10年後、20年後のキャリアはどうしよう......。働きながら自己分析を進めるには?

「10年後、20年後も、自分は今の仕事を続けているのだろうか……」

そう思いつつも、日々の忙しさに追われて考えるのを後回しにしていませんか?キャリアの備えは、資産形成とよく似ています。「いつかやらなきゃ」と思っているうちに、あっという間に時間は過ぎてしまうもの。

今回は、今の仕事を続けながら「自分のキャリアの現在地」を客観的に点検できる、国が用意した無料のツールや仕組みをご紹介します。

公開 : 2026/05/27 更新 : ----/--/--

新しい職場・仕事で活躍するには何が必要?
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本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。

今回のお悩み

【オンライン社内勉強会 オシゴトカイワイ】

<登場人物>
はたけ: 社内オンライン勉強会のファシリテーター。データ分析や海外のレポートを調べるのが得意。

ねもやん: 勉強会のファシリテーター。組織や人の心理に関心が高い。データだけでは見えない、感情や文化の側面からも考察を行う。

オープニング:「いつか考えよう」で、また1年が過ぎてました…

オープニング:「いつか考えよう」で、また1年が過ぎてました…のイメージ-type転職エージェント

突然ですが、はたけさん。最近「iDeCo」とか「NISA」の勉強を始めたんですけど、ふと思ったんです。お金の将来設計はしているのに、「キャリアの将来設計」って全然やってないな、って。

ねもやん

はたけ

おお、耳が痛いビジネスパーソンは多いかもしれませんね(笑)。

10年後、20年後のために何か考えなきゃとは思いつつ、日々の業務に追われて気づけば時間だけが過ぎていて……。時々焦って、ネットで「資格 おすすめ」とか「今後の需要があるスキル」を検索して、ページをいくつか保存して満足する、の繰り返しです。

ねもやん

はたけ

なるほど。手段のリストアップで終わってしまい、自分の現在地が見えていない状態ですね。資産形成でいうなら、「自分の貯金額や支出(現状)を知らないまま、おすすめの投資先だけを調べている」ようなものです。

まさにそれです!働きながら自分のキャリアを点検する良い方法ってないんでしょうか?

ねもやん

意外と知らない、今の仕事を俯瞰できる「外のモノサシ」

はたけ

特効薬ではないですけど、私はキャリアに迷ったとき、あえて「外のモノサシ」を使って自分を客観視するようにしています。例えば、厚生労働省が運営している、無料でキャリアをWeb診断できるツール「job tag(じょぶたぐ、職業情報提供サイト)」をのぞいてみるとか。

job tag?お役所のサイトですか。なんだか堅苦しそうですけど……。

ねもやん

はたけ

意外と面白いんですよ!令和8年3月現在、556の職業が掲載されていて、それぞれ「どんなスキルが必要か」などが数値化されています。これを使って、自分の今の業務を当てはめてみるんです。

それをやると、何がわかるんですか?

ねもやん

はたけ

「あ、自分はいま、将来的に他の職場や職種でも使い回せる『このスキル』をちゃんと貯蓄できているんだな」とか、「この能力は意外と市場価値が高いんだな」ということが見えてきます。

なるほど!今の仕事を通じて、ちゃんと将来使えるキャリア資産が貯まっているかを確かめるために使うんですね。

ねもやん

企業も推奨する、キャリアの定期メンテナンス「セルフ・キャリアドック」

はたけ

まさに!自分のキャリアを自分で育てる考え方は、国や企業からも大きく注目されています。ちょうど10年前の2016年に職業能力開発促進法が改正され、企業(事業主)には、労働者に対して「キャリアコンサルティングの機会の確保」や「職業能力開発のための援助」を行う努力義務が課されました。そして、こうした取り組みを企業内で具体化する施策として、厚生労働省は「セルフ・キャリアドック」を推進しています。

セルフ・キャリアドック?初めて聞きました。

ねもやん

はたけ

はい。人間ドックが体の健康をチェックするように、企業が従業員のキャリアの健康状態を定期的にチェックし、支援する仕組みのことです。従業員にとっては、自らのキャリアを主体的に考えることで、今の仕事に対するモチベーション向上に繋がるというメリットがあります。

それ、どのくらいの企業で導入されているんでしょうか?

ねもやん

はたけ

令和6年の厚生労働省『能力開発基本調査』によると、正社員または正社員以外に対してキャリアコンサルティングを行う仕組みを導入している事業所は50.0%のようですね。

えっ、半数も!?......ってあれ、そんなのウチに導入されてるっけな。全然知らないですよ?

ねもやん

はたけ

実は「セルフ・キャリアドック」という言葉をそのまま社内で使っているケースは少ないんです。従業員が身構えずに参加できるよう、別の親しみやすい名称に変えて実施している会社がほとんどなんですよ。

あ、名前を変えているんだ。例えばどんな風に?

ねもやん

はたけ

よくあるのは「キャリアカフェ」とか「みらい面談」、「ライフプラン研修」といった名前ですね。なので、知らないうちにセルフ・キャリアドックの仕組みを体験している、という会社員の方はとても多いんです。

全然知りませんでした。でも、会社の面談って、なんだか評価されそうで、本音を話しづらくないですか?「今の仕事向いてないかも」なんて言ったら査定に響きそうで。

ねもやん

はたけ

そこの仕組みには明確な運用ルールがあって、相談者の守秘義務が徹底されています。上司ではなく外部の専門家(キャリアコンサルタントなど)が担当することが多く、会社側にも「面談内容を理由に不利益な扱いをしてはならない」という決まりがあるんです。だからこそ、安心して自分の本音や将来の悩みを話せる場になっているんですよ。

【厳選】無料で使える、国のキャリア点検ツール

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なるほど、それなら安心ですね。でも、もし自分の会社にそういう制度がなかったり、もっと個人的に試してみたい場合はどうすればいいですか?

ねもやん

はたけ

利害関係のない立場から、自分の現在地を教えてくれる国のツールや相談窓口は、実は他にもたくさんあります。仕事を続けながらでも、スマホやオンラインで気軽に活用できるおすすめの内容を厳選してみました。(※2026年5月現在の情報)

job tag(職業情報提供サイト)の自己診断ツール

「職業興味検査」や「仕事価値観検査」はもちろん、業種や職種を問わず発揮できる自分の強みを見える化する「ポータブルスキル見える化ツール」、実際に問題を解きながら適職を探せる「職業適性テスト(Gテスト)」なども、働きながら行うプチ自己分析には最適です。
>>詳細はこちら

ジョブ・カード(マイジョブ・カード)

厚生労働省が定める「生涯を通じたキャリア・プランニング」や「職業能力証明」の作成ツール。これまでの経験をフォーマットに沿って記入するだけで、自分の強みや課題が整理されます。
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キャリア形成・リスキリング相談コーナー

ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを無料(原則1回)で実施している国の専門窓口です。働きながらプロの客観的なアドバイスが受けられます。
>>詳細はこちら

へえ!家にいながら強みを調べたり、プロに相談できたりするんですね。

ねもやん

はたけ

そうなんです。さらに、年齢や性別、ライフステージなどの属性に特化したサポート機関も整備されているんですよ。

ジョブカフェ(若年者のためのワンストップサービスセンター)

都道府県が設置する、若者のための就職支援拠点。より身近な場所で、キャリア形成の相談に乗ってもらえます。
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わかものハローワーク

正社員を目指す若者(おおむね35歳未満)を対象としたハローワーク。「自分に向いている仕事がわからない」「就職に必要なスキルや資格を持っていない」といった悩みをプロに聞いてもらえる場所です。
>>詳細はこちら

サポステ(地域若者サポートステーション)

「今までいろいろあって就活に踏み出せない…」という方に寄り添ってくれる専門機関。同じ悩みを持った仲間やよき理解者となるスタッフと深く話し合いながら、共に働くことへの一歩を踏み出していける場所です。
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マザーズハローワーク

「家庭と両立できる仕事が見つからない……」「ブランクも気になる……」など、子育てと仕事の両立を目指す方の強い味方。ライフステージの変化に合わせた働き方を相談できます。
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ポリテクセンター(職業能力開発促進センター)

「学び直して、主にものづくり分野のスキルを身につけたい」と思ったときの、公的な職業訓練の拠点です。
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ジョブ産雇(公益財団法人産業雇用安定センター)

約500人のコンサルタントと全国ネットワークの情報網で、「失業なき労働移動」を支援してきた歴史ある相談機関。設立以来、約27万人の再就職・出向をサポートしています。
>>詳細はこちら

まとめ:キャリアの定期診断は、無料で始められる

はたけさん。国のツールや窓口って、仕事を辞めたい人だけじゃなくて、「今の仕事をがんばりながら、将来に備えたい人」のセルフケアインフラでもあったんですね。

ねもやん

はたけ

そうなんです。資産形成と同じで、早く始めれば始めるほど、将来の選択肢という名の利息が増えていきます。定期的にこうした「外のモノサシ」で自分を写してみることで、キャリアへの納得感や安心感が持てるようになるかもしれませんね。

とりあえず今週末、お茶でも飲みながら「job tag」で自分の仕事を検索してみることから始めてみます!

ねもやん

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