新型コロナのミドル・エグゼクティブ転職への影響について(4/24時点)

新型コロナのミドル・エグゼクティブ転職への影響について(4/24時点)

斉藤由梨
2020 / 4 / 24

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、多くの方が働き方、働く環境の変化という大きな影響を受けているのではないでしょうか。転職活動にもその影響が少しずつ出ており、今回は現在までにどういった影響があるのか、ないのかをお話しいたします。

■これまで起きた変化

・選考方法の変化

これは、ミドル・エグゼクティブの転職に限りませんが、外出自粛・感染防止の現状の中で、対面での面接実施が難しい為、オンライン面接に多くの企業が切り替えつつあります。企業によっては選考の全てをオンラインで完結し内定に至るケースも少なくありません。
一方で、最低1回は対面の面接実施を望む企業もあり、そうした企業の選考が内定まで至るには緊急事態宣言明け以降になる見込みです。

・採用の延期

緊急事態宣言が発令される中で、該当期間中、もしくは状況が見通せない中で採用活動そのものをストップする企業も一部出ています。
ただし、ミドル・エグゼクティブ転職は、中長期的な事業・人員計画の元で採用を行っている為、コロナウイルスの状況下で良い人材と出会う機会を断絶するのではなく、選考手法の変更によって出会える機会があるのならと採用活動を継続している企業が多い傾向です。
一方で、外出自粛等がダイレクトに事業環境に大きく影響する業種においては、ミドル・エグゼクティブでも新規の採用をストップするケースも出ています。

■起きていない変化

・採用活動のストップ

上述の通り一部の企業では採用の延期や停止も見られますが、数としてはそれほど多くなく、変わらず募集を続けているケースが多いのが、ミドル・エグゼクティブ転職・採用の特徴です。
中長期の事業・組織展開を考えたときに、中核人材の採用は景気や社会情勢の変化とは関係なく、採用しておきたいと考えている企業が多いようです。
また、ミドル・エグゼクティブは即戦力採用が多い為、入社後の教育コストがかからない反面、事業にプラスとなる側面からも採用にブレーキがかかりづらいです。

ただし、今後新型コロナウイルスによる経済活動の大きな制限が長期的に続くようであれば、直ちに事業環境への影響がなかった業種・企業も業績が悪化し、あらゆる新規の採用を行う余裕がない企業が出てくる可能性があります。

■今後考えられる変化

・採用に影響が出る企業と出ない企業の二分化

新型コロナウイルスの影響が長引くことで、事業へのマイナス影響が大きい企業と、プラス影響に変えられるもしくは大きな影響を受けない企業とで二分化される可能性があります。
マイナス影響が大きい企業は組織の中核人員でも採用を行う余裕がなくなり、プラス影響の企業は中核人員を中心に積極的に採用が行われることが推測されます。
新型コロナウイルスは私たちにワークスタイル変革を強制的にもたらしており、オフィスでの業務に縛られないワークスタイルを推進・支えるビジネスは、これを期に更に成長していくことになりそうです。

・求められるスキルの変化

上述の通り私たちのワークスタイルに変化がもたらされるということは、そのワークスタイルの中で必要なスキルが変化する可能性があります。
特にミドル・エグゼクティブ転職で留意しておきたいのが、マネジメント力です。 ミドル・エグゼクティブの皆さんの多くが何かしらのマネジメント業務に携わっています。

一方で、オフィスに集まることを前提としない場合、マネジメントをface to faceで利かせることができなくなります。
良く知った間柄であれば問題ないかもしれませんが、転職して相手が良く理解できていない段階から、オンラインだけでマネジメントする状況が考えられます。新たな環境で、face to faceがなくてもマネジメントできる力が必要とされるかもしれません。

入社直後から在宅勤務を前提とする環境下で、管理職としてチームを把握し、適切な影響力を発揮することは簡単ではないとの判断から、管理職一つ手前のタイトルで入社することを希望されるケースも既に出てきております。

参照:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について