ごちゃごちゃ状態を抜け出そう! テーブルにモノが溜まらない仕組みの作り方

片付けやすい家にしたいけど、何から始めたらいいのか分からない。そんなビジネスパーソンにおすすめな入り口が「テーブルの上」です。つい何でも置いて雑多になりがちなテーブルの上を、どう仕組み化すればいいのか。今回も、タスカジ代表の和田幸子さんに教えてもらいました。

公開 : 2024/02/21 更新 : ----/--/--

片付け成功のコツは「ミニマムスタート」

乱れた部屋ではリモートワークの生産性も上がらないし、疲れも癒せない!
でも片付けの時間を取るのも難しい……そんなビジネスパーソンのために、家事のプロフェッショナルが、「10分で片付く家の仕組み」をレクチャーします。

お話を伺った方
和田 幸子さん

和田 幸子さん

株式会社タスカジ 代表取締役/タスカジ研究所 所長

横浜国立大学経営学部を卒業後、エンジニアとして富士通株式会社に入社。社内制度を利用し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科へ留学し、MBAを取得する。 2013年に起業し、家事代行のマッチングサービス『タスカジ』をスタート。整理収納・掃除・料理をアウトソースする「家事シェア」を普及させることで、ビジネスパーソンのキャリア構築を支える

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皆さんこんにちは、タスカジ代表の和田幸子です。

前回の記事で、家をずっときれいな状態にキープするための「仕組み作り」を意識する人が増えてきていることに触れました。そんな人たちのニーズに応えるべく、今回からは、今すぐにでも実践できる、具体的な仕組み化の例をご紹介していきたいと思います。

さて、自分の家でも仕組み化を始めてみようと思った人が、最初に取り組むべき仕組み化とは、どのようなものでしょうか。

私が考えるポイントは「整理すべきものの種類が少ない」かつ「一定の狭い範囲」の仕組み化から始めることです。「整理すべきものの種類が少ない」というのは、例えば、文房具だけ、書類だけ、など。「一定の狭い範囲」というのは、引き出し一個、玄関の靴箱、などを指します。

種類が少なく、範囲も限定されていれば、仕組み化は比較的カンタンにできます。逆に、整理すべきものの種類が多く、範囲も広い場所(例えばキッチンなど)から始めてしまうと、終わりが見えず、挫折してしまうことにもなります。キッチンは引き出しの数や収納数も多いですし、「野菜の保存条件は……」など考慮すべき条件も複雑なため、初心者にはあまりおすすめできません。

では、具体的にはどこから始めればいいでしょうか。最初に仕組み化する場所として私がおすすめするのは「テーブルの上」です。

「テーブルの上が散らかりがち」というのは、『タスカジ』でよく寄せられるご相談の一つでもあります。ですが、「整理すべきものの種類が少ない」上に「一定の狭い範囲」でもあるテーブルの上は、片付け初心者の人でも仕組み化しやすい場所なんです。

というわけで、以下では「テーブルの上にモノが溜まらない仕組み」をご紹介したいと思います。

“とりあえず置き”しがちな「郵便物」「紙類」の対処法

そもそもなぜ家のテーブルにはモノが溜まるのでしょうか。それは、多くの場合、置き場の決まっていないものがダイニングテーブルに置かれるからです。

特に置きっぱなしになりがちなのが、郵便物や、子供が学校から持ち帰った通知物などの紙類です。こうしたものは、特定の置き場所が設けられていないことがほとんどです。逆に言えば、特定の置き場所を決めてしまえば、テーブルにモノは溜まらなくなります。

「モノを分類→使う場所の近くに住所を決める」の2ステップで解決

テーブルの上を占拠する紙類には、たくさんの種類があるようにも思えます。ですが実際は、以下のように分類することができます。

・役所から届くもの(税金や年金、健康診断の通知など)
・請求書、明細書(電気代、ガス代、水道代などの公共料金の請求書、クレジットカード明細書など)
・保険関連(保険会社からの保険証書や、契約更新の通知)
・定期購読物(定期購読してる雑誌やサブスクで届くものなど)
・チラシ、DM(利用しているサービスやお店からのDMなど)
・季節行事に関するもの(年賀状、暑中お見舞いなど)
・学校や習い事から持ち帰ってくるお知らせ(学級だより、給食の献立など)
・大人の資格証明書など

以上、たった8個の住所を決めるだけでいいと考えたら、やれそうな気がしてきませんか? しかもこれはお子様がいるご家庭のパターンなので、単身の方はもっと少ない分類になるはず。もちろん、上記のような分類の仕方はあくまで一例で、家に届く頻度や時期、家族の誰宛てのものかなど、もっとざっくりとした分け方でも構いません。

住所を決めてしまえば「自分以外の人」も片付けられるのイメージ-type転職エージェント

ちなみに私の家では、「賞状」「仕事関連」「健康診断」「その他」など種類ごとのバインダーを家族の人数分用意し、ダイニングテーブル近くの扉付きキャビネットに置いています。

保管場所が近くにあると、ダイニングテーブルで開封したら、その場で仕分けし、すぐにしまうことができます。開封後、保管する必要のないものはすぐに処分できるように、ゴミ箱を近くに置くというのもいいですね。

文房具も一つ一つ住所を決める

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テーブルの上の整理に関連してもう一つ、文房具の住所をダイニングテーブルの近くに設定するのもおすすめです。

郵便物を開封するのに使う「はさみ」、返送する書類を書くための「ペン」、封をするための「のり」「テープ」など……。「文房具」とひと括りにしまうと、書斎や子供部屋に住所を決めたくなってしまうものですが、「何に使うのか」「いつ使うのか」という観点で考え直してみると、ダイニングテーブル近くが最適な理由が分かるでしょう。

こうした小物一つ一つを細かく区切って住所を定めておくと、紛失したときにすぐに気付けるというメリットがあります。「あれ?ないな」と思ったらすぐに探して元の位置に戻すことができるので、無駄なものを買い足すこともなくなります。家にあるものを重複して買ってしまうのは、家が片付かない要因の一つになります。

住所を決めてしまえば「自分以外の人」も片付けられる

先ほどご紹介したテーブル周りの片付けの仕組みは、『タスカジ』を通じて、多くのハウスキーパーがご家庭をサポートしてきた経験・知見を活かし、共通の課題を見出したところから編み出したものです。しかし、一つ一つのモノの住所をどこに定めるのがいいのかは、当然ながら、その家の事情によって異なります。ご紹介したやり方を参考にしつつ、ご家庭に合った住所を見つけてほしいと思います。

散らかり要因で「元の場所に戻すのが苦手」という人は、実は少数派です。「そもそも片付けるべき元の場所が決まってない」または決まっていたとしても「片付けるべき場所が戻しづらく出しにくい状態になっている」ことがほとんどなんです。ですから最終的には、すべてのモノの住所を決め、スムーズに出し入れできる状態にする。これが片付けの基本姿勢です。

とはいえ「たとえ住所が決まっていても、こまめに戻せるほど自分は几帳面じゃない」という方も中にはいらっしゃるかもしれません。その場合は、小さめのワゴンやかごを用意しておいて、一時的にそこに溜めておき、容量がいっぱいになったタイミングであるべき住所に整理する、というやり方もあります。

あるいは、「元の場所に戻す」のは『タスカジ』におまかせ、という方もいます。それはそれで一つの手でしょう。繰り返しになりますが、重要なのは住所を決めること。アドレスさえ決まっていれば、自分以外の誰かにお願いすることもしやすいのです。

本日の仕組み化テクニック

・テーブルの上に置きがちなものを分類する(分け方は自由)
・それぞれの住所を決める(使う場所の近くで)
・難しかったら一時的にワゴン、かごなどに入れて「溜まったら片付ける」にする

取材・文/根本愛美(編集部)

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