家事の「仕組み化」プロジェクト
仕組み化すると家事は減る!「掃除」よりも「片付け」が大事な理由
転職後は慣れない新生活の始まり。家のことが後回しになって散らかりがちだったり、逆にゆとりができて家での過ごし方をリニューアルしたくなる人もいるのでは? それをどう効率的に実現するか。その答えが「仕組み化」です!
本連載では、プロがさまざまな「家の仕組み化」を紹介します。 連載初回となる今回は、「なぜ仕組み化なのか」の考え方を紐解いていきます。
公開 : 2024/01/24 更新 : ----/--/--
仕組み化すると家事は減る! 「掃除」よりも「片付け」が大事な理由
乱れた部屋ではリモートワークの生産性も上がらないし、疲れも癒せない!
でも片付けの時間を取るのも難しい……そんなビジネスパーソンのために、家事のプロフェッショナルが、「10分で片付く家の仕組み」をレクチャーします。
コロナ禍以降高まる「片付け」のニーズ
皆さんこんにちは、タスカジ代表の和田幸子です。
2013年に立ち上げた家事代行マッチングプラットフォーム『タスカジ』の開発と運営をしています。
『タスカジ』のメイン業務は、整理収納、掃除、料理の3つで、ありがたいことに現在では利用者10万人を超えるサービスとなりました。
利用者の増加だけでなく、実はここ数年で利用傾向に変化が見られます。それは、整理収納、つまり「片付け」の相談数が非常に伸びていることです。
「掃除」は、一時的にきれいな状態を作ることであるのに対し、「片付け」はずっときれいな状態をキープするための仕組み作りを指します。つまり、家をずっときれいな状態にしておきたいというニーズが増えているということ。
昔の“バリキャリ”と言えば、「家では寝るだけ」ということも多かったですが、現代のビジネスパーソンは、家で心地よく過ごすことにも重きを置くようになったという価値観の変化が表れていると感じます。
もちろん、コロナ禍でリモートワークが一般化し、おうち時間が増えたことも無関係ではないでしょう。
仕組み化すると家事は減る
片付けのニーズが高まっていると申しましたが、そりゃあ誰しもできることならずっときれいな家で暮らしたいですよね。
でも、仕事が忙しい中、家事に充てられる時間は限られているし、まして転職直後ともなれば、なおさら難しいですよね。
そんな人にはもちろん『タスカジ』の利用がおすすめではありますが、ご自分でできることもあります。
それが「家の仕組み化」です。家の仕組みが整うと、日々の家事は減るんです。
家の仕組み化とは、例えばキッチンであれば、料理に使う調味料をすべて片手で取れる配置に収納する。そうすると、迷うことなく効率的に味付けができて、作業の時短につながりますよね。他には、洗濯物はカゴを複数設けておき、脱いだ際に分別してしまう、というのも仕組み化の一つです。
一つのカゴにごちゃごちゃに入ったものを後から分別するより時短になるし、自分以外の誰か(パートナーやお子様)に洗濯そのものをアウトソースしやすくもなります。
仕組み化のメリットは他にもたくさんあります。
片付けのセオリーの一つに「すべてのものに住所を決める」がありますが、そうすると、「あれどこにいった?」という探し物の時間も減るし、まだあるのに買ってしまって置き場からあふれるといったこともなくなります。
一つ一つの仕組みは小さなものですが、この小さな仕組みの積み重ねで、家事はグッと楽になるのです。
コツを学んで片付け上手になろう
仕組み作りにはノウハウとかちょっとしたコツが必要です。多くの人は家事や片付けを教わることなく大人になっているので、ノウハウを持っていません。
逆に言えば、ノウハウを知るだけで、家の作り方は大きく変わります。この連載では、さまざまなコツをお伝えしていきたいと思っているのでぜひ真似してみてくださいね。
読者の皆さんの中には、単身の方もいらっしゃるでしょうが、今後パートナーと暮らしたいと思っている方は、今のうちに仕組み化のコツと習慣を身に付けていただくとよいと思います。
なぜなら、パートナーと共同生活を始めると、モノも部屋数も増え、片付ける際の複雑性と難易度が格段に上がってしまうから。
ちなみに、『タスカジ』に限らず、家事代行の利用者は意外なほど単身男性が多いです。
また、独自の調査結果によると、性別問わず「他者が家に入ること」、「頑張れば自分でできることにお金を払うこと」への抵抗感や、「他者に家事をしてもらうこと」への罪悪感から家事のアウトソースに踏み切れない人が多いようです。
中には、「家事代行の人が来る前に片付けなきゃ」という矛盾した感情がハードルになっている方も。
仕組みができていれば、帰宅後や朝の10分で家も整いやすいですし、「普段は自分でやれるけど難しい箇所だけは」と家事代行に依頼する大義名分ができるというメリットもあります(笑)。
ぜひこの連載を読んで、片付け上手になってくださいね。
取材・文/根本愛美(編集部)