品質管理・品質保証の役割
日本の品質管理・品質保証は世界一と言われており、「不良品が少なく壊れにくい」と世界中から日本製品に対して賞賛の声を集め続けています。
どちらも製品の品質を保つための重要な役割を担っていますが、品質管理と品質保証の違いは、製品を完成させるための製造工程の品質を管理・改善するのが「品質管理」で、製品工程だけでなくその上流の製品企画・設計段階から出荷後まで関わっていくのが「品質保証」となります。
具体的な仕事内容としては、「品質管理」は、製品の品質基準や規格を維持するために策定された作業標準やQC工程表などの評価を行って遵守されているか監視しており、「品質保証」は製品企画・設計段階から不良を出さない仕組みを作り、購入業者、外注業者の品質管理から製造工程の品質管理も含めた包括的なルール・手順・基準づくり・体制づくりまで検討するため、品質保証の仕事は、品質管理より範囲が広くなります。
2018年品質管理・品質保証のトレンド
品質への要求水準がますます高まる中、製造業における品質管理・品質保証のポジションはより重要視されており、各社の採用意欲は高い状況です。品質管理・品質保証が改めて注目された最近のニュースとして、欠陥エアバッグの問題で2017年に経営破綻したタカタ社が挙げられます。
生産コストの削減策として大きな期待を寄せていた海外工場で製造されたエアバッグ製品が原因とされており、やはり現地の品質管理体制に問題がありました。特に、製造業は今後もさらに海外拠点の生産量を増やしていく上で、各生産拠点における品質のバラツキをいかに無くしていくかというのが経営にとっても非常に重要なファクターになっています。
こうしたグローバル化だけでなく、顧客ニーズの多様化や製品ライフサイクルの短命化などモノづくりのあり方が大きく変わる中で、注目を集めているのが「スマートファクトリー(工場のIoT化)による品質保証の体制強化」です。
工場にある膨大な数のセンサーを介して、生産工程・検査のデータをリアルタイムに収集し、品質異常を素早くキャッチしたり、検査値分布や工程能力指数など、検査結果をさまざまな角度から見える化することで生産性改善や品質向上に繋がると期待されています。