生産技術・プロセスエンジニアの役割
生産技術とは、既存の生産体制見直しから新規生産ラインの立ち上げ、工場の新設などを手がける仕事です。時には、研究開発・設計部門と生産現場の橋渡し役を行いながら、効率的な作業工程の設計や作業員の配置など生産に関わるマネジメントを行っています。
それぞれの企業によって生産技術者に求められる役割は異なりますが、概ね3つの領域に分かれています。
①製品の企画・構想を工場で具現化・量産化するための「生産プロセス全体の設計」
②それを実行し日々の生産活動を支援する「量産工場の維持・改善」
③製品の開発・設計段階から生産技術が関与する「開発プロセスの改革」
です。
いずれにしても企業競争力の根幹となる業務を担っていると言えます。
2018年生産技術・プロセスエンジニアのトレンド
日本の製造業が世界市場で勝ち抜くためには、製品の付加価値を高めることが不可欠です。特に新興国が台頭し、価格競争が激しくなっている近年においては、より付加価値を高めていくことが重要です。
2017年に、経済産業省が纏めた「新産業構造ビジョン」や内閣府が推進する「革新的設計生産技術」にあるように、これまでのものづくりを変革することで日本経済を活性化させ、グローバルトップを獲得できる新市場の創出を目指そうという動きが出来ています。
特に、「革新的設計生産技術」では、従来にない新しい構造や複雑形状・機能の発現、高品質・低コストを可能とする革新的生産技術の研究開発や「機能」「品質」「コスト」だけでなく、「デライト」(喜ばせる・楽しませる)という考え方ベースとした多様な機能設計及び生産技術について議論されています。
その実現のためにも、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットに代表される技術革新によって生産プロセスを変えていくことが求められています。生産技術として入社すると、ほとんどの場合は工場配属となりますが、徐々に規模の大きい生産ラインなどを任されるようになり、その後も生産技術の知見を活かして様々なキャリアパスを選択できます。
例えば、上記のような革新的な生産技術の研究開発や、スマートファクトリーの推進(工場のIoT化)、工場の経営を担う工場長、海外の工場立ち上げ(生産拠点責任者)などのステップがあります。中には製造業向けのコンサルティングファームへのキャリアパスもあります。