#1 アイ・ビー・エムが提供する「モバイル」領域の強みとは?
私は米国で大学院を修了した後、帰国して大手電機メーカーに入社。約5年間にわたり経営管理の分野を担当していました。その後、人生勉強のために世界を放浪する旅に出たりもしましたが(笑)、30歳の時に日本アイ・ビー・エムにコンサルタントとして入社しました。
当初は前職での経験も活かしながら、ファイナンス関連のストラテジー策定や実行に携わっていました。ちょうど日本企業の多くがクロスボーダーのM&Aを盛んに実施し、現場で発生するガバナンス問題の解決に苦慮していた時期だったのです。やがて企業が経営のグローバル化に本腰を入れるようになると、アイ・ビー・エム自体が「グローバル経営成功のひな型」として注目されるようになりました。コンサルタントである私としても「世界192カ国で事業を展開する自社の管理を理解したい」と考え、米国本社ファイナンスへの異動を志願し、この望みがかなって価値ある経験を積みました。そして帰国後は、米国駐在の成果を日本での案件に活かしていきました。
その後、通信・メディア・公益サービス事業を担当することになり、心機一転、新たな学びを進めながら、これらの産業の問題解決を担うようになったのですが、その矢先、2014年にアップルとアイ・ビー・エムの企業向けモバイル事業における提携が決まり、私自身もモバイル関連事業に専念することとなり、現在に至っています。
モバイル事業統括部は、人々のライフスタイルを変革したモバイル技術というものを、ワークスタイルにおいても積極的に採り入れ、新規事業の確立や既存業務の革新に結びつけていこう、という姿勢で数々のチャレンジを行っています。直近で最も大きな話題を呼んだ実例としては、日本航空と日本アイ・ビー・エムの協業による航空機整備業務の変革があります。
航空機整備業務専用のIBM MobileFirst for iOSアプリを開発し、航空整備領域では初めてiPhoneやiPadで業務を遂行できるようにしたのです。航空機整備の領域は、これまでレポートやマニュアル、ワークオーダー管理など紙に依存した業務が多く、効率性が経営課題となっていましたが、そこにモバイルという切り口を持っていくことで、効率性やスピード、クオリティの向上を実現したわけです。
#2 アイ・ビー・エムだからこそ可能なワンストップな価値提供
誤解しないでほしいのは、我々は別に携帯電話やタブレット端末を売っている事業者ではないということ。もっと言うと、単にアプリケーション開発を売っているわけでもありません。アイ・ビー・エムが目指しているのは、最新のテクノロジーを有効に活かして、お客様である企業の経営に価値を提供することであり、業務変革そのものなのです。その一貫した動きの中の1つに「モバイル」という要素があるのです。従来からある業務をモバイルという視点で見つめ直した時、そこに大きな前進と変革が見込めるならば、我々が中心になって動きます。ビジネスをモバイル起点で再設定する。そのミッションを遂行する際に、我々の強みとなってくるのが「最新テクノロジーをすべての領域において自前で提供できる」ということです。
あらゆるビジネスのフロントにいるかたがたが、「移動しながらでも使いたい機能がある」「モバイル機器を活用すれば、こんなに革新的なことができる」と望んだ時、それをソリューションとして提供するのがアイ・ビー・エムの務めですが、単にモバイルアプリを開発するだけではフロントのかたがたの期待に応えることは不可能です。
先に例として挙げた航空機整備の案件においても、「現場の整備士が必要としている機能は何と何なのか」「それらを効率良く、的確にオペレートするには、業務・システム両面でどんなデザインが最適か」「そもそもの航空会社の基幹システムとどのように結びつければ、スムーズなデータ活用と共有が可能になるのか」などなど、取り組むべき課題は多岐に渡り、改善すべき技術やシステムも広範囲に及んだのです。
これらをワンストップで提供できるのが、何より我々の強み。アイ・ビー・エムだからこそ完遂できた、という自負が私にはあります。ビジネスを根幹から再構築できる力、先進技術を自ら用いて最適な形で提供できる力、フロントにとって最も有効なデザインを導き出せる力……これらを持っているからこそ、課題を解決できたのだと思っています。
今後もモバイル視点によるビジネス変革ニーズは、拡大の一途をたどると思っていますが、当然のことながらそのハードルもどんどん上がっていくでしょう。例えばモバイル技術にAI技術をクロスさせて、より効率の高い業務オペレーションを実現しようというニーズが、もうすでに高まり始めています。アイ・ビー・エムにはWatsonがあります。「モバイルwithワトソン」の取り組みも、今後は当たり前になっていくでしょう。つまり、時代がどんなに変わり、技術がどんなに進化しても、アイ・ビー・エムで働くコンサルタントも技術者も、常にその最前線に関わり続け、常に一気通貫による価値提供の醍醐味を得ることができるのです。
#3 コンサルタントから“神コーダー”まで多彩な人材が集まる環境
モバイル事業統括部を構成する人材のロールは大きく3つに分かれます。コンサルタント、アーキテクト、エンジニアの3つ。それぞれが自分のロールに専念しながら連携していくことで、成果に結びつけているので、1人ですべての知見を網羅する必要はありません。多様な人、多才な人が共存するのがアイ・ビー・エムなのですから、それぞれがつながりながら、お客様に最良のものをお届けできればいいのです。
コンサルタントは、最初からモバイル領域に精通している必要はありません。エキスパートがすでに仲間にいるわけですから。大切なのは経営変革や、業務プロセスの変革というものの本質をきちんと知っていて、コンサルタントとして結果を出せること。アーキテクトのチームに所属する人にとって大切なのは、お客様のシステムの全体像を把握できること。エンジニアにとって大切なのは、コーディングにおいて最適解を見つけ出し、自らそれを形にできることです。
もちろん、はじめからスーパーな能力を発揮できなくてもかまいません。すでに我々のもとには、真にプロフェッショナルなコンサルタントがいて活躍していますし、数々のプロジェクトを成功させてきたアーキテクトもいますし、神コーダーと呼ばれるようなトップノッチなエンジニアもいます。そのうえ、ビジネスにおけるデザインに特化したチームや、アイ・ビー・エムならではの国際的なネットワークもあります。
多才な人材が集う以上、働き方についても多様性や自由度を大胆に採り入れて、成果の最大化を目指してもいます。例えば、場所や時間にとらわれず、プロジェクト内Slackで依頼した仕事を次々こなすような形で活躍しているプログラマーもいるのです。以上のように、様々な環境が整っているからこそ、ここでは世界を驚かすような画期的なプロジェクトが次々にスタートして、貴重な経験から学び取っていくことも可能。私がかつて米国本社で勉強できたように、社員の教育に積極的なのもアイ・ビー・エムの強みですから、心配は要りません。今日お話をしたような「ここにしかない醍醐味」を体感できる一員になりたい、と強く望んでいるかたであれば、きっと活躍し、成長できる。私はそう確信しています。