日本にヘッドクオーターを置く、アジア発のグローバルコンサルティングファーム、アビームコンサルティング株式会社。日本企業の海外進出支援を中心にビジネスを展開し、世界30カ国以上、約70拠点に広がる大きなネットワークを築いています。日本流のコンサルティングスタイルで拡大を続ける同社のビジョン、採用方針などを人事グループ統括 執行役員 プリンシパルである林崎 斉様に伺ってきました。
Q.現在のアビームコンサルティングとしての事業戦略を教えてください
グローバルにおける拠点やマーケット展開を視野に入れていらっしゃる日本企業の支援を中心に、総合コンサルティングサービスを行っています。その支援実行のため、2020年までに、グループ全体で従業員数を7000名以上にすることを目指して積極採用を行っています。(2016年4月現在 連結で4351名)
私たちが掲げている「リアルパートナー」に関してお話をするのがよいでしょうね。多くのコンサルティングは、個々のコンサルティングファームが保有するベストプラクティスをクライアントに提供し、それに合わせて業務を変えていくというスタイルです。
私たちもベストプラクティスを保有し、変革を進めていきますがその際、トップダウンで物事を進めるというやり方はせず、現場の意見を十分に伺ったうえで、そのクライアントに適した変革を実現しています。
そうしたクライアントサービスを提供し、結果を出すことで、クライアントと長期的な関係を構築できることが、アビームの特徴であり、強みでもあります。日本発、アジア発の企業ということもあり、日本企業が大切にしている確かな品質や誠実な対応を大切にし、海外進出も含め支援していくスタイルが私たちの目指すコンサルティングです。その成果をご評価いただいた結果、リピート率は高く、アビームとのビジネス継続意向のあるクライアントは90%近くにまでなっています。
Q.お取引企業様を本当に大切にしていらっしゃいますよね。
その1つとして、ご契約によらないご支援もされることがあるとお聞きしましたが、いかがですか?
アビームのコンサルタントは、クライアントのために何ができるか最善を考え、行動します。契約上の業務の区分けはありますが、私たちがお手伝いすることにより、ゴールに近付くのであれば、クライアントの業務の範囲でも、踏み込んでお手伝いすることがあります。「契約外の仕事だから一切やりません」というスタイルは私たちのコンサルティングスタイルではありません。描いたゴールへクライアントと共に進んでいくことが私たちのコンサルティングスタイルなのです。私たちが利益を得ることだけを優先するのではなく、クライアントの成功を優先し、その結果の対価として私たちはフィーをいただくという考え方です。クライアントとアビームのコンサルタントは同じゴールを目指すチームなのです。
Q.チームで仕事ができる方のほうが、求める人物像としては合っていらっしゃいますか?
経験者採用において、保有しているスキルを確認することは勿論ですが、チームを形成してプロジェクトで活躍できる人材かも見ています。入社後に活躍している方の多くは、「チームで成果を出す」ということに意義を感じて行動していますね。
Q.転職者の中にはコンサルティングファームご出身の方もいらっしゃるかと思いますが他社のコンサルティングファームの方は何に魅力を覚えてご入社されていらっしゃいますか?
アビームとよく比較される主なコンサルティングファームは、本社が日本ではないことが多いです。日本企業の特徴に十分な理解を示さず、海外本社の方針によってクライアントとの付き合い方、向き合い方を変えなければならなくなることも多いようです。海外本社の短期利益重視型の方針によって、クライアントに対して長期的な支援が難しくなり、歯がゆい思いを抱えることがあると、候補者の方から聞くことがあります。アビームは日本が本社であり、日本企業の特徴をよく理解しています。クライアントの事情を理解したうえで柔軟にコンサルティングサービスを提供することが可能です。そのようなサービスを提供したいと考えている方が、転職されてきていると思います。
Q.SIご出身の方ですと何に魅力を覚えてご入社されていらっしゃいますか?
SIは、システム化することが前提であり、そのシステムを構築することがゴールになると思いますが、「システムを作る以前に何をすべきか、検討する工程に関わりたい」「クライアントのためにより踏み込んだ提案がしたい」と考えている方が、総合ファームであるアビームに魅力を感じて転職されてきます。
Q.事業会社ご出身の方の場合、求められることが変わる部分はありますか?
業務は理解していても、コンサルティングとITにおいては未経験の方がほとんどです。今までの業務経験は大切にしていただき、新たに知識を吸収できる方であれば成長することができると思います。事業会社は“商品”があるため、良い商品を作ることに拘りを持っている方や、良い商品をお客様に提供、販売することが大切にされます。そして良い商品を提供することで、対価をクライアント(顧客)からいただきます。コンサルティングは一人ひとりが、チーム全体がソリューションをクライアントに提供することで報酬をいただくビジネスです。より良いソリューションを提供できるよう、自分自身のスキルを向上させるために努力をするという意識の改革は求めていきます。
Q.個々のチャレンジ精神や自分から動ける方か、という点を選考では大切にしていらっしゃるのですね。
はい。失敗をしてもそれを振り返り、反省、改善しまた次の機会に活かせる人材であるかが重要です。挑戦する限り、失敗することもあります。「成長し続けたい、次こそ結果を出したい」と努力している方にはチャンスを与えています。全ての機会を自分の成長の糧だと思って頑張れる方が成功する人材としての共通項です。
Q.チャレンジングな方の育成も含めて、教育において具体的に大切にされている事などはありますか?
クライアントにサービスを提供し、コンサルティングフィーをいただいていますので、コンサルタントは成長し続ける必要があります。昇格の前後に開催される階層別の必須研修では、「アビームのコンサルタントとしてどのように行動すべきであるか」などを伝えています。コンサルタントの中長期の成長を支援するために、コンサルタント一人ひとりにカウンセラーという所属部署の上位の管理職がアサインされます。カウンセラーに対して、メンバーには昇格前後の必須研修は計画的に、必ず受講させるよう人事部門から依頼を出し、出席を促します。勿論、本人に研修を受ける気持ちになっていただくことが大前提ですが。上位の管理職も同様のプロセスで成長してきていますので、研修の重要性は十分に理解をしています。その他に必須ではないものを含めると、研修は300以上になります。この研修を使って成長し続けようとするかどうかは、本人次第です。
Q.会社の風土としては、全体的にフラットな印象を持っています。工夫されている点などおありですか?
クライアントの成功のために、どのように最善のソリューションを提供するかを大切にしていますので、議論の場では個々人のクラス(階層)は関係無く、意見を出せる状況です。若手だから意見を出せない、意見を出しても否定されるということはありません。プロジェクトの構成も様々なセクター(部署)からコンサルタントが集められるため、その中で交流がありますし、自身の所属するセクターにおける会議や勉強会などの集まりもあります。現在は、自身のセクター以外の人とも交流を深めようと「Sector Open Day(セクター オープンデー)」はじめ様々なイベントを企画・実施しています。格式張りすぎず、部門長やプリンシパル(役員)を含めた経営層とメンバーが気軽に接点を持てるような取り組みも始めました。以前開催したときは、プリンシパル20名が集まってメンバーと交流を持ちました。
Q.活躍されている方の特徴は?
私たちと親和性が高く、人からリスペクトされ、結果を出せる方ですね。採用選考においても、誠実なやりとりができる方は、入社後ビジネスの世界に入っても、良い意味でクライアントにも可愛がられ、結果を出しています。周りから信頼され、尊敬されて、また人の良いところを見て吸収していける方が成長し、活躍しています。
Q.type転職エージェントに期待していることは?
どこにどのような人材がいらっしゃるか、一番知っているプロフェッショナルであって欲しいと思っています。私たち以上に私たちのことを知っていただいて、「この人材であれば、他社ではなくアビームではないか?」、とご推薦いただけることを期待しております。クライアントの私たちへの期待が高い状況にあり、全ての部門で優秀な人材を欲しています。専門性に特化したサービスを期待しているわけではなく、全方位的にご支援いただきたいです。網羅的にご支援可能なエージェントだからこそ、全ての部門を深くご理解いただき、部門のニーズに適する精度の高いご紹介をいただけることを期待しています。