不動産営業の仕事内容とは?向いている人の特徴や未経験でも転職する方法を解説

最終更新日 :2023.06.22

不動産営業の仕事内容とは?向いている人の特徴や未経験でも転職する方法を解説

住宅やオフィスビルの販売や仲介を手がける不動産営業は、転職市場でも常に一定のニーズがあります。不動産は顧客にとって大きな買い物や契約になるため、相手の人生の大事な一場面に立ち会う重要な仕事でもあります。

そこで本記事では、不動産営業の仕事内容ややりがい、必要なスキルやキャリアパス、転職に成功するポイントなどを詳しく解説します。

この記事の監修者
監修者の石井 祐太朗

石井 祐太朗キャリアアドバイザー部 課長

住宅メーカーで戸建事業部、リフォーム事業部にて個人、法人相手の営業を経験。 様々な業界の知見を深めることができること、前職より多くの方の人生の転機に立会いサポートできることに魅力を感じ、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。転職希望者の側に立ち、未来を見据えたご支援を続けている。 監修者プロフィールを詳しく見る >>

不動産営業とは

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不動産営業は、戸建て住宅や分譲マンションの販売、賃貸住宅の仲介などを手がける職種です。ひと口に不動産営業といっても、扱う物件が販売か賃貸か、戸建てやマンションなどの居住用か店舗やオフィスなどの商業用かによって、仕事内容や働き方は異なります。また営業スタイルも、自分から顧客にアプローチして提案するケースや、来店した顧客を案内して物件を紹介するケースなどさまざまです。

不動産営業の仕事内容

不動産営業の中でも就業者数の多い「販売」「賃貸仲介」「売買仲介」について、それぞれの仕事内容を解説します。

・販売

主に自社やグループ会社で所有する戸建て住宅や分譲マンションを、個人の顧客に販売する仕事です。主に住宅展示場やモデルルームに来場した顧客に対応します。不動産を購入したい人が常に数多くいるわけではないため、SNSを活用したアプローチやテレアポなど、さまざまな手法を使って見込み客を探し出すことが必要です。

住宅販売の営業では一人一人に売上目標が設定されることが多く、実績を上げれば、高いインセンティブを得られるチャンスがあります。

・ 賃貸仲介

戸建てやマンションなどの住宅、店舗、オフィスなどを借りたい人に対し、賃貸契約を提案する仕事です。自社で所有する不動産を取り扱う場合と、他社が所有する不動産を代理店として取り扱う場合があります。

主な業務は、店舗に来店した顧客に対し、希望に沿った物件を提案することです。希望条件のヒアリングから始まり、物件の提案、内見、クロージングまで一連のフローを担当します。不動産賃貸仲介では店舗ごとに売上目標を追うことが多く、個人に目標数字を設定する会社は少数です。

・売買仲介

物件を買いたい人と売りたい人をマッチングする仕事です。店舗に来店した人やチラシなどを見て問い合わせをもらった人に対しては、賃貸と同様、希望条件のヒアリングから始まり、物件の提案、内見、クロージングまでを行います。

物件を売りたい人に対しては、まず売値を相談して決定し、物件情報をWebサイトに掲載します。問い合わせや相談などの反響を獲得したら、売主と買主の間に入り、商談をまとめます。

取り扱う不動産の仕入れから提案、クロージングまでを担うため、不動産営業の中でも難易度は高いと言えます。また売買仲介の営業は、個人に売上目標を設定するのが一般的です。

不動産営業で取り扱う商品の種類

不動産営業で取り扱う不動産の種類はさまざまで、扱う商品によって顧客も変わります。主な商品には次のような種類があります。

・居住用マンション

契約者が住むための物件です。不動産賃貸仲介では「賃貸マンション」、不動産販売や不動産仲介販売では「分譲マンション」と呼ばれます。

・居住用戸建て

契約者が住むための戸建て物件です。主に不動産販売や不動産仲介販売で取り扱いますが、賃貸用の戸建てもあります。

・投資用マンション

契約者が住むのではなく、賃貸に出して利益を得ることを目的とした物件で、主に不動産販売で取り扱います。お金の投資運用に興味がある個人に対し、販売を行う商品です。

・オフィス

賃貸仲介では居住用物件だけでなく、オフィスビルも扱います。店舗や事務所用の物件を所有するオーナーと借主を仲介する仕事です。

不動産営業の仕事のやりがいや厳しさ

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【やりがい】

・顧客の人生に大きく関わることができる

扱うのが居住用物件であれば、顧客の生活基盤を整えるためのサポートをすることになります。そのため自分の仕事が顧客に与える影響は大きく、相手の人生の1ページに刻まれる大事な買い物の意思決定に携わることができるのが醍醐味です。心からの感謝の言葉をもらえることも多く、大きなやりがいを感じられます。

・成果が給与に反映されやすい

不動産営業では高額で利益率が高い商品を個人に販売するため、給与体系も他業界より成果主義の傾向が強いのが特徴です。個人の実績が給与に直結する企業も多く、成果を出せば若い人でも高年収を目指すことができます。また成果と連動して、昇給や昇進の機会を得られることも多くなります。

・難易度が高く、受注時の達成感が強い

取り扱い金額が大きい商材のため、継続して安定的な実績を残すのは難易度が高い反面、受注できた時は大きな達成感ややりがいを得られます。

・市場規模が大きく、いつの時代も需要がある

不動産市場は規模が大きく、ニーズが高い不動産の種類や流通市場に変化はあっても、人々の生活で住宅やオフィスが不要になることはあり得ないため、常に需要が存在し続ける業界であることも魅力です。

【厳しさ】

・見込み客や優良物件を探すには経験が必要

高額な不動産を購入できる人は限られるため、見込み客を探すのは簡単ではありません。また不動産売買仲介の場合は、買い手が付く優良物件を探すことも難しい仕事になります。いずれも地場の不動産業者や地主、物件オーナーとの関係を深めることで情報を得やすくなるため、信頼関係を構築できるだけの経験が必要になります。

・お休みのタイミングが今までと変わることも

個人向けの不動産を扱う場合、土日祝日は勤務し、平日に休む働き方が一般的です。よって異業種から転職した場合は、生活スタイルの見直しが必要となります。

不動産営業に必要なスキルや資格

【必要なスキルや経験】

・ニーズを把握し、顕在化させる能力

営業の仕事では、顧客が何を最も欲しているのかを把握することが不可欠です。不動産の場合は顧客が望む条件と予算が合わないケースが多いため、条件に優先順位をつけ、妥協できる点とできない点を明確にしていく作業が必要となります。また購入直後だけではなく、数年から数十年先の人生やライフスタイルの変化を想像するように促し、顧客自身では気づくのが難しい中長期的な視点から提案できる力も求められます。

・キーマンを見極める力

契約を獲得するには、家族の中で誰が意思決定者かを見極め、その人物が求める情報を提供することが必要です。

・印象を管理し、信頼関係を構築する力

不動産営業は商材による差別化が難しいことも多いため、営業担当者の見た目や振る舞いが成果を左右する大きな要因となります。自身の印象を管理し、コミュニケーション力を発揮して、顧客の信頼を獲得することが求められます。

・成果への意欲

扱う金額が大きく競合も多い中、目標の成果を上げ続けるには強い意欲が必要です。同時に、数字を追い続けることへのストレス耐性も求められます。

【必要な資格】

・宅地建物取引士(宅建)

不動産の売買や賃貸契約を結ぶ際に行う重要事項の説明など、法定業務を実行するときに必要となる資格です。賃貸仲介では、店舗ごとに宅建の資格保有者が一定数以上いないと営業できないといったルールがあるため、常にニーズが存在します。

そのため、宅建を保有していると、資格手当を支給すると規定している不動産会社は多いです。未経験転職の場合、意欲のアピールになるだけでなく、収入アップにも繋がる資格なので取得していて損はないでしょう。

しかし、宅建は簡単に合格できる資格ではありません。宅建を主催する一般財団法人不動産適正取引推進機構によると、令和4年度の合格率は17%となっており、一朝一夕の対策では合格できないことが伺えます。コツコツと継続的な勉強を行い、合格を目指しましょう。

参照元:一般財団法人不動産適正取引推進機構

・管理業務主任者

マンションの委託契約に関する重要事項の説明や管理事務の報告を行うために設けられた国家資格です。マンション管理業を行う場合は設置が義務付けられています。

・不動産鑑定士

不動産の鑑定評価や土地の有効利用などに関するコンサルティングを行うことができる国家資格です。不動産の経済価値の調査や分析、不動産利用などの相談に応じることができます。

・建築士

建築物の設計または工事監理を行うために必要な免許です。一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、資格によって設計や工事監理できる建築物が異なります。

・普通自動車第一種運転免許

顧客と内見に行く際は車での移動が多くなるため、実際の業務で必要になる場面が多い資格です。

・ファイナンシャルプランナー

住宅を販売する際は、「相続」「税金」「住宅ローン」などお金に関する総合的なアドバイスが必要となる場面があるため、持っていると役立つ資格です。お金に関する資格としては、公正な立場で的確なアドバイスや情報提供を行う住宅ローンアドバイザーの資格も仕事に活かせます。

不動産営業のキャリアパス

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経験がものを言う業界のため、スペシャリストとして第一線で長く働くことを選択する人も多いのが特徴です。あるいは、不動産売買仲介の経験を積んで独立するケースもよく見られます。

具体的なキャリアパスとしては、次の3つが代表的です。

①所属企業での昇進・昇格

勤めている企業の中で昇進・昇格を目指すキャリアパスです。不動産売買仲介や賃貸仲介、注文住宅の展示場で働く不動産販売の場合、店長職(マネジメント)へのキャリアアップが一般的です。

②業界内転職

専門性が強い領域のため、業界内での転職は比較的容易です。同じ不動産の領域なら、販売から売買仲介へキャリアチェンジするといったパターンも可能です。転職の際に、前職とは扱う商材や販売手法が違う営業をあえて選び、自分の経験の幅を広げながら不動産業界のスペシャリストを目指す人も多く見られます。

③営業経験を活かして他業界へ転職

不動産営業の経験を活かして、他業界の営業職に転職するキャリアパスもあります。不動産は他業界と比較しても営業の難易度が高めで、成果に対しても強いコミットを求められるプレッシャーの大きい仕事のため、経験者は転職市場で「タフな営業人材」として評価されます。転職先としては、人材や保険を筆頭に、さまざまな業界への転職実績があります。

関連記事:保険営業の仕事内容とは?やりがい、きつさ、向いている人についても解説

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未経験から不動産営業になる方法

未経験から転職するには、不動産営業として必要なスキルがあることをアピールするのがポイントです。不動産営業の経験はなくても、これまでの仕事で得たスキルや経験から当てはまるものを見つけて、面接や書類選考で伝えましょう。特に有効なアピールとなるのが、次の4点です。

①ストレス耐性のアピール

すでに説明したように、不動産営業は難易度が高めで、強いプレッシャーのもとで仕事をすることになります。今までの経験から「自分にも高いストレス耐性がある」と伝わる実績やエピソードを見つけてアピールしましょう。

②クロージング能力のアピール

住宅の購入や賃貸契約という重大な決断を顧客に迫る仕事ですが、前述の通り、「希望」と「現実」がマッチしない場合も多いのが現実です。そのため、何が譲れない条件なのかを明確化し、優先順位をつけて、希望する条件を緩和させながら相手に決断させるクロージング能力が必要です。

③人柄のアピール

商材だけではなく、営業担当者の人柄を売り込む仕事という側面も大きいのが不動産営業です。商材が高額で、また競合が多いこともあり顧客から信頼を獲得することで成果に繋がる可能性が高まります。誠実さや人当たりの良さなどの人柄を伝えることも、未経験転職では大きなアピールになります。

④交渉能力のアピール

不動産営業は、物件の売買や賃貸において、顧客や取引先との交渉が日常的に行われます。顧客の要望を上手くまとめ上げながら、会社側の利益も確保するバランスを保つには、交渉能力は必要不可欠です。このスキルを持っていることを上手くアピールできれば、不動産営業が未経験であっても採用してもらえる可能性は高まるでしょう。

不動産営業の転職成功のポイント

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・不動産営業の転職市場動向は?

販売、売買仲介、賃貸仲介ともに市場のニーズは変わらず、一定数の求人が存在しています。現在は新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務が増えたことが影響し、リフォームやリノベーションに関わる求人が増加傾向にあります。

東京のオフィス空室率はもともと高めの水準にありましたが、こちらもコロナ禍の影響でさらに上昇傾向にあります。ただし、規模を縮小するための移転やワークスペースとしてのオフィスの見直し、優良物件への引っ越しなども増えていて、仲介件数が増加する動きも見られます。

全体として不動産営業の転職市場は堅調のため、土日祝日の休みを必須条件にしなければ、転職先の選択肢はかなり広がるはずです。

・転職に成功するためのポイントは?

大事なのは、企業研究の質を高めることです。オンライン商談を積極的に取り入れる企業や、対面での営業を大切にしている企業など、営業方法一つとっても会社によって方向性が異なります。また商材の差別化が難しい業界のため、応募先の企業そのものについて深く理解することも求められます。

よって企業のホームページや求人票をしっかり読み込み、競合や業界についても調べるなど、応募企業に関する情報を集めて事前にインプットすることが転職を成功させるポイントです。

また「不動産営業に必要なスキルや資格」や「未経験から不動産営業になる方法」の項目で紹介したスキルや能力を面接でアピールすることも重要です。事前にキャリアの棚卸しをして、該当する自分の強みや実績を把握し、面接で伝えられるように準備してください。

もし、一人で企業研究や面接対策をするのが不安な場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。

転職エージェントは、あなたの経歴や希望条件をもとに最適な求人を紹介してくれるだけでなく、企業情報の提供や、転職支援経験豊富なキャリアアドバイザーによる面接対策も行われるので、より転職活動を成功に近づけられます。未経験での転職は不安が大きくなってしまいがちなので、積極的に相談してみるのがおすすめです。

まとめ

住宅やオフィスを扱う不動産営業は、常に一定のニーズがある職種です。扱う金額が大きく、成果が数字で見えやすいため、達成感ややりがいを得やすい仕事でもあります。不動産の仕事に興味がある人や不動産業界でキャリアアップしたい人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

type転職エージェント営業では、不動産営業の転職支援を行なっています。 営業の転職支援に強みをもつキャリアアドバイザーが、個別のカウンセリングを通じてあなたの経歴やスキルを理解し、最適なキャリアプランや求人をご提案します。応募書類の添削や面接の日程調整、面接対策なども行ない、転職活動を全面的にサポートします。転職でお悩みの際は、ぜひ一度type転職エージェントにお問い合わせください。

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