品、人材サービス、IT、コンサルティングなど形のない「無形」に分かれます。

法人営業では、ターゲット企業に所属する複数の担当者を窓口とし、時にはマネジメントや経営層に提案を行うこともあります。取り扱い金額が大きく、広い範囲に影響を与えられるのが法人営業の特徴です。

また、法人営業では論理的思考力やコミュニケーション能力が必須となります。それらはどの業界や企業でも求められることから、経験することでキャリアの選択肢を広げられる可能性が大きくなります。

関連記事:法人営業の仕事内容は?個人営業との違いや、未経験転職の成功のコツを解説

・新規開拓営業

これまで取引のない新しい顧客にアプローチし、一から関係を築きます。見込み顧客をリストアップし、電話などでアポイントを取って相手と接点を作り、課題のヒアリングや提案などを行って新規契約の獲得を目指します。

・ルート営業

すでに取引のある顧客を対象とする営業です。よって、基本的に飛び込み営業やテレアポはありません。契約の更新や追加の発注を目的として、他の商品・サービスの提案や取引中の商品・サービスのフォローアップなどを行います。

関連記事:ルート営業とは?新規営業との違い、向いている人の特徴、志望動機例文を紹介

・内勤営業(インサイドセールス)

客先を訪問せず、オフィス内で電話やメール、Web会議システムなどを用いて営業活動を行う仕事です。受注を獲得して商談を完結させるまでをミッションとする場合もあれば、アポイントの獲得までがミッションとなるケースもあり、営業プロセスをどの範囲まで担うかは企業によって異なります。

また店舗を持つビジネスの場合、来店客に対して営業するカウンターセールスも内勤営業として扱われるケースがあります。一般的なインサイドセールスはIT系ビジネスに多く、カウンターセールスは保険や不動産賃貸などに多く見られます。

関連記事:インサイドセールスの仕事内容とは?市場価値や将来性、転職のポイントを解説

業界別営業職

さまざまな業界に営業職はありますが、同じ営業職だとしても、その業務内容や特徴には大きな違いがあります。各業界の営業職について詳しく解説した記事があるので、気になるものがあればチェックしてみてくださいね。

業界別営業職の詳しい記事はこちら

営業のやりがい

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・自分の世界が広がる

人との出会いが多く、コミュニケーションを通じてさまざまな経験を積むことで自分の視野が広がり、価値観が多様化します。また社内でもさまざまな部署やポジションの人たちと関わりながら仕事を進めるため、営業以外の業務についても幅広い知見を得ることができます。

・どこでも通用する汎用スキルが身につく

顧客との折衝を通して、コミュニケーション力、ヒアリング力、プレゼンテーション力、調整力などが身につきます。これらはどの業界や会社でも求められる汎用的なスキルであり、身につければ自分の市場価値を高めることにつながります。

・成果や顧客の反応が見えやすい

営業の成果は数字で明確に示されるので、自分の努力や工夫がダイレクトに反映されます。頑張った分だけ目に見えて実績が上がるので、成長の実感を得やすいのが営業職の魅力です。

また自分の提案に対し、顧客から直接反応をもらいやすいこともやりがいにつながります。自社の商品やサービスが顧客のビジネスや生活に役立っている様子や、それに対する感謝の言葉を相手の口から聞けるのは、営業職ならではの醍醐味です。

・評価や収入の公平性が高い

営業職の場合、営業実績と人事評価がほぼイコールであることがほとんどです。営業実績は数字という客観的な指標で示されるため、評価の不透明性や不公平さに対するストレスを感じなくて済むのがメリットです。実績さえ上げれば評価も上がるので、結果的に年収水準も他の職種より高くなります。

自社への貢献度が測りやすいのも営業職のメリットです。会社や部署全体の実績に対し、自分の実績が占める割合を数字で把握できるので、貢献度が高ければ自信になるのはもちろん、転職する際に「自分がどれだけ組織に貢献したか」を数字に基づいてアピールしやすくなります。

営業の厳しさ

営業職はやりがいの多い仕事ですが、その反面、厳しさもあります。営業としてキャリアを積みたいと考える人は、その両面を知っておくことが必要です。

・評価は成果(売上)重視

実績を上げれば評価されやすいですが、逆の場合は評価が下がってしまう可能性もあります。

多くの会社で営業に一番求められるものは「成果=売上」です。成果を出すまでのプロセスを評価してくれる会社もありますが、「プロセス評価」>「成果評価」となっている会社は稀でしょう。
常に結果を求められるハイプレッシャーな環境となり得ます。

・自分の都合だけでスケジュールを組めない

営業は顧客に対応する仕事なので、自分の都合だけでスケジューリングできるわけではありません。時には相手の都合に合わせて、業務時間外に打ち合わせや商談が入る可能性もあります。

・「会社の顔」としての振る舞いを求められる

顧客にとって、営業はその会社の代表です。よって新人や若手であっても、「会社の顔」として自社のイメージやブランドを損ねない振る舞いが求められます。約束は必ず守る、嘘はつかない、相手の立場を考えて行動するなど、誠実で倫理観を伴った言動を心がけることが営業の鉄則です。

・社内の協力も必要

営業職が自分一人だけで実績を出せることはほとんどありません。提案の際に技術職やクリエイティブ職などスペシャリストと連携することもあれば、納期や価格などについて複数部署との調整が必要になることもあります。よって成果を上げるには、顧客だけではなく周囲からの協力や支援を得られるだけの信頼関係を常日頃から築くことが必要になります。

営業に求められるもの

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・誠実さや愛嬌

営業は顧客から常に「信用に足る人物か」をジャッジされています。法人営業であれば、営業担当を見て「この会社は信用できるか」を判断し、個人営業であれば、「この人から買いたいか」を考えます。よって営業には、誠実で真摯な対応や人として親しみを感じられる愛嬌が必須と言えるでしょう。

・ストレス耐性

営業の多くは成果主義の仕事です。常に「目標をクリアできるか」を意識するため、精神的な負荷も大きくなりがちです。また顧客の都合に合わせてスケジューリングしたり、社内の関係部署と折衝が必要になったりと、自分の思い通りにならないこともたびたび発生します。こうした問題に立ち向かうには、強いストレス耐性を備えていることが求められます。

・目標達成への意欲

前述の通り、会社が営業に求めるのは「成果」です。目標を達成しようとする意欲や行動力は必須です。

営業に必要なスキル

・信頼関係を構築する力

顧客との信頼関係の構築は必須です。

やり方としては、「顧客との共通点を見つける」「顧客に共感する」「ニーズを仮設立てし提案する」「とにかく明るく笑顔で接する」など、人によってスタイルはさまざまです。自身の特徴や強みを活かした方法を生み出せると良いですね。

・プレゼンテーション能力

営業は顧客に対し、「なぜこの商材を使う必要があるのか」「この商材を使った結果どんな利益をもたらすのか」などのメリットを明確に伝える必要があります。そのためには、「顧客やマーケットを分析する力」「課題を明確化する力」「改善策の企画力」「わかりやすい資料を作成する力」などを含めたプレゼンテーション能力が必須となります。

・目標達成に向けた行動設計力と業務改善力

売上目標を達成するには、そこからから逆算して「月次・週次・日次」で行動を設計しなくてはなりません。目標の売上金額を達成するには、何件の受注が必要か。その受注件数を達成するには、何件の提案が必要か。その提案件数を達成するには、何件のアポイントが必要か。そのアポ件数を達成するには、何件の電話をかければいいか。こうして必要な行動を逆算し、受注までのプロセスごとに目標を設定して、それぞれについて「1か月ごと・1週間ごと・1日ごと」の行動計画に落とし込むことが必要となります。この行動設計力があれば、先を見据えた計画的な営業活動が可能となり、目標達成率を確実に高めることができます。

とはいえ、設計した通りに行動しても、うまくいかない時や成果につながらないこともあります。その場合は原因を検証し、改善策を考えて実行するPDCAサイクルを素早く回し続ける業務改善力も必要です。

営業の給料事情

どの業界や企業においても、営業職は他の職種より給与水準が高い傾向にあります。その理由は、営業職が会社の利益を作る最前線の仕事だからです。

どんな商材やサービスを扱う企業でも、事業を運営するには利益が必要です。利益を生み出すには売上の獲得が必須なので、会社としてもその重要なポジションを担う営業職に対して高い給与水準を設定していることが多いようです。

また営業実績は数値化されるため、会社も他の職種より成果を評価しやすく、売上を上げるほど給与アップにつながりやすくなります。特にサービス業やIT・Web、金融、人材など、利益率の高い無形商材を扱う業態・業界では、営業の成果が給与に反映されやすい傾向があります。一方で有形商材を扱う製造業などは、原価率との兼ね合いで利益率がそれほど高くないため、営業も成果が給与に反映される度合いは低くなります。

営業職は給与以外にも、成果に応じて賞与やインセンティブが支払われることが多く、若くして高年収を実現することも可能です。ただし、業界や会社によってインセンティブの仕組みや水準は異なるため、転職するなら事前の確認が必要です。なお、保険・証券などの金融や不動産、人材などは、比較的インセンティブの多い業界として知られています。

未経験から営業職で成功するには

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・目標達成意欲の高さを具体的に伝える

未経験で営業職に転職するには、面接で目標達成意欲の高さを示すことがポイントです。企業が営業職に求めるのは、「自社に利益をもたらすこと=長期的に売上を上げ続けること」です。よってこれまでの仕事でも、与えられた目標をなんとしてでも達成しようとしてきたことと、そのためにどのような努力をしてきたかを面接で伝えることが重要です。

その際は、自分の成果を数値化して示したり、困難を乗り越えるために改善したことや工夫したことをエピソードとして語るなど、できるだけ具体的に伝えることが大事です。目標達成意欲の高さを示す根拠が具体的であるほど、面接官はその人が入社後に活躍する姿をイメージしやすくなります。

・「なぜ営業職に挑戦するのか」を明確にする

未経験転職の場合、面接官は「なぜキャリアチェンジしたいのか」を重視します。単なる思いつきや軽い気持ちでの応募ではないことを示すには、転職理由を明確に答えて、面接官を納得させなくてはいけません。

まずは自分が転職で実現したいことを整理し、転職理由を質問された時に「営業職に応募するのは、今の仕事にはない◯◯が実現できるからです」と整合性のある説明ができるように準備することが大事です。同時に「どうしても営業の仕事に挑戦したい」という熱意が伝わる話し方も練習するといいでしょう。

・応募企業が求めるスキルや経験をアピールする

前職でどれほど素晴らしい実績を上げたとしても、応募する企業が求める能力と今まで培ったスキルや経験が合っていなければ、「この人は自社にマッチしない」と判断されてしまいます。よって転職の成功確率を高めるには、企業が求めるスキルを把握し、それに沿うように自己PRができると良いでしょう。

営業が未経験でも、これまでの経験やスキルの中に活かせるものがあるはずです。そのためには、応募企業の求める人物像やスキルを理解することと、キャリアを棚卸しして自分の強みや特性を把握することが不可欠です。過去の仕事や業務を振り返り、自分の得意なことや成功したことなどを洗い出して、そこで得た経験やスキルを転職後にどう活かせるかを面接で伝えれば説得力が生まれます。

まとめ

営業職は業務の幅が広く、ビジネスに必要なスキルや経験を積める仕事です。多くは成果主義の環境でハイプレッシャー下の業務となりますが、さまざまな経験、汎用性の高いスキル、高い水準の給与など、得られるものが非常に多い職種です。未経験からでも挑戦しやすい職種にもなっておりますので、興味のある方はぜひ営業職にチャレンジしてみてください。

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