音声コンテンツ、聴き始めガイド
アート系を学ぶのに音声コンテンツは向いている?
『JAPAN PODCAST AWARDS』をきっかけに、人気のPodcast番組を聞いてみた結果、どんなジャンルがあるのかだいたい分かってきた今日この頃。 次は「アート系」の番組に興味がわいてきたけれど、検索ではなかなかアート系番組が見つからない。というわけで、おすすめの番組を教えてもらいましょう。
※記事内の情報は2023年6月時点、編集部調べによるものです。
公開 : 2023/07/13 更新 : ----/--/--
「ながら通勤」で学びも、癒しも
音声コンテンツ、聴き始めガイド
リモートワークは増えたけれど、まだまだ出勤派が大多数。転職を機に、“ながらインプット”を始めたいと思った方も多いのでは?
通勤時間の有意義な過ごし方として定着してきた音声コンテンツの嗜み方について、「耳から情報収集歴15年」の音声メディアフリークがレクチャーします。
のりおさん
『type転職エージェント』のキャリアアドバイザーでもあり、Podcast歴15年の音声メディアフリークでもある。愛用しているアプリは『Spotify』『radiko』『Audible』など
ねもやん
通勤時間片道1.5時間の会社員。のりおさんの部下。電車の中ではもっぱら『Pokemon GO』をしていたが、腕の筋力が低下してきたので音声メディアに乗り換えたいと思っている
アートと音声コンテンツは相性が悪い(と思う)
のりおさん
おはよう、ねもやん。今日も元気そうだね。最近はどんな番組を聴いてますか?
おはようございます、のりおさん。ちょうど今朝の通勤タイムで、前におすすめしてもらった『a scope ~リベラルアーツで世界を視る目が変わる~』を全部聞き終わったところです。
ねもやん
のりおさん
それはそれは。気に入ってもらえたなら何よりです。
次に何を聞こうか考えているのですが、「アート系」の番組って何かありませんかね?
ねもやん
のりおさん
アート系ですか。なるほど、『a scope』からさらに視野を広げたい感じですかね。
そうなんです。ビジネス系よりリベラルアーツ系が好みだと分かったので、さらにビジネスの対極にありそうなジャンルで私がまだ知らない世界ってアート系かなと思いまして。
豊かな人間になりたいというか、教養のある人と思われたいというか。
ねもやん
のりおさん
それはいいのですが、実は音声コンテンツとアートって相性が悪いんですよね……。
やっぱり!? SpotifyのPodcast検索のカテゴリに「エンタメ・アート」があったのですが、その中身はほぼエンタメだったので、もしかしたらアート系の音声コンテンツは少ないのかなーとは思っていました。
ねもやん
のりおさん
あくまで私の意見ですが、アートは視覚に頼るものが多いですし、且つ作品の固有性が高いので、知らない作品について音声で聴いても脳内補完するのが難しいんですよね。美術館などでレンタルできる音声ガイドが素晴らしいのって、実物を見ながら音声で情報を入れられるからだと思うんです。
確かに美術館とか博物館で借りるでっかいトランシーバーみたいなやつも「音声コンテンツ」ですね!
ねもやん
のりおさん
そう、「見ながら音声も楽しむ」のはおすすめですが、作品自体を音声だけで味わうのはやっぱり難しいですよね。ある程度の知識があればもしかしたら楽しめるかもしれませんが。
アートの知識、ほとんどないです。
ねもやん
アート系情報に触れられるおすすめラジオ番組
のりおさん
ですよねぇ。その上で一応ご紹介するとしたら、こんなのはいかがでしょう。
アフター6ジャンクション
カルチャーキュレーション番組なので、幅広くカルチャーを扱う中でアート関連の特集回もあるという感じです。NFTアートや、文化庁移転とか、博物館の●●展を取り上げるなど、旬のアートトピックを扱っているイメージですね。私も好きでよく聞きます。
HERALBONY TONE FROM MUSEUM〜聴く美術館〜
障がい者のアーティストと契約して彼らの作品を世に出すベンチャー企業が発信しているラジオFMの番組。2023年4月に開始したばかりのようですね。アーティスト個人をゲストで迎えて話す感じなのでテーマは狭いかもですが、「アート×福祉」という珍しい切り口なので現代社会に必要な教養に触れるという意味で良いのでは。
TAKRAM RADIO
こちらは逆に「つくること」をテーマに、いろいろな切り口で「デザイン」を論じている番組なので、扱うトピックはかなり広め。ビジネス界隈でもややメジャーかもしれません。デザイナーやエンジニアのお仕事観点でも面白く聴けると思います。
ふむふむ。アート作品の歴史や背景を学ぶというよりは、アート系の最新トピックや流行に触れられそうですね。
ねもやん
のりおさん
この3つはラジオ番組のPodcast版なので、Podcast番組よりも広い層を想定して作られてることもあり、扱うテーマは広めかもですね。番組構成もちゃんとしてるし、パーソナリティもプロだったりするので、聞きやすさは保証できます。アート知識がなくても何となく聴けると思いますよ。
慣れてきたら挑戦! ガチめのPodcast番組のおすすめ
のりおさん
少し詳しくなってきたら、Podcast番組でこんなのもおすすめですよ。
そんない美術の時間
どストレートにアート作品や、画家、美術史などを取り上げられており、勉強したい人にはうってつけ。オーソドックスなテーマが多いので素人でもとっつきやすいのではないでしょうか。残念ながら2022年6月に最終回を迎えてしまいましたが、過去回200回分あるので気になるものだけ選んで聞くのも良いかも。
そろそろ美術の話を
アートテラー・とに~さんのPodcast番組。元芸人さんのようでしゃべりも安心して聴けます。作家だけでなく美術館の館長をゲストで迎えてインタビューしている回も多く、美術館の運営の仕組みなどを聞けるのも面白いです。アート知識がなくても入りやすく、実際の美術館に足を運ぶきっかけにもなるかと思います。
instocial by 美術手帖
すでに更新は止まっているのですが、アート本業の人たちや美大の学生なんかが情報収集する雑誌『美術手帖』のPodcast番組なので、素人には敷居が高いです。ハイレベルな専門家同士がトークする番組といった趣向で、アートの間口を広げようという感じではなかったです。
確かにさっきのよりガチっぽいですね。
ねもやん
のりおさん
他にもアーティストご本人がやっているPodcast番組もあるにはあるのですが、マニアック過ぎるので、ねもやんには向いていないと思います。
でも思ったよりいっぱいありますね。何で検索で見つけられなかったんでしょう。
ねもやん
のりおさん
アート系を扱う番組は、「広くカルチャーのテーマを扱う中でアートも扱う」タイプと、「ストレートにアートだけを扱う」タイプに分かれますが、後者は少ないし、前者はパッと見で判別できないからですかねぇ。
なるほど。
ねもやん
のりおさん
アートは一部分だけを切り出して説明するには難しいものなので、音声コンテンツとしては歴史的背景や作者の想いみたいなものを伝える番組が多いのだと思います。いろいろと紹介しましたが、最終的にはやはり作品を知った方が、アートの教養も身に付くし、通勤時間の番組視聴も有意義になるでしょう。
そういう意味では、Youtubeでアート系番組を見てみるのもよさそうですね。『びじゅちゅーん』とか面白いですよね。
ねもやん
のりおさん
『曜変天目ディスコ』とかいいよね。Youtubeならあとは『山田五郎 オトナの教養講座』もおススメです。アプリだと『ミミタブ』というのがあって、それだとテレビ番組の『美の巨人たち』の音声版もありますよ。
今回もいろいろ教えてくださりありがとうございました! これでまた世界が広がりそうです。
ねもやん
アートを音声メディアで学ぶのは相性悪いが、カルチャーやデザインなど広めのテーマから攻めるとよい