成長企業におけるBPR/業務改善担当というキャリアの魅力

成長企業におけるBPR/業務改善担当というキャリアの魅力

伊藤直也
2019/ 8 / 16

今回は、IT業界の中でも、経理、人事、SFAといった、業務改善・業務改革系プロジェクトを得意とされる方に向けて書いてみました。

この分野は総合ファームを筆頭に積極採用が続いておりますが、かつては経理財務、人事総務以外は一まとめにされがちであった、SCMやCRMといった領域が部門として独立し、今や3桁強の組織を抱えるのが通常になっている…といった状況を見ると、本当に発展・成長しているマーケットであることを実感します。

そして、コンサルティングファームももちろん魅力的な選択肢ですが、それ以外の選択肢をあまり見いだせていなかったりする方も珍しくない印象につき、コンサルティングファーム以外での活躍の場について言及してみたいと思います。

具体的には、事業会社でのBPR/BPO担当です。実際、これは割とすぐに想起される選択肢ではあるのですが、選び方の面で着目されていない部分も少なからずございます。

一般的な選び方としては、ご自身の得意領域/専門分野にマッチしているか?を軸に考えられる方が多いです。

もちろん、この考え方はセオリーとしては有効であり、スキル/経験を生かして活躍できる想像がしやすいことから、面接での受け答えにも自身が持てることも大きいです。

ただし、BPRに強みをお持ちの方が、スキル/経験面でマッチする求人がたくさんあるとは限らず、意外に見つける作業が大変であるというのが実情です。

そのため、もし急ぎで色々選択肢を見たい!という方は、多少苦労する必要があるかもしれません。

そうした中でオススメしたい分野として、成長企業の業務改善担当という選択肢がございます。

具体的には、
・中核事業が軌道に乗っており、一定の勝ちパターンが確立されている
・業績はもちろん、組織拡大においてもアクセルを踏んでいる (中途採用だけでなく、新卒採用も始まっているなど)
・将来に向けて上場を見据えており、内部管理体制も強化したいが、ルール・仕組みで縛ることによって今の勢いを失うことは避けたい
・現在の中核事業に加え、新規事業もいくつか仕込んでいる
といったような会社様をイメージしていただければと思います。

上記のような会社様は、順調に拡大を進めていく一方で、組織の拡大/複雑化に伴い、情報共有や業務・経営管理の手間が増大、組織維持や運営コストが増える場面が見られるようになります。(今までスプレッドシートで管理していた情報が限界になるなど)

そのため、業務効率、内部管理強化、セキュリティ、コストなど、様々な要素でバランスを取りながら、業務体制・業務フローの見直しや、新たなITツールの活用などに取り組む存在が必要とされるようになります。

そうした経緯から、社内BPR担当や、社内ITコンサルタント、といった名称/役割の募集に至るケースが多く見られます。

特に直近では、SaaSやRPAなど、スピーディーかつリーズナブルに導入できるツールも増えており、よりBPRとしての選択肢・武器が増えているという印象があります。

なお、こうした社内BPR/ITコンサルタントは、営業/マーケティングや人事・経理などの経営管理まで幅広く担うことが求められることが特徴であり、これまでの得意分野をベースにスキルの幅を広げていく、あるいは、会社の業務体制全般を統合的にアプローチするため、経営や事業運営全体を支えるような醍醐味を感じたい方には、特にオススメしたい役割となっております。

また、成長企業の場合は全体的に投資モードであることから、コスト削減よりも、生産性や従業員満足といったミッションで仕事ができる機会が多いです。

そのため、大手企業のBPR担当として主なミッションが、”コスト削減”であった方などからすると、より前向きに仕事に取り組んでいくことが出来ると感じられることもございます。(もちろんコスト削減も業績には大きく貢献はしますが)

また、そこから更に見方を掘り下げた際に、「労働集約要素のあるビジネスモデルの方が活躍の場が多い」という考え方も一つの切り口ですので、ぜひご参考いただきたいです。

メディアやゲームなど、技術/クリエイティブや、マーケティングが大きな影響力を持つ事業よりも、ECやSaaS、人材サービス、広告代理店など、ある程度の労働集約要素があるビジネスモデルの方が、業務改革の需要が高く、BPRによる影響が大きい傾向にあります。

特に、オペレーションを競争優位性となるレベルまで磨き込んでいくことを目指す/意識のある会社様においては、経営から現場まで改善に対する意欲/意識が高い傾向にあります。

そのため、BPR人材が活躍し、実績を築くことによって様々なキャリア機会が得られることをより期待しやすいと同時に、自身の工夫が顧客満足に直結するような醍醐味を体感できる場面が多いことなどが特徴として挙げられます。

また、そうした会社様の場合、新規事業を立ち上げる際にも、ビジネスモデル設計=オペレーションモデル設計となることが多いことから、新規事業立ち上げを任される、事業責任者へステップアップするなど、事業開発に近いキャリアを得られる機会も見出しやすいと言えます。

いかがでしょうか。

今回は少しポジショントーク気味ではありますが、比較的、納得感を持っていただける内容でしたので、ブログとしてまとめてみました。

何かの参考にしていただけると幸いです。