転職1年目、なんでも相談室
「AI時代に対応した能力を鍛えよう!」って、具体的に何をすれば良い?
「AI時代に対応したスキルを鍛えて」なんて上司に言われたら、「抽象的すぎて何をすればいいの!?」と困ってしまいますよね。でもこれ、もしかすると、上司も具体的な答えを持てていない可能性が……。今回は調査データを紐解きながら、明日から職場で試せる「小さくスキルを鍛える日常の習慣」をご提案します!
公開 : 2026/08/25 更新 : ----/--/--
新しい職場・仕事で活躍するには何が必要?
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本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。
最近、上司がやたらと「AI時代に対応した能力を鍛えよう」と言っています
転職して半年が経ち、職場や業務にも慣れてきました。先日、上司との1on1面談で「これからは、AIにはできないことが人間の価値だ! AI時代に対応したスキルを鍛えていってほしい!」と言われました。そういう時代なのは分かるのですが、詳しい説明はなくて困惑しています。上司の言う「AI時代に求められるスキル」とは具体的に何を指すのでしょうか? 仕事の中でどうやって鍛えていけばよいのでしょうか?
AI時代にビジネスマンが求められるスキルは、今世界中の人が必死で考え中!?
こんにちは、『転職そのあとLABO』のねも姉です。
上司から「AI時代に対応したスキルを鍛えよう!」と言われたものの、詳しい指示がないと「何をすればいいの?」と困ってしまいますよね。
正直なところ、上司自身も具体的になにを指示すべきか迷っているのかも。でも、それも無理はありません。なぜなら、AIの進化は“日進月歩”どころか“日進週歩”。仕事現場での「人間とAIの具体的な役割分担」は、世界中の企業やビジネスパーソンが今まさに手探りで模索している最中だからです。
そんな中でも近年、「AI時代に求められるスキル」についての研究は進んでおり、さまざまな調査機関がレポートを発表しています。これらを横断的にみるといくつも能力が出てくるのですが、概ね「創造的な能力」「対人能力」「適応力」の3つのグループに分けることができそうです。
表にまとめてみましたので、詳しく見ていきましょう!
AI時代に求められる「代替されにくい能力群」
| 能力 | 定義 | 含まれる具体的なスキル | AIが代替しにくい理由 |
|---|---|---|---|
|
創造的な 能力 |
既存のデータの要約や処理に留まらず、前提を疑い、新しいアイデアや視点、アプローチを生み出す能力 |
「創造的思考」 「曖昧な課題への創造的関与」 「デザインとユーザー体験」 |
AIは過去データの確率的な生成が得意な反面、「そもそも何を解くべきか」という前提を疑う問い立てや、データが存在しない未知の課題に対する抽象度の高い発想・価値定義が苦手なため |
| 対人能力 | 共に働く人達の「心」や「身体性」に根ざし、他者と協働し、共感し、多様なチームをリード・管理する能力 |
「リーダーシップと社会的影響力」 「共感と積極的傾聴」 「タレントマネジメント」 「他者との協働」 |
仕事の相手は人間。人のモチベーションや信頼関係は、対面での空気感や実体験に基づく「共感」に根ざしており、AIの出力が論理的であっても、人の心を動かす感情的アプローチや複雑な利害調整は代替できないため |
| 適応力 | 変化の激しい不確実な環境下で、主体的に目標を設定し、自己をコントロールし、学び続けてアップデートを重ねる能力 |
「レジリエンス、柔軟性、俊敏性」 「好奇心と生涯学習」 「モチベーションと自己認識」 「感情の安定性、メタ認知」 |
AIには、「好奇心」や「学びたいという内発的な動機」や、「ストレスを受け止めて克服する」といった主体的な意志や感情・意識そのものが存在しない。予期せぬ環境変化にリアルタイムで対応し、自分自身の価値観に基づいて柔軟に姿勢を変える自律性を発揮出来るのは人間だけ |
参考:
WEF(世界経済フォーラム)「Future of Jobs Report 2025」
McKinsey(マッキンゼー)「SKILL SHIFT:AUTOMATION AND THE FUTURE OF THE WORKFORCE」
OECD(経済協力開発機構)「OECD Skills Outlook」
ここまで具体的なスキル名が見えてくると、イメージも湧くのではないでしょうか?
しかし、「どうやって鍛えていくか」まではなかなか難しいですよね。そこで、上記で挙げた能力について、毎日の簡単な習慣で磨いていく方法をいくつか考えてみました(もちろんAIとともに)。
「創造的な能力」を鍛える習慣
① 仕事や日常生活の面倒なこと、不便なことを見つける
普段なら無意識に流してしまう小さな違和感やストレスを、簡単なメモに残してみましょう。創造的な思考の第一歩は「課題を発見すること」です。AIは提示された課題を解くのは得意ですが、日常生活の中にある「未知の課題(解くべき問い)」を見つけることはできません。普段から不便さに目をつける癖をつけることで、新しい改善案や企画を生み出す「問い立ての力」が鍛えられます。
② いつもの当たり前の業務に「なぜやってる?」と1回問いかけてみる
会議、レポート作成、業務フローなど、日頃当たり前にこなしている仕事に対して「そもそも本当に必要か?」「別のやり方はないか?」と前提を疑ってみましょう。AIは過去のパターンを踏襲するのが得意な反面、「前提そのものを崩すこと」が苦手です。「疑う視点」を持つことで、既存の枠組みにとらわれない新しいアプローチやイノベーションを生み出す思考が作られます。
③ AIに指示をだすプロンプトを3パターン考えてみる
AIに仕事を頼む際、単語だけで丸投げするのではなく「どんな角度から指示を出せば、面白い回答や有効なアイデアが引き出せるか?」を考えて、3通りほど入力を試してみましょう。AIから出てくるアウトプットの質は、人間側の「投げかけ」次第。指示の切り口を複数考える試行錯誤自体が、視点を広げる創造力トレーニングになりそうです。
「対人能力」を鍛える習慣
① 相手の話を聞くとき、事実の確認だけではなく感情にも寄り添って傾聴する
業務上の事実確認だけでなく、「相手がどう感じているか」にも意識を向けて耳を傾ける「積極的傾聴」を意識してみましょう。人間同士の信頼関係や協調性は、論理だけでは構築できません。相手の感情に共感し理解を示す姿勢を持つことで、AIには不可能な「深い信頼関係の構築」や「チームの心理的安全性を高める力」が身につきます。
② 自分と意見が合わない人の「背景」を30秒だけ想像する
なぜこの人は自分と違う意見を言うのか? この主張は誰にメリットまたはデメリットがあるのか? と相手の背景を少しだけ推察してみましょう。AIは論理的な最適解を出せますが、立場や感情が絡み合う人間の複雑な利害調整はできません。他者の立場、経験、価値観を想像することで、異なる意見を理解・受容する土台を自分の中に作るイメージ。
③ 「感謝」や「承認」に具体的な理由をセットで伝える
単に「ありがとう」と言うだけでなく、「〇〇さんのあの丁寧な準備のおかげで助かりました」と具体的な行動と影響を言葉にしてみましょう。行動を具体的に承認されることで、人間はモチベーションや自己効力感を大きく高めます。他者を観察して適切に動機づけるこの習慣はリーダーシップの大きな基礎となります。
「適応力」を鍛える習慣
①「今までやったことがない小さな行動」をやってみる
通ったことがない道を歩く、食べたことがないメニューを頼む、あまり話したことがない同僚と話してみる、など日常の中で小さなチャレンジをしてみましょう。AIと違い、人間は未知の状況に対してストレスや変化への拒絶反応を感じやすい生き物です。日常の中であえて小さな未知に触れることで、脳に程よい刺激を与え、環境変化に対する心理的ハードルを下げるのが狙いです。
② 感情が揺れたときに、自分に客観的なラベルを貼ってみる
焦ったりイライラした時に「あ、自分は今〇〇に対して焦っているな、イライラしてるな、浮足立っているな」と、もう一人の自分が観察するように言葉にしてみましょう。自分の状態を客観視してコントロールする習慣をつけることで、不確実な状況でも冷静さを保つことができます。
③ うまくいかなかったことを「実験結果」と言い換える
失敗した時に「自分がダメだった」と捉えるのではなく、「このアプローチはうまくいかないという『データ』が得られた」と解釈を少し動かしてみましょう。AIには「失敗を恐れる」という概念がありませんが、人間は恐怖心から挑戦を止めてしまいがちです。失敗を単なるデータと捉え直すマインドセットを持つことで、恐れずに試行錯誤を繰り返し、急速な時代の変化に学び続けながら生き残る「適応力」が磨かれます。
まとめ:提案を上司に打ち返してみよう!
ひょっとしたら上司からの「AI時代に対応した能力を鍛えよう」という投げかけは、あなたがまさにその能力を発揮して回答を出すか、試していたのかもしれません。
ぜひ、次回の面談でこのように返答してみてはいかがでしょうか?
「先日のお話の後、今の仕事のやり方を少し見直してみました。
定型作業はAIに任せて、自分はもっとお客様やチームメンバーと関わる部分に力を入れていきたいなと思っていて。
いろいろ試していきたいのですが、今の方向性で合っているか少し相談させてください!」
このように伝えると、上司も「お、ちゃんと考えて動いてくれてるな!」と一目置くはずです。そこから新しい仕事の相談や、面白いプロジェクトに声をかけてもらえる機会も増えていくかもしれません。
まずは小さな習慣からスタートして、AI時代にも強みを発揮できるビジネスパーソンを目指していきましょう!
ねも姉
転職情報誌の編集・ライティング、求人広告営業、新卒採用人事、転職サイトのマーケティングなど、さまざまな立場で人材業界にどっぷり浸かり15年超。転職者や人事、経営者など300人以上への取材などで得た知識や自身の転職経験を生かして、転職ノウハウや転職後の活躍応援コンテンツを発信中。最近は小一の息子の忘れ物癖が直らないのが悩み

