本業と両立する「副業」の注意点とは?知っておくべき法律と会社のルール

「収入を増やしたい」「社外でスキルを身につけたい」——。副業への注目度は上がっていますが、実際にしているビジネスパーソンはまだまだ多くありません。そんな副業ですが、みなさんは法律やガイドラインの内容を正しく理解できているでしょうか?

今回は、おなじみのオンライン社内勉強会「オシゴトカイワイ」のメンバーが、公式ガイドラインや最新のアンケート調査結果に書かれているリアルなデータを「クイズ形式」で紐解きながら、「賢い副業との付き合い方」を勉強します。

公開 : 2026/06/29 更新 : ----/--/--

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本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。

今回のお悩み

【オンライン社内勉強会 オシゴトカイワイ】

<登場人物>
はたけ: 社内オンライン勉強会のファシリテーター。データ分析や行政の最新レポート、法改正の動向を調べるのが得意。今回のクイズ出題者。

ねもやん: 勉強会のファシリテーター。組織や働く人の心理、キャリア形成に関心が高い。データだけでは見えない感情やモチベーションの側面からも考察を行う。今回のクイズ挑戦者。

オープニング:あなたの副業知識は大丈夫?「オシゴトカイワイ」クイズ大会開幕!

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皆さん、お疲れ様です!本日の勉強会「オシゴトカイワイ」のテーマは、ずばり「副業」です。最近、社外の友達から「そろそろ副業を始めようか迷っているけれど、本業の会社にどう申請すればいいか、法律のルールもよく分からない」という相談を受けたんです。

ねもやん

はたけ

なるほど、国も副業・兼業を促進していますし、企業も容認も進んでいますしね。お友達がご興味を持つのも頷けます。

そうなんです。ただ、私自身があんまり動向を追えていなくて、友達に説明できるぐらい詳しくないんですよね。

ねもやん

はたけ

わかりました。良い機会なので、今日は厚生労働省のパンフレットや経団連などのアンケート調査結果を参考に、副業についてクイズに挑戦しながら学んでいきませんか?

おっ、いいですね!法律やデータって文字ばかりで堅苦しいから、クイズだと楽しく学べそう。やりたいです!

ねもやん

第1問 :企業の「副業容認」は義務?

はたけ

ではさっそく第1問目です。〇✖でお答えください。

日本の法律やガイドラインにおいて、企業が従業員の副業希望を「容認」したり、社則(就業規則)に副業を認める旨を記載することが義務化されている。〇か✖か? ※2026年6月時点

「副業を認めなきゃいけないか」という企業側の話ですか?世の中で「副業解禁」が叫ばれているんだから「〇」!既に義務化されているんじゃないですか?

ねもやん

はたけ

実は「✖」です。現在の労働基準法やガイドラインにおいて、企業に副業を容認することそのものを強制する「法的義務」は課されていません。国はガイドラインの普及などを通じて、あくまで企業側の自発的な改善を促す手法をとっています。

日本らしいというか、何というか、、じゃあ、就業規則で副業について書かないことや、何なら副業禁止にすることも法律違反ではないんですね。

ねもやん

はたけ

その通り。それ自体は違法ではないです。ただし、過去の副業を会社が禁じた裁判の判決では「本業時間以外の時間をどのように利用するかは労働者の自由」とされています。
なので会社が副業を制限・処分できるのは「本業に実害が出たり、秘密漏洩したり、公序良俗に反するとか、本業に支障が出るほど過労」などに限定されているのが実態です。

会社が好き勝手に禁止できるわけじゃないけれど、国が副業容認を強制しているわけでもない。絶妙なバランスで成り立っているんですね。

ねもやん

第2問:実際に副業をしているのは、どれくらい?

はたけ

では、続いて第2問。次は3択問題です。

「企業が副業を認めている割合」と「正社員が副業を実施している割合」の正しい組み合わせはどれでしょう?

① 容認している企業:約30% | 副業している労働者:約3~5%
② 容認している企業:約60% | 副業している労働者:約10~15%
③ 容認している企業:約90% | 副業している労働者:約30~40%

うーん……1問目によると強制じゃないけど推奨はされているので、企業の副業容認は進んでいそう。労働者側は確かウチで取ったアンケートでは結構少なかったはず、、そう考えると……会社はたくさん解禁しているけれど、まだそんなに動けていない気がする! ここは「②」の、企業は約60%、労働者は約10〜15%の組み合わせで!

ねもやん

はたけ

大正解!鋭い洞察力です。容認している企業は2020年以降からグッと増えてきていて、概ね60%前後まで上昇しています。従業員数が多い企業ほど容認率が高い傾向があります。
その一方で、副業している労働者(正社員)の割合は、10%強と両者にはかなりひらきがあります。

何か原因がありそうですね。時間がない、やり方がわからない、というだけでは無い気がします。

ねもやん

第3問:副業すると「残業代」は誰が払う?

はたけ

最後は難問にチャレンジです。3択問題です。

労働者がある日、A社(本業)で8時間働いて、その後B社(副業)で2時間働いた場合、労働時間や残業時間をどのようにカウントして賃金を払いますか?
※両社とも業務委託契約ではなく、労働者として雇用契約を結んでいる


① 労働時間を別々にカウントして、それぞれの会社で超過した残業代を払う。
② 労働時間を通算してカウントして、本業の企業が残業代を払う。
③ 労働時間を通算してカウントして、後から契約した副業先が残業代を払う。

副業 ≒ 業務委託のイメージがあって、残業代のことをあんまり考えてなかったんですが、、。

ねもやん

はたけ

そうですよね。でも実は、パートやアルバイトみたいに雇用型の副業をしている方が多数派なんです。

うーん、別々にカウントだろうと思ったんですが、同じ日に2社で働いたら、たしかにどこから法定労働時間を超えて残業扱いになるのかわからないですね。ということは、まさか「②」?

ねもやん

はたけ

惜しい! 「③」なんです。現在の労働基準法(第38条1項)では、労働時間を通算するルールになっています。そのため、本業で1日8時間働いた後に、別の副業先で2時間働いた場合、副業先の会社はその2時間分に対して「割増賃金(残業代)」を支払わなければならないんです。

なるほど、、見えてきましたよ。本業がある方を雇う側の企業からすると、日々の労働時間を本業先まで確認して管理しなきゃいけないし、残業時間扱いで25%増しの賃金を払わなきゃいけないって、めちゃくちゃ負担が大きい。
あと、社会保険加入の問題などもありますよね。副業者が少ないのは、受け入れる企業が消極的なことも原因だと考えられそうですね。

ねもやん

はたけ

まさにその通りです。この複雑な制度運用が、他社で働いている方を副業者として雇ったりすることを難しくするブレーキになっているんです。
もし業務委託で雇用すると、この辺の手間が無いのがメリットなんですが、業務指示がやりにくかったり、契約した仕事しか頼めなかったりと企業側のデメリットもあると言われています。

2026年、副業のルールが変わるかもしれない

2026年、副業のルールが変わるかもしれないのイメージ-type転職エージェント

はたけ

以前の「つながらない権利」の回でも触れましたが、40年ぶりに労働基準法の大幅な改正が国会で審議される可能性があると言われています。
厚生労働省の報告書によると、海外の実例を参考に「副業時の残業代に関しては、本業と副業の労働時間を通算しない」という方針で検討されるとみられています。

なるほど! お金の計算がシンプルになれば、企業も「それなら他社の優秀な人材を副業で良いので雇おう」って動きやすくなりますね。法律のブレーキが外れれば、実施率の1割強という数字も、これから伸びていきそうですね。

ねもやん

はたけ

そうですね。ただ、もちろん労働者の健康を守る(過重労働を防ぐ)という意味での時間管理自体は、今後も続けていく必要があるという方針のようです。

まとめ

いや〜、今回もめちゃくちゃ勉強になりました! 法律やルールが変わったり、手続きがもっとシンプルになれば、受け入れ企業も働く人も増えそうですね。

ねもやん

はたけ

そうですね。今後は、複数のキャリアの軸を持つ「パラレルキャリア」のような新しい働き方が当たり前になる未来も、そう遠くないかもしれません。

確かに。ただ、ルールがシンプルになるのを待つだけじゃなくて、今からできる準備もありそうですね。例えば、自分の会社の就業規則をちゃんと確認しておくことや、自分が「業務委託」と「雇用契約」のどちらで副業したいのかを整理しておくこととか。

ねもやん

はたけ

その通りです!副業は単なる「お小遣い稼ぎ」ではなく、自身の市場価値を高める「キャリアの越境学習」でもあります。会社のルールを正しく守りつつ、まずは自分のスキルが社外でどう活かせるか、アンテナを広げてみることから始めてみてはいかがでしょうか?

出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」(2025年3月版)、労働基準関係法制研究会報告書(2024年12月発表)、リクルートインディードパートナーズ「兼業・副業に関する動向調査2024」、株式会社パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」、有限責任監査法人トーマツ「副業・兼業を通じたキャリア形成及び企業内での活躍に関する調査研究」報告書(2025年3月)

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