専門性を入れ替える

専門性を入れ替える

斉藤由梨
2018 / 6 / 19

キャリアのご相談を受ける際に、「これまでの積み上げてきた強みとは別の領域で新たに活躍したい」というご相談を受けることが多くあります。

例えば、
・●●業界で事業開発に携わってきたが、別の業界で事業開発に携わりたい
・営業企画に携わってきたけれども、新規事業企画に携わりたい
といった内容です。

ご自身の強みであるロールや領域から、違う領域に広げたいというものです。

新たな領域でチャレンジしたい動機からという側面と同じ領域・ロールで続けていても、今後の世の中で通用しなくなるのではないかという危機感からそのように考える方が多いように思います。

転職のサポートを10年以上してきた中で、事実10年前には求められていたスキル・経験が、今は全くといって良いほど条件に入ってこないというものも多くあります。

そして、求められる経験やスキルの変化のサイクルはどんどん速くなっているように思います。

以前会社の寿命は30年と言われていた時期もありましたが、今やその寿命は5年とも10年とも言われています。それだけビジネスのサイクルが速く、その中で求められる経験やスキルも変化し、一生同じスキル・経験で食べていける時代ではなくなりつつあります。

これまで培ってきた経験・スキルとは別の専門性を身に付けるべきタイミングが出てきます。それをどう実現するかが重要なわけですが、方法はいくつかあります。

① 現職の中で新たなロール・領域にチャレンジする

①は現在の年収や福利厚生といった雇用条件を維持しつつ新しいチャレンジができます。

また、会社が変わるわけではありませんので社風や人間関係なども一定これまで培ったものを活かしながら仕事をすることができます。

現在は社内公募やFA制度など制度が充実しているケースもありますので、大分同じ会社の中で多様な経験をすることができるようになってきています。

一方で、活躍している人材を他のロールに移すことが会社や事業にとって損失と捉える向きも有り、希望しても叶わないケースもあります。

② 新たな専門性習得の為にトレーニングを受ける

②については、比較的欧米ではメジャーなのですが、日本ではまだ根付いていない方法です。

然るべき教育機関などでトレーニングを受けることで、スキルを習得していると見なされ、これまでと異なる領域・ロールで転職が叶うといったものですが、日本ではその実例を聞くことはあまりありません。

今後更に専門性を入れ替えることが必要になる世の中を考えますと、②の方法で実現できる仕組みや考え方を持ったほうが良いように思います。

③ 転職して新たなチャレンジをする

③は現職でできないなら転職してチャレンジしようというものです。

前述の通り会社やビジネスのサイクルは速くなっており、その領域の経験者がいないというケースも増え、違う領域やロールにチャレンジできる可能性も広がっています。ただし、全くの未経験でOKという意味合いではなく、これまでのロールや領域とは多少なりとも共通点があることが求められます

この点でどこまで専門性が入れ替えられるのかという面があり、現職とは異なる領域になることで、年収等の条件面が維持できないケースも出てきます。

また、上記に挙げた以外にも今後は副業でまずは何かしら新しいロールや領域の経験をし、それを武器に専門性として磨いていくという方法もあるかもしれません。是非、自分のこれまでの専門性と、これからの専門性についてちょっと考えてみてください。

それでは。