忙しい人ほどストックが増える!? 適正量を把握するテクニック

家の中が散らかる原因の一つが「過剰なストック」。しかも、仕事などで忙しい人ほどストックが増えがちなんだとか。ストック管理ができるようになれば、家は整い始める! ということで、今回も、タスカジ代表の和田幸子さんに教えてもらいました。

公開 : 2024/05/08 更新 : ----/--/--

過剰ストックは何が問題?

乱れた部屋ではリモートワークの生産性も上がらないし、疲れも癒せない!
でも片付けの時間を取るのも難しい……そんなビジネスパーソンのために、家事のプロフェッショナルが、「10分で片付く家の仕組み」をレクチャーします。

お話を伺った方
和田 幸子さん

和田 幸子さん

株式会社タスカジ 代表取締役/タスカジ研究所 所長

横浜国立大学経営学部を卒業後、エンジニアとして富士通株式会社に入社。社内制度を利用し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科へ留学し、MBAを取得する。 2013年に起業し、家事代行のマッチングサービス『タスカジ』をスタート。整理収納・掃除・料理をアウトソースする「家事シェア」を普及させることで、ビジネスパーソンのキャリア構築を支える

過剰ストックは何が問題?

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皆さんこんにちは、タスカジ代表の和田幸子です。

整理収納の相談をいただくご家庭は「ストック下手」であることが多いです。ストックとは、シャンプーや洗剤の替え、今使っているものの予備の備品のこと。ストック下手とは、片付けられるか否か以前に、ストックを持ち過ぎていることを言います。

なぜストックを持ち過ぎることが悪いのでしょうか。それは、ストックで収納がいっぱいになってしまうと、本来入れたいものを入れるスペースがなくなってしまうからです。その結果、リビングや洗面台の上、キッチンの背面棚などがあふれたものでいっぱいになり、片付けられない状態になってしまうのです。

ストックを多めに持っておこうという気持ちは理解できます。あると思っていたものがなくて困るのは、誰だって嫌ですから。特に、仕事などで忙しい人ほど「なくなったら困る」と考えて、多めに買ってしまう傾向にあるかもしれません。けれども実際には、それは逆効果であるということです。

ストックの持ち過ぎは、経済的にもマイナスが大きいです。ストックに侵食されて収納がいっぱいになり、そこからあふれたものを入れるためにレンタルスペースを借りるともなれば、余計なお金がかかります。

また、持ち過ぎたストックは結局使いきれず、無駄にしてしまうことも多いんです。「2個セットでお得!」の宣伝文句に誘われて、得をしたつもりが、結果として無駄な出費をしていたなんて経験ある方も多いのでは?

こうした意味でも、ストックは自分の生活に合った「適正な量」を持つことが大切です。

ストック管理のやり方はシンプル!

というわけで、ここからはストック管理のやり方を紹介します。

ストック管理は、やることとしてはシンプルです。まず、何をストックするかを決める。次に、それぞれの置く場所を決める。それだけです。

まずは家の中の「使っているもの」をリストアップ

まずは、そもそも何をストックするかを決めるために、今使っているものを場所別にリストアップします。例えば、次のような感じです。

お風呂

お風呂洗剤、カビ取り洗剤、浴室乾燥機ホコリとりフィルター、洗顔フォーム、クレンジング、シャンプー、リンス・コンディショナー、ボディソープ


洗面所

洗濯洗剤、おしゃれ着洗剤、柔軟剤、ピンポイントの汚れ落とし洗剤、洗濯機の洗浄洗剤、洗面所乾燥機ホコリとりフィルター、ハンドソープ、歯ブラシ、歯磨き粉


キッチン

食器洗い洗剤、食洗機用洗剤、油汚れ用洗剤、クレンザー、ごみ取りネット、ゴミ袋、換気扇フィルター


パントリー

乾物(のり、ふりかけ、わかめ、昆布、干ししいたけ、ひじき、切り干し大根、ごま)、調味料(料理酒、みりん、酢、和風だし、中華だし、洋風だし)、サラダオイル、ごま油、オリーブオイル


トイレ

トイレ掃除用洗剤、トイレ掃除用ウエットシート、トイレの換気扇フィルター、トイレットペーパー、生理用品

ストックすべきものがたくさんあると思いがちですが、落ち着いて整理すると、そんなに項目は多くないことが分かります。

ただ、これはあくまでも一般的なアイテムを並べたもの。ご家庭ごとに網羅しようとすると、100種類くらいにはなるかもしれません。例えば、お子さんのいる家庭であれば、シャンプーや歯磨き粉も、大人用と子供用で分けて数える必要があります。

家族構成やお子さんの年齢にもよるので、上記を参考に、自分の今の生活を思い出してリストアップしてみてください。

リストアップする際に注意するのは、「今、偶然持っているもの」をリストの中に入れないこと。「今、偶然持っているもの」というのは、例えばお土産でもらった石鹸や塩、旅行先で買ってきた調味料などのことで、こうしたものは対象外でOK。リストに入れるかどうかの基準は「これがなくなったら次、また買うかどうか」です。

在庫は各種1個だけ!使い切って徐々に減らす

実際にリストを作ってみると、現在の生活における無駄なものが見えてきます。

例えば、シャンプーなどは本当は1種類でいいはずなのに、3種類同時に使っているといったことがよくあります。そうした無駄に気づけば、その3種類をまず使い切って、1種類に統一するといったことができますよね。

リストを見ながら「なくなりそうになってから買えばいいもの」を除外していって、残ったものだけを「ストックが必要なもの」とします。

例えば、上記リストの中で言えば、調味料などは「なくなりそうになってから買えばいいもの」にあたるでしょう。よほどたくさんの調味料を使う人ならストックしておいてもいいかもしれませんが、時間が経てば味も落ちますし、通常はなくなりそうになってから買うのでいいように思います。

そして、それぞれのストックは1個だけ。その置き場を決めたらストック管理は完了です。

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また、補充の仕方にもコツがあります。なくなる都度一つづつ購入すると、買い物リストを都度アップデートする手間がでてきてしまいます。そこで、毎週、または隔週でタイミングを決めて、ストックの場所を覗いてみて、不足している分を書き出して買い物リストをつくるのがおすすめです。ストックなので、それほど急いで補充しなくても大丈夫なので、買い物の頻度はこの程度でOKです。送料無料ラインを超えそうだったら、重いものが多いので、ネットスーパー、家電量販店、ドラッグストアのECでまとめて注文してしまうとよいでしょう。

過剰ストックになる原因を知ろう

ストック管理のやり方はシンプルだと説明しましたが、ついついストックをたくさん持ってしまうのには、原因があるんです。以下に、その原因をいくつか挙げてみました。リバウンドをしないためにも、自分が当てはまらないかどうか、チェックしてみてください。

原因①食品の消費スピードを把握できていない

タスカジでよく見かける無駄なストックは、独断と偏見ですがわさびや生姜などの「チューブ調味料」です。他にも胡麻のような乾物系など、食品系の無駄なストックは多い印象です。

「なくなってほしくない」という気持ちが強いのかもしれませんが、食品の場合は賞味期限もありますし、新鮮な方がおいしいはず。本当にストックを置いておくほど回転が早いのかどうか、よく考えてみましょう。しょうゆやみりん、お酒などは、なくなりかけてから購入するのでOKです。

原因②「お得」に思える大容量を買ってしまう

先ほどもご説明したように、ストックは基本的に1個ずつでいいです。ところが、Amazonやコストコでは大容量なセットを売っていることも多く、お得だと思ってついつい買ってしまいがち。毎日通りがかるドラッグストアで、安売り商品をまとめ買いしてしまう人も多いのでは?

でも、いくら「お得」といっても、数十円〜数百円というところ。部屋が汚いストレスや、「いつまでに消費しなきゃ」と焦るストレスの方が大きいかもしれません。

適正量を管理できたら、無駄がなくなり、コスト効率が良くなる可能性もあります。お店の前を通った時には、ぜひこのことを思い出してください。片付かないのが悩みなのであれば、まずはまとめ買いするのを一回止めてみましょう。

原因③定期購入アイテムの蓄積

最近は、化粧品や日用品、食品など「定期購入」の商品が多くありますよね。定期購入の商品は、契約している間は使い切っていなくてもどんどん届いてしまいます。タスカジのお客様の中にも、定期購入している化粧水が何本も溜まってしまって置き場がない、なんて方がいました。

繰り返しますが、使い切れないものにお金と空間を使うのは無駄なこと。自分の消費ペースに合った契約に見直したり、合わないと思ったら解約したりと、しっかり管理することが必要です。ストック管理ビギナーさんは、この手の商品を契約する時は慎重に!

ストックの整理は「感情なし」でできる

ストック管理が簡単な理由は、やり方がシンプルだという以外にもう一つあります。それは「これは好きだから」とか「想い出がある」といった感情が入らないところです。生活に必要か必要でないか、それだけ。だから判断しやすいんです。

リストアップの作業はちょっと大変かもしれませんが、実際にものを動かし始める前に、エクセルや紙に書いて整理した方が効率がいいです。これはストック管理に限らず、片付け全般に言えることだと思います。ぜひ挑戦してみてくださいね。

本日の仕組み化テクニック

・今使っているものから「ストックが必要なもの」を洗い出す
・ストックは一個だけにしてそれぞれ置き場を決める
・最初の整理ができるまでは大変だけど気合で頑張る

取材・文/根本愛美(編集部)

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