初めての1on1! 上司との貴重な時間を「雑談タイム」で終わらせないようにするには?

上司と部下が1対1で面談をする「1on1(ワンオンワン)」ミーティング。日本ではまだ歴史が浅く、そうした仕組みがない企業も多いでしょう。転職後に初めて1on1をすることになり、「何を話せばいいの?」「どんな意味があるの?」と疑問を持っている人もいるかもしれませんね。今回は、「1on1を有意義にしたい」というお悩みに答えていきます。

公開 : 2023/11/21 更新 : ----/--/--

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本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。

今回のお悩み

1on1って何を話せばいいの?

新しい会社に勤め始めて3カ月経ちます。実務に入った頃から、毎週、上司との1on1ミーティングが始まったのですが、いつも何を話していいか分からず、上司のプライベートの話を聞いたり、休日の話をしたりする「雑談タイム」になっています。前職では1on1というものがなかったので、これで合ってるのか、何の意味があるのか、毎週何となく不完全燃焼な気持ちになります。1on1を有意義なものにするにはどうしたらよいでしょうか?

1on1の目的はさまざま! 上司とすり合わせを

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こんにちは、『転職そのあとLABO』のねも姉です。

今回のご相談は「1on1(ワンオンワン)」ミーティング(以下、1on1)について。1on1とは、上司と部下が1対1で行う面談のことで、元はシリコンバレーの企業文化だったそうです。日本では2012年にヤフー株式会社が導入したことをきっかけに広まったと言われています。

ただ、日本ではまだ歴史が浅いこともあり、上司も1on1をどう活用していけばいいか戸惑っている可能性があります。目的を「部下の業務遂行のサポート」と捉える人もいれば、「人間関係を深めるコミュニケーションの場」と捉える人もいるなど、1on1の狙いはさまざま。あなたと上司の間でミーティングの目的をすり合わせることが大事なのかもしれません。

ストレートに「●●さんにとって特に注視しているポイントや知りたい情報はありますか?どんなトピックが1on1に向いているのかまだよく分かっていないので、●●さんのお考えをお聞きしたいです!」と聞いてみてはいかがでしょう?

上司が考える1on1の目的も聞けて、より有意義な場にしたいというあなたの意欲も伝わって、一石二鳥!

言わずもがな、1on1は、お互いに忙しい二人が向き合って話ができる貴重な時間。上司に合わせるだけではなく、主体的に自分が伝えたいことを準備することも大事です。(単純に、話したいこと・聞きたいことを部下から提供してくれる方が上司もうれしいらしいですよ!)

では、どんな観点で話題を考えたらいいか、以下を参考にしてみてくださいね。

話題1:業務の進捗共有、相談をする

おすすめは、その時間を使ってある一つの業務上の困りごとを解決する、というもの。

例えば、「進めているプロジェクトで、他部署にも影響があることが判明してしまい、どう進めたらよいか」や、「目標達成のために新規テレアポを増やしたいが、他の業務もあってなかなか時間を捻出できないでいる」など。緊急性はないけれど、あなたが仕事で困っていることを1つ持ち込み、上司からアドバイスをもらったり、上司に動いてもらったりして解決に導くのです。ただし、早く解決した方がいい問題は1on1を待たずにすぐ相談しましょうね。

一度のミーティングで解決しなければ、相談した内容の進捗状況や課題についてをその次の1on1で継続して報告することもあってもよいと思います。

他にも、今後の目標やプロジェクトに関するスケジュールを共有したり、具体的な成果物があればそれを見せたり、抱えているタスクを可視化して共有するのもよいですね。

話題2:キャリアビジョンや目標を伝える

「入社後にやりたいこと」や「今後のキャリアビジョン」は、中途採用の面接時には聞かれますが、その後の仕事の場では意外と話題にならないものです。しかし、キャリアビジョンや志向について上司に把握しておいてもらうことは重要です。

1on1は普段なかなか話せないことを伝える絶好の機会。「昇進していきたい」「今は営業部だがマーケティングにも興味がある」「もっとこんな経験を積んでいきたい」「●●ができるようになりたい」といった、あなたの希望を伝え、「そのためには何を頑張ったらいいか」と相談することで、上司からフィードバックをもらう会話の流れができます。

また、特にキャリアビジョンや希望がない場合は、自分の強みや弱みについて上司がどう思っているのかを聞くのもアリです。「前職ではここが弱いとよく言われていたのですが、●●さんから見てどうですか?」など、自己評価を率直にぶつけてみて、上司の評価を聞いてみましょう。「それなら●●さんが得意だから今度ノウハウを聞いてみたらどうだろう」「私からはそう見えていないし、●●なところはあなたの強みとも言えるよね」など、アドバイスやサポートを引き出せるかもしれません。

上司は何を評価しているのか、自分に何を求めているのかを確認することもできるので、仕事へのモチベーションアップにもつながります。そもそも1on1って、そうした人材育成のためのものでもあるんですよね。

話題3:会社への疑問や気になったことを質問する

チーム全員に対してフィードバックされた内容でよく分からなかったこと、みんなの前では質問しにくいことってありますよね? 1on1はそうした小さなモヤモヤを解消する場にもなります。

例えば、「最近できたあの制度って、何で作ることになったんですか?」「今期の事業部の目標がやたら高い気がするのですが、どういう意図なんですかね?」などは、会社の方針について深く理解するための質問ですから、上司側もきちんと説明する良いチャンスと思うはずです。

自社や組織のことだけでなく、業界全体やニュースに関することなど、何か1つのテーマについて議論や意見交換をすることで、上司の視点でものごとを見れるようになる効果もあるでしょう。

話題4:同僚や仕事関係者のリサーチ

ちょっとした「根回し」のような感じになりますが、中途入社者が会社やチームに早く溶け込むのに役立つ情報収集もできます。

例えば、「今度のプロジェクトの営業部の担当が●●さんという方らしいのですが、ご一緒されたことありますか? どういうタイプの方ですか?」や、「うちの社長ってどんな趣味があるかとかご存知ですか? 実は先日、エレベーターで社長と一緒になったのですが、話すことに困っちゃって(笑)」といったイメージです。

ただし、プライバシー情報や上司の個人的な評価を聞いてしまうと問題になりかねないので、タイミングや聞き方に配慮は必要です。「うちのチームでのコミュニケーションをスムーズにするコツって何だと思いますか?皆さんと良い関係で協業できるようになりたくて!」といったチーム全体に関する聞き方をすると無難かもしれません。

伝え方注意な話題も

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1on1のネタ探しのヒントは見つかりましたか?

結構まじめな内容が多かったので、現状の「雑談タイム」との乖離が大きいと感じてしまったかもしれませんが、大丈夫! 雑談で笑い合ってリフレッシュしたり、プライベートを共有して関係性を深めたりするのも1on1の立派な使い方です。

相談者さんのように、「1on1とは一体……」と迷宮入りしてしまいそうな場合は、仕事の話題とプライベートの話題のバランスを少し気にしてみるとよいかもしれませんね。

最後に、1on1で避けた方がよいテーマ、伝え方に気を付けたいテーマについてアドバイスがあります。それは、「誰かのことではなく自分の話をしよう」です。例えば会社に対して疑問に思っていることが、「●●さんってぜんぜん仕事しないのにどうして怒られないんですか!?」といった、不満、愚痴、告げ口っぽい内容の場合、そのまま伝えるのは印象がよくありません。同僚についての情報収集も同様に、うわさ話にならないように注意が必要です。

「誰かの話」ではなく、あくまでも「自分の話」を伝えるようにしましょう。先ほどの例を言い換えると、「こういう風に思っちゃったんですけど、私って気にしすぎですかねぇ」といった感じでしょうか。

次回の1on1で上司と有益な会話を行えるよう、これらのポイントを頭の片隅に置いて、臨んでみてくださいね。

相談室の人
ねも姉

ねも姉

転職情報誌の編集・ライティング、求人広告営業、新卒採用人事、転職サイトのマーケティングなど、さまざまな立場で人材業界にどっぷり浸かり15年超。転職者や人事、経営者など300人以上への取材などで得た知識や自身の転職経験を生かして、転職ノウハウや転職後の活躍応援コンテンツを発信中。最近は小一の息子の忘れ物癖が直らないのが悩み

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