生産管理の役割
生産管理は、仕入先、国内工場、海外工場と取引顧客を繋ぎ、納期・品質・コストを調整しながら、安定した生産を統制する司令塔のような役割を担っています。
仕事内容としては、まず販売側から出された販売計画から生産計画を試算します。それに基づき原価管理、発注先選定、納期管理、在庫管理、工程管理を行いながら、製品の上流~下流までをコントロールし、滞りなく製品が供給するよう努めていきます。
この仕事で難しいのは、販売側と製造側 双方のニーズをすり合わせるという点です。どんなに販売ニーズが強くとも、工場の生産能力を超える台数は生産できません。製造側の現状も確認しながら工場の生産スピード、在庫部品の数、人的リソースを考慮した生産計画を立てていく必要があります。
2018年生産管理のトレンド
現在、多くのメーカーが製品ライフサイクルの短期化、多品種少量生産化、コスト競争力の強化を図っています。製造業の根幹をなす生産管理は、工場における「生産効率の向上」「リードタイムの短縮」「品質の向上」「コスト低減」など多くの課題に直面しています。
一部の企業では海外に生産委託するなどバリューチェーンの最適化を図ったり、生産管理システムに投資するなどの動きが活発化しています。そんな中、生産管理の領域で最もHOTなのが、「IoT」と「AI」を利用した「Industry4.0」です。ドイツ政府やSAPやシーメンス、ボッシュなどのドイツ企業から端を発したこの流れは、日本の製造業にも影響を及ぼしています。
実際、日本でも「Connected Industries(コネクテッド・インダストリーズ)」として、経済産業省が産業革命の新戦略として主導しており、工場内のデジタル化が進んでいます。市場(需要)と工場(生産)をIoTにより、最小化された情報のタイムバケットをAIが制御・統率することで最適化し、量産品の見込生産でしか達成できなかったQCDを、単品受注生産でも実現できるようになってきています。