家事の「仕組み化」プロジェクト
家でも生産性高く仕事したい! リモートワークの空間作り
現代のビジネスパーソンにとって、自宅は「生活する」だけではなく、「仕事をする」場でもありますよね。今回は、「自宅をリモートワークできる環境に整える片付け」をテーマに、タスカジ代表の和田幸子さんにノウハウをお聞きしました。
公開 : 2024/06/26 更新 : ----/--/--
家でも生産性高く仕事したい! リモートワークの空間作り
乱れた部屋ではリモートワークの生産性も上がらないし、疲れも癒せない!
でも片付けの時間を取るのも難しい……そんなビジネスパーソンのために、家事のプロフェッショナルが、「10分で片付く家の仕組み」をレクチャーします。
リモートワークで起きがちなトラブルと基本の考え方
皆さん、こんにちは。タスカジ代表の和田幸子です。
コロナ禍以降、整理収納のご相談で増えたのがリモートワークについてのお悩みです。中でも多いのは、ご夫婦共に在宅勤務になり、仕事場を2つ用意しなければいけない(=ワークスペースを生み出さねばならない)という問題や、リビングに2つワークスペースを用意したら、同時オンライン会議で干渉し合ってしまう(=どこに環境を作るか)問題などです。また、固定のワークスペースを作れず無理くり運用する中で、仕事で使う道具があちこちに置かれて家が散らかるというお悩みもあるようです。
シンプルな解決方法としては、ご自宅が広くて、納戸になってしまっている空き部屋があれば、そこを整理してワークスペースにするのが良いでしょう。ですが、一人暮らしや家族が多い場合はそうもいきませんよね。
集中できる自分専用のワークスペースを作れたらベストですが、そうでなくても実はどうにかなります! ヒントは、「フリーアドレス制」です。オフィス内に個人のデスクを固定しないことで、オフィス全体の広さがなくても成り立つ仕組みのことですが、家の中もそういう捉え方をしてみましょう。そうすると、少しの片付けで家の中に新しいワークスペースを生み出すことができるかもしれません。
リモートワークの空間づくりアイデア3選
空間づくりをする上で大事なのは、「ここで何をするか」をきっちり定義することです。
仕事と言っても、パソコン作業なのか、オンライン会議なのか、資料を読み込みたいのか、などいろいろな作業がありますよね。これを意識すると、空間をどう使うかいろいろな可能性が出てきます。
例えば、チーム内でのディスカッションであればリラックスできるソファでしたり、プレゼン前にドキュメントを読み込むだけならベランダで、というようにシーンに合わせて作業場所を変えることができるということです。
また、「空間」だけじゃなく「時間」も含めて考えてみるとさらに可能性が広がります。というわけで、家の中にワークスペースを生み出す工夫をいくつかご紹介していきますね。
仕事道具はあえて分けて収納する
まずは仕事道具の収納について。仕事で必要なアイテムは、「デスクに付随するもの」と「人に付随するもの」に分けられます。
デスクに付随するもの:パソコンモニター、文房具(ボールペン、付箋紙)など
人に付随するもの:資料、書類など
つまり、デスクで使うことが前提である道具なのか、使う場所がデスクに限らない仕事道具なのかの違いです。デスクに付随するものは当然デスクに収納場所を設けるのがよいですが、人に付随するものの収納場所は必ずしもデスクとセットである必要はありません。デスクに近い場所に収納して、必要なときに出し入れできるのが便利かと思います。
「仕事道具」とくくって一箇所に収納しようとすると、ついつい「収納付きのデスクを置かなきゃ。でもスペースが……」と行き詰まってしまいがち。職業によってはパソコンモニターを固定しなくてはならないかもしれませんが、もしそうでないなら、デスクと切り離した出し入れしやすい収納を設けるのはおすすめの方法です。
折りたたみデスクで一時的にスペースを作る
家の中にワークスペースを固定できない場合、リビングやダイニングに一時的にデスクを設けるアイデアもあります。使わないときはたたんでおける折りたたみデスクを利用するのです。
毎日リモートワークするわけではない方や、ご夫婦で在宅勤務する際に一箇所は固定できても二箇所は無理という場合におすすめの方法です。
上記の仕事道具の収納ができていれば、折りたたみデスクを広げて必要なものだけ持ってくれば仕事が開始できます。仕事を終わりにするときはデスクをたたんで、道具を収納場所に戻すというルールにするとメリハリもついて良いと思います。
ただし、リビングやダイニングは家族の共有スペースですから、「出しっぱなし」にしないよう心掛けは必要ですね。
子供部屋や寝室は「シフト制」に
空間だけでなく、「時間」も工夫することができます。子供がまだ小さい場合、子供部屋や勉強机はあるけどあまり使われていないということもあると思います。子供が学校に行っている間はそこをワークスペースにするというのはどうでしょう?
お子様がプライバシーを気にする年頃だと難しいかもしれませんが、「昼間はここでパパがお仕事するね」と了承を取っておきましょう。「17時までは親、以降は子供」というようにシフトを組むイメージ。時間が来たら仕事は終わりにするというルールもできて、「家だと無限に仕事をしてしまう」という在宅勤務あるあるも解決できそうです。
寝室の一部をワークスペースにするご家庭もよくありますが、子供部屋同様に「寝る時間」と「仕事する時間」をはっきり分けるのが大事です。時間帯によって空間の用途を変えることで、ワークスペースを生み出すことができないか、もう一度家の中を見回してみましょう。
家は「仕事するだけの場所ではない」ことを忘れずに
リモートワークの空間づくりに関して、「どうスペースを捻出するか」が第一問題だとしたら、第二問題は「それをどうインテリアになじませるか」だと考えます。「そこまで求めないよ」と思われるかもしれませんが、これはインテリアとして素敵という話だけではありません。家は落ち着いて心休まる場所であることが必要なので、見た目は本当に大切なのです。
一人暮らしだったらそこまで徹底するかは本人の意志次第ですが、家族で住んでいる場合は、みんなが落ち着く場所になっていてほしいですよね。
そのためにできることとしては、デスクまわりや仕事道具の収納場所は、できれば蓋や扉がついていて外から見えないようにすること。ものがたくさん見えていると、目から入ってくる情報が多くなって知らぬ間に疲れてしまうんです。
ご家庭ごとの片付けの工夫とルールで、生産性高く仕事ができること、家族とリラックスできること、どちらも叶えられる在宅ワークスタイルを確立しましょう!
・場所を固定しなくてはならないという考えを捨てる
・仕事道具の収納場所を分ける
・時間」と「空間」を意識してワークスペースを探す