職場でも大事になるのは「タイパ」より「メンパ」? 疲弊を抑える仕事のコツ

「業務効率が上がって、以前ほど残業が多いわけじゃないのに、なぜか疲れを感じてしまう」。そんな悩みを抱えていませんか? これまでのビジネスシーンではタイパ(生産性)をあげることが重要とされていましたが、これに続く指標として「メンパ(メンタルパフォーマンス)」が注目を集めています。今回は、社内勉強会「オシゴトカイワイ」のメンバーが、現代の生存戦略ともいえる「メンパ」向上術を解説します。メンタルを温存して成果を出すための具体的な仕組みを探っていきましょう。

公開 : 2026/2/26 更新 : ----/--/--

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本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。

今回のお悩み

【オンライン社内勉強会 オシゴトカイワイ】

<登場人物>
はたけ: 社内オンライン勉強会のファシリテーター。データ分析や海外のレポートを調べるのが得意。

ねもやん: 勉強会のファシリテーター。組織や人の心理に関心が高い。データだけでは見えない、感情や文化の側面からも考察を行う。

オープニング:働き方でも「メンパ」が重要になる?

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はたけ

皆さん、お疲れ様です。本日のオンライン勉強会「オシゴトカイワイ」は、今ビジネスパーソンの間で急速に関心が高まっている「メンパ」について考えたいと思います。

メンパって、最近になって耳にしますね。でも、タイパ(タイムパフォーマンス)と何が違うんでしょうか?

ねもやん

はたけ

メンパとは「メンタルパフォーマンス」の略で、「心の負担を最小限に抑え、自分を良い状態に保つことでパフォーマンスを最大化する」考え方のことです 。タイパが「時間を無駄にしない」ことなら、メンパは「心をすり減らさない」ことを最優先します 。

なるほど。アスリートが物凄く集中して良い成績を出す「メンタルパフォーマンス」とは違う文脈なんですね。

ねもやん

はたけ

そうなんです。現在は、物事の選択や信頼性を確認するコストを軽減する「消費行動」として取り上げられていますが、「働き方」においてもメンパが大事なことが見えてきます。

1. なぜ今、職場で「メンパ」が求められているのか

「仕事は疲れるもの」と割り切ってましたけど、今の疲れ方って、昔とは少し種類が違う気がするんです。ひょっとして、無意識にムダなエネルギーを使っちゃってるんでしょうか?

ねもやん

はたけ

鋭いですね。実は、現代の職場環境には、私たちのメンタルをじわじわと削り取る「3つの負荷」が潜んでいると考えられます。

■「つながりっぱなし」による脳の休息不足:チャットの通知への即レス、画面越しの顔色伺い……。脳がずっと覚醒状態で、休まる暇がありません。

■ タイパ追求が生んだ「余裕の喪失」:効率化で浮いた時間に新しい仕事が入り、結局「心の余白」がなくなってしまう。上司や同僚も忙しく、コミュニケーション不足によるモヤモヤも増えています。

■ 情報過多による「選択の疲れ」:「どの情報が正しいのか」「どのアウトプットが正解か」。AI時代は選択肢が激増し、選び続けること自体が脳の体力を奪っています(選択のパラドックス)。

確かに、Slackの通知が来るたびにドキッとします。心の余裕がなくなってモヤモヤすることが増えているのもよくわかります。あと、子育て中など、時間に制約がある人ほど「失敗できない」というプレッシャーでメンパが下がりやすいかもしれませんね。

ねもやん

2. 実践!職場のメンパを最大化する5つの方法

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はたけ

では、具体的にどうメンパを向上させるか。5つの方法を提案します。

① AIを「判断のアシスト役」にして脳を温存
メールの返信やチャットの文面作成をAIに任せましょう。「失礼がないかな?」と悩むコストを削減できます。
また、会議の議事録や長文メールの要約もAIに投げて「自分のタスク」だけを抽出しましょう。全文を読む集中力を温存し、重要な判断にだけエネルギーを使います。

②「最初の一歩」の心理的ハードルを下げる
資料作成などの重いタスクは、頭の片隅にあるだけでストレスです。まずはAIに「たたき台」を2パターンほど作らせましょう。「ズーニンの法則(最初の4分が成否を分ける)」にある通り、AIが作った案を手直しし始めれば、自然と「作業興奮」が生まれてスムーズに仕事が進みます。

③ AIジャーナリングでモヤモヤを即解消
上司や同僚の言葉が気になったときなどは、AIに感情を吐き出しましょう。「今のモヤモヤを聞いて。深掘りする質問をして」と伝えると、客観的な視点(リフレーミング)が得られ、ざわついた感情から少し距離を取ることができます。
※AIの利用には、機密情報と個人情報の扱いには十分に気を付けましょう

④ スケジュールの固定と通知の遮断
「この時間はメール返信」「この時間は資料作成」とスケジュールを固定し、「次は何をしよう?」という選択の機会を消します。スケジュール外の時間は、メールやチャットツールを閉じ、できれば通知もOFFして外部からの「差し込み」を物理的に遮断しましょう。

⑤「予測可能な楽しみ」を予約する
「これをやれば必ずリフレッシュできる」という定番の活動(好きな食事、特定のカフェでの読書、サウナなど)を、必ず行う予定としてあらかじめ組み込みます。「失敗しない楽しみ」を予約することが心の安定に繋がります。

3. 温存したメンタルは「ここぞ」という場面で使う

特に転職直後など、新しい環境にいる人ほどメンパを意識した方がいいですね。

ねもやん

はたけ

その通りです。早く馴染もう、早く成果を出そうと焦りすぎてしまうと、予想以上に疲れてしまいます。何が自分の心を消耗させるのかを可視化させて、AIやアナログな手段を織り交ぜながら消耗を押さえましょう。

ただし、仕事なので「ここ一番の頑張り」が必要なことがあります。成果に直結する局面だったり、大事な判断だったり、チームで一丸で協力する場面などで最高の力を発揮するために日頃のメンタルを節約しておくのです。

まとめ

これまでは「いかに早くやるか」ばかり考えて焦っていましたが、まずは自分の「心の健やかさ」を守ることから始めていいんですね。

ねもやん

はたけ

はい。AIに任せられる判断は任せて、自分のリソースを無駄遣いしない。そうして温存したエネルギーを、あなたにしかできない大切な仕事や、身近な人との対話に注いでください。メンパを意識することは、自分自身を大切にしながら、長く、納得感を持って働き続けるためのセルフケアと言えると思います。

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