今だからこそ改めて考えるリスクコンサルティングへのキャリア

今だからこそ改めて考えるリスクコンサルティングへのキャリア

佐竹和浩
2020 / 9 / 23

type転職エージェントのミドル・エグゼクティブチームでは様々なコンサルティング業界のポジションに対して、求人/転職サポートを実施させていただいておりますが、新型コロナウイルスの影響によりコンサルティング業界への不安を持たれている方も一定数いらっしゃいます。

コンサルティング業界への転職には関心があるものの、業績不振のニュースなども見られることを懸念されている…と言ったお声も頂いていましたので、今回は改めて私が担当している「リスクコンサルティング」の領域をご説明させて頂きたいと思います。 この分野はコンサルティング業界の中でも成長分野として堅調に採用が進む領域ですので、キャリアのご参考として頂けますと幸いです。

◆リスクコンサルティングとは

新型コロナウイルスの影響はもちろん、そのほかの要因も企業のリスクとして回避をしていかなくてはならない状況が多々あります。 その中で日系企業は新たなステージへ移行しようとしている最中です。

今までの日系企業のリスクコンサルティングの動きを見ていくと【リスク=起こしてはいけない事象】と捉えている企業がほとんどでした。 しかしながら世界のトップを走る外資系企業は【リスク=発生してしまうからこそ、その後の説明責任を果たす】と考えています。

もちろんリスクは起こしてはいけないものであると日系、外資企業共に考えていますが、以前の日系企業は【起こしてはいけない】との考えが強く、発生してしまった後の対処が遅れてしまう傾向が見受けられました。その点が記者会見やその後の対応のスピードの差となっていたのです

そのため監査法人やコンサルティングファームは日系企業のリスクへの考え方をグローバルスタンダードにしていくため日々業務に取り組んでいるのです。

リスクコンサルティングでは経営戦略におけるリスク、財務リスク、外部環境の変化(法規制・地政学)におけるリスク、ハザードリスク(天災・事故)、業務オペレーションにおけるリスクなど企業が抱えるリスクには様々な種類があり、原因特定や対応案の策定のためには単一の部門だけでは対応しきれない状況が出てきます。

近年の経営戦略は結果から考える【結果型】から全ての側面や膨大なデータを活用することで未来を予測し判断を促す【未来予測型】へなるため、各企業は膨大なデータ量を管理していくため、クラウド化へ舵を切っています。ただ単にクラウドにすればいいという訳ではなく、クラウドとデータをしっかりと活用できない背景をリスクと捉え、コンサルティングを行っています。 そのため、従来の「守り」のリスクマネジメントだけでなく、「攻め」リスクマネジメントの重要性が高まっています。

また事業に関するリスクコンサルティングだけでなく、製品に対する評価やレビューもリスクコンサルティングとしての重要な業務となります。

一般企業が使うパッケージシステムやクラウドが安全であると保障するのです。保証をしてもらうことにより、一般企業はそのシステムを安心して導入することができ、またパッケージベンダーはクライアントへ導入する際のハードルが下がります。

リスクコンサルティングは外部からの守りのイメージが強いのですが、現在では経営戦略の一翼を担う攻めの姿勢も含まれているのです。

◆リスクコンサルティングの魅力

上記でも記載致しましたが、リスクコンサルティングの領域はまだまだ発展途上の段階です。名だたる大手企業がリスクコンサルティング室を開設しておりますが、まだまだ自らリスク対応を行うことができません。

そのためリスクに関してはコンサルティング企業へ依頼をするケースがほとんどです。法や規制を破って活動をする企業は営業停止や最悪の場合倒産となってしまいます。そのため、リスクを防ぐことは健康的な経営を満たすことと同義語となりますので、10年、20年と長期的なキャリアを築いていくことが可能となっております。

実際にコロナウイルスの影響はあまり受けておらず、逆に企業がコロナウイルスの影響を受けデジタル戦略を進めていく際のリスクコンサルティングやアフターコロナで進めていく事業のリスクコンサルティング等の案件も増えてきているようです。 今後もFinTechやMaaS、AI、IoT等の様々な技術が発展していく中でも新しいことを進めていく【攻め】には、それを支える【守り】が必要となってきます。

また経営戦略に対するアドバイスを行っているのでカウンターパートが「経営層レベル」となっていくことも魅力の一つです。将来的に経営者や経営のかじ取りができるポジションを目指したいとお考えの方には、間近で経営者のお考えや判断を見ていくことができます。

実際にコンサルティングファームの中でもリスク専任担当者の数は少なく、IT知見や業務知見がある方が未経験でリスクコンサルティングにチャレンジしていく環境です。 ご自身の努力に比例し昇格や昇給も目指せる環境となっておりますので、キャリアの一つとしてご検討されてみてはいかがでしょうか。