丸山 様 : こちらこそ、お世話になりました。何社か人材紹介会社に連絡をとった中で、圧倒的にレスポンスが速かったのが三嶋さんだったのをよく覚えています。
丸山 様 : 三嶋さんの第一印象は、「言うべきことをズバッと言ってくれる人」でした。でも、それが嫌な感じではまったくなくて、お互いが意見や情報を出し合い、対等にコミュニケーションできたという実感があります。
丸山 様 : 別に前職の仕事が嫌になったわけではありませんし、そのままゲーム業界で働き続ける選択肢もありました。
ただ、その会社でこのまま働き続けた場合、5年後や10年後の自分の姿が容易に想像できてしまった。年齢的にもちょうど40歳を迎える頃だったので、「人生は一度きりだから、もう一度新しいチャレンジがしたい」と思ったのです。
それで、「Webサービスやメディアだけを扱うのではなく、何か違った軸となるビジネスを持つ会社で仕事をしたい」という希望を三嶋さんにお伝えしました。
丸山 様 : そうですね。私たち世代が、Web業界における40代以上の新たなキャリアモデルを作っていくべきなのだろうと思います。海外では、50代や60代になっても現役バリバリでコードを書いているエンジニアがたくさんいますが、日本でもそういう事例が増えれば、業界全体の働き方も変わってくるかもしれません。
丸山 様 : 会社を訪問してまず感じたのが、「懐かしい!」ということ。私も前職以前は、少人数の小さなベンチャーで働いていたので、その頃の雰囲気を思い出しました。
中村 様 : 私ともう一人のエンジニアでお会いしたのですが、「これ以上の人は出てこないぞ」という意見で一致しました。スキルの幅が広い上に、持っている技術や知見がとても深いし、マネジメント経験も豊富でしたから、「ぜひ弊社に来てもらいたい」と思いましたね。
ただし先ほど話にも出た通り、ご本人は「自分で手を動かしつつもゆくゆくは、マネジメントの経験を活かして、Qrioのエンジニアチームの拡大にも貢献したい」という意向をお持ちでした。私たちとしてはすぐにマネジメントも担ってほしかったのですが、ここは丸山さんの意向を尊重すべきだと考え、自分の欲はぐっとこらえました(笑)
丸山 様 : そう言えば、「現場を中心にやりつつ、仕事の何割かはマネジメントに協力してくれると嬉しい」という言い方をされたように記憶しています(笑)
丸山 様 : 決め手は3点あります。
1点目は、他の会社を選んだ場合、今までのキャリアの延長に留まってしまうこと。働く環境や待遇は変わっても、それ以外に自分が何かを得られる実感がないなら、そもそも転職する必要はないだろうと考えました。
2点目は、Qrioが扱うIoTという分野が今後伸びるのは間違いないし、自分にとっても大きなチャレンジになると確信したこと。
3点目は、人ですね。中村さんを含む社員の方たちや社長の西條さんとお会いした時、皆さんがとても純粋に自分たちの事業にかける思いを語っていらっしゃった。それを聞いて、私も素直に共感できたし、ぜひ一緒に働きたいと思いました。
中村 様 : 成功した会社のノウハウやフレームは、それが良いものであれば柔軟に取り入れたいと考えています。その点、丸山さんは前職のゲーム会社において小さな組織から大きな組織になるまでの変遷を経験し、成功事例と失敗事例をたくさん知っている。それが、丸山さんの採用を決めた理由の一つです。ただ私自身は、「本当にスタートアップであるQrioへ来ていただけるだろうか」と思うところもありました。
中村 様 : 実は私もQrioに参画したのが40歳になる直前だったのでよくわかるのですが、この年齢での転職って勇気がいりますよね。弊社はまだ設立から3年も経たないベンチャーで、この先どうなるか何も保証はない。その点で不安はないのかなと。
丸山 様 : もちろん私も同じことは考えました。でもその分、成功した時の達成感や高揚感は大きいだろうと思ったのです。すでに事業が確立している会社なら安定は得られるかもしれませんが、私はQrioが持つ大きな伸びしろに賭けたいと思いました。
中村 様 : 前職では収益も上がり、会社の仕組みも整ってきたタイミングでした。優秀な部下も育っていたので、身を引いて、次のビジネスにチャレンジしようと考えたことが理由ですね。それにもともと、40歳になったら転職したいという気持ちはありました。「人生でいろいろな経験を積むなら、40歳でステージを変えよう」と。
丸山 様 : 40歳の節目という感覚、わかります。私が転職したのも、かなり近い動機だったので。
中村 様 : 私はとにかく「モノ」に関わりたかったです。やはり日本人には、ものづくりへの憧れがあると思います。Webサービスやシステムも、もちろん自分が作ったものではありますが、形が目に見えなかったり、一過性のものだったりする。
でも形あるモノなら、目の前に差し出して「これは私が作ったんだよ」と言えば、子どもにだって理解できますよね。ですから、IoTという領域も魅力的でしたが、そもそもはモノを扱う本質的な面白さに惹かれました。
丸山 様 : 今から5年後、10年後には世界中にIoT製品があふれて、私たちも日常的に使うようになっているのは確実です。だからこそ、今このタイミングで参入しないと、波に乗り遅れてしまう。他に先駆けて実績を作れば、事業としても技術としても先行できます。エンジニアとしてIoTの技術や知識を吸収していくなら、Qrioはこれ以上ない環境だと思いました。
丸山 様 : 入社後しばらくは、外注していた一部のシステム開発や運用管理を内製化し、業務効率化や開発スピードの向上に取り組みました。システム環境の仮想化や、コーポレートサイトの見直しなども行いましたね。
中村 様 : 丸山さんには弊社が抱えている課題に一つずつ対応してもらいました。幅広い経験とスキルをお持ちなので、私たちも多様な課題解決をお願いできて、とても助かりました。
丸山 様 : 今年に入ってからは、新しいサービスの開発を進めています。弊社には「Qrio Smart Lock」と「Qrio Smart Tag」という商品がありますが、それを活用した新規事業を立ち上げるため、システム企画・開発を進めているところです。
中村 様 : スマートロックという「ユニークなモノ」を扱っている点です。エンジニアの視点から見ても、モノが絡んだ開発、つまりハードウエアが絡んだソフトウエアの開発は、他のベンチャーでは難しい。
その点、Qrioはすでにモノの商品があるので、それを軸にどこよりも早く新たなサービス開発を進められる。その過程で得られる技術力や経験値は、間違いなく強みになると思います。
中村 様 : 私たちのようなベンチャーがハードウエアを扱えるのは、ソニーの力が大きいですね。弊社はソニーが40%出資して設立された会社で、ソニーのエンジニアが私たちのオフィスに来て協業する機会も頻繁にありますし、相手が持つハードウエアの技術やノウハウを吸収する機会も多い。すると必然的に、私たちが開発するソフトウエアも向上していくので、良い相乗効果が生まれています。
丸山 様 : Webアプリケーションだけであれば簡単なことが、モノが絡むと一気に制約が多くなり、複雑化します。企画やアイデアを考えるだけでなく、原価や生産ラインの問題なども考えながら、スケジュールの管理もしつつ事業計画を進めるのは難しい作業です。だからこそ、エンジニアとして今のQrioで得られる学びは非常に多いし、仕事をしていて大きな手応えがあります。
丸山 様 : まずは現在取り組んでいる新しいプロジェクトを成功させ、ビジネスとして成果を出すこと。一般の方には、まだIoTという言葉自体の認知度もそれほど高くないので、私たちが中心となってこの業界全体を盛り上げていきたいですね。
中村 様 : 私はいつも「良いチームから、良い製品が生まれる」と考えています。ですから、まずは成功も失敗も含めて、組織としての経験値を上げたい。個人が力を発揮するだけでなく、チームとしての統制をとりながらシナジーを出せる組織にしたいと考えています。
丸山 様 : 個人的には、謙虚で素直な人は大歓迎です。私のこれまでの経験から言っても、それさえあれば、新しい技術や仕事のやり方を速くキャッチアップできる。チームワークを発揮するためにも、やはり人間性は大切です。
中村 様 : コミュニケーション力があって、明るく前向きな方。機嫌の良い人がいると、周りの雰囲気も良くなって、チームのパフォーマンスが上がりますから。とはいえ技術も欠かせないので、何か一つでも「自分はこれが得意だ」と言えるものを持った方であれば、ぜひそれを武器に活躍して頂きたい。
あとは、モノが好きな人。アップル製品が好きとか、自転車が好きとか、何でも良いので、モノへの嗜好があるとIoTに関わる際の視点や発想がまったく違ってくると思います。